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第40話 闇の獣人、新たな装備とアビリティを検証してみる

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 前書きです。今回は覇王竜の装備シリーズとラフィアスが衰弱死させて吸収した覇王竜のアビリティシリーズの解説がメインです。

 今回は文字数が一万を超えてしまっています。特に覇王竜の装備シリーズの解説が長いので、装備の簡単な効果が知りたい人は後書きをお読みください。全部ではないけど大体のことはわかるように書いていますので。 
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 覇王竜は罪人だったが、その能天気な所は嫌いにはなれなかった。テンション高すぎで己の見たい所しか見ていないような所があった。俺があいつを衰弱死させたのは何もあいつに同情しただけじゃない。あいつの装備しているサークレットとマントが欲しかったというのも半分ある。

 まあとにかく俺は無傷であいつを倒せた。それもこのダンジョンの敵として存在している以上、一週間ほどで復活してくるだろうけどな。

 それでもあいつの遺言? 死んでも時間の問題で復活してくるので遺言とは正しくないのかもしれないが、それでもあいつの言った通り、次に復活したあいつは俺の事なんて覚えていないだろう。だから今のうちにあいつから吸収したアビリティや装備品を正確に把握しておく必要があった。

 それじゃ装備品からいってみるか。まだお昼過ぎたばかりだし、レヴィン宰相の部屋に帰るのは早すぎるしな。

 覇王竜の剣や他の覇王竜シリーズを鑑定してみると、次のような結果が出た。指輪は少ししか鑑定していなかったが、今回はしっかりと鑑定していたので、以前より長くなっているのがちょっとうざったい。でも必要な事だから仕方ないんだよな。


 「覇王竜の指輪。マジックアイテム破壊効果のあるアビリティを使用されても、同様の効果のあるマジックアイテムを使われてもこのアイテムは完全無効化する。他の覇王竜の装備品を装備していないように見せることができたり、覇王竜シリーズや特定のアイテムを装備している状態で相手に触られても知覚できないようにすることが可能。

 覇王竜シリーズを装備するとすさまじい「気」を周囲に放出するので、それを周囲に察知されないようにする隠蔽の能力を持つ上に、覇王竜シリーズの効果を固定させて他の人間や獣人などに効果を発揮させないようにする、または効果を限定させて発揮させる、いわゆる悪用防止効果もあり、他の覇王竜シリーズのみならず、所持しているアビリティや装備品、マジックアイテムの効果、効能も指輪の所持者はこと細かく把握し、設定することができるようになるが、覇王竜の装備品シリーズは上位の竜の神々が関与しているので、これらの装備品の効果を削除・または消去することは不可能であるがある程度なら制限することは可能。
 
 またこの指輪を二つ以上身につけていると、複数の装備品を指輪の中に収納してその効果を発揮させることが可能。つまり万が一、盗賊に盗まれても位置を把握できるので術者が望めばいつでも好きな時に指輪の中に呼び出して保存しておくことが可能。もっともこの指輪の隠蔽の効果が高いし、装備する指輪の数が増えれば隠蔽の効果も比例して高くなっていくので、所持者がよほどお喋り好きでうそがつけない体質でない限り、盗まれることは滅多にない。

 具体的に挙げると、この覇王竜の指輪が二つあれば、二柱以上の神族の加護を受けているか神託でもない限り、この指輪の隠蔽の効果を見破ることは不可能。覇王竜の剣を二本収納して使用できる魔法の種類を四つに増やすことも可能。ただし使用魔法の種類が多くなる上にMP消費が膨大なものになる上に威力や範囲も桁外れに強くなっているので回復や浄化、防御や支援以外にはあまり使い道がない。

 更に竜族限定ではあるが、指輪の装備者との意思疎通が可能となり、指輪の装備者と友好的な関係を築くことが可能。ただしダンジョン内ではモンスターやボスとして設定されたドラゴンには不可。

