お母様が私の恋路の邪魔をする

ものくろぱんだ

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言ったことが嘘だと思われる罪深さ

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「ま、ま、待って!?」
「はい」
「ぼ、ぼう・・・亡命?」
「はい」
「・・・ごめんなさい、なんでそうなったのかよく分からないわ」

静かに大人しくそう告げると、ステフと皇太子殿下は顔を見合せた。

いや、わかんないもんはわかんないのよ。

「・・・ふむ、まずはステファーニエ、丸め込むべきでは?」
「え、この流れでっすか?」

ボソボソ何かを交わしあってるけど全然わかんないからね?

なんだか覚悟を決めたような顔でこちらをむくステファーニエ。

ああ、やっぱりイケメンね。
なーんてぼんやり眺めていると、ステファーニエが急に跪いた。

え、何イケメン。

「お嬢、好きです。貴女の一生を俺にください」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

え?

「・・・このながれで?」
「はい」
「・・・なんで?」
「はい」
「こたえになってないいいいい!」

なんだろう。
ずっと欲しかったものがなんの前触れもなく投下されたのだけれど。

待って待って待って? 

私は、なぜだかこの男に恋に落ちた。
そしておそらくこの男は私を好きじゃない。
それなのに告白?
いきなり?なぜ? 

結論。
これはウソ。

「・・・ステファーニエ」
「はい」
「あのね・・・そういうのは本当に愛した人に言ってあげてちょうだい?」
「・・・はい?」

なんで一世一代の告白にこんなこと言われてるんだろうみたいな顔をしているけど・・・大丈夫、思い上がらないわ、わかっているから。

「まあそれはそれとして気持ちは嬉しかったわ、ありがとう。ステフがいなくなってもこの記憶を宝物にあの家で生きていくわね、さようならステファーニエ」
「待って待って待って!?」

墓まで持っていくつもりよ、文句ある?

「なんで嘘呼ばわり!?」
「普段の自分の行動を振り返りなさいな・・・いいのよ無理しなくて」
「ちょおーい!?」  

何かしら、本当に慌ててるわ。

「お嬢」
「・・・なに?」

真剣な顔をしたステファーニエは一瞬死んだような目で「これが普段の行いの結果か・・・まさか信じてすら貰えないとは・・・」とつぶやくと、ゆったりとした口調で話し出した。

「・・・あの、多分信じて貰えないと思うんですけど・・・ていうかさっきまで、俺自身気が付いてなくて・・・ほんとすみませんって言うか・・・その、つまり・・・多分、一目惚れ、でした」

・・・?

「っあ~・・・だからっ、俺は・・・ずっと、勘違いしてました・・・俺を助けてくれたのは、あんたで、拾ってくれたのも、あんただった・・・お嬢」
「は?何今更当たり前のこと言ってんのよ」

そう言ったら急に項垂れた。

「?なに?」
「いや・・・そっか、そういう風に理解してたんすね、まじすんません!」

いやだからあんたは私が救って・・・え、嘘でしょ。

「まさかあんた・・・」
「すんません!まじごめんなさい!?奥様が助けてくれたって思ってました!」

・・・は

「はあああああああああ!!!???」
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