ジャージ女子高生による異世界無双

6章 勇者召喚編

神の行方

妖精女王を尋問部屋に移動してオハナシを聴く事にした。

妖精女王は町の地下墓地にて死体に妖精を取り憑かせゾンビにし、イタズラをしていたのを私が一網打尽に収納したのだ。

妖精女王は部下の妖精を人質に取られたと思ったのか、「話したら部下を解放して欲しい！」と懇願してきた。
その方が話しがしやすいと思ったので了承した。

そして聞き出した事は
・この世界の創造神はつい最近までいた。
・突然神界に引きこもった。
・引きこもったのは5日前。
ん？5日前って私達が来た日くらいだよね？
・会いに行ったが「ワシに話しかけるな！あのバケモノに気がつかれるじゃろが！」と錯乱していた。
もしかして私の事か？
・因みに創造神のライバルである邪神も引きこもっているらしい

創造神に会うには巧妙に隠蔽された入口を通るしかないらしい。
実際にその場所まで案内してもらい確認した。
ほほう、上手いこと隠してあるね。

その入口は向こう側から蓋されていたけど力尽くで引き剥がし中へ入ると、中には驚愕の表情をする知らない爺さんが居た。

☆

「す、すみませんでした創造神コトナ様。ワシ、いや私は自分の力で世界を作れない、所謂なんちゃって創造神なのです。偶々いい感じの惑星を見つけたので、そこへ人を作っただけの半端者です。」
見た感じだと仙人とか神っぽい白髪に長い白髭を生やしたお爺さんなんだけど、実際の創造神達は案外神っぽく無い見た目だからね。
ジジイさんだって仙人じゃなくてロマンスグレーの渋い叔父様って感じだ。

「創造神じゃ無かった事はわかったけど、なんで私から逃げたの？」

「はい、コトナ様がきた瞬間に星・・・いや、太陽系全てを網羅する程のとても巨大な神力を感じたもので、ヤベエ本物来た！しかもウチの人間のしわざじゃないか！ヤベエ殺される！と思いましてね。気がついたら引きこもってました。」 

私が無意識にこの世界を見ようとしたら神力、多分私の間合いがこの世界を射程に入れたせいで、この神がびびって引きこもったらしい。

確かに私の間合に入っているだけで生殺与奪権を握っているからね。

もう1人の引きこもりである邪神も私の間合にビビって逃げ出したらしい。
ちなみに邪神は半端者の神を狙う悪質な連中である、ガチ創造神はランクの桁が違うので邪神は絶対に手を出さないらしかった。

邪神の狙いは世界の乗っ取りだからね、言い換えれば他人の育てた世界を奪ってしまおうという魂胆だ。
乗っ取りゴッズ金貨を集め自分に使い神格をあげ創造神になる、といったところかな？
でも残念、創造神になれる器は半神になった時点で伸び代が決まっているのでいくらゴッズで神格を上げようとしても上位神が限界だろうね。

それを知らない下位神が多い、邪神のほぼ全てがそう言った奴らだ。
人間からしたら神ってだけで格上だから邪神は強いと思ってしまうのだ。
実際は落ちこぼれで卑怯な手でのし上がろうとする馬鹿だ。

話を戻し、この世界の神に勇者召喚はどう行った経緯で生まれたのか問いただす。

元々は邪神が鬱陶しくて、自分の代わりに追い出してくれる存在を呼び出させる為に各地の大国に召喚を神託にて授けたらしい。
そして最初の頃は神託通りに邪神退治のため異世界人に力を借りて居たのだが、100年200年経つ頃には自国の力の為だけに召喚されるようになってしまった。勇者召喚に隷属効果などが付けられたのもこの頃かららしい。

話を聞き、召喚自体はこの神の所為だけど、この世界の人々(主に権力者)の悪意というか欲望が酷いので懲らしめはそっちにしよう。
この神への罰はデコピンだけにしておこう。

「邪神程度自分でなんとかしなさい！」

ぴしっ！っとデコピンした。

すると勢いよくふっ飛んで地面に何度もバウンドしながら遠くまで転がり続け神界の端の境界線を回転を利用して壁を転がり上がり更に天井を転がった後勢いを無くし落ちてきてグシャっと潰れた。

「いや、そうはならんだろう。」

「な、なっとるやろがぃ・・・」
神だから血は出ていないがズタボロである。

デコピンは手加減が難しいな、ただ指を弾くだけだからかな！
ヒト相手には止めとこう、デコピンした相手の頭が目の前で消し飛んだら流石にトラウマになりそうだ。