 また指輪の装備者が悪人であっても、この指輪を装備している以上、死ぬまで竜族に付きまとわれて改心するように説得され続ける毎日を送ることになり、指輪の装備者は竜族によって殺害されることはないが、あまりにも改心するのをしぶるようであれば、どこかへ連れ去られて反省し、改心するまで封印されることはある。

 指輪というだけあって、装備者が不器用でも練習さえすれば手芸や裁縫、料理や細工物、手品やジャグリングも可能。覇王竜シリーズを全て装備すればどんな不器用な人間や獣人でも一ケ月程度で細かい作業などが一通りできるようになる。この手先の器用さの上昇効果は覇王竜シリーズや覇王竜の指輪を外しても効果は永続する」



 「覇王竜の剣。マジックアイテム破壊効果のあるアビリティを使用されても、同様の効果のあるマジックアイテムを使われてもこのアイテムは完全無効化する。竜王の牙と同様に所持しているだけで全種類の魔法を扱うことができる。ただし竜王の牙と違うのは、相手のエネルギー体のみを攻撃することが可能であるという点。それは装備していなくて所持しているだけで発揮される。つまりこの剣を抜いていなくても素手でアンデッドを滅ぼし、ゴーレムを機能停止にすることも可能。もちろん酔っ払いや魔法が効かない、あるいは非常に効きにくい者を相手に離れた所からエネルギー体のみを攻撃して衰弱させて無力化させることも可能である。
 
 また短剣、長剣、ナイフ、サーベル、エストックなどさまざまな形状の武器に変化させることが可能。切れ味というか攻撃力は術者の意志によって大きく変化する。メイスやフレイル。ナックルやカタールといった打撃系や手に装備する武器に変化させることも可能。

 また相手を倒そうという明確な意思がないと傷一つ負わせることができないが、絶対倒す、という意思があれば敵の肉体およびエネルギー体をまとめて滅ぼす事ができる。

 そこまで行かなくても眠りの魔法を武器に纏わせて傷をつけずに眠らせたり、麻痺させたりするという使い方もできる。もちろん剣を弓に変化させて魔力の矢を放って、暴徒を無傷で眠らせ、麻痺、石化させることも十分に可能だが、どれだけその武器を使ったのかという経験と使用する魔法の経験の両方がないとうまく使いこなせない。

 さらに消費MPが半減する。範囲拡大や縮小もイメージ次第で可能。また消費MPが激しくなるが、竜王の牙が一種類しか魔法の使用ができなかったのに対して覇王竜の剣は二種類の魔法を同時に使用可能。所持しているだけでMP回復効果があるが、使用者のMPの総量に比例するので回復量は個人によって異なる。基本的にMPの回復量は毎秒、使用者のMPの10%ずつである。またこの剣を所持していると魔法封じは通用せず、よほど強力な神々の扱う呪詛以外は無効化される。結界や特殊な霊域であっても威力が制限されることはあっても魔法の使用は可能

 覇王竜の全ての装備品を装備していると、覇王竜の剣の力をさらに引き出し、増強することであらゆる怪我や病はおろか、死んで一週間以内なら死体の状態にもよるが、蘇生させることも可能だが遺体が腐敗していたり、灰になっていたりすれば蘇生は不可能である」



 「覇王竜の額飾り。マジックアイテム破壊効果のあるアビリティを使用されても、同様の効果のあるマジックアイテムを使われてもこのアイテムは完全無効化する。覇王竜シリーズの中で最も大切な頭部を守るアイテムのせいか、最も強力な能力を持つ。この額飾りを装備、または所持しているだけでも他者のアビリティか、マジックアイテムのアビリティによる、額飾りの所持者への精神攻撃及び憑依、読心、鑑定、記憶の覗き見やアビリティ封印・削除・許可なしの複製および所持者の持つアビリティの勝手な移動を完全に無効化させる。

