ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ

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1章 異世界トラバース

1章ー3 卒業試験

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 僕が死んでから早1年と2カ月が経ちました。

 神様の訓練は痛いです。いえ、拷問と言っても生ぬるいほどです。

 最初の8カ月はひたすら神気を流され、神気を纏うことを目指したのですが・・・。僕は以前神気を無理やり纏うと車に引かれたよりも痛いと表現しました。が、流す神気がおおくなるとそんなものと比較するのもおこがましいほどの痛みが来ます。精神的に壊れなかった僕は自分をほめてあげたい。いや、神様がすぐに回復してくれたからですけどね。

 次の4カ月は神気を纏ったままの状態を維持することを学んだ。食べている時も寝ている時も、戦っている時も。神気を纏った状態を【神威】と呼ぶらしいのだが、神様は僕に【神威】が解けると激痛が襲う魔法をかけた。

 神様は神様ではなく、悪魔でした。そう叫んだことが何度あったことか。

 この4ヶ月も最初のころは、時々襲う不意打ちの激痛がトラウマになりそうだった。寝てるとき急に起こされたり、熱いものも食べている最中に激痛が襲い手に持ったあつあつのスープは僕の顔にかかって・・・・・・。

 戦闘訓練中はさらに辛い。【神威】を纏うだけでなく、状況に応じて強化しないとこれまた激痛が僕を襲った。

 そんなこんなで1年が経ちひとまずは戦闘に関することは終了になった。もちろんまだまだ、修行あるのみだが。

 次の2カ月はトラバースのことをを学びながら、魔力量をさらに上げる訓練と神気の扱い方の特訓を行った。いろいろと覚えることが多くて大変だったけど、痛くはなかった。この2カ月は天国でした。

そして今日、卒業試験となったのだ。

 「あれ? 師匠。卒業はまだ10カ月後ではないんですか?」

 途中から神様が私のことは師匠と呼べと言ってきたのでそれ以降は師匠と呼んでいる。そして、どうやら師匠の性格はわりと軽いことがわかった。最初は雰囲気が大事と無理していたみたいだ。

 「うーん、なんだ。緊急事態だ。ちょっと、マークしていた神に動きがあったみたいでね。僕も働かないといけなくなったわけさ。だから、ちょっと早いけど卒業試験。大丈夫、君なら立派に生きていけるよ、僕の弟子なんだから。全次元で最強の弟子だ(笑)」

