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第6章 ケンジの新しい生産力!
6話 お出かけデート
しおりを挟む女性たちと交代で聖の日にケンジと二人きりでお出かけを約束して、初めてはミイナだった。
「ご主人様、今日はよろしくお願いします。」
「ミイナ。今日はデートなんだろ?」
「は、はい!」
「じゃあその呼び方は無しだ。俺の事今日ずっとご主人様と呼ぶつもりなのか?」
「え・・・・でも・・・なんてお呼びしたら?」
「今日はその敬語もなしな!」
「えええ!」
「ええってなんだよ?」
「じゃあ、ケンジ様でいいですか?」
「様がダメ!呼び捨てでも構わないが無理だろ?さんで手を打ってやるか。」
「ケンジさん・・・・」
ミイナは呼びなれない言い方をしたため顔を真っ赤にするのだった。
「ミイナ、その呼び方良いな。今日はずっとそれでよろしくな!」
「はい。」
「そこはハイじゃなくウンでよろしくな。」
「えぇ~~~そんなの無理ですよ・・・」
ケンジは黙ってミイナの顔を見て顔を横に振るのだった。
「無理なのか?じゃあ今日のデートも無理にしようかな?」
「えええ~~~!そ、そんなああ~~~」
「だって、無理なんだろ?主人と奴隷ってデートなんてしないよな?だったら気分は恋人同士って事だろ?恋人同士がご主人様とか敬語で離すのはおかしいじゃないか。」
「そんな事言われても今までそうお呼びしてたんですから・・・」
「俺はお前達の言う事を聞いてみんなとデートするんだぞ。だったら俺の言う事聞いてくれてもいいだろ?」
「わ、わかりました!ケンジさん。これでいい?」
ケンジはミイナの砕けた言葉遣いに新鮮な感じがして満足だった。
「おお!新鮮なミイナにびっくりだ。じゃあ、まず服屋にでも行こう!」
「うん。」
ミイナはケンジの腕に手を回しニコッと可愛らしく笑った。
服屋に着いた二人は服屋に入るがいつも買うような服屋ではなくここの服屋は可愛らしい服やお洒落な服が揃っている服屋で値段も普通のより高価な服が揃っているのである。
「あの・・・ご主人様?」
ケンジはミイナにデコピンをかますのだった。
「いっ!痛い!いきなり何をするのですか!」
ケンジはもう一回デコピンをしようとするのだったがミイナはすばやくかわそうとする。
「ご主人様!やめてください!」
「やめてほしかったらご主人様と敬語をやめろ!」
「あ!ケンジさんごめんなさい・・・」
「うん。それでよし!でなんだ?」
「ここって高い服ばかりだけど・・・」
「だからミイナに似合うと思ってきたんだよ。気に入った服があったら買ってあげるから選んで。」
「ご主人様!こんな高い服勿体ないです!もっといつもの服でいいですから。」
ケンジは無言でミイナにデコピンをかますのだった。
「いっ、痛ったああ~~~!」
店員さんや周りのお客さんはケンジとミイナのやり取りをみてクスクスと笑っていたのだった。
「ほら見ろ!お前のせいでみんなに笑われているだろ。そんな事気にしないでいいから!」
「ケンジさん・・・ごめんなさい・・・」
「ほら、これなんかどうだ?ミイナのうさ耳によく似あう服だろ?」
ケンジがミイナに合わせた服はレザーで作ったワンピースで赤色に染色し、所々にフリルがついて可愛らしい服だった。
「ホントこの服可愛い・・・」
「これだけじゃないから色んな服を試着させてもらいな。」
店員さんはケンジ達に近づき挨拶をしたのだった。
「いらっしゃいませ。どのようなものをお求めですか?」
「この娘に合う服を何点か見繕ってほしいがいいか?」
店員がミイナを見たとき眉がピクッとしかめるのだった。
「あのすいません・・・もしかしてこの人は貴方の奴隷ですか?」
「あ・・・」
「ああ、そうだがそれがなにか?」
「申し訳ございません・・・奴隷の方には試着させると絶対にその服を買っていただく事になりますがよろしいですか?」