 また他の覇王竜シリーズ同様にこのサークレットも形状や色を変化させることができるので、二つ以上装備すると上記のような精神攻撃を仕掛けてきた者にそっくりそのままお返しすることが可能で、所持、または装備者のアビリティを封印しようとしたら、逆に仕掛けてきた術者のアビリティが全て封印され、装備者のアビリティを消去、または削除しようとしたら、逆に仕掛けた者のアビリティが全て消去されるという、カウンター攻撃(反撃)機能が発揮されるようになる。その為、この額飾りを装備している者に鑑定を仕掛けるとうまく読み取れないだけでなく、鑑定を仕掛けた者の情報が覇王竜の装備シリーズを守護する竜の神々よりも、よほど強力な神の加護がない限り、全て装備者に筒抜けになる。
 
 このサークレットを装備すると、装備者へ向けられたあらゆる魔法攻撃を半減させ、一切のステータス異常を無効化する。またこのサークレットを装備していると飲食不要・睡眠不要となり、飢えることも乾くこともなくなり、食べた物は自動的に浄化されてトイレに行く必要がない。常に思考は冷静になり、短気な人間や獣人でも落ち着いた考え方をするようになる。良く言えばポジティブ思考。悪く言えば装備した者にもよるが、呑気で楽天的で陽気でテンションの高い性格になり、ストレスや落ち込みなどとはこのサークレットを装備している限り、完全に無縁となり、装備者の寿命が大幅に伸びて短くても数百年。長ければ数千年から数万年は長生きすることが可能。ただし不老不死になったわけではない。

 またこのサークレットの装備者には遠視・暗視・透視などの目に関するアビリティが使用可能になる。すでにこれらのアビリティをもっている場合は、装備している時に限り、一時的にレベル10まで上がることになるが、外すと元通りになるので研鑽は必要である。

 また古代語の読み書きができるようになり、世界各国の文字や言語の読み書き・会話が可能となる。更に頭部に装備するマジックアイテムのせいか、相手が嘘をついていることがなんとなくわかるようになる。
 
 覇王竜のマントと共に装備すると、超・高速再生が可能となり、四肢の欠損が起きても腕や足が魔法が使えない場所でも生えてくる効果が装備者に付与され、覇王竜のアイテムシリーズを全て一緒に装備すると、念話を操ることができたり、親しい人間や獣人に限るが、今の自分の見聞きしている情景を時空を超えて見せたり聞かせたりすることが可能となり、念動のアビリティを全シリーズ装備している状態限定ではあるが使う事ができるようになる」



 「覇王竜のマント。マジックアイテム破壊効果のあるアビリティを使用されても、同様の効果のあるマジックアイテムを使われてもこのアイテムは完全無効化する。精力・超増大。精力・超回復の効果があり、このマントを装備しているとよほど精力の衰えた老人であっても常に生殖器が勃起した状態になる。もちろん勃起した肉棒は何時間でも完全勃起状態になり、膨大なマントの魔力により、肉棒を構成する筋肉や血管が傷むことはない。

 常時、完全勃起している状態を解除するには精力を制限するアビリティをもっているとある程度まで制限できるが、よほど高レベルでないと勃起状態を制限することは難しいので、このマントを装備して常時完全勃起状態を制限したいのであれば、覇王竜の装備品シリーズの機能を制限することができる「覇王竜の指輪」を装備して設定することが必要不可欠である。もちろん女性がこのマントを装備した場合は常時勃起状態に悩まされる事はないが、初代覇王竜が精液で多くの者達を救った史実があるため、装備者は男性である事が多くの竜族から望まれており、覇王竜の指輪をもっていると時間の問題で竜族と親しくなるため、遠回しではあるが男性が装備した方がいいと生涯言われ続けて装備を放棄した女性も過去に何名かいた。

 このマントを装備していると状態異常が無効化されるが、持病、性病が自動的に癒される。その性病の症状によるが、短くても装備してから数時間。長くても一週間以内に完治してマントを外しても効果は続くが、マントを装備しているか他の状態異常無効化のアイテムを装備していないと状況や装備者の生活習慣や摂取する食べ物によっては再度、性病に感染する可能性はある。

