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番外編
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「あき……」
背後を振り返れば、晃が自分の手首に鋭い牙を突き立てているところだった。
「――晃?」
ぽた、ぽた、と真っ赤な雫が滴り落ちる。
男を呼ぶ声が自然と上擦った。急速に喉が渇いていく。
甘い匂いが嗅覚を擽り、喉が勝手に上下した。
赤く染まった傷口に視線が集中して動けなくなる。
痛いほどの視線を送っている自覚はあったが、晃の動きは淀みない。
触れるだけだった指が絡み付いてきて、手首を固定される。
透明度の高い金色の珠のちょうど真上になるよう、ゆっくりと腕を移動させてきた。
健康的な色の肌にぽかりと空いた、日頃はおれの体に穿たれている小さな孔。
そこから滴った赤い雫が、光る珠へと吸い込まれていく。
「……うん」
見る見る間に鮮血が浸透していって、数秒も経てば珠は元のつるりとした表面を取り戻していた。
色彩を艶やかな赤に変え、中央のみが元よりも深さを増した金色を保っている。
垂らした血の色を宿した珠を見て、晃が満足げに頷いた。
掴まれていた手が開放され、ふらりと体が揺れた。
すぐに腰へ腕が巻き付いてきて、晃の胸元へと引き戻される。
「っ旭陽、急にどう……――旭陽?」
驚きの声が途切れ、そっと伺う声音へと変わる。
おれは――答えられなかった。
息が上がる。
全身が火照っていく。
首から上に血が集まっていくのを感じた。
初めて晃に圧し掛かられた日と同等か、それ以上の動揺が頭を激しく揺さぶってくる。
「……旭陽。顔、まっか」
丸くなっていた瞳が細くなって、揶揄を含まない声で囁かれた。
うるせえな。誰の所為だ。
詰ってやりたくても、声がなかなか出てこない。
「っ……」
シンプルながら、おれの感性に引っ掛からない程度の悪くねえ造形だ。
だが装飾具の形を取っていても、飾り立てるためのモンじゃねえことは即座に悟れた。
何せ、あの時の名残がある形だ。
あの時――まだこっちに戻って間もなかった、晃によって毎日首や手に拘束具が嵌められていた頃。
おれの手首を何度も戒めた、晃の魔力で構築された手枷。
あの感触と造形を何処か想起させる、手首に巻き付いた腕輪。
これは、装飾の形を取った拘束具だ。
おれに対する、晃の深い執着心と独占欲の具現化。
くらくらと視界が回る。
言葉を失っているおれを熱心に見つめながら、晃が髪にキスを落としてきた。
「指輪を贈ろうかとも思ってたんだけど、それだけじゃ物足りなくて……誓いなんてものじゃ足りない」
髪から耳へ、頬へ、首筋へ。熱い唇が次々に触れてくる。
その度に体が震えた。全身に熱が広がっていく。
「心を縛るだけじゃ足りない。体も、おれに縛らせて。おれだけのものって、主張させて。……いい?」
酷く甘ったるい声が、今更判断を委ねてくる。
一応疑問の形を取ってはいるが、断られる想定など一切していない自信に満ちた声音だ。
おまえ。他人の行動を制限するなんざ、未だに法の範疇でも躊躇いが抜けねえような男のくせに。
おれのことは、そこまで独占しておきてえのかよ。
指の一本にいつでも外せる玩具を嵌めさせるだけじゃ満足できねえほどに。
執着されるのは慣れてる。
縛り付けたいと願われるのも、縛られたいと乞われるのも。
でも晃はそこまで自分勝手になれ得る男じゃねえからと、今までおれに執着してきた人間との差は考えねえようにしてたのによ。
――元来の性根を塗り潰しちまえるほど、おれの全てを欲してんのか。
何も巻き付いていない腕を、胸元の高さまで持ち上げた。
腕が抑えようもねえほど揺れている。体の芯から噴き上がる快感が、全身に震えを広げていた。
「ん。……ありがとな」
背後で蕩けた声が笑う。
項に軽く吸い付かれて、大袈裟なほどに腰が震えた。
「ッひ! っぁ、んあッ、ぁあ……っ」
唇が肌に触れてくるだけで、感覚が頂点近くまで跳ね上がる。
震えが止まらないおれに笑いかけながら、晃がおれの腕を下から支えた。
自由な褐色を晃の指がなぞった。
その指に絡んだ金色が、おれの手首に巻き付いて細い腕輪を形どっていく。
さっき見た珠が形成されていく様を、逸らせない視界が一部始終捉え続けた。
晃の指が自分の血を掬い取って、珠に赤い雫を吸収させていく。
腕を支えている手はその間中、一度もおれの手を掴まなかった。
支えられているだけの腕はその気になればいつでも取り戻せる。
途中で振り払っていたなら、既に嵌められた手の腕輪も早急に取り除かれていただろう。
おれは自ら進み、自分で望んで、両手を晃の拘束へと差し出したに等しかった。
「旭陽、終わった」
「っ……ぁ、……き、ぃっ……ッ、」
やがて、随分と長く感じた時間の終了を晃が告げる。
両手どころか全身から力が抜けていたおれは、軽々と身を反転させられて正面から抱き寄せられた。
「大丈夫か? すごく可愛い顔してるぞ、お前」
「っぅ……」
目尻の水分を吸い取られ、額がそっと擦り合わせられる。
些細な刺激にも背筋が粟立つようで、晃の服の裾に指を絡めるのが精一杯だった。
しゃあねえだろ……急にンな不意打ちがくるとは思わなかったっつうの……!
