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お腹が硬くて気持ちいい。
あったかい体温が、少し湿った肌が、心臓の音が、悠真さんの息を呑む声が、時折撫でる指が、気持ちいい。
「あ、あ、ッく、う……っ」
「ん、イきそ?」
「ん……う、ん、あっ、あ、い、きそ、ぉ、あ、で、出ちゃ……」
「いいよ」
「おなかっ……よごれ、ちゃ……」
「今更」
そう言われて、自分と悠真さんの腹の間を覗き込んだ。
悠真さんの腹に擦り付けた跡が酷くて、どろどろのぐちゃぐちゃ。頬があつくなったのを感じた。
……何をしてるんだ、自分は。
そう思うのに、やっぱり腰は止まらなくて。
悠真さんのお腹を汚すことに罪悪感も抵抗感もあるのに、なのに、興奮してしまってる。
悠真さんの綺麗な躰に、お腹に、自分の出した白濁色の体液が塗られて、なんだか、なんだか……
「マーキングされてるみたい」
「……ッう!」
そんな、そんなつもりはなかった。そんな、犬みたいな。
でもそうだ、そうだったらいいなとは、思う。
おれのだって、
悠真さんはおれのだって、言えたら。
「……は……っあ、あ……ご、ごめ……」
ちゃんとだめだって思ってるのに、……思いっきり出してしまった、悠真さんのお腹に。
ひとりで。勝手に気持ちよくなって。いっつも、おればっかり。
「いいよ」
「お、おれ、」
「次は俺が触る番ね」
「えっ……あ!」
肩を押されて、ベッドに倒された。綺麗に枕の上に。
悠真さんを見上げるおれに、にっと少し意地悪に笑うと、腹に飛ばされた体液を掬い、その指を舐める。
そんなものを舐めるなと言いたいのに声が出なかった。
「そんなかおしないでよ」
「だ、って……な、舐めっ……」
「甘いよ、和音の」
「え、う、なん、え、っ?」
「番だからね、和音は全部、甘くて美味しい」
「んやっ……」
「和音は?ほら、こっち向いて」
「あ、や、ん、っう」
頬を掴まれて、覆い被さって、唇を塞がれる。
知ってた、悠真さんの舌が甘いということは。普通はそうじゃないということは。
けど、そうか、悠真さんも、おれの、甘いと思うんだ?
じゃあもっとしたくならない?
もっといっぱい、キス、したいなって……
あ、そっか、悠真さん、おれとじゃなくてもいいのか。
そっか、そうだったな、うん、うん……
「和音」
「……はい」
「……泣かれたら、手ェ出せない」
ぐい、と手の甲で目元を拭われた。嘘吐き。泣いてたってするじゃん、いや、してくんなきゃ困るんだけど。
その視線に気付いたのか、違うよ、と悠真さんは苦笑した。
「涙は出ちゃうよね、わかる。けどこれは、そういうやつじゃないでしょ」
「……」
「……嫌だった?キス」
「っや、じゃ、ない!」
「和音の舐めてからだったから?苦かった?」
「ち、ちが、そう、いや、それもちょっとは、び、びっくりした、けど」
「今日はもうキス止めとく?元々したいのは俺だけだったもんね」
「やだ!」
大きな声が出てしまった。
発情期なんて、普段ふにゃふにゃした声しか出ないくせに。
キスをしたくなくて泣いたんじゃない、泣いたのだって気付かなかったけど。
理由だって言えやしないけど。
「ちゃ、ちゃんと甘い、から、泣いた、の、も……その、きゅう、で、びっくりして、く、苦し、息、出来なかった、から」
我ながら苦しい言い訳だと思う。でも言える訳ないでしょ、他の番とのキスを想像して、勝手にかなしくなった、なんて。
そんな自分勝手な涙の理由なんて、言えない。
悠真さんの手を取る。その手を頬に持っていって、だから、と小さく口を開いた。
「おれも、したい……」
悠真さんはたっぷり数十秒固まって、長く息を吐いて、それから困ったように笑った。
和音は狡いなあ、と。
そうだよ、おれ、狡いの。自分勝手なの。
でも最初からそれでいいって、言ってるでしょ。
本当はすごく、もう、嫌になってるのにね。
「もっとして、口、甘いの……」
「……うん」
言葉通りの甘ったるいキス。
零れる唾液まで勿体なくなるくらいの。
何回も、何回も、何回も。
唇がじんじんしてしまうくらい、悠真さんの唇を吸った。
「ンあ、う、」
「……ここ、今日はまだ触ってないの」
「ん、ん……う、触っ、てなっ」
「今日は気分じゃない?」
「ちが、あ、ッん、は、きもち、い、からっ」
悠真さんの手が胸元を這う。
悠真さんと自分のせいで、すっかりそこは性感帯になってしまった。
そこしか触られなくても腰がびくびくしてしまう。直接的なものではなくても。
「んッう、う~……」
「ここで気持ちよくなんの嫌?」
「いやっ、じゃあ、ない、けどお」
「けど?」
「さ、触り過ぎる、と、腫れてっ」
「そうだね、腫れちゃうね」
「しばらく……っ、服、とか、擦れちゃ……」
「……こないだきつかった?」
「ん、う、ん、ちくちく、したりっ……痒くなったり、する、した、からあ……あんまり、触っちゃ、やだ……」
「折角ここもえっちなのに勿体ないねえ」
ぐに、と突起を潰しながら言ってくる。
優しく触れ、って言ったのに、そう言ってたのは悠真さんなのに。
そんな触り方したら、……もっと触ってって、口走ってしまいそう。