 尚、このマントは他の覇王竜のアイテムシリーズと同様にマントの色や大きさ、厚さなどを変更することが可能なので、重ね着することも可能ではあるが、二枚重ね着すると何もしていなくても射精するようになり、三枚以上重ね着するか、二枚重ね着した状態で他の覇王竜シリーズを全て装備すると射精が止まらなくなる危険性があるので注意が必要。装備者の精液は万病を癒す効果があり、どんなアビリティをもっているかによって精液の癒しの効果が違ってくる。ただ何のアビリティをもっていない一般人の男性がマントを装備しても対象の病気や怪我の状態にもよるが、ポーション瓶一本分飲めば肺炎を完治させることが可能。

 重ね着した状態で射精が止まらなくなるのは魔族との戦闘で多くの傷つき、病に苦しむ者達を癒すために初代の覇王竜が彼の精液を分け与えるために大量の精液が必要であるためにとった方法。彼の癒しの効果をもつ精液のおかげで人間・エルフ・ドワーフ・獣人など多くの種族が救われた。

 この連続射精で寿命が縮むことはないが、あまりに大量の精液を分泌すると魔族や他の強者に目をつけられて覇王竜シリーズを装備していることがわかってしまうため、精液を分け与えるのには注意が必要である。さもないと魔族や、覇王竜シリーズ目当てに奪おうとする、他の強者に命を狙われ続ける日々を送ることになる可能性が高い。

 それらの強者から逃れる(または撃退する)には一人では限界があり、特定の権力者に取り入るか竜族の庇護が必須であるため、いずれにせよ覇王竜の指輪は必要不可欠である。

 常に浄化の魔法が付与されて機能しており、装備した者は風呂に入ったり浄化魔法を使う必要がない。仮にこのマントの装備者に大小便の汚物をかけても、次の瞬間には綺麗に消えていく光景を目にすることになるだろう。その為、このマントの装備者が汚染された沼や川、池や湖などに入ると時間の問題で浄化されて綺麗になっていく。
 
 さらに加えて竜王のマントと同様に空中飛行はもちろん、特殊な結界を常に展開しており、溶岩の中や水中、地中さえも装備した者はある程度移動できるようになるが前提条件として透視や遠視のアビリティか同様の効果をもつマジックアイテムをもっている必要がある。

 またこのマントは防御力もすさまじく、全長30メートルの巨人の渾身の拳の攻撃を受けても、踏まれてもダメージを全く受けないという優れもの。さらに状態異常は無効化され、毒ガスを吸っても死ぬことはなく、致死性の疫病の蔓延している街を歩いても、疫病に感染した患者に触れても感染することはない。

 神族の呪詛であっても一柱だけでは無効化される。覇王竜の額飾りと同時に装備すれば、3柱までの神の呪いを無効化でき、超・高速再生が可能となって四肢の欠損が起きても腕や足が魔法が使えない場所でも生えてくる効果が装備者に付与される」



 「覇王竜のブーツ。マジックアイテム破壊効果のあるアビリティを使用されても、同様の効果のあるマジックアイテムを使われてもこのアイテムは完全無効化する。また移動に関する効果もすさまじく、このブーツを装備していると、軽くジャンプしても4~5メートルはジャンプできるようになる。

 さらにどれだけ激しく運動しても全く疲労することがない上に、最高で時速200キロまでスピードを上げることが可能ではあるが、それだけ速く走れるという事は、何かにぶつかった時のダメージも相当大きいので、高速で走りたいときは覇王竜の額飾りと覇王竜のマントが必要不可欠である。

 またこのブーツを装備していると、時空魔法の転移が可能。ただし術者が一度見聞きした場所でない限り移動できない。このブーツの装備者に触れていると、触れた者も一緒に転移してしまうが、装備者だけを転移するように設定することが可能である。この設定は同じ覇王竜の装備シリーズの指輪である「覇王竜の指輪」を同時に装備していると、さらに細かく設定することが可能である。
 
 足に対する傷や病、疲労回復を履いているだけで完全無効・または完全回復させる。このブーツを装備している間は足を切断するような攻撃や魔法・地形ダメージなどを無効化できるほどの逸品。また足を保護する性能のおかげか、このブーツを装備すると半径50メートル以内の人物にも水虫や傷、皮膚病などの大幅な回復効果がある上に、最低3時間は歩いたような脚力が装備者及び半径50メートル以内の者に付与され続ける。当然疲労はない。

 また毒の沼地や砂漠などを歩いても水や砂、石がブーツの中に入ることはない。ブーツの内外が汚れることはなく、菌の巣窟になることもなく、他の覇王竜の装備品同様、ブーツの外見や大きさを変えることが可能。
 さらに足限定ではあるが、切断や欠損による足および足の指の治療が装備者には可能」



 と、出ましたよ。さすがに強すぎるな、これ。全部装備してもいいけど、何だかこれらの装備品に頼り切りになりそうでダメ獣人になりそうな感じがする。あとはアビリティだな。装備する、しないは後回しにして、これも検証してみることにした。何といっても既に全部吸収しちゃったんだから、ちゃんと把握しとかないとまずいよな。
 
 覇王竜の叡智。「竜王の叡智を超えた鑑定アビリティ。これも最初はレベル1だが、使用し続けるとレベル20まで上げることが可能。また覇王竜の意志があると30まで上げる事が可能ではあるが、30まで上げると1柱の神の隠蔽さえも見破ることができるが、さすがに複数の神が力を併せた物や者までは鑑定しても完全にはわからないことがある」

 覇王竜の息吹。「竜王の息吹を超えた癒しのアビリティ。竜王の息吹は肉体的な治療が主なものであったが、このアビリティは対象の精神的疾患や霊障といった精神的・霊的なものも癒し、浄化する効果がある。これもレベル20まで上げることが可能だが、使用するアイテムやアビリティによってはレベル30まで上げることも可能

 また30レベルまで上げると壊れた物品や家屋さえも再生・修復することが可能となり、ここまで上げるとリッチやヴァンパイアを滅ぼさずに浄化したり、数十万から数百万のアンデッドや怨霊の軍勢さえも何度か使用することで完全に浄化して彼等をあの世に平和的に送ることができる。その結果、このアビリティの所持者は冥界の神や死神から好かれて寿命が大幅に伸びたり、財宝の在処や隠しダンジョン、希少な宝石の鉱脈などいろいろな事を教えてもらえたりする事がある」

 覇王竜の意志。「ほぼ全てのアビリティを限界突破させてさらなるレベルを付与して上げることが可能なアビリティ。一般の魔法はレベル10までだが、このアビリティを持つ者はさらに30レベル上げることが可能になる。当然ながらMPの使用量も増えるので扱いには注意が必要である上にレベル30まで上げるのは大変ではあるが、覇王竜の装備品一式を全て装備した状態で魔法やアビリティを使い続けていると、通常の半分ほどの時間でレベルマックスまで上げることが可能」

 覇王竜の闘衣。「竜王の闘衣を超えた守りのアビリティ。ほぼ全ての状態異常を無効化するが、完全ではない。覇王竜のアイテムシリーズを装備すれば完全無効化が期待できるが、それでも複数の神々の呪詛を完全に防げるほどではなく、回復魔法や回復ポーションの準備は必要である。また竜王の闘衣が魔法攻撃を半減させたのに対して、こちらは物理的なダメージも半減できる。レベル30になると魔法・物理の両方ダメージ四分の一になるが無敵になったわけではない」