熱い頬を辿ってくる晃に低く唸ると、笑みを深めた男が首筋に顔を埋めてきた。
「良かった……拒まれなくて」
燃えるように熱い吐息が首に触れる。
深呼吸に近い深さの息が微かに震えているのが伝わってきた。
拒まれなくて……ねえ。
「バッカじゃねえの」
「痛!」
力が入りにくい指を強引に動かして、耳を強く引っ張ってやる。
跳ね上がった顔を、腕輪が光る腕を回して引き寄せた。
額同士を、音が鳴る強さで打ち付ける。
「あきらぁ。おれを縛りてえって男が、ンな弱気だと困るなァ。
弱え相手に自分を好きにさせてやるほど、おれは安くねえぜ?」
痛みからか、涙目になっている瞳と視線を合わせる。
全身が紅潮したままの有様だが、震える唇を歪めて哂ってみせた。
晃の瞳から懸念や不安が抜け落ちる。
おれの肩を掴んで、ぐっと開いた瞳孔で見据えてきた。
「逃がさない。旭陽は、おれのものだ。おれだけのものだ。……分かってるよな」
確認ではなく、断定の声音が鼓膜を震わせる。
それでいい。
不安なんざ抱くより、おれに欲を全部ぶつけてこい。
おまえにだけはそれを赦してんだからよ。
「知ってる」
鼻で笑ってやれば、晃がやっと笑みを取り戻した。
「……ごめん。馬鹿なこと言った」
「全くだ」
飴色をおざなりに掻き混ぜてやる。
髪を乱されても、嬉しそうな顔をするだけで嫌がってはこない。
耳朶に唇を押し当ててきたかと思えば、軽く歯を立てられた。
「ッあ、っ」
熱が全く収まっていなかった体は、容易く煽られて指先が硬直する。
「ちゃんと自分で差し出せてえらいな、って言うべきだった」
深みを増した丁子色が、欲を湛えて微笑みながらおれを見ていた。
「…………っぁ、」
今にも喰い付いてきそうな瞳に、ずくりと下腹が熱くなる。
「旭陽、」
「――あ、き、」
「俺を受け入れてくれて、嬉しい」
「っひ」
「俺の旭陽」
「っぅ、んァッ……ぁ、ア、あ゛ッ」
囁かれるたび、腹の奥が疼く。
ゆっくりと服の上から腹を撫で上げられて、腰が微かに痙攣し始めた。
堪らず顔を振れば、顎を掴んで上向かされる。
衣服だけに覆われた喉元を、おれに劣らず熱い指がなぞった。
「帰ったら、ここにも嵌めてやるからな」
ちゅ、と軽やかなリップ音が肌の上で響く。
思わず想像して、喉がひゅっと嬉しそうな音を立てた。
そんな嬉しそうに言うことかよ……焦らし癖なんざ付けやがって。
おれを腕に抱いたまま立ち上がる男の首に腕を回し、高揚を隠さない唇へと噛み付いた。
好きにしろよ。
おまえに執着されんのは、心地が好い。
周囲に向いていた視線が、おれのほうへ戻ってくる。
降ってきた唇が噛み付くように口吻けてくるのを、自ら口を開いて受け入れた。
晃の首裏を掻き抱く。
自分の手首が交差した時、軽やかなものがぶつかり合う軽い衝撃が腕に伝わってくる。
おまえに縛られるの、ずっと待ってたんだぜ。
そう教えてやったらどんな顔をするんだろうな。
想像して喉を鳴らせば、他のことを考えるなとばかりに熱い舌が深くまで押し入ってきた。
考えてるのもおまえの事なのに。ほんと、かわいいやつ。
背後を振り返れば、晃が自分の手首に鋭い牙を突き立てているところだった。
「――晃?」
ぽた、ぽた、と真っ赤な雫が滴り落ちる。
男を呼ぶ声が自然と上擦った。急速に喉が渇いていく。
甘い匂いが嗅覚を擽り、喉が勝手に上下した。
赤く染まった傷口に視線が集中して動けなくなる。
痛いほどの視線を送っている自覚はあったが、晃の動きは淀みない。
触れるだけだった指が絡み付いてきて、手首を固定される。
透明度の高い金色の珠のちょうど真上になるよう、ゆっくりと腕を移動させてきた。
健康的な色の肌にぽかりと空いた、日頃はおれの体に穿たれている小さな孔。
そこから滴った赤い雫が、光る珠へと吸い込まれていく。
「……うん」
見る見る間に鮮血が浸透していって、数秒も経てば珠は元のつるりとした表面を取り戻していた。
色彩を艶やかな赤に変え、中央のみが元よりも深さを増した金色を保っている。
垂らした血の色を宿した珠を見て、晃が満足げに頷いた。
