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晃生誕1 俺の幸福は、
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「旭陽を見なかったか?」
「いえ、お見掛けしておりませんが……」
何度目か分からない質問に、予想通りの返答が返される。不思議そうな視線が痛い。何でもないと首を振ってその場を離れる。
いや、分かってるんだよ。まだ帰ってきてないってことは。だってアイツの魔力を城内に感じない。でもあまりにも遅いものだから、つい無駄と分かっていても聞いて回ってしまう。
出てくる、と旭陽が突然転移魔法で消えてしまったのが数時間前。当然一緒に移動するものだと思って立ち上がった俺に、可笑しそうな視線を向けた男は「着いてくんなよ?」と笑いながら消えた。
別に無理矢理着いて行くこともできたんだけど。思いがけない言葉にショックを受けて、10分ほど固まってしまった。我に返った時には、もう旭陽の魔力の軌跡は消えて残滓しか残っていない状態だった。
それでも追おうと思えばできるんだが。わざわざするなよと言い残していったことを破るのは、ちょっと気が引けた。だってむしろ何処へでも俺が着いてくるのが当たり前だと思っていて、俺に向けては煽る以外ではあまり言わない男だ。何か意図があるんだと思う、多分。
それでも、日付が変わりそうな時間になっても帰ってこないのは流石に心配だ。……いや、旭陽を傷付けられるやつなんて俺以外に居るはずもないんだが。……さびしい、だろ。こんなに長く放置されてるなんて。旭陽がベッドから動けなかった頃は兎も角、近頃は一刻だって離れたことなかったのに。
ああ、もう無理だ。迎えに行こう。
意識を集中させようとした瞬間、遠かった旭陽の魔力が急速に近付いた。
ゆらりと目の前の空間が揺れ、漆黒の渦が噴き出す。
「──旭陽」
俺の呼び声に応えるように、するりと褐色が闇を通り抜けた。射干玉の髪糸が揺れ、空間の揺らぎが掻き消されていく。
「晃」
服の乱れ一つない男が、空間を繋いで戻ってきた自分を凝視する俺に頬を持ち上げた。
何か言おうとするのを遮って、一息に距離を詰める。腰に腕を巻き付けても、旭陽は眉を上げただけで抵抗してこなかった。
筋肉に覆われた体を腕の中に閉じ込め、横抱きに抱き上げる。
「あき、……ッン、っ」
名前を呼ぼうとする薄い唇に噛み付けば、ビクリと腰が跳ねた。微かに呻いた唇へ歯を食い込ませ、舌を押し込んで口腔を乱暴に舐る。
「っは、ァッ、んンッ……、っふ、ぁ、ァッ!」
抱き上げられても抵抗してこない体が、抱えられた不安定な状態でびくびくと震えている。部屋に向かう時間も惜しくて、喉奥へと舌を伸ばしながら太い柱の影へと足を運んだ。
「っんぁッ」
柱に抱えていた体を押し付ければ、勢いで唇が離れてしまう。その拍子に溢れた甘い声に惹かれて、またすぐに唇を塞いだ。
「っぁ、き、ッ待……っふ、ゥッ」
制止してこようとした旭陽も、深い口付けにすぐ言葉を失っている。
待てるかよ。もう何時間も待たせておいて。……もう日付変更があと僅かに迫ってる。明日……そろそろ今日か。何の日か、お前分かってるだろ。
3月10日。……俺の、誕生日だぞ。
地球から離れて色んなことが変わった。でも変わらないこともある。お互いが産まれた日の特別性も、その一環だ。
いや、旭陽は自分の誕生日を忘れてたけどな……でも俺にとってはとても大切で、大事な日付だった。その日、旭陽の魂を改めて俺に縛り付けたのは記憶に新しい。
あの日に比べれば、俺の誕生日はそこまで重要じゃない。でも一緒に過ごしたいと思うくらいはいいだろ。……お前は、そうじゃないのか?
「ッぁき、らっ! 待てって言ってんだろ……ッぁ、やめっ──っひぁ゛!? ぁううっ!」
嫌がって身を捩る男から、また口が離れてしまう。なんで嫌がるんだ、旭陽。お前、いつもキス大好きなのに。それより優先することがあるのか?
