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第26話
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「じゃあ、案内してもらおうかしら」
「はい。こちらです」
こうしてあたしはギルバートに連れられて大会登録と講習を受けに中に入ったのだった・・・
「あー、やっと終わったぁ」
あたしがそう呟いたのは講習が始まってから十日がたった日のことだった。
いまは講習が終わり、自分にあてがわれた部屋のソファアに腰掛けている。
ギルバートとは城で別の仕事があるといって十日前に別れた。
まあ、絶対に応援しに来ますって言ってたからまた明後日には会えるんだろうけど・・・どうにも応援されるのって苦手なのよね・・・いいや、明後日のことは明後日に考えよっと。
さぁて、明日は何をしようかしら。
何でも、大会前日まで講習を受けるのは試合に差し支えるだろうということで講習は大会開始より十一日前までには始めなければならないとのことだった・・・あたしぎりぎりだったじゃんとその話を聞いたときには肝を冷やしたものだ。
さすがにぎりぎりに来る人は少ないらしく、あたしの他に講習を受けてた人は数人だった。
ちなみに講習の内容は、試合の細かなルール、儀礼方法、世界大会にまつわる歴史、大会参加者のプロフィールの解説・・・これが一番時間がかかった・・・誓約書への記入、対戦相手の決定・・・これはくじで決められる。
あたしの試合は中間辺りで、対戦相手はベルナルト・ザバーヌ、名前は聞いたことがあるから腕はたつのだろう。
大会用のパンフレット・・・講習の時に配られた・・・には似顔絵と年やプロフィールなどが記載されており、相手のことは大体分かるのだけど、あたしの中では先入観を持つのは危険となっているので、あえて読んではいない。
まあ、レベン・アインターブ、シークス・ブライト、ダラス・ガインのところは読んだけど・・・すみません自分のも読みました・・・だって気になるのだもの、しょうがないでしょ。
内容は誰が調べたのか分からないけど、結構正確だったわ。
でも、完全じゃなかったから信用しきるのはやっぱり危険だと思ったけどね。
レベンの耳のこと何か書いてなかったし。
もう寝ようっと・・・明日どうするとしても寝れるときは寝ておかないとね。
あたしはすぐさま寝る準備をし、眠りについた。
「なんだとはご挨拶だな」
ハットをかぶった白髪の老人は男の問い掛けに気分を害した素振りなど微塵も見せずにただ言葉だけは帰す。
「何しにきた?」
男は老人の言葉には何も反応しないで、聞きたいことだけを聞く。
「なになに、世界を救った英雄になった瞬間を見に来たんだが・・・どうやら見逃してしまったみたいじゃの」
老人は男の剣を・・・正確には剣についた血をあらためてよく見ながら言った。
「ふん、心にもないことを」
男が破棄捨てるようにいいかえす。
「まあ、おまえさんがどう思おうと勝手だがな。とにかくこれでおまえさんも英雄の仲間入りになったわけじゃが、どうするんじゃこれから?」
「そんな名誉はいらない」
老人の問いに男は間髪入れずに答えた。
「なんとっ!名誉を欲しないと申すか!じゃが、かつてきゃつを倒した者達はみな英雄として歴史に名を刻んできたのじゃぞ」
「そんなことは関係ない、俺は何もできなかったんだからな」
「なにを言っておる、おぬしはちゃんときゃつを倒したではないか、例え眠りにつかせただけとはいえな」
老人が男を納得させようとする。
「・・・」
男は無言で立ち上がり、剣を逆手に持ち ギィィィン 地面に突き刺した。
「あんたが何といおうが、俺は英雄になる気はない。自分だけ良ければいいなんて考えは俺にはできない」
男は柄から手を離し、これ以上話すことはないというかのように老人に背を向け歩きだす。
「・・・そこまでいうのならもう何もいうまい。これからどうする気だ?」
「・・・やつを無効果する方法を探す。俺の人生を賭けてでも・・・」
男は振り返らずに、決意を語り、そのまま歩み去っていった。