掴まれていた手が開放され、ふらりと体が揺れた。
すぐに腰へ腕が巻き付いてきて、晃の胸元へと引き戻される。
「っ旭陽、急にどう……――旭陽?」
驚きの声が途切れ、そっと伺う声音へと変わる。
おれは――答えられなかった。
息が上がる。
全身が火照っていく。
首から上に血が集まっていくのを感じた。
初めて晃に圧し掛かられた日と同等か、それ以上の動揺が頭を激しく揺さぶってくる。
「……旭陽。顔、まっか」
丸くなっていた瞳が細くなって、揶揄を含まない声で囁かれた。
うるせえな。誰の所為だ。
詰ってやりたくても、声がなかなか出てこない。
「っ……」
シンプルながら、おれの感性に引っ掛からない程度の悪くねえ造形だ。
だが装飾具の形を取っていても、飾り立てるためのモンじゃねえことは即座に悟れた。
何せ、あの時の名残がある形だ。
あの時――まだこっちに戻って間もなかった、晃によって毎日首や手に拘束具が嵌められていた頃。
おれの手首を何度も戒めた、晃の魔力で構築された手枷。
あの感触と造形を何処か想起させる、手首に巻き付いた腕輪。
これは、装飾の形を取った拘束具だ。
おれに対する、晃の深い執着心と独占欲の具現化。
くらくらと視界が回る。
言葉を失っているおれを熱心に見つめながら、晃が髪にキスを落としてきた。
「指輪を贈ろうかとも思ってたんだけど、それだけじゃ物足りなくて……誓いなんてものじゃ足りない」
髪から耳へ、頬へ、首筋へ。熱い唇が次々に触れてくる。
その度に体が震えた。全身に熱が広がっていく。
「心を縛るだけじゃ足りない。体も、おれに縛らせて。おれだけのものって、主張させて。……いい?」
酷く甘ったるい声が、今更判断を委ねてくる。
一応疑問の形を取ってはいるが、断られる想定など一切していない自信に満ちた声音だ。
おまえ。他人の行動を制限するなんざ、未だに法の範疇でも躊躇いが抜けねえような男のくせに。
おれのことは、そこまで独占しておきてえのかよ。
指の一本にいつでも外せる玩具を嵌めさせるだけじゃ満足できねえほどに。
執着されるのは慣れてる。
縛り付けたいと願われるのも、縛られたいと乞われるのも。
でも晃はそこまで自分勝手になれ得る男じゃねえからと、今までおれに執着してきた人間との差は考えねえようにしてたのによ。
――元来の性根を塗り潰しちまえるほど、おれの全てを欲してんのか。
何も巻き付いていない腕を、胸元の高さまで持ち上げた。
腕が抑えようもねえほど揺れている。体の芯から噴き上がる快感が、全身に震えを広げていた。
「ん。……ありがとな」
背後で蕩けた声が笑う。
項に軽く吸い付かれて、大袈裟なほどに腰が震えた。
「ッひ! っぁ、んあッ、ぁあ……っ」
唇が肌に触れてくるだけで、感覚が頂点近くまで跳ね上がる。
震えが止まらないおれに笑いかけながら、晃がおれの腕を下から支えた。
自由な褐色を晃の指がなぞった。
その指に絡んだ金色が、おれの手首に巻き付いて細い腕輪を形どっていく。
さっき見た珠が形成されていく様を、逸らせない視界が一部始終捉え続けた。
晃の指が自分の血を掬い取って、珠に赤い雫を吸収させていく。
腕を支えている手はその間中、一度もおれの手を掴まなかった。
支えられているだけの腕はその気になればいつでも取り戻せる。
途中で振り払っていたなら、既に嵌められた手の腕輪も早急に取り除かれていただろう。
おれは自ら進み、自分で望んで、両手を晃の拘束へと差し出したに等しかった。
「旭陽、終わった」
「っ……ぁ、……き、ぃっ……ッ、」
やがて、随分と長く感じた時間の終了を晃が告げる。
両手どころか全身から力が抜けていたおれは、軽々と身を反転させられて正面から抱き寄せられた。
「大丈夫か? すごく可愛い顔してるぞ、お前」
「っぅ……」
目尻の水分を吸い取られ、額がそっと擦り合わせられる。
些細な刺激にも背筋が粟立つようで、晃の服の裾に指を絡めるのが精一杯だった。
しゃあねえだろ……急にンな不意打ちがくるとは思わなかったっつうの……!
