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3話 ダイエット、そしてイケメンへ②
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ダイエットをしようと意気込んで公爵邸への道を歩いていると、いかにも怪しい見た目の建物が目につく。
「そういえばこれもあったな!魔女みたいな見た目の、美人な女性が営む骨董品店だ!」
店を見た瞬間に嬉しさの余り叫んでしまった。なぜなら、この店には成長の指輪が売られているからだ。
この世界では、魔物を倒すことで経験値が得られるのだが、成長の指輪をつけているだけで通常の2倍の経験値が手に入る。
成長の指輪を手に入れられれば、レベルが格段に上がりやすくなるだろう。
そんなこともあり、ゲームではほとんどのプレイヤーが最初に魔女店主の骨董品店に行き成長の指輪を手に入れてから本格的にゲームを初めていた。
成長の指輪が誰にも買われていないよう祈りながら店に入ると、所狭しとガラクタの様なものが置かれていた。
目的の指輪を探すが、ゲームと同じ位置に置かれていない。背中を冷や汗がつたうのを感じながら、魔女店主に尋ねる。
「白く輝く指輪を知らないか?」
「ああ、あの指輪ね。高価そうだし盗まれると嫌だから隠しておいたのよ。坊やはあの指輪が欲しいの~?」
「あるのか!!すぐに買う、金ならいくらでもあるから。」
少しがっつき過ぎただろうか。店主は妖麗な笑みを浮かべながら値段を告げる。
「金貨200枚で売ってあげるわ。でも坊やにそんな大金払えるのかしら~?」
おそらく俺の反応を見て値段を釣り上げたのだろう。だが、それでも構わない。どうせ、家の金で買うのだ。公爵家なだけあって金はいくらでもあるからな。
「これでいいか?ちょうど200枚入ってる。」
店主の前に金貨が大量に入った皮袋を置くと驚いた様な顔おして、指輪を手渡してきた。
「まいどあり~、またいつでもいらっしゃってくださいね~」
ニコニコ笑顔で手を振ってくる魔女店主を尻目に店を出る。いい買い物ができて大満足だ。指輪1つに日本円で2億もの大金を使ってしまったが、この性能の指輪なら100億出してでも買いたい人はいくらでもいるだろう。
魔女店主は、おそらく指輪の性能について知らなかったのだろう。そのおかげでいい買い物ができたよ。
店主がこのことを知ったらどんな顔をするだろうか。自分が騙しているつもりが、俺に騙されていたのだ。
▼
家に帰る頃には、すっかり日も暮れて夜になっていた。今日は時間も遅いしダイエットは明日からにして早めに寝よう。
お風呂に入り眠ろうとしていると、りんごとバナナのことを思い出したので交互に食べた。
ゲームの豆知識では、今日行った果物屋のりんごとバナナを交互に食べると代謝が良くなると書いてはあったが効果があるかは、分からない。
ゲームだとまず太らないから使う場面がなかったのだ。
朝起きると、驚くほど大量の汗をかいていた。気持ちが悪かったので軽くシャワーを浴びる。
この世界は魔道具によって電気がなくてもかなり便利な生活を送れるので、元日本人としては非常にありがたい。
庭に出て、準備体操をしてから走り出した。シュトレーゼン邸の庭は終わりが見えないほど広大なのでランニングには最適だ。
走り始めて30分、気合いでなんとか走っているがもう倒れてしまいそうだ。かなり走ったつもりだが庭の外周を半分も走れなかった。
このままだと先が思いやられるが、絶対に痩せるとの思いでなんとか走り続けた。
▼
ダイエットを初めて1週間、見た目の変化は少しだが確実に痩せていると思う。以前とは比べ物にならないほど動きやすくなったのだ。
今日もランニングをしていると、メイド達の話し声が聞こえてくる。
「見てよ、あの豚、今日も走ってるわよ。」
「1日で終わると思ったのに割と頑張ってるじゃない。応援してあげれば?」
「嫌よ、目つけられたくないもん」
聞いていて気分が悪いし、心も折れそうになるが、悔しさをバネに走るスピードを上げる。最初は半周もできなかった庭を、今では何周も連続で走れる様になった。
努力した分だけ成果が出ているのでやる気にもつながる。1週間でこれだけ動ける様になったということは、おそらくレベルアップしているのだと思う。
この世界では魔物を倒す以外にも、運動したり剣や魔法の訓練をしていると自然に経験値が入ってきてレベルアップするが、成長の指輪のおかげでかなりレベルアップしたのだろう。
「ステータス」と頭の中で唱えると目の前にステータスボードが出せるのだが、恐ろしく低いであろう自分のステータスが怖くて見れない。
ちなみにステータスは、この世界の誰でも自分のものであれば見られるので、転生特典で俺だけ見られるなんてものではないのが残念なところだな。
ダイエットを初めて2週間が経った。見た目もだいぶスッキリしてきて、小太りぐらいの体型になったので嬉しさのあまり鏡の前でガッツポーズする。
「りんごとバナナには感謝だな。ここまで効果が出るものなのか!」
りんごとバナナを交互に食べると代謝が上がるという豆知識は、どうやら本物だったようで、かなり効果が出ている。この調子で頑張ろう。
ダイエット開始からちょうど1ヶ月が経った。怪物の様だった体は細マッチョへと変貌しており腹筋もしっかりと見えている。
そして、何よりも顔だ。鏡に映る自分の顔を見ながら思わず声が漏れる。
「美しい。思った通り痩せたらイケメンになったが、まさかここまでとは!」
鏡に映るアルベルトは間違いなく、誰が見てもイケメンだと言えるだろう。透き通る様な金髪にエメラルドの瞳が完璧な調和を生み出している。
最初の目標だったダイエットは達成だな!