 「はぁ、まぁ、いいんですけど。まだまだ教えてもらいたかったといえばそうですけど、忙しいのならしょうがないです。基礎は教えてもらいましたし」

 「そう言ってくれると助かると、クロノォ~」

 「はい、はい。それで試験はどうしたいいんですか? 山でも割ります? 海でも割ります?」

 「そんなことはしないでいいよ。僕との模擬戦闘だ。もちろん全力でね」

 はぁ、わかりましたよ。さらっとそれを回避しようと思って提案してみたけどダメでしたね。

 僕は空を蹴り、師匠と距離をとり上空へと向かう。師匠はその場から動かない。

 「それじゃ、時間無制限、待ったなし。はじめっ!!!」

 師匠の声が終わると同時に僕は師匠の後ろへと転移する。がもちろんそんなのは読んでいたとばかりの顔をして回し蹴りを繰り出す師匠。

 軽くジャンプして師匠の足を避け、それを足場にして再び僕は空へと駆ける。

 一瞬お互いの目が合うと、師匠が手を振り上げた。

 まずい、と思った時は拳大の炎の球が数百と師匠の上に浮かび、師匠の手が降ろされると同時にそれらは僕を襲う。

 転移で逃げる、つもりだったがどうやら師匠にキャンセルされていしまったみたいだ。僕は仕方なくその場で炎球を待ち受ける。

 迫りくる炎を僕は両手、両足を繰り出し撃ち落とす。数多の火球を打つ僕の姿はまるで舞っているかのようである。

 そして最後の火球を打ち抜くと、一瞬嫌な予感がしたのでその場でしゃがむ。と、師匠が転移して、そのまま僕の頭があった空間を拳で打ち抜く。

 もっとも油断した時を狙われた。火球を撃ち落としている時は気を張って感知に努めていたのに、あの瞬間僕は確かに気を抜いてしまったのだ。

 今の攻撃を避けれたのはホントに偶然、第6感のおかげだ。

 「なかなかいい動きだ。次はちゃんと受けてやるから攻撃してきな」

 「では、遠慮なく」

 僕は師匠の斜め後方に転移し、そのまま空を蹴って勢いをつけて師匠へ蹴りを繰り出す。が、かなりの威力のはずの蹴りは簡単に勢いを殺され、僕は足を掴まれ逆さま状態だ。

 「このやろぉっ」

 僕は体を捻って勢いをつけ掴まれた反対の足で師匠へ蹴りをおみまいしてやる。

 「汚い言葉遣いはやめなさいっ」

 師匠は追撃の蹴りもしっかりと受け止め、僕は両足ホールドされた状態でさらに逆さまだ。

 頭に血が上るよ~。ってふざけたコメントしてると、目の前から師匠の蹴りが飛んでくる。僕は思いっきり背筋で背をそらせて躱す。

 何度も繰り返していると、上空になにやら感じる。形は槍のようで、その切っ先は僕をね、狙ってる!?

 「師匠? さすがにこれは詰んでません?」

 「これから逃げれたら合格にしてやる。これぐらいできないとあいつには―――」

 「おぉぉぉぉぉぉぉおぉおおおおぉx」

 師匠の話が終わるのを待たず僕は大声をあげ、全力をだす。

 出しうる限りの魔力を纏え、極限まで圧縮しろ。

 上空の槍が解き放たれた。あれを食らえばきっと今まで感じたことない激痛が来るんだろうな。そんなことは許容できないし、なにより師匠に今の僕の全力を見せるんだ。正直なにがどうなってるかわからない状況だったけど、師匠は優しくも、厳しく僕のために時間を使ってくれた。

 ならば、僕は僕の全力をここで見せることで恩返しをしなきゃいけないんだ! 

 師匠の転移を阻害する力を振り切って、逃げるんだ。やらないと、できなければ男じゃない。

 やれる、やれる。僕はできる!! 僕は、神気に指向性を持たせるために敢えて、口にする。

 「転移!!!!!!!!!!!」
 
 と、同時に僕は少し横から爆音がするのを確認する。もちろん、槍が地面に激突した衝撃だ。

 やった、できた。

 「よし、とりあえず。攻撃・防御・【神威】どれも合格だ。あとは、自然現象を起こしたりだな、炎や水は結構できてるだろ?」

 「は、はい。たぶん? でも師匠との訓練で使うまでの精度はまだです。なので今回は自分の得意の近接だけにしておきました」

 「なるほど。まぁ、実際それだけでもかなりもものだった。それじゃ、改めだが、これから異世界、トラバースへ行ってもらう。正直なところ、もう少しいろいろ教えたかったが、すまんな。そうだ、代わりにスキルやろう」

 「スキルですか?」

 「あぁ、【神威】なんてものは人の世じゃ目立つと思う。君たちは目立たないってのが大事なんだろ?」

 ラノベでよくある主人公設定ですな。

 「まぁ、そうですね。どうなるかわからないけれど。ありがとうございます」

 「詳細は後でメモ渡すから確認してくれ。それじゃ、転移させるぞ」

 「はい、お願いします」

 僕はこれから始まる異世界生活に胸を弾ませる。どうやって生きていこうか、何をしようか!?

 「そうだ、言い忘れてた。トラバースにはお前さんに因縁があるやつがいるかもしれん。それじゃ、また会おう」

 「えっ? それってどういうこと? 師匠、説明プリーズ」

 師匠と目が合ったと思ったけど、すぐに白い光が僕を包み込む。

 あぁ、気になること言われたよ。もやもやする。

 そして僕を包む光が消えると先から感じでた浮遊感が消え、目の前には青々と茂る木々が見えた。

 やってきました異世界!!!



*****************************
明日からは平日1日1話を目安に投稿します。 *土日はどうなるか未定です。
拙い話ですががんばっていきます。

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毎日21時更新予定です。
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