浮気されたけど特になんとも思ってません!!

みず

文字の大きさ
28 / 30

第27話 早く着替えておけば良かった

しおりを挟む
いきなり大声で叫んだので、周りのお客さんから注目されてしまった。恥ずかしいが、これでさっちゃんの緊張が少しでも和らげば良いんだけど。

「のぼ、お、応援ありがとうございます」

そう言ってお辞儀をした後、ぎこちない感じでポージングをしていた。一通り終わると、持っていたセンスで顔を隠してしまった。

「あの初々しさが良い。恥ずかしがってるのも良い!!」
「声聞いたか?可愛いな」
「こっち顔見せて~!!」
「「サッチー!!」」

周りの反応は悪くない。俺の叫び声がきっかけになったのかは分からないが、周りのお客さんもさっちゃんに声を掛けている。とりあえず一安心か。シーンとした雰囲気だったら余計緊張しちゃうもんな。

『おっと~?早速サッチーさんに多くのファンが出来ましたね!!私もファンになりそうです!!是非これからもコスプレを続けてもらいたいものですね。続いては・・・』

さっちゃんは、出番が終わって安心している様子だ。少ししてスタッフの案内で舞台から離れていった。

いきなりの大舞台で、緊張しながらも頑張ってたな。人の頑張りを見ると、よし俺もやるぞってなるよな。

『最後は、アイドルグループによるライブです。色々なキャラクターにコスプレしてるみたいなので、楽しみにしてくださいね。それでは、どうぞ~』

明るい曲が流れて、アイドル達が登場した。
テレビとかで見かけるアイドルグループを呼ぶとか凄いな。

俺は一旦仕事のことは忘れてライブを楽しんだ。

* * *

無事閉会式が終わり、事務所に戻ると、さっちゃんは、京子さんや女性スタッフの人達に囲まれていた。

「幸さん、本当に最高でしたよ!会場の反応も良かったし、私の目に狂いは無かったですね!」

京子さんは、だいぶ興奮しているな。

「ありがとうございます。でも恥ずかしかったです」

「そこは慣れですね。来年もまた出てほしいなぁ~って。チラチラ」

「そ、それはちょっと・・・やりたくないですね」

「冗談ですよ。今回は友人の娘にコスプレさせたくてね。でもって幼馴染くんも驚かせようというやつですよ。って言ってたら昇くんが来ましたね」

京子さんは、俺がいたのを気づいてたみたいだ。ニヤニヤしながら俺を見るのは止めてください。

「あ・・・昇くん・・・」

「さっちゃん、お疲れ様」

「う、うん。ちょっと恥ずかしいね。あっ、さっきは、掛け声ありがとね」

「あ、ああ」

「・・・」

コスプレしたさっちゃんを間近で見ると、少し緊張してしまうな。

「さ、さっちゃんが、コスプレするなんて思わなかったからびっくりしたよ」

「そ、そうだよね。最初は嫌だったけど、京子さんに説得されて出ちゃった・・・・・・ってことでドッキリ~大成功~」

さっちゃんは、良くテレビとかでよく見るドッキリと書かれた看板?を持っていた。そんなぬるっとドッキリ大成功って言われても・・・なんともだよ・・・あとそんな恥ずかしそうにやらないでよ。せめて堂々としててよ。とりあえず驚いたふりをしておこう。そして褒めちぎろう。逆に恥ずかしがらせてやるか。

「あ~、ドッキリかよ~。騙された~。さっちゃんのコスプレ似合いすぎてだめだ。しかも化粧してるでしょ?いつものさっちゃんと違って大人っぽいというか。美人というか」

茶化して言ってるけど、思っている事を言ってる。

「照れるから褒めないで!」

「褒めるよ。だって俺、サッチーのファン第1号だからな」

「もうサッチーって言わないで!!」

「青春ね」

うんうんって頷いてますけど、京子さん、これは青春ですか?





少しして、さっちゃんママさんが迎えに来てくれた。

「あらあら、さっちゃんその格好・・・似合ってるわね!!」

「あ~お母さん来ちゃった。早く着替えておけば良かった・・・」

「グッドタイミングだったみたいね。昇くん、さっちゃんと一緒に写真撮りたいんだけど良い?」

「俺は良いですけど」

「さっちゃん、写真撮って良い?」

「え~」

「いいじゃない。昇くんとの写真って高校の入学式の時に撮ったっきりじゃないの。久しぶりに撮りましょ!!」

「分かったよ」

「じゃあ、撮るわね。そんなに離れてないでもっとくっついて~写真に写らなくなっちゃうわ」

人1人分くらいしか離れてませんよ。

「さっちゃん、ごめん。ちょっと近づくね」

「うん・・・」

俺とさっちゃんは、肩と肩がぶつかるくらいの距離まで近づいた。

「もっと近づいて欲しいけど、今はこれくらいで許しておきましょうか。じゃあ、撮るわね~。はいチーズ」





「ちーちゃん。今日は2人を紹介してくれてありがとうね」

「いえいえ。お礼なら2人に言ってあげて」

「昇くん、幸さん、今日は本当にありがとうございました。はい、これ今日のバイト代ね。迷惑料込で入れておいたからね」

「「ありがとうございます」」

さっちゃんは、初めてのバイト代をもらって凄く喜んでいた。俺も久しぶりのバイト代だな。今度は自分のためになにか買おうかな。

「京子、じゃあ、またね。今度はゆっくりご飯でも行きましょ」

「そうだね。このイベントが終われば少し余裕が出来るから私から連絡するね」

* * *

「待って、昇くん」

さっちゃんと駐車場に向かう途中、誰かに声を掛けられた。

「うん?あ、ただのんか。どうした?」

流石にコスプレの格好はしていなかったが、メイクをしているせいか女の子に見える。

「あの、今日は助けてくれてありがとう。連絡してって言ってたけど、昇くんの連絡先知らなかったから教えて欲しいなって」

「ああ、確かに教えて無かったな。これ俺のIDね」

「え~と、これはどうやるの?僕友達いなかったやったことないんだ・・・」

「お、おう、こうやればオッケ~」

「ありがとう。じゃあ、連絡するね~」

「おう~。またな~」

ただのんは、急いだ様子で去っていった。あいつも忙しいのかもしれないな。

「ねぇ。昇くん?今日はちゃんとバイトしてたんだよね」

「おう、してたぞ。色んな場所を歩き回ったせいか疲れたな」

「じゃあ、さっきの可愛い子は誰?ナンパでもしてたんじゃないの?」

「おいおい、仕事中にナンパなんてするわけないじゃん」

「だって連絡先交換してた・・・」

さっちゃんは、俺が遊んでたと思ってるんだな。それでちょっと怒り気味なのかもしれないな。

「ただのんは、俺のクラスメイトだ。でもってあいつは男だから・・・ナンパとかするわけないだろ」

「男?昇くんが男の子と・・・」

えっと、幸さん?戻ってきてくれ~。

長かったような、短かったようなバイトが終わった。
今日は色々あったな~。迷子を助けたり、変な客がいたり、クラスメイトがコスプレヤーだったり、最後には幼馴染がコスプレして出てきたり。疲れたけど、楽しかったな。

充実した一日を過ごせて満足な昇だった。

====================
ここまで読んで頂きありがとうございます。

良かったら「お気に入り登録」「感想」を頂ければ、書くモチベーションが上がりますので、宜しくお願いします。
コメントも頂けると嬉しいです。できるだけ返信しようかと思ってます。
ただし、あまり強い言葉ですと、コメントを消すかもですのでご了承ください。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

処理中です...