「そういえばこれもあったな!魔女みたいな見た目の、美人な女性が営む骨董品店だ!」
店を見た瞬間に嬉しさの余り叫んでしまった。なぜなら、この店には成長の指輪が売られているからだ。
この世界では、魔物を倒すことで経験値が得られるのだが、成長の指輪をつけているだけで通常の2倍の経験値が手に入る。
成長の指輪を手に入れられれば、レベルが格段に上がりやすくなるだろう。
そんなこともあり、ゲームではほとんどのプレイヤーが最初に魔女店主の骨董品店に行き成長の指輪を手に入れてから本格的にゲームを初めていた。
成長の指輪が誰にも買われていないよう祈りながら店に入ると、所狭しとガラクタの様なものが置かれていた。
目的の指輪を探すが、ゲームと同じ位置に置かれていない。背中を冷や汗がつたうのを感じながら、魔女店主に尋ねる。
「白く輝く指輪を知らないか?」
「ああ、あの指輪ね。高価そうだし盗まれると嫌だから隠しておいたのよ。坊やはあの指輪が欲しいの~?」
「あるのか!!すぐに買う、金ならいくらでもあるから。」
少しがっつき過ぎただろうか。店主は妖麗な笑みを浮かべながら値段を告げる。
「金貨200枚で売ってあげるわ。でも坊やにそんな大金払えるのかしら~?」
おそらく俺の反応を見て値段を釣り上げたのだろう。だが、それでも構わない。どうせ、家の金で買うのだ。公爵家なだけあって金はいくらでもあるからな。
「これでいいか?ちょうど200枚入ってる。」
店主の前に金貨が大量に入った皮袋を置くと驚いた様な顔おして、指輪を手渡してきた。
「まいどあり~、またいつでもいらっしゃってくださいね~」
ニコニコ笑顔で手を振ってくる魔女店主を尻目に店を出る。いい買い物ができて大満足だ。指輪1つに日本円で2億もの大金を使ってしまったが、この性能の指輪なら100億出してでも買いたい人はいくらでもいるだろう。
魔女店主は、おそらく指輪の性能について知らなかったのだろう。そのおかげでいい買い物ができたよ。
店主がこのことを知ったらどんな顔をするだろうか。自分が騙しているつもりが、俺に騙されていたのだ。
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家に帰る頃には、すっかり日も暮れて夜になっていた。今日は時間も遅いしダイエットは明日からにして早めに寝よう。
お風呂に入り眠ろうとしていると、りんごとバナナのことを思い出したので交互に食べた。
ゲームの豆知識では、今日行った果物屋のりんごとバナナを交互に食べると代謝が良くなると書いてはあったが効果があるかは、分からない。
ゲームだとまず太らないから使う場面がなかったのだ。
朝起きると、驚くほど大量の汗をかいていた。気持ちが悪かったので軽くシャワーを浴びる。
この世界は魔道具によって電気がなくてもかなり便利な生活を送れるので、元日本人としては非常にありがたい。
庭に出て、準備体操をしてから走り出した。シュトレーゼン邸の庭は終わりが見えないほど広大なのでランニングには最適だ。
走り始めて30分、気合いでなんとか走っているがもう倒れてしまいそうだ。かなり走ったつもりだが庭の外周を半分も走れなかった。
このままだと先が思いやられるが、絶対に痩せるとの思いでなんとか走り続けた。
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ダイエットを初めて1週間、見た目の変化は少しだが確実に痩せていると思う。以前とは比べ物にならないほど動きやすくなったのだ。
今日もランニングをしていると、メイド達の話し声が聞こえてくる。
「見てよ、あの豚、今日も走ってるわよ。」
「1日で終わると思ったのに割と頑張ってるじゃない。応援してあげれば?」
「嫌よ、目つけられたくないもん」
聞いていて気分が悪いし、心も折れそうになるが、悔しさをバネに走るスピードを上げる。最初は半周もできなかった庭を、今では何周も連続で走れる様になった。
努力した分だけ成果が出ているのでやる気にもつながる。1週間でこれだけ動ける様になったということは、おそらくレベルアップしているのだと思う。
この世界では魔物を倒す以外にも、運動したり剣や魔法の訓練をしていると自然に経験値が入ってきてレベルアップするが、成長の指輪のおかげでかなりレベルアップしたのだろう。
「ステータス」と頭の中で唱えると目の前にステータスボードが出せるのだが、恐ろしく低いであろう自分のステータスが怖くて見れない。
ちなみにステータスは、この世界の誰でも自分のものであれば見られるので、転生特典で俺だけ見られるなんてものではないのが残念なところだな。
ダイエットを初めて2週間が経った。見た目もだいぶスッキリしてきて、小太りぐらいの体型になったので嬉しさのあまり鏡の前でガッツポーズする。
「りんごとバナナには感謝だな。ここまで効果が出るものなのか!」
りんごとバナナを交互に食べると代謝が上がるという豆知識は、どうやら本物だったようで、かなり効果が出ている。この調子で頑張ろう。
ダイエット開始からちょうど1ヶ月が経った。怪物の様だった体は細マッチョへと変貌しており腹筋もしっかりと見えている。
そして、何よりも顔だ。鏡に映る自分の顔を見ながら思わず声が漏れる。
「美しい。思った通り痩せたらイケメンになったが、まさかここまでとは!」
鏡に映るアルベルトは間違いなく、誰が見てもイケメンだと言えるだろう。透き通る様な金髪にエメラルドの瞳が完璧な調和を生み出している。
最初の目標だったダイエットは達成だな!
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