あったかい体温が、少し湿った肌が、心臓の音が、悠真さんの息を呑む声が、時折撫でる指が、気持ちいい。
「あ、あ、ッく、う……っ」
「ん、イきそ?」
「ん……う、ん、あっ、あ、い、きそ、ぉ、あ、で、出ちゃ……」
「いいよ」
「おなかっ……よごれ、ちゃ……」
「今更」
そう言われて、自分と悠真さんの腹の間を覗き込んだ。
悠真さんの腹に擦り付けた跡が酷くて、どろどろのぐちゃぐちゃ。頬があつくなったのを感じた。
……何をしてるんだ、自分は。
そう思うのに、やっぱり腰は止まらなくて。
悠真さんのお腹を汚すことに罪悪感も抵抗感もあるのに、なのに、興奮してしまってる。
悠真さんの綺麗な躰に、お腹に、自分の出した白濁色の体液が塗られて、なんだか、なんだか……
「マーキングされてるみたい」
「……ッう!」
そんな、そんなつもりはなかった。そんな、犬みたいな。
でもそうだ、そうだったらいいなとは、思う。
おれのだって、
悠真さんはおれのだって、言えたら。
「……は……っあ、あ……ご、ごめ……」
ちゃんとだめだって思ってるのに、……思いっきり出してしまった、悠真さんのお腹に。
ひとりで。勝手に気持ちよくなって。いっつも、おればっかり。
「いいよ」
「お、おれ、」
「次は俺が触る番ね」
「えっ……あ!」
肩を押されて、ベッドに倒された。綺麗に枕の上に。
悠真さんを見上げるおれに、にっと少し意地悪に笑うと、腹に飛ばされた体液を掬い、その指を舐める。
そんなものを舐めるなと言いたいのに声が出なかった。
「そんなかおしないでよ」
「だ、って……な、舐めっ……」
「甘いよ、和音の」
「え、う、なん、え、っ?」
「番だからね、和音は全部、甘くて美味しい」
「んやっ……」
「和音は?ほら、こっち向いて」
「あ、や、ん、っう」
頬を掴まれて、覆い被さって、唇を塞がれる。
知ってた、悠真さんの舌が甘いということは。普通はそうじゃないということは。
けど、そうか、悠真さんも、おれの、甘いと思うんだ?
じゃあもっとしたくならない?
もっといっぱい、キス、したいなって……
あ、そっか、悠真さん、おれとじゃなくてもいいのか。
そっか、そうだったな、うん、うん……
「和音」
「……はい」
「……泣かれたら、手ェ出せない」
ぐい、と手の甲で目元を拭われた。嘘吐き。泣いてたってするじゃん、いや、してくんなきゃ困るんだけど。
その視線に気付いたのか、違うよ、と悠真さんは苦笑した。
「涙は出ちゃうよね、わかる。けどこれは、そういうやつじゃないでしょ」
「……」
「……嫌だった?キス」
「っや、じゃ、ない!」
「和音の舐めてからだったから?苦かった?」
「ち、ちが、そう、いや、それもちょっとは、び、びっくりした、けど」
「今日はもうキス止めとく?元々したいのは俺だけだったもんね」
「やだ!」
大きな声が出てしまった。
発情期なんて、普段ふにゃふにゃした声しか出ないくせに。
キスをしたくなくて泣いたんじゃない、泣いたのだって気付かなかったけど。
理由だって言えやしないけど。
「ちゃ、ちゃんと甘い、から、泣いた、の、も……その、きゅう、で、びっくりして、く、苦し、息、出来なかった、から」
我ながら苦しい言い訳だと思う。でも言える訳ないでしょ、他の番とのキスを想像して、勝手にかなしくなった、なんて。
そんな自分勝手な涙の理由なんて、言えない。
悠真さんの手を取る。その手を頬に持っていって、だから、と小さく口を開いた。
「おれも、したい……」
悠真さんはたっぷり数十秒固まって、長く息を吐いて、それから困ったように笑った。
和音は狡いなあ、と。
そうだよ、おれ、狡いの。自分勝手なの。
でも最初からそれでいいって、言ってるでしょ。
本当はすごく、もう、嫌になってるのにね。
「もっとして、口、甘いの……」
「……うん」
言葉通りの甘ったるいキス。
零れる唾液まで勿体なくなるくらいの。
何回も、何回も、何回も。
唇がじんじんしてしまうくらい、悠真さんの唇を吸った。
「ンあ、う、」
「……ここ、今日はまだ触ってないの」
「ん、ん……う、触っ、てなっ」
「今日は気分じゃない?」
「ちが、あ、ッん、は、きもち、い、からっ」
悠真さんの手が胸元を這う。
悠真さんと自分のせいで、すっかりそこは性感帯になってしまった。
そこしか触られなくても腰がびくびくしてしまう。直接的なものではなくても。
「んッう、う~……」
「ここで気持ちよくなんの嫌?」
「いやっ、じゃあ、ない、けどお」
「けど?」
「さ、触り過ぎる、と、腫れてっ」
「そうだね、腫れちゃうね」
「しばらく……っ、服、とか、擦れちゃ……」
「……こないだきつかった?」
「ん、う、ん、ちくちく、したりっ……痒くなったり、する、した、からあ……あんまり、触っちゃ、やだ……」
「折角ここもえっちなのに勿体ないねえ」
ぐに、と突起を潰しながら言ってくる。
優しく触れ、って言ったのに、そう言ってたのは悠真さんなのに。
そんな触り方したら、……もっと触ってって、口走ってしまいそう。
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