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第94話 護衛⑥
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「どうぞこちらへお入りください」
あのあと、しばらくしてルマイルがやって来てルークとミリーナを食堂へと連れて行った。
「ルークさん!」
中へ入ると満面の笑みでイリアが出迎える。
「さあ、お座りになって!」
イリアに勧められるままルークとミリーナは席につく。
長いテーブルだ。
手前から奥まで十人は座れる程の距離がある。
「凄い食堂ですね!」
ミリーナがソワソワしながら食堂の内装に驚きの声を上げる。
「ありがとう!ミリーナさん」
ルークとミリーナ、イリアは縦長のテーブルの中央に向かい合うように座っている。
ルークの右隣がイリア、ルークとイリアの向かい側にミリーナといった具合だ。
(この席配置、イリア様の作為を感じるわね)
ミリーナが声を出さずに頭の中で吐露する。
ルークの方はと言うと、
(護衛する上ではこの席配置は妥当ではあるな)
などと思っていた。
まずは、食前酒が運ばれてくるので、それぞれが頂く。
「美味しい!」
「確かに上手いな」
「ふふ、ありがとうございます」
「ところでイリア様、宜しいですか?」
ルークがイリアに声をかける。
「ええ、もちろんですわ」
「我々の護衛任務の細いところを話して起きたいのですが・・・」
ルークはあえて、テーブル奥の不在の席を見ながらそう言う。
「?・・・ああ、御父様ならまだ戻っていないみたいですの。御母様もですが、、、」
イリアが申し訳無さそうに言う。
「やはりお忙しいのですね」
ミリーナが相槌を打つ。
「はい。余り一緒に食べることもできなくて」
イリアが寂しそうに答える。
「でも、ルークさんやミリーナさんがいるからしばらくは楽しいに違いないですわ!」
「光栄です。ところでイリア様、誘拐犯もしくは誘拐を指示してくる相手に心当たりはありませんか?」
ルークが別の質問をする。
「・・・ありませんわ」
イリアが少し考えた後に否定をする。
「ルーク、それってどういう意味?領主様からの身代金目当てや嫌がらせとかじゃないの?イリア様の前で言いたくはないけど領主の仕事をしている中でどこで恨みを買っているかもしれないじゃない?」
ミリーナがイリアの様子を伺いながら、意外そうにルークに確認をとる。
「確かにその可能性もあるが、イリア様本人目当ての可能性もあると思ってな」
「なるほど」
ミリーナが納得する。
イリアはゼーラの街でも有名な美女だ。
本人目当ての犯行の可能性もあり得るだろう。
「では、質問を変えます。イリア様にしつこく言い寄ってくる相手はいませんか?」
「・・・」
ルークの言葉を聞いて黙り込むイリア。
「いるんですね?」
その様子を見てルークが再度確認をとる。
「・・・はい」
漸く、イリアが肯定したのだった。
あのあと、しばらくしてルマイルがやって来てルークとミリーナを食堂へと連れて行った。
「ルークさん!」
中へ入ると満面の笑みでイリアが出迎える。
「さあ、お座りになって!」
イリアに勧められるままルークとミリーナは席につく。
長いテーブルだ。
手前から奥まで十人は座れる程の距離がある。
「凄い食堂ですね!」
ミリーナがソワソワしながら食堂の内装に驚きの声を上げる。
「ありがとう!ミリーナさん」
ルークとミリーナ、イリアは縦長のテーブルの中央に向かい合うように座っている。
ルークの右隣がイリア、ルークとイリアの向かい側にミリーナといった具合だ。
(この席配置、イリア様の作為を感じるわね)
ミリーナが声を出さずに頭の中で吐露する。
ルークの方はと言うと、
(護衛する上ではこの席配置は妥当ではあるな)
などと思っていた。
まずは、食前酒が運ばれてくるので、それぞれが頂く。
「美味しい!」
「確かに上手いな」
「ふふ、ありがとうございます」
「ところでイリア様、宜しいですか?」
ルークがイリアに声をかける。
「ええ、もちろんですわ」
「我々の護衛任務の細いところを話して起きたいのですが・・・」
ルークはあえて、テーブル奥の不在の席を見ながらそう言う。
「?・・・ああ、御父様ならまだ戻っていないみたいですの。御母様もですが、、、」
イリアが申し訳無さそうに言う。
「やはりお忙しいのですね」
ミリーナが相槌を打つ。
「はい。余り一緒に食べることもできなくて」
イリアが寂しそうに答える。
「でも、ルークさんやミリーナさんがいるからしばらくは楽しいに違いないですわ!」
「光栄です。ところでイリア様、誘拐犯もしくは誘拐を指示してくる相手に心当たりはありませんか?」
ルークが別の質問をする。
「・・・ありませんわ」
イリアが少し考えた後に否定をする。
「ルーク、それってどういう意味?領主様からの身代金目当てや嫌がらせとかじゃないの?イリア様の前で言いたくはないけど領主の仕事をしている中でどこで恨みを買っているかもしれないじゃない?」
ミリーナがイリアの様子を伺いながら、意外そうにルークに確認をとる。
「確かにその可能性もあるが、イリア様本人目当ての可能性もあると思ってな」
「なるほど」
ミリーナが納得する。
イリアはゼーラの街でも有名な美女だ。
本人目当ての犯行の可能性もあり得るだろう。
「では、質問を変えます。イリア様にしつこく言い寄ってくる相手はいませんか?」
「・・・」
ルークの言葉を聞いて黙り込むイリア。
「いるんですね?」
その様子を見てルークが再度確認をとる。
「・・・はい」
漸く、イリアが肯定したのだった。
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