遠回りしたから僕らは出逢える

Iris

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遠回りしたから僕らは出逢える2

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「俺、好きでもない男に抱かれるの許すような簡単な男じゃないから」
いつもよりずっと気持ちいいSEXの後、蒼にそう怒られた。
二人して同じベッドに枕を並べて終わった後話すなんて、初めてかもしれなかった。
「…」
ごもっとも、と思いつつ、そうだとは言い切れない自分の行いに頭を抱えた。
あの忘れもしない初めて蒼を抱いた日。
酒をしこたま呑ませて、よく分からなくなった蒼を、もうこの一度きりでも構わないから、と酒の勢いに任せて抱いた。
その後怖くなった俺は、同じ朝を迎える前に蒼の家から逃げ帰ったわけだけれども。
ところが蒼の態度は全然変わることもなく、そのままお互いの家に行く度に、この不思議な関係は続いていたわけで。
「だから、そのときから樹のこと好きだった。好きじゃなかったら、抱かれるわけないだろ。言い方軽く聞こえたかもしれないけど、俺も恥ずかしかったんだよ・・・」
恥ずかしかった 、と頬を染め、そっぽを向く蒼から嘘は言っていないとわかる。
そう思えば、あの「いいよ」と応える彼の頬は赤かった気がする。
あれは、酒のせいではなかったのか…?
「初めてのときも、記憶あるのか…?」
「当たり前だろ!第一呑んでたのお前だけで、俺呑んでない」
「は?」
え、だって俺蒼にすげー呑ませてた記憶あるんだけど。
すごい事実の発覚に、俺の弱い頭はついていかない。
「樹がすごい勧めてきたの、ノンアルコールだったもん。」
「え・・・」
「樹、強いお酒呑んでたし、きっと間違えて記憶してるんだよ」
「そんな・・・」
じゃあ、ということは。
「お前シラフで…?」
俺に抱かれていたってこと?という続きは、少し不機嫌そうに、でもコクリと頷く彼の態度で伝わっていることが分かった。
酒に流されるでもなく、本当に蒼の意思で俺に抱かれてくれた、らしい。
どうしよう。
顔がニヤけるのが止められない。
「俺だって勇気だして、いいよ、って言ったんだ。でも朝起きたら樹いないし。
 敢えて、いつもと変わらなくしてんのかな?とか思ったけど、なんか樹辛そうだし。
 付き合ってるって思ってるの、俺だけなのかな、とか考えたり」
「ごめん」
この目の前の男がどうしようもないくらい可愛く見えて、気づいたらキツく抱きしめていた。
「…いやだ」
ギュッと背中に腕が回される。 
「うん、ごめん」
「…うん」
「ごめん」
「…いいよ」
いったん体を離して頬に音をたててキスをした。
「大事にする」
「…もうしてもらってるよ」
また、カンチガイだね、と蒼は優しく笑った。
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