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《幸季視点》
愛情と支配 03
しおりを挟む「コウキさ、たまにすごく寂しそうな顔してること気づいてる?」
「え……」
「今もそうなんだけどね。それって、前の人を思い出してたりする?」
「…………」
顔に出ているとは思っていなかった。幸季は慌てて自分の顔に手を当てる。
何と答えるべきかわからず俯いている間も、リウは優しく幸季の身体を拭き続けてくれた。その優しさに余計に罪悪感が募る。
「ごめん。そんな顔させるつもりじゃなかったんだけど」
「ううん……僕こそ、ごめん」
謝罪はしたものの、肯定も否定もできなかった。
確かにずっと彼のことを考えていた。彼とリウを比較し続けていた。
自分だったら誰かと比べられるなんて耐えられない。それなのに、無意識とはいえそんなひどいことをしてしまっていたなんて。
――せっかく抱いてもらえたのに、これでもし嫌われたら。
やっぱりいらないなどと言われてしまったら、彼に捨てられたとき以上に落ち込んでしまいそうな気がする。そのぐらい、リウに依存している自覚があった。
まだ出会って一日も経っていないのに。
「リウ、僕――……っ」
謝罪しようと開いた唇は、言葉を紡がせてもらえなかった。
優しく唇が塞がれる。宥めるように咥内を撫でられ、くちゅりと舌を絡められた。一緒に頭を撫でられる。
ゆったりとした愛撫に、とろんと身体の力が抜けていく。
「謝らなくていいからね。コウキは少し人の反応を怖がりすぎだよ、大丈夫だから」
「でも……」
「Good。ちゃんと俺のCommandは守れたし、たくさん気持ちよくなれたでしょ?」
「……ぅ、ん」
「俺のGlareを素直に受け止めて、そうやって蕩けた顔をたくさん見せてくれるだけでいいんだよ。苦しそうな顔も泣き顔も、悲鳴だって……コウキは全部、俺の理想なんだから」
優しい口調でも、言っていることはおっかない。
さすがはDomだ。
目を開けると、こちらをまっすぐ見つめるリウと視線が絡んだ。そこにGlareが混ざった気配を感じる。
「ほら、そうやって素直に受け入れるでしょ?」
「だ、って……気持ちいい」
素直に言葉にすると、リウが目を細めて嬉しそうに笑った。
再び、今度はさっきよりも深く口づけられる。
喉を塞ぐようなキス。気持ちよさよりも、息苦しさのほうが優っているかもしれない。
それなのに、嬉しくてたまらない。きゅっと身体の奥が反応する。
「Good boy、コウキ。本当に……健気で可愛すぎて、壊したくなる」
そんな物騒な言葉にも、感じるのは歓喜だった。
とろりと思考が蕩けていく。
愛情に支配されていく感覚の向こうに、色とりどりの世界が見えたような気がした。
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