周りを見ると奴隷にこれらの服を?とか勿体ないんじゃない?とかヒソヒソ噂しているのだった。
ケンジ達にとって普通だが町の人たちにとっては異質なものだという事である。普通の人にとっては奴隷が身につけたものは絶対に売れないので店側としてもお客様に不愉快な事はしたくないのである。なので奴隷の試着したものは店側としては絶対に買って貰いたいのである。
ケンジは不愉快に感じたがこの店はまだ試着や店に入れるだけ良心的な店であるのだ。
「気分悪い店だなあ・・・」
ケンジは思わず本音を言ってしまうのだった。店員はケンジの顔を見て申し訳なさそうに頭を下げるのだった。
「まあ、いいよ・・・店側のシステムはそうなっているんだな?奴隷には普通に服を売ってくれないって。」
「ケンジさん・・・もういいですよ。普通あたしは店にも入れないんです。しょうがないですよ。」
「だが何の迷惑もかけていないお客だぞ。それにミイナはそこら辺にいるような奴隷みたいに不潔にしているか?してないだろ?」
「ケンジさん!本当にもうやめて!あたしなら大丈夫ですから!」
ケンジはミイナが自分に対して強く言ったことに驚き冷静になるのだった。
「わかったよ・・・ミイナがそれでいいなら文句言わないよ。」
店員は獣人の奴隷が主人をおさめてくれてホッとするのだった。
「じゃあ、ミイナはどの服が良いんだ?」
「このケンジさんが選んでくれたこの服が良いです。」
ミイナはケンジが一番最初に選んだ赤い服を選ぶのだった。
「自分が気に入ったのはないのか?」
「ごしゅじ・・・いえ・・・ケンジさんが選んでくれたこの服がいいの。一生の想い出と宝にしたいんです。」
「まあ、ミイナがそれでいいならそれにしようか。」
「はい!」
ミイナはケンジが選んだ服を抱え込みニコッと笑うのだった。そのあとケンジとミイナはお洒落なレストランで食事をしたり最近の事を話したり楽しい時間を過ごすのだった。
夕方になりミイナはシスティナと同じ場所に連れて行ってくれとお願いするのだった。
「あの・・・最後なんですがシスティナを連れて行った場所にあたしも連れて行ってほしい。」
「同じ場所でいいのか?」
「ケンジさんが一番好きな場所なんでしょ?そして今の時期にしか見れない景色なんですよね?」
「ああ、まあそうなんだが。」
「その一番好きな場所でこの時期だけなんでしょ?だったらその場所があたしはいいです。」
ケンジはミイナがそういうので町の城壁の西側に行くのだった。もう時間は夕日が大きく見え山の谷間にすずむところだった。
それを見たミイナは口を大きく開け雄大な景色に圧倒されていたのだった。ミイナはシスティナが感動して涙が出てしまったと言っていたのがよくわかるのだった。
でもそれはこの景色をケンジと見れて幸せな気持ちが大きい事に気づくのだった。ケンジはミイナの横顔をみて笑顔を漏らすのだった。
「ケンジさん。今日は本当にありがとうございました。あたし本当に幸せ者です。奴隷に堕ちてもうこんなことは二度と経験できないと思ってました。」
ケンジはその言葉にクスリと笑ってしまうのだった。
「なにか面白かったですか?」
「いや、なんでもないよ。ただ、システィナも同じ事言ってたからな。なんかおかしくなってな・・・」
「そうですか・・・システィナも同じことを。」
そういってミイナは太陽の方向を見て笑顔で言ったのだった。
「ミイナ。」
「なんですか?んんっ・・・」
ミイナはケンジが呼んだので普通に振り向くとケンジがキスをしてきたのだった。
まさかケンジが自分にキスをしてくるとは思ってもいなくて目を見開いたがすぐにケンジの胸に収まり目を閉じてミイナはより一層幸せな気分となるのだった。
そして夕日が沈むまで二人は腕を組み恋人のようにその場所にいたのである。
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