14 / 36
第2章(高一冬~)
1:瞳の色
しおりを挟むピンポーン♪
「楪~、日下部様が来てくださったわよ。
早く降りてらっしゃい」
「分かりました、叔母さま!すぐ降ります!」
12月24日昼12時、日下部の家の車に乗せてもらい、秦同の家のクリスマスパーティに行くことになった。
僕はこういう時に着るスーツを持っていない為
背丈の似ている日下部に借りることになった。
「ちょっとズボンが、ブカブカだけど
手直しすれば、いい感じになるね~!ちゃちゃっと直しちゃうね!というかユズくんって、スーツめちゃくちゃ似合うね!!」
「そうかな?」
「うん!美人さんだし、黒髪に蒼い目だし
背丈は少し小さめだけど~、めちゃくちゃ似合ってる♡」
「背丈が小さいは余計だ。だいたい日下部とそんなに変わらないんじゃないか?」
「ユズくん何cm~?僕は、166cmだったかな~?」
「な!?僕は、16…cm…だ。」
「ん?よく聞こえなかった、もう1回いい?」
「っ……。162cmだ!」
「さすがΩ~!(笑)成長期は終わった系?」
「成長期は中学生で終わった。日下部とは4cmしか変わってないだろ!」
「僕は、まだまだ伸びるから~!!成長期中だから!」
(こいつまだ伸びるのか……。まぁ、αだもんな)
αの男子は長身のイケメンが多いように思う。その逆で、Ωの男子は僕のような低身長で華奢な物がほとんどだ。
「はーい!ズボン出来たよ!履いてみて?
短すぎてない?ちょうどいい?」
「ぴったりだ。凄いな日下部は」
「学年首席のユズくんに褒めてもらえるなんて、照れちゃうな~///」
「順位だったら、日下部も4位じゃないか
いつも頑張ってるし、首席なんて取れそうだけどな」
「……うーん、それは少し難しいかもな~…。
それに僕ってば、成績の順位気にしてないし!」
「…?」
僕が理解できないという顔をしていると、少し困った顔をしながら、日下部はポロポロと話し始めてくれた。
「僕の上って、いつもヒロやミッチーなんだよ。僕は、小さい頃から【βの色持ちα】って言われ、四家のα達と比較されてきたんだ。」
そう言う日下部の黒い瞳は悲しみにくれていた。
「ヒロの瞳は紅、ミッチーも赤みがかった色で
橘の家の子も橙色らしくて、僕だけだったんだ。期待されてないのは……。だから、必死で死に物狂いで今まで頑張ってきたんだ。せめて、家族だけにでも認めて欲しくてね。それが全て無駄だったって分かったわけだけどね!それに、僕にはヒロとミッチーがいるからね!家族よりも家族同然の存在だよ!」
最初の様子に心配をしていたが、秦同や本庄の事を話す日下部は、本当に大切な存在であることが分かるくらい嬉しそうな顔で話していた。
「もちろん!ユズくんもだよ!」
「ぼ、僕も?」
「もちろん!大切な友達だよ!」
「ありがとう日下部。僕も君が大切な友人だよ」
「え~?嬉しいなぁ!しかもユズくんは、親友の彼女になるかもしれないしね(ニヤッ)」
(日下部は本当に一言余計だな)
「今、余計なこと言ったって思ったでしょ?」
「!?」
「ユズくん顔に出るから、バレバレだよ(笑)
まぁ、冗談は抜きにしてユズくんに会ってからの秦同は本当に幸せそうなんだ。今まで僕達以外にあんな態度で人に接する秦同は見たことがなかった。だから、僕もユズくんが秦同の【運命の番】だって思ってるんだ!」
「……。そうか。」
「今は、言われても困るだけかもしれない。
でも秦同の気持ちは本物なんだ。これだけは信じて欲しい。」
僕は、秦同の気持ちが信じれなくて困っているわけじゃない。むしろ、秦同の事は友人として信頼していると思う。そう伝えようと思ったが、
喉がつっかえたように声が出なかった。
「ありがとう。日下部。」
「いいえ!じゃあ、そろそろ行こうか!
あんまりユズくん独り占めしちゃうと秦同が怒るからね?」
「ああ。」
そして、僕は正装をした日下部にエスコートされながら、パーティ会場に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
無自覚オメガとオメガ嫌いの上司
蒼井梨音
BL
ベータとして生きてきた無自覚オメガの小国直樹は、オメガ嫌いの白鷹課長のいる部署に異動になった。
ビクビクしながら、なるべく関わらないように仕事をしてたのに、
ペアを組んでいた先輩が倒れてしまい、課長がサポートすることに。
そして、なぜか課長にキスされてしまい…??
