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遠回りしたから僕らは出逢える
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一緒に寝るようになって、パジャマだって裸だって見慣れた。
見飽きるわけではないけど。
俺の下でどんどん変わってくお前がどんなに好きかしらないだろ?
だから、今日も俺のありったけをこめてぶつける。
「あっ、樹(いつき)、だめ・・・。」
「だめじゃねぇだろ?」
蒼(そう)をイかせるために、思いっきりシゴいてやる。
体は正直で嫌だとは言ってもさっきから腰がなめまかしく動いていた。
こうして気持ち良くしていれば、せめて体を繋げている間だけでも、蒼は俺のことを考えてくれるだろうっていう、ただの独りよがりだ。
それでも良かった。
この時間だけでも、蒼を独占したいっていう醜い感情。
「や、やだぁ・・・」
ところが今日の蒼は強情で、蒼をシゴく俺の手をぎゅっと掴んできた。
それはまるで拒絶を訴えるようで。
「そんな嫌だった?」
ハッと我に返った俺は、初めてのことに情けないけど声が震えているのが、自分でもわかった。
さっきまでは火照っていた身体が急に冷えて、熱を失った汗がポタリとシーツに落ちる。
「ち、違う、樹」
「えっ?」
俺は目を見開いた。
唇を奪われていたことに気づくのに、随分時間がかかったように思える。
蒼からのキスなんて、いつぶりだろうか。
しかも、俺が強請ったキスじゃないなんて。
「俺、樹のこと好きだよ」
快感のせいで、涙ながらにそう言う蒼はもしかしたら、自分が何を言っているのか分かってないかもしれなかった。
だって、
「一緒、に、イこ?」
なんて言うんだから。
「・・・蒼?」
「俺、ちゃんと樹のこと好き、だから」
蒼はあまり乱れていなかった、俺の服のボタンをゆっくり一つまた一つと外して行く。
蒼の細長い指が俺の素肌をすべる。
慣れない手つきで、ベルトにまで手がかかったとき、嬉しい気持ちはもちろんあるけど、それ以上に戸惑いを覚えた。
「どうし・・・んっ」
どうしたの?と問いかける前にまた唇を塞がれた。
今度は舌が俺の口内を弄る。
こんなに積極的な蒼の口付けは初めてで、俺は押されるがままだ。
「・・・はぁ、そ、う・・・?」
やっと交わりが解かれたとき、すっかり二人とも息が上がって肩が上下に動く。
「俺も、・・・樹のこと好き。だから、そんな悲しい顔、するなよ・・・」
「え?」
「気づいて、ないの?」
今度は頬に優しくキスされた。
「いつも辛そうな顔してるから、ずっと何でだろって、考えてた。でも、俺全然わからなくて。」
そっと目を伏せる蒼の長いまつげに見惚れる。
その瞳がこちらを向いたとき、ホロリと涙が頬を伝った。
「でも、今分かった。俺も樹のこと好きだって、ちゃんと伝わってないって。」
何度も角度を変えて啄むような口付けを繰り返された。
「好きだよ、樹」
さっきから何度も好きと言われ、心がどう反応したらいいのか分かっていない。
ずっとずっと、俺の方が蒼のことを好きで、優しい蒼は同情して俺に付き合ってくれてるものだと思っていた。
でも、そうじゃない…?
「お前の全部、俺にくれるってこと…?」
小さく消えそうな声で俺は呟いた。
「もうとっくにあげてるつもりだったんだけど」
困ったように笑う蒼に、心がジンワリと解される気がした。
目の前が歪んで見えたと思ったら、熱いものが零れ落ちてくる。
「もっとちゃんと言ってよ、不安なら」
優しく抱きしめられ、まるで子どもをあやすかのように、よしよしと頭を撫でられる。
「泣いてない、から、な」
でも、蒼に縋り付くように抱きつく俺は、まさしくそれで。
後から思い出したら、顔から火が出るくらいの醜態を晒してるような気がしないでもないけど、今はそんなことを気にする余裕なんかなかった。
ずっと一人だけの感情だと思っていたのに、それがいつの間にか、二人のものになっていたなんて。
嬉しくて嬉しくてどうにかなりそうだった。
「蒼、好きだ」
「俺も、樹のこと大好きだよ」
それからどちらからともなく熱のこもった口付けを交わし、もう一度深くベットに蒼を押し倒した。
見飽きるわけではないけど。
俺の下でどんどん変わってくお前がどんなに好きかしらないだろ?
