他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石

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第161話

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「「「おおおおおお!!!」」」

ユイの言葉を受けた生徒達がとんでもなく興奮する。

「早速、選抜を始めたいと思うが、他に確認することはあるか?」

「4年生の中の1人って誰なんですか?」

グレイが名前を知らない一人の男子生徒が尋ねる。

「・・・む。そうだ、言ってなかったな」

ユイがそう前置きをした後、

「4年生の代表の1名は、当然1年からずっと首位を取り続けている『アリシア・エト・バルム』だ」

ニヤリとアリシアを見ながら宣言する。

生徒達は沈黙をした後、

パチパチパチパチパチ

「流石だ、アリシア様!」

「アリシア様最高!!」

「アリシア凄い!」

「アリシアさんなら当然だよな」

アリシアのことを絶賛する。

グレイもアリシアの方を向くと、

「アリシア、おめでとう」

アリシアにしか聞こえない声量で祝いの言葉を送る。

「ありがとうございますわ。グレイ」

周りに褒められ、愛想笑いを浮かべていたアリシアはグレイの言葉にすぐに気がつき、顔を向けるととても嬉しそうに笑った。

「アリシア・エト・バルム、まだ少ししか担任になっていないが君の担任であることが誇らしいよ」

ユイがアリシアに向かって賛辞を送る。

「ありがとうございますわ」

アリシアはユイの言葉を受け、頭を下げる。

「うむ。【魔法武闘会】も頑張ってくれたまえ」

ユイが、満足そうにアリシアに声を掛けた。

そして、生徒達に顔を向けると、

「というわけで、今回の【魔法武闘会】への4年生からの参加者は3人。これは前代未聞の素晴らしい事だ。更に全てがS組から選抜される。今から始める選抜試練を心して受けてくれ」

「「「はい!!」」」

ユイの言葉に生徒達が気持ちよく返事をする。

「よし。今から一週間だ。その時にS組内での選抜トーナメントを行う。それまでは私の権限で授業は免除だ。各々一週間後に備え、励め!!」

「「「はい!!!」」」

「訓練施設も空いていれば使って構わん。何か困ったことがあれば私に言え、何とかしてやる!」

「「「はい!!!!!」」」

「よし!では、今から動いて構わん」

ドドドドドッ

ユイの開始の挨拶を聞いてクラスメイト達がこぞって教室を出ていった。

訓練の場所を探しに行ったのだろう。

「ん?」

教室に残っていたユイが、疑問の声を上げる。

「アリシア・エト・バルムは出場が決まっているから分かるとしてお前はどうしてここにいるんだ?グレイ・ズーよ」

教室に残っていた生徒2人の内の1人であるグレイに向かって話しかけた。

グレイはユイの言葉を聞くと肩を竦める仕草をしてから、

「どうしても何も先生もご存知でしょう?私の魔力では【魔法武闘会】に出られるとは思っていません。それでしたら今は訓練をするよりも休んでいた1ヶ月の間の座学の内容を取り戻す時間に充てた方が良いと思っただけですよ」

淡々と言ってのけた。

そして、教材を取り出し始める。

ユイはグレイの様子をじっと見た後、

「ふむ。そうか。好きにするが良い。私は行くが何かあったら呼びに来い」

端的に言うと教室を離れて行ったのであった。
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