むっとして、柱に背中を押し付けさせたまま両足を俺の肩に掛けさせる。はっとして止めようとする手を掻い潜り、身を屈めて股間部へ食らい付いた。
「っァ、あッ! ンッぅうあっ! っは、ぁきッ、らっ、! ゃ、アッ、あンんッ!」
服の上から、突き破らない程度に牙を食い込ませる。長い舌をぐにぐにと押し付けて生地を濡らせば、見る見る間に股座のものが膨らんでいった。形が分かるようになった逸物を歯でがりがりと食んでやれば、布地が明らかに色を変えていく。相変わらずここ刺激されるの慣れないな、旭陽。
髪に絡み付いてきた指を好きにさせながら、窮屈そうな前を寛げてやる。でも脱がしはせずに、俺の髪を握り込もうとしていた指を掴んで優しく引き離した。
「っぁ、あ……っ?」
いつもはむしろ誘導する場面で手を離させられて、快感に震える声が疑問符を発した。
微かに揺れる指先をそっと撫で、旭陽の後ろに手を回させる。無理矢理じゃなく、誘導するだけの弱い力で。
振り払おうと思えば幾らでも可能な程度の力でも、旭陽は素直に手を動かしてくれた。
困惑している男に笑いかけ、下衣に覆われたままの太腿にキスを落とす。
「自分で気持ちよくなってるとこ見せて、旭陽」
甘く囁けば、快感に水分を滲ませた黄金がきょとんと丸くなった。
「いえ、お見掛けしておりませんが……」
何度目か分からない質問に、予想通りの返答が返される。不思議そうな視線が痛い。何でもないと首を振ってその場を離れる。
いや、分かってるんだよ。まだ帰ってきてないってことは。だってアイツの魔力を城内に感じない。でもあまりにも遅いものだから、つい無駄と分かっていても聞いて回ってしまう。
出てくる、と旭陽が突然転移魔法で消えてしまったのが数時間前。当然一緒に移動するものだと思って立ち上がった俺に、可笑しそうな視線を向けた男は「着いてくんなよ?」と笑いながら消えた。
別に無理矢理着いて行くこともできたんだけど。思いがけない言葉にショックを受けて、10分ほど固まってしまった。我に返った時には、もう旭陽の魔力の軌跡は消えて残滓しか残っていない状態だった。
それでも追おうと思えばできるんだが。わざわざするなよと言い残していったことを破るのは、ちょっと気が引けた。だってむしろ何処へでも俺が着いてくるのが当たり前だと思っていて、俺に向けては煽る以外ではあまり言わない男だ。何か意図があるんだと思う、多分。
それでも、日付が変わりそうな時間になっても帰ってこないのは流石に心配だ。……いや、旭陽を傷付けられるやつなんて俺以外に居るはずもないんだが。……さびしい、だろ。こんなに長く放置されてるなんて。旭陽がベッドから動けなかった頃は兎も角、近頃は一刻だって離れたことなかったのに。
ああ、もう無理だ。迎えに行こう。
意識を集中させようとした瞬間、遠かった旭陽の魔力が急速に近付いた。
ゆらりと目の前の空間が揺れ、漆黒の渦が噴き出す。
「──旭陽」
俺の呼び声に応えるように、するりと褐色が闇を通り抜けた。射干玉の髪糸が揺れ、空間の揺らぎが掻き消されていく。
「晃」
服の乱れ一つない男が、空間を繋いで戻ってきた自分を凝視する俺に頬を持ち上げた。
何か言おうとするのを遮って、一息に距離を詰める。腰に腕を巻き付けても、旭陽は眉を上げただけで抵抗してこなかった。
筋肉に覆われた体を腕の中に閉じ込め、横抱きに抱き上げる。
「あき、……ッン、っ」
名前を呼ぼうとする薄い唇に噛み付けば、ビクリと腰が跳ねた。微かに呻いた唇へ歯を食い込ませ、舌を押し込んで口腔を乱暴に舐る。
「っは、ァッ、んンッ……、っふ、ぁ、ァッ!」
抱き上げられても抵抗してこない体が、抱えられた不安定な状態でびくびくと震えている。部屋に向かう時間も惜しくて、喉奥へと舌を伸ばしながら太い柱の影へと足を運んだ。
「っんぁッ」
柱に抱えていた体を押し付ければ、勢いで唇が離れてしまう。その拍子に溢れた甘い声に惹かれて、またすぐに唇を塞いだ。
「っぁ、き、ッ待……っふ、ゥッ」
制止してこようとした旭陽も、深い口付けにすぐ言葉を失っている。
待てるかよ。もう何時間も待たせておいて。……もう日付変更があと僅かに迫ってる。明日……そろそろ今日か。何の日か、お前分かってるだろ。
3月10日。……俺の、誕生日だぞ。
地球から離れて色んなことが変わった。でも変わらないこともある。お互いが産まれた日の特別性も、その一環だ。
いや、旭陽は自分の誕生日を忘れてたけどな……でも俺にとってはとても大切で、大事な日付だった。その日、旭陽の魂を改めて俺に縛り付けたのは記憶に新しい。
あの日に比べれば、俺の誕生日はそこまで重要じゃない。でも一緒に過ごしたいと思うくらいはいいだろ。……お前は、そうじゃないのか?
「ッぁき、らっ! 待てって言ってんだろ……ッぁ、やめっ──っひぁ゛!? ぁううっ!」
嫌がって身を捩る男から、また口が離れてしまう。なんで嫌がるんだ、旭陽。お前、いつもキス大好きなのに。それより優先することがあるのか?
むっとして、柱に背中を押し付けさせたまま両足を俺の肩に掛けさせる。はっとして止めようとする手を掻い潜り、身を屈めて股間部へ食らい付いた。
「っァ、あッ! ンッぅうあっ! っは、ぁきッ、らっ、! ゃ、アッ、あンんッ!」
服の上から、突き破らない程度に牙を食い込ませる。長い舌をぐにぐにと押し付けて生地を濡らせば、見る見る間に股座のものが膨らんでいった。形が分かるようになった逸物を歯でがりがりと食んでやれば、布地が明らかに色を変えていく。相変わらずここ刺激されるの慣れないな、旭陽。
髪に絡み付いてきた指を好きにさせながら、窮屈そうな前を寛げてやる。でも脱がしはせずに、俺の髪を握り込もうとしていた指を掴んで優しく引き離した。
「っぁ、あ……っ?」
いつもはむしろ誘導する場面で手を離させられて、快感に震える声が疑問符を発した。
微かに揺れる指先をそっと撫で、旭陽の後ろに手を回させる。無理矢理じゃなく、誘導するだけの弱い力で。
振り払おうと思えば幾らでも可能な程度の力でも、旭陽は素直に手を動かしてくれた。
困惑している男に笑いかけ、下衣に覆われたままの太腿にキスを落とす。
「自分で気持ちよくなってるとこ見せて、旭陽」
甘く囁けば、快感に水分を滲ませた黄金がきょとんと丸くなった。
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