無自覚オメガ→小国直樹(24)
オメガ嫌いの上司→白鷹迅(28)アルファ
第一部・完
お読みいただき、ありがとうございました。
第二部
白鷹課長と一緒に住むことになった直樹。
プロジェクトのこととか、新しくできた友だちの啓さんのこととか。
相変わらず、直樹は無自覚に迅さんに甘えています。
第三部
入籍した直樹は、今度は結婚式がしたくなりました。
第四部
入籍したものの、まだ番になってない直樹と迅さん。
直樹が取引先のアルファに目をつけられて……
※続きもいずれ更新します。お待ちください。
直樹のイラスト、描いてもらいました。
αで上級魔法士の側近は隣国の王子の婚約者候補に転生する
結川
BL
アデル王子の幼馴染かつ側近のルイス・シュトラール(α・上級魔法士)が転生した先は、隣国の王子の婚約者候補であるルカ・エドウィン(Ω・魔法未修得者)だった。
※12/6追記:2章プロット作成のため更新を留めます(2章からはBL/オメガバースらしい話にします)シナリオ調整のため、公開済みの話に変更を加える可能性があります。
愛させてよΩ様
ななな
BL
帝国の王子[α]×公爵家の長男[Ω]
この国の貴族は大体がαかΩ。
商人上がりの貴族はβもいるけど。
でも、αばかりじゃ優秀なαが産まれることはない。
だから、Ωだけの一族が一定数いる。
僕はαの両親の元に生まれ、αだと信じてやまなかったのにΩだった。
長男なのに家を継げないから婿入りしないといけないんだけど、公爵家にΩが生まれること自体滅多にない。
しかも、僕の一家はこの国の三大公爵家。
王族は現在αしかいないため、身分が一番高いΩは僕ということになる。
つまり、自動的に王族の王太子殿下の婚約者になってしまうのだ...。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
あなたの家族にしてください
秋月真鳥
BL
ヒート事故で番ってしまったサイモンとティエリー。
情報部所属のサイモン・ジュネはアルファで、優秀な警察官だ。
闇オークションでオメガが売りに出されるという情報を得たサイモンは、チームの一員としてオークション会場に潜入捜査に行く。
そこで出会った長身で逞しくも美しいオメガ、ティエリー・クルーゾーのヒートにあてられて、サイモンはティエリーと番ってしまう。
サイモンはオメガのフェロモンに強い体質で、強い抑制剤も服用していたし、緊急用の抑制剤も打っていた。
対するティエリーはフェロモンがほとんど感じられないくらいフェロモンの薄いオメガだった。
それなのに、なぜ。
番にしてしまった責任を取ってサイモンはティエリーと結婚する。
一緒に過ごすうちにサイモンはティエリーの物静かで寂しげな様子に惹かれて愛してしまう。
ティエリーの方も誠実で優しいサイモンを愛してしまう。しかし、サイモンは責任感だけで自分と結婚したとティエリーは思い込んで苦悩する。
すれ違う運命の番が家族になるまでの海外ドラマ風オメガバースBLストーリー。
※奇数話が攻め視点で、偶数話が受け視点です。
※エブリスタ、ムーンライトノベルズ、ネオページにも掲載しています。
籠中の鳥と陽色の君〜訳アリ王子の婚約お試し期間〜
むらくも
BL
婚約話から逃げ続けていた氷の国のα王子グラキエは、成年を機に年貢の納め時を迎えていた。
令嬢から逃げたい一心で失言の常習犯が選んだのは、太陽の国のΩ王子ラズリウ。
同性ならば互いに別行動が可能だろうと見込んでの事だったけれど、どうにもそうはいかなくて……?
本当はもっと、近くに居たい。
自由で居たいα王子×従順に振る舞うΩ王子の両片想いBL。
籠中の鳥と陽の差す国〜訳アリ王子の受難〜
むらくも
BL
氷の国アルブレアの第三王子グラキエは、太陽の国ネヴァルストの第五王子ラズリウの婚約者。
長い冬が明け、いよいよ二人はラズリウの祖国へ婚約の報告に向かう事になった。
初めて国外へ出るグラキエのテンションは最高潮。
しかし見知らぬ男に目をつけられ、不覚にも誘拐されてしまう。
そこに婚約者を探し回っていたラズリウが飛び込んできて──
……王への謁見どころじゃないんだが?
君は、必ず守るから。
無防備なおのぼりα王子×婚約者が心配なΩ王子の
ゆるあまオメガバース&ファンタジーBL
※「籠中の鳥と陽色の君〜訳アリ王子の婚約お試し期間〜」の続きのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる