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大きすぎる二つの変化
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「あー・・・そろそろいいか?」
「「あっ」」
そういえばいたんでした。
想いが通じあったものの何も解決していない。
幸せそうだがどことなくしょんぼりしたステフの手を取って勧められるがまま席に着いた。
ソファーに沈むわ。
貴族用の貴賓室だけど家具はまあまあね。
まあお母様の使う家具には負けるけど。
「・・・まず、エルメロージュ公女。あなたは御母堂をどう思っているのかな?」
話を切り出したのは今の今まで(妃殿下とのイチャイチャ以外)沈黙を貫いていた皇帝陛下だった。
「・・・お母様?」
「そう、率直に答えてもらいたい」
何故・・・?あ、そうだった。
「あ、お母様はとっても素晴らしい方で・・・でも、あの、本当に無作法をいたしまして申し訳・・・」
「いや、いい。それにそれは御母堂自身が謝るべきことであり、君は一切非がない」
いや、でも・・・ともごもごしていると、握られていた手が強く握りしめられた。
「・・・お嬢は悪くない」
「えっ」
やだ本当にどうしたのかしら。
確かに吹っ切れてたみたいだけどここまでとは思わなかったわ。
「その通りだ公女・・・君は悪くない。そもそも無作法も無礼も魔女・・・母君の自業自得だ」
「そうよ~、エルちゃんが気にすることないわ、苦労したのね~」
「いえ、その・・・」
口ごもって言葉を探した。
「いつもは、あんな感じでも全然気にしないんです。いつもだし、ああやって許されるのがお母様だから・・・でも、なんでだろう・・・皆さんを見たあと、なんだか凄く恐ろしくて、大変なことをしてしまった気がして・・・」
おかげでこんなにも美しい妃殿下とまともに顔を合わせられなかったわ。
「・・・ふうむ、やはり・・・」
「え?」
「父上、何か気付いたのですか?」
そう尋ねた皇太子殿下にニンマリ笑みを返し、「ああ、わかったぞ、魔女の正体」。
そう・・・よく分からないことを返した皇帝陛下によって、とんでもない事実が暴露された。
衝撃にふらつきながらもステフとともに部屋を出た。
あの後色々計画を詰めていたら結構時間が経ってしまった。
王宮の外は真っ暗だ。
・・・なんだか、凄い経験をした。
こんな一日で色々変わるなんて思わなかった。
特にスゴイのは二つ。
ひとつはもちろん・・・。
「あ、お嬢疲れました?おぶります?」
「いいわ・・・王宮でおぶられる身にもなってよ、小さい頃とは違うのよ」
「小さい頃のエルメ様可愛かったな~」
・・・この調子だ。
何故かお嬢、エルメロージュ様、エルメ様・・・なぁんて甘い声で囁くようになったのだ。
嬉しいけど微妙に嬉しくない。
でもこいつだけが昔からそばにいた理由も納得した。
そしてもう一つの変化は。
「・・・ところで本当にお母様に対して何も感じなくなった?」
「ええ・・・今見るとこの城気持ち悪いっすねエルメ様」
「そうね・・・ここまで変わるとは、恐るべしお母様」
そう、私とステフはお母様の呪縛(?)からキッパリスッキリ開放されたようだ。
この変化に最初に気がついたのはもちろんステフ。
というか戻ってきた時には既にそうだったらしい。
全くもってよく分からないけれど、お母様は魔女だったらしい。
・・・うーん?
「とりあえず・・・明後日学園に向かうから、準備してね」
「はい・・・正念場ですね」
「うーん・・・多分大丈夫だと思うのよね。だって」
あの人はお母様が嫌いだから。
「「あっ」」
そういえばいたんでした。
想いが通じあったものの何も解決していない。
幸せそうだがどことなくしょんぼりしたステフの手を取って勧められるがまま席に着いた。
ソファーに沈むわ。
貴族用の貴賓室だけど家具はまあまあね。
まあお母様の使う家具には負けるけど。
「・・・まず、エルメロージュ公女。あなたは御母堂をどう思っているのかな?」
話を切り出したのは今の今まで(妃殿下とのイチャイチャ以外)沈黙を貫いていた皇帝陛下だった。
「・・・お母様?」
「そう、率直に答えてもらいたい」
何故・・・?あ、そうだった。
「あ、お母様はとっても素晴らしい方で・・・でも、あの、本当に無作法をいたしまして申し訳・・・」
「いや、いい。それにそれは御母堂自身が謝るべきことであり、君は一切非がない」
いや、でも・・・ともごもごしていると、握られていた手が強く握りしめられた。
「・・・お嬢は悪くない」
「えっ」
やだ本当にどうしたのかしら。
確かに吹っ切れてたみたいだけどここまでとは思わなかったわ。
「その通りだ公女・・・君は悪くない。そもそも無作法も無礼も魔女・・・母君の自業自得だ」
「そうよ~、エルちゃんが気にすることないわ、苦労したのね~」
「いえ、その・・・」
口ごもって言葉を探した。
「いつもは、あんな感じでも全然気にしないんです。いつもだし、ああやって許されるのがお母様だから・・・でも、なんでだろう・・・皆さんを見たあと、なんだか凄く恐ろしくて、大変なことをしてしまった気がして・・・」
おかげでこんなにも美しい妃殿下とまともに顔を合わせられなかったわ。
「・・・ふうむ、やはり・・・」
「え?」
「父上、何か気付いたのですか?」
そう尋ねた皇太子殿下にニンマリ笑みを返し、「ああ、わかったぞ、魔女の正体」。
そう・・・よく分からないことを返した皇帝陛下によって、とんでもない事実が暴露された。
衝撃にふらつきながらもステフとともに部屋を出た。
あの後色々計画を詰めていたら結構時間が経ってしまった。
王宮の外は真っ暗だ。
・・・なんだか、凄い経験をした。
こんな一日で色々変わるなんて思わなかった。
特にスゴイのは二つ。
ひとつはもちろん・・・。
「あ、お嬢疲れました?おぶります?」
「いいわ・・・王宮でおぶられる身にもなってよ、小さい頃とは違うのよ」
「小さい頃のエルメ様可愛かったな~」
・・・この調子だ。
何故かお嬢、エルメロージュ様、エルメ様・・・なぁんて甘い声で囁くようになったのだ。
嬉しいけど微妙に嬉しくない。
でもこいつだけが昔からそばにいた理由も納得した。
そしてもう一つの変化は。
「・・・ところで本当にお母様に対して何も感じなくなった?」
「ええ・・・今見るとこの城気持ち悪いっすねエルメ様」
「そうね・・・ここまで変わるとは、恐るべしお母様」
そう、私とステフはお母様の呪縛(?)からキッパリスッキリ開放されたようだ。
この変化に最初に気がついたのはもちろんステフ。
というか戻ってきた時には既にそうだったらしい。
全くもってよく分からないけれど、お母様は魔女だったらしい。
・・・うーん?
「とりあえず・・・明後日学園に向かうから、準備してね」
「はい・・・正念場ですね」
「うーん・・・多分大丈夫だと思うのよね。だって」
あの人はお母様が嫌いだから。
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