だから、今日も俺のありったけをこめてぶつける。
「あっ、樹(いつき)、だめ・・・。」
「だめじゃねぇだろ?」
蒼(そう)をイかせるために、思いっきりシゴいてやる。
体は正直で嫌だとは言ってもさっきから腰がなめまかしく動いていた。
こうして気持ち良くしていれば、せめて体を繋げている間だけでも、蒼は俺のことを考えてくれるだろうっていう、ただの独りよがりだ。
それでも良かった。
この時間だけでも、蒼を独占したいっていう醜い感情。
「や、やだぁ・・・」
ところが今日の蒼は強情で、蒼をシゴく俺の手をぎゅっと掴んできた。
それはまるで拒絶を訴えるようで。
「そんな嫌だった?」
ハッと我に返った俺は、初めてのことに情けないけど声が震えているのが、自分でもわかった。
さっきまでは火照っていた身体が急に冷えて、熱を失った汗がポタリとシーツに落ちる。
「ち、違う、樹」
「えっ?」
俺は目を見開いた。
唇を奪われていたことに気づくのに、随分時間がかかったように思える。
蒼からのキスなんて、いつぶりだろうか。
しかも、俺が強請ったキスじゃないなんて。
「俺、樹のこと好きだよ」
快感のせいで、涙ながらにそう言う蒼はもしかしたら、自分が何を言っているのか分かってないかもしれなかった。
だって、
「一緒、に、イこ?」
なんて言うんだから。
「・・・蒼?」
「俺、ちゃんと樹のこと好き、だから」
蒼はあまり乱れていなかった、俺の服のボタンをゆっくり一つまた一つと外して行く。
蒼の細長い指が俺の素肌をすべる。
慣れない手つきで、ベルトにまで手がかかったとき、嬉しい気持ちはもちろんあるけど、それ以上に戸惑いを覚えた。
「どうし・・・んっ」
どうしたの?と問いかける前にまた唇を塞がれた。
今度は舌が俺の口内を弄る。
こんなに積極的な蒼の口付けは初めてで、俺は押されるがままだ。
「・・・はぁ、そ、う・・・?」
やっと交わりが解かれたとき、すっかり二人とも息が上がって肩が上下に動く。
「俺も、・・・樹のこと好き。だから、そんな悲しい顔、するなよ・・・」
「え?」
「気づいて、ないの?」
今度は頬に優しくキスされた。
「いつも辛そうな顔してるから、ずっと何でだろって、考えてた。でも、俺全然わからなくて。」
そっと目を伏せる蒼の長いまつげに見惚れる。
その瞳がこちらを向いたとき、ホロリと涙が頬を伝った。
「でも、今分かった。俺も樹のこと好きだって、ちゃんと伝わってないって。」
何度も角度を変えて啄むような口付けを繰り返された。
「好きだよ、樹」
さっきから何度も好きと言われ、心がどう反応したらいいのか分かっていない。
ずっとずっと、俺の方が蒼のことを好きで、優しい蒼は同情して俺に付き合ってくれてるものだと思っていた。
でも、そうじゃない…?
「お前の全部、俺にくれるってこと…?」
小さく消えそうな声で俺は呟いた。
「もうとっくにあげてるつもりだったんだけど」
困ったように笑う蒼に、心がジンワリと解される気がした。
目の前が歪んで見えたと思ったら、熱いものが零れ落ちてくる。
「もっとちゃんと言ってよ、不安なら」
優しく抱きしめられ、まるで子どもをあやすかのように、よしよしと頭を撫でられる。
「泣いてない、から、な」
でも、蒼に縋り付くように抱きつく俺は、まさしくそれで。
後から思い出したら、顔から火が出るくらいの醜態を晒してるような気がしないでもないけど、今はそんなことを気にする余裕なんかなかった。
ずっと一人だけの感情だと思っていたのに、それがいつの間にか、二人のものになっていたなんて。
嬉しくて嬉しくてどうにかなりそうだった。
「蒼、好きだ」
「俺も、樹のこと大好きだよ」
それからどちらからともなく熱のこもった口付けを交わし、もう一度深くベットに蒼を押し倒した。
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