【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

第3章 万年筆

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「こがねが……この生意気な娘が……」

　祖父は興奮して息も絶え絶えです。しろがねは優しく背中を撫でました。

「落ち着いて。大丈夫。家に戻りなよ。仕込みも片付けも俺がやっておく」
「ありがとう……お前は良い子だな……こがねと違って」
「こいつには俺が厳しく言っておくよ」

　しろがねは刃物の一閃のような鋭い眼光を私に向けました。恐怖を感じるほどの。