 覇王竜の精気。「竜王の咆哮に代わるアビリティ。このアビリティをもっているだけで精力絶倫となり、一般人がこのアビリティをもつと射精しても精液が補充されるスピードが10倍以上になる。アビリティをアクティブにもパッシブにも変更できるが、アクティブにすると他のアビリティやアイテム次第では射精が止まらなくなり、常に射精し続ける状態になってしまうので注意が必要。またこのアビリティはもつ者の精液を癒しの薬に変える効果があり、よほど強力な呪詛でもない限りは一般的な怪我や病などはこのアビリティを持つ者の精液を飲めば、ポーション瓶一本で回復する。

 覇王竜のマントを装備しながら射精すると、相乗効果が出て重傷や致命的な病も大量の精液を摂取(大体ポーション瓶3本から5本ほど)して回復することが可能だがこのアビリティがレベル30になると一般人でも精液補充スピードが30倍に上がり、精液の質・量共に大幅に増大する。
 
 更に回復効果が大幅に上がり、このアビリティがレベル30になると、ポーション瓶一本で重傷や致命的な病も癒すことが可能。また精液を飲むことで寿命を延ばすことができるようになるが、何か月なのか、何年なのかはこのアビリティを持つ者の魔力容量によって違ってくるがレベル30になると一瓶飲めば少なくとも3年は寿命が延びる効果が期待できるが、酒や煙草の大量摂取、暴飲暴食、数日に渡る徹夜など健康に害のある事を日常茶飯事にやっていれば寿命が延びる効果も薄くなるのは言うまでもない」

 覇王竜の采配。「アイテムやマジックアイテムに術者のもつさまざまなアビリティを込めたり、既に込められているアビリティを追加・または削除。あるいは他のアイテムに込められているアビリティを、他のアイテムにコピーすることができるアビリティ。

 ただし覇王竜シリーズは上位の竜の神々の力があるので、これらのアイテムからアビリティをコピーしたりすることは一時的に効果が持続するので可能ではあるが、覇王竜シリーズのアイテムからアビリティを削除することは不可能。だが同じ覇王竜シリーズ同士なら比較的簡単にアビリティをコピーして込めることは可能。その場合も期間限定ではあるが、一時的に覇王竜シリーズを強化することは可能。

 またアイテムにアビリティを込めても効果には時間制限があり、通常は一ケ月。時空魔法がレベル10なら一年までなら効力を持続させることが可能。覇王竜の意志で時空魔法をレベル30に上げても三年が限界である。

 効果を永続させるには時空魔法の永久化の魔法が必要だが素質を持つ者が限られているので、その者に協力してもらうか、永続化のマジックアイテムの力を借りるしかない。
 
 具体的な例を挙げると、一時的にリボンや指輪に毒無効や猛毒無効のアビリティを込めることが可能。効果時間が限られているが、このアビリティを覇王竜の意志でレベル30まで上げると、永続化まではいかないものの、時空魔法が使えなくても、覇王竜の采配の効果で30年は効果が持続するように設定できる(もちろん3年や1年と10年以内の期間なら自在に設定できる)。またレベル30まで上げると、よほどの術者がマジックアイテムの力を借りても数十名の術者を揃えないとアイテムに込められた効果を打ち消したり、一時的に封じることしかできない」



 …うーん。情報量が多すぎるな。残念なのはアビリティと装備品の効果が被っていることが多いことだな。しかも魔法・物理半減もそれぞれ存在するけど、だからって無敵になるわけじゃないし、重複しないのがなぁ。

 とりあえず、これらのアイテムが盗まれたり、紛失した時の為に指輪を二つ使って、装備するものと予備にとってある覇王竜シリーズを全部、俺でなければ装備しても効果が出ないようにした。これでモンスターとか悪人が装備しても大丈夫ってわけだ。指輪を二つ使ったのはそれだけ隠蔽の効果が強くなるから。

 つまり俺でなければ装備しても効果が出ないという設定を他人に気づかれにくくする為に指輪が二つ必要だったわけ。もちろん竜王の牙と竜王のマントもいくつか持っているので全部、俺でないと装備しても効果が出ないようにしてあるし、指輪自身にも俺でないと効果が出ないように設定してある。
 
