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第188話
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「大丈夫か?」
数人の男子生徒達が立ち去ったのを確認した後、ゾルゲがグレイに近づいて声を掛ける。
「ああ。お前が来てくれたからな。助かったよゾルゲ」
グレイは素直にゾルゲに礼を言う。
「ふん・・・俺が来てなくても問題無かっただろうが・・・」
ゾルゲはぶっきらぼうに返事をした。
「いや・・・買い被り過ぎだよ。正直危なかった」
グレイは頬を指で掻きながらそう言う。
(負けるつもりも屈するつもりも無かったが無けど、傷で済むとは思っても見なかったからな・・・【エリクサー】を使わざるを得なかった・・・そうしたらどうなっていたか・・・助かったぜ・・・)
ゾルゲが止めてくれなかったら、【エリクサー】のことがバレるまでは行かなくてもグレイの異常性が発覚してしまって居ただろう。
そうなった場合、平穏な学園生活が送れなくなっていたかもしれない。
(もしかしたら黙ってやられていたら良かったかも知れないが、それはそれでアリシアに怒られそうだしな・・・)
「そんな訳はあるまい。それにお前は俺に勝った男だ・・・あんな連中に負けるなど許さぬぞ・・・」
「あ、ああ・・・」
ゾルゲの言葉にグレイは何とか返事をする。
(・・・まさか、ここにも俺が負けると怒る奴が居たとは思っても見なかったぞ・・・)
「・・・ああ言う連中は以前から居たのか?」
グレイがゾルゲの意外な言葉に呆然としているとゾルムが聞きづらそうに聞いてくる。
グレイはその言葉を聞き、今までのことを思い返す。
「いたな・・・クラスメイト中に追いかけられたり、『決闘』を挑まれたり・・・」
グレイは『決闘』という件《くだり》のところでゾルゲを見ながら質問に答える。
すると、ゾルゲは見るからに動揺した後、
「うっ・・・そうだったな。あの時は本当に申し訳なかった。平民だという出自からくる決めつけでお前を・・・いや、グレイを完全に下に見ていたからな・・・」
意外にも申し訳無さそうに返してくる。
「別に良いさ。正直なところ、いちゃもんをつけられて腹もたったが『決闘』が終わって落ち着いたら、お前・・・ゾルゲのようにああやって正々堂々とぶつかって来てくれる奴は居なかったからな。清々しかったよ」
ゾルゲの態度から言うつもりも無かった言葉がグレイの口から自然と出てきた。
ゾルゲは一瞬驚いた後、
「そう言ってくれると少し救われる。もしああ言う連中で困ったら相談してくれ。微力ながら力になる。グレイもアリシアの力に頼りたくないときもあるだろうしな」
ゾルゲがグレイに対してふっと笑いながらそう告げる。
「・・・ああ、ありがとう。そういう時は相談させて貰うよ」
今度はグレイが驚きながら、ゾルゲにそう答える。
ゾルゲはグレイの返事に対して満足そうに頷いた後、
「それはそれとして、せっかく今会えたから言っておく。俺はもう一度グレイと戦いたい。それはグレイが気に入らないとかそのような感情からでは無く、純粋に学生としてグレイと言う壁にもう一度向かい合って見たいからだ。できれば選抜トーナメントでは無く、【魔法武闘会】で戦って見たい」
利き腕である右手を差し出しながら熱い言葉をかけてくる。
グレイはその言葉に笑みを浮かべると、
「ああ。そう言う真っ当なものなら拒む理由もない。2度目は俺が負ける可能性が大だがもし対決する機会があれば是非そうしたい」
ゾルゲの右手を強く握ったのだった。
数人の男子生徒達が立ち去ったのを確認した後、ゾルゲがグレイに近づいて声を掛ける。
「ああ。お前が来てくれたからな。助かったよゾルゲ」
グレイは素直にゾルゲに礼を言う。
「ふん・・・俺が来てなくても問題無かっただろうが・・・」
ゾルゲはぶっきらぼうに返事をした。
「いや・・・買い被り過ぎだよ。正直危なかった」
グレイは頬を指で掻きながらそう言う。
(負けるつもりも屈するつもりも無かったが無けど、傷で済むとは思っても見なかったからな・・・【エリクサー】を使わざるを得なかった・・・そうしたらどうなっていたか・・・助かったぜ・・・)
ゾルゲが止めてくれなかったら、【エリクサー】のことがバレるまでは行かなくてもグレイの異常性が発覚してしまって居ただろう。
そうなった場合、平穏な学園生活が送れなくなっていたかもしれない。
(もしかしたら黙ってやられていたら良かったかも知れないが、それはそれでアリシアに怒られそうだしな・・・)
「そんな訳はあるまい。それにお前は俺に勝った男だ・・・あんな連中に負けるなど許さぬぞ・・・」
「あ、ああ・・・」
ゾルゲの言葉にグレイは何とか返事をする。
(・・・まさか、ここにも俺が負けると怒る奴が居たとは思っても見なかったぞ・・・)
「・・・ああ言う連中は以前から居たのか?」
グレイがゾルゲの意外な言葉に呆然としているとゾルムが聞きづらそうに聞いてくる。
グレイはその言葉を聞き、今までのことを思い返す。
「いたな・・・クラスメイト中に追いかけられたり、『決闘』を挑まれたり・・・」
グレイは『決闘』という件《くだり》のところでゾルゲを見ながら質問に答える。
すると、ゾルゲは見るからに動揺した後、
「うっ・・・そうだったな。あの時は本当に申し訳なかった。平民だという出自からくる決めつけでお前を・・・いや、グレイを完全に下に見ていたからな・・・」
意外にも申し訳無さそうに返してくる。
「別に良いさ。正直なところ、いちゃもんをつけられて腹もたったが『決闘』が終わって落ち着いたら、お前・・・ゾルゲのようにああやって正々堂々とぶつかって来てくれる奴は居なかったからな。清々しかったよ」
ゾルゲの態度から言うつもりも無かった言葉がグレイの口から自然と出てきた。
ゾルゲは一瞬驚いた後、
「そう言ってくれると少し救われる。もしああ言う連中で困ったら相談してくれ。微力ながら力になる。グレイもアリシアの力に頼りたくないときもあるだろうしな」
ゾルゲがグレイに対してふっと笑いながらそう告げる。
「・・・ああ、ありがとう。そういう時は相談させて貰うよ」
今度はグレイが驚きながら、ゾルゲにそう答える。
ゾルゲはグレイの返事に対して満足そうに頷いた後、
「それはそれとして、せっかく今会えたから言っておく。俺はもう一度グレイと戦いたい。それはグレイが気に入らないとかそのような感情からでは無く、純粋に学生としてグレイと言う壁にもう一度向かい合って見たいからだ。できれば選抜トーナメントでは無く、【魔法武闘会】で戦って見たい」
利き腕である右手を差し出しながら熱い言葉をかけてくる。
グレイはその言葉に笑みを浮かべると、
「ああ。そう言う真っ当なものなら拒む理由もない。2度目は俺が負ける可能性が大だがもし対決する機会があれば是非そうしたい」
ゾルゲの右手を強く握ったのだった。
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