「まったく、変わった男よのぅ」
老人の声だけが誰もいなくなった空間を震わせるのだった・・・
「はい。こちらです」
こうしてあたしはギルバートに連れられて大会登録と講習を受けに中に入ったのだった・・・
「あー、やっと終わったぁ」
あたしがそう呟いたのは講習が始まってから十日がたった日のことだった。
いまは講習が終わり、自分にあてがわれた部屋のソファアに腰掛けている。
ギルバートとは城で別の仕事があるといって十日前に別れた。
まあ、絶対に応援しに来ますって言ってたからまた明後日には会えるんだろうけど・・・どうにも応援されるのって苦手なのよね・・・いいや、明後日のことは明後日に考えよっと。
さぁて、明日は何をしようかしら。
何でも、大会前日まで講習を受けるのは試合に差し支えるだろうということで講習は大会開始より十一日前までには始めなければならないとのことだった・・・あたしぎりぎりだったじゃんとその話を聞いたときには肝を冷やしたものだ。
さすがにぎりぎりに来る人は少ないらしく、あたしの他に講習を受けてた人は数人だった。
ちなみに講習の内容は、試合の細かなルール、儀礼方法、世界大会にまつわる歴史、大会参加者のプロフィールの解説・・・これが一番時間がかかった・・・誓約書への記入、対戦相手の決定・・・これはくじで決められる。
あたしの試合は中間辺りで、対戦相手はベルナルト・ザバーヌ、名前は聞いたことがあるから腕はたつのだろう。
大会用のパンフレット・・・講習の時に配られた・・・には似顔絵と年やプロフィールなどが記載されており、相手のことは大体分かるのだけど、あたしの中では先入観を持つのは危険となっているので、あえて読んではいない。
まあ、レベン・アインターブ、シークス・ブライト、ダラス・ガインのところは読んだけど・・・すみません自分のも読みました・・・だって気になるのだもの、しょうがないでしょ。
内容は誰が調べたのか分からないけど、結構正確だったわ。
でも、完全じゃなかったから信用しきるのはやっぱり危険だと思ったけどね。
レベンの耳のこと何か書いてなかったし。
もう寝ようっと・・・明日どうするとしても寝れるときは寝ておかないとね。
あたしはすぐさま寝る準備をし、眠りについた。
「なんだとはご挨拶だな」
ハットをかぶった白髪の老人は男の問い掛けに気分を害した素振りなど微塵も見せずにただ言葉だけは帰す。
「何しにきた?」
男は老人の言葉には何も反応しないで、聞きたいことだけを聞く。
「なになに、世界を救った英雄になった瞬間を見に来たんだが・・・どうやら見逃してしまったみたいじゃの」
老人は男の剣を・・・正確には剣についた血をあらためてよく見ながら言った。
「ふん、心にもないことを」
男が破棄捨てるようにいいかえす。
「まあ、おまえさんがどう思おうと勝手だがな。とにかくこれでおまえさんも英雄の仲間入りになったわけじゃが、どうするんじゃこれから?」
「そんな名誉はいらない」
老人の問いに男は間髪入れずに答えた。
「なんとっ!名誉を欲しないと申すか!じゃが、かつてきゃつを倒した者達はみな英雄として歴史に名を刻んできたのじゃぞ」
「そんなことは関係ない、俺は何もできなかったんだからな」
「なにを言っておる、おぬしはちゃんときゃつを倒したではないか、例え眠りにつかせただけとはいえな」
老人が男を納得させようとする。
「・・・」
男は無言で立ち上がり、剣を逆手に持ち ギィィィン 地面に突き刺した。
「あんたが何といおうが、俺は英雄になる気はない。自分だけ良ければいいなんて考えは俺にはできない」
男は柄から手を離し、これ以上話すことはないというかのように老人に背を向け歩きだす。
「・・・そこまでいうのならもう何もいうまい。これからどうする気だ?」
「・・・やつを無効果する方法を探す。俺の人生を賭けてでも・・・」
男は振り返らずに、決意を語り、そのまま歩み去っていった。
「まったく、変わった男よのぅ」
老人の声だけが誰もいなくなった空間を震わせるのだった・・・
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