 それにしてもこの覇王竜の指輪。覇王竜シリーズだけでなく他の装備品やアビリティとかの機能をいろいろ設定できるのがいいな。睡眠不要・飲食不要の覇王竜の額飾りも気に入った。

 困るのが覇王竜のマントだな。念のために全裸のままでマントを装備したら、早速勃起しはじめて射精しちゃいましたよ。しかも何もしていなくても射精が止まらないし。

 念の為にポーション瓶にムスコ入れて射精するようにしてみたら、30分で40本ほど作れちゃいました。何かこの覇王竜シリーズを全部装備していると、射精した精液の量も、増えてるな。少なくとも倍の量は出ている。俺の吸収したアビリティの影響で精液の量だけでなく質も強化されたようだけど。
 
 でもこれってダンジョンコアの分身に挿入してダンジョンを拡張させるにはいいかもな。とりあえず指輪の力で制限してみたけど、二つ同時に装備しても常時勃起しまくりなんですけど。しかもムスコがギンギンの完全勃起なんですけどね。おかしいな。覇王竜の精気のアビリティはちゃんとパッシブになっているのに。

 ちなみに覇王竜の精気ですけどアクティブにしたらやっぱり射精しました。さらに指輪を二つとも外すと、放尿しているかのように、陰嚢の中の精液の大部分を一気に出すような感じになって、しかもそれが連続で出た上に止まらなくなったんで、なまじ気持ちいいだけに怖くなったから、またパッシブにして指輪も装備し直しました。

 どうも俺の持つ大量のアビリティが原因で指輪はちゃんと正常に機能しているらしい。完全に勃起を抑えるにはアビリティを調べてそれらのアビリティを制限しないといけないようだが、吸収しているアビリティの量が多すぎるので、相当な時間がかかりそうなのでこのまま常時勃起状態で我慢することにした。

 まあ連続射精しないだけマシか。とりあえず指輪を装備していれば周囲からは見えない、または感知されないらしいので全種類装備しておくことにした。その方がいろいろ便利だからな。アビリティも上昇しやすくなるようだし。

 一応、覇王竜の装備シリーズは宝箱にあったものを入れてそれぞれ二つずつ。指輪と装備する剣、マント、額当てとブーツは身に着けて、他のは予備として闇の中の空間に収納しておくことにした。とにかくこれらのアイテムが破壊されないのはいいけど、紛失することはあるからな。そのために探す時間を費やすなんて馬鹿らしいし。

 睡眠不要・飲食不要ではあるが寝ようと思えば寝れるし、食べようと思えば食べれるらしいので、食事や睡眠の楽しみが消えたわけではないことがわかって嬉しかった。

 とりあえず今夜からいろんな所に行ってみるか。レヴィンがうるさいから泥眠の魔眼を使って眠らせてからだな。

 真夜中の世界を飛び回ってみるのも面白そうだ。その前にダンジョン拡張だな。俺はダンジョン・コアの分身のいる塔へと闇魔法で転移することにした。

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 後書きです。覇王竜のアイテムシリーズの解説と、覇王竜倒した時に吸収したアビリティの解説入れたら
文字数が1万を超えてしまいました。いいのか、これで。

 
 ちなみに前半は覇王竜シリーズの装備品がメイン。後半は装備品ではなく覇王竜を衰弱死させた時に吸収したアビリティがメインになります。

 わかりやすく簡単に解説しますと、まず覇王竜の指輪。覇王竜シリーズだけじゃなくていろんなアイテムやアビリティの効果を制御できる上に覇王竜シリーズや特定のアイテムを装備していても周囲に知覚させない、すごい指輪です。さらに指輪の中に装備品も収納できるので検問は無意味。悪用すると竜族に説得され続けて改心しないと封印されちゃうという効果もあるので結果的には覇王竜の装備シリーズは悪用不可。