熱い頬を辿ってくる晃に低く唸ると、笑みを深めた男が首筋に顔を埋めてきた。
「良かった……拒まれなくて」
燃えるように熱い吐息が首に触れる。
深呼吸に近い深さの息が微かに震えているのが伝わってきた。
拒まれなくて……ねえ。
「バッカじゃねえの」
「痛!」
力が入りにくい指を強引に動かして、耳を強く引っ張ってやる。
跳ね上がった顔を、腕輪が光る腕を回して引き寄せた。
額同士を、音が鳴る強さで打ち付ける。
「あきらぁ。おれを縛りてえって男が、ンな弱気だと困るなァ。
弱え相手に自分を好きにさせてやるほど、おれは安くねえぜ?」
痛みからか、涙目になっている瞳と視線を合わせる。
全身が紅潮したままの有様だが、震える唇を歪めて哂ってみせた。
晃の瞳から懸念や不安が抜け落ちる。
おれの肩を掴んで、ぐっと開いた瞳孔で見据えてきた。
「逃がさない。旭陽は、おれのものだ。おれだけのものだ。……分かってるよな」
確認ではなく、断定の声音が鼓膜を震わせる。
それでいい。
不安なんざ抱くより、おれに欲を全部ぶつけてこい。
おまえにだけはそれを赦してんだからよ。
「知ってる」
鼻で笑ってやれば、晃がやっと笑みを取り戻した。
「……ごめん。馬鹿なこと言った」
「全くだ」
飴色をおざなりに掻き混ぜてやる。
髪を乱されても、嬉しそうな顔をするだけで嫌がってはこない。
耳朶に唇を押し当ててきたかと思えば、軽く歯を立てられた。
「ッあ、っ」
熱が全く収まっていなかった体は、容易く煽られて指先が硬直する。
「ちゃんと自分で差し出せてえらいな、って言うべきだった」
深みを増した丁子色が、欲を湛えて微笑みながらおれを見ていた。
「…………っぁ、」
今にも喰い付いてきそうな瞳に、ずくりと下腹が熱くなる。
「旭陽、」
「――あ、き、」
「俺を受け入れてくれて、嬉しい」
「っひ」
「俺の旭陽」
「っぅ、んァッ……ぁ、ア、あ゛ッ」
囁かれるたび、腹の奥が疼く。
ゆっくりと服の上から腹を撫で上げられて、腰が微かに痙攣し始めた。
堪らず顔を振れば、顎を掴んで上向かされる。
衣服だけに覆われた喉元を、おれに劣らず熱い指がなぞった。
「帰ったら、ここにも嵌めてやるからな」
ちゅ、と軽やかなリップ音が肌の上で響く。
思わず想像して、喉がひゅっと嬉しそうな音を立てた。
そんな嬉しそうに言うことかよ……焦らし癖なんざ付けやがって。
おれを腕に抱いたまま立ち上がる男の首に腕を回し、高揚を隠さない唇へと噛み付いた。
好きにしろよ。
おまえに執着されんのは、心地が好い。
周囲に向いていた視線が、おれのほうへ戻ってくる。
降ってきた唇が噛み付くように口吻けてくるのを、自ら口を開いて受け入れた。
晃の首裏を掻き抱く。
自分の手首が交差した時、軽やかなものがぶつかり合う軽い衝撃が腕に伝わってくる。
おまえに縛られるの、ずっと待ってたんだぜ。
そう教えてやったらどんな顔をするんだろうな。
想像して喉を鳴らせば、他のことを考えるなとばかりに熱い舌が深くまで押し入ってきた。
考えてるのもおまえの事なのに。ほんと、かわいいやつ。
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