 覇王竜の額飾り。これを装備すると飲食不要で睡眠不要でトイレにも行かなくていいというすごいアイテム。徹夜も断食もへっちゃら。 さらに発狂や落ち込みといったステータス異常とは無縁になるだけじゃなくて古代語や世界各国の言語の読み取りできて翻訳業で大儲けできるアイテム。

 さらに装備者に対する、他人からのアビリティのカット&ペーストなんて絶対に許さなくて無効化しちゃう、すごいサークレット。二つ以上装備すると精神攻撃やアビリティの封印、削除などに対する反撃効果も付く怖いアイテムになる。

 覇王竜の剣。これ持っているだけで装備しなくても、敵を傷つけずに倒せる上に、あらゆる魔法が使えていろんな形の武器にも変えられる、すごい剣。MP半減効果もあって他の覇王竜の装備を全部身に着けると、死んで一週間以内なら遺体の状態にもよるけど蘇生もできるという、やっぱりすごい剣。ただし灰や腐敗状態になっている遺体はどこぞの寺院じゃないので蘇生不可。腐敗状態は浄化魔法を使うと消えてしまうのでやっぱり蘇生は不可。

 覇王竜のマント。精力が超増大&超回復して初代覇王竜のように精液ポーションを作って人助けできる上に結界の効果もすごくて空も飛べるし、水中や地中も周囲が知覚できる状態なら移動できる上に、巨人に踏まれてもへっちゃらな物理攻撃にはすごい防御機能もついたマント。性病や持病も治せる効果もすごい上に浄化機能もすばらしくてお風呂に入らなくてもいいので旅人には最高のアイテム。

 覇王竜のブーツ。時速200キロで走れる上に水虫とか足の病気も半径50メートル以内なら勝手に治してしまう効果も。さらに移動系の転移魔法すら使えて地形ダメージすら無効化できるすごいブーツ。

 これらの覇王竜シリーズを全部装備すると、いろんなアビリティのレベルを上げる時間が半分に短縮される。成長したアビリティの使い方次第では更なる短縮も可能ってなにそれずるい。



 ざっと簡単に書いてみましたが、やっぱりすごいアイテムばかりですね。
 覇王竜の装備品およびアビリティは結構強力ですが、これもこれから相まみえる敵との戦闘の為。

 あと今回の話で覇王竜のマントの効果の解説で初代覇王竜の事に少し触れていますが、大昔。それこそ数千年前に魔族の大侵攻があったのです。それも世界規模で。それで人間、獣人、竜族、エルフ、ドワーフ、妖精といったさまざまな種族が連合軍を結成して対抗したのですが、魔族の力は強大で苦戦は必至。

 それでもどうにか連合軍が魔界へと魔族を押し戻してゲートを封印したものの、結果は惨憺たるものでした。
 多くの種族が魔族の呪いや攻撃によって傷ついて、四肢が欠損している戦士も多く出て日常生活に支障が出る者ばかりでした。

 多くの種族が苦しみ、悲しむ姿を見かねた初代覇王竜は己の体内で最も魔力濃度の高い精液をポーションにして多くの種族に分け与えて癒したのでした。覇王竜のマントに精力増大と回復の効果があり、マントを重ね着すると連続射精できるのはそのせいです。

 だからラフィアスがこの装備を手にしたということは、精液ポーション使って人助けするという意味もあります。
 
 というか、自分の事だけ考えて生活していると竜族と関わることになって嫌でも人助けしないと封印されるということになりますから。覇王竜の装備シリーズは一見すると便利極まりない道具ですが、その装備品を守護する竜の神々によって良く言えば見守られている。悪く言えば監視されているということになるのですから。

 しかもラフィアスは覇王竜の指輪を二つも装備しているので、彼の考えている事や行動などは全て闇の女神や竜の神々に筒抜けであると言っていいでしょう。その事はラフィアスもうすうす気づいているようですが。

 すごく長くなって、後書きも長くなってこの辺で終わりたいと思います。こんなクソ長い話を読んでくれた皆さま、本当にありがとうございます!


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