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6 寝ている間もトレーニングです
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「うぇっぷ……」
食べ過ぎて気持ち悪いお腹を抱えながら、どうにか部屋に戻る。
体はもうボロボロである。
治癒魔法で一応癒されているとはいえ、エネルギーが完全に尽きている。
食べた分を消化して、血肉にしないととてもではないがエネルギーが足りていなかった。
治癒魔法は体を治すだけで、体力の回復はしてくれないのだ。むしろ体力を消費して傷を治すから、体力消費は激しくなる。
おそらくあれだけ食べないと持たないとミナが判断したのだろう。
でもきつい
くるしい
もう一歩も歩けない
ミナが苦労して寝間着に着替えさせてくれたあたりでミワが寝室を訪れた。
「今からトレーニングするぞ」
「いや、もう無理、動けない」
ミワの無茶ぶりに音を上げる。
さすがに根性や気合でどうにかなるレベルじゃなく疲れている。
本気で腕一本あげるだけでも苦労しそうだ。
「大丈夫だ、あとは睡眠中に行うものだから、ひとまず寝ろ」
「睡眠中にトレーニング? じゃあお休み」
「おやすみなさい、お嬢様」
「おやすみ、お嬢」
正直詳細を聞く前に眠気が勝った。私はすぐに眠りに落ちるのであった。
「ということで夢の中でのトレーニングだ」
「え、なにこれ」
「夢魔法で夢の中でもトレーニングできるようにしてるんだよ」
「ミワって多芸ね」
夢魔法自体は聞いたことがあるが、使う人間はいままで聞いたことがなかった。
なんせ夢を操れる、ぐらいであり、有用性が本当にない。
しかも相手が拒否したらだめだから、使い勝手が非常に悪いのだ。
習得がそこまで難しいわけではないはずだが、これを習得する努力をするだけ無駄だろうと思うが……
「まあ、動きの確認とかできるからな」
「動きの確認?」
「剣の振り方とか、戦いでの動き方だな。夢だとケガしないから、やりやすいんだよ」
「なるほど」
私には気安すぎるミワだが、騎士の仕事には真摯だ。
なるほど寝ている間に戦い方の研究とかするのか。そう考えると確かにこの魔法も有用に思えてくる。
「ということでお嬢。俺に切りかかって来い」
「へ?」
「いや、決闘なんだから、剣とか振れないとダメだろ。実戦形式で鍛えるから、ほら、さっさとかかってきな」
「言ったわね」
空中から剣を抜き、そのままミワに切りかかり……
あっさりいなされて転んだ。
「むぎゅー」
「ほら、すぐ立つ」
「にゅい!!!」
顔面から転んでしまいひどい目にあったが、次はちゃんと……
「それじゃ遅すぎる」
「わああああ!!!」
今度は慎重になり過ぎたらしく投げ飛ばされてしまった。
「今日のところは、お嬢がどれだけ動けるかの確認をするから、全力でかかった来な」
「言ったわね!! でりゃあああ!!」
威勢よく突っ込むと思いっきり転ばされる。
こうして一晩中ミワと戦ったが、かけらも叶わずにコロコロ転がされるのであった。
食べ過ぎて気持ち悪いお腹を抱えながら、どうにか部屋に戻る。
体はもうボロボロである。
治癒魔法で一応癒されているとはいえ、エネルギーが完全に尽きている。
食べた分を消化して、血肉にしないととてもではないがエネルギーが足りていなかった。
治癒魔法は体を治すだけで、体力の回復はしてくれないのだ。むしろ体力を消費して傷を治すから、体力消費は激しくなる。
おそらくあれだけ食べないと持たないとミナが判断したのだろう。
でもきつい
くるしい
もう一歩も歩けない
ミナが苦労して寝間着に着替えさせてくれたあたりでミワが寝室を訪れた。
「今からトレーニングするぞ」
「いや、もう無理、動けない」
ミワの無茶ぶりに音を上げる。
さすがに根性や気合でどうにかなるレベルじゃなく疲れている。
本気で腕一本あげるだけでも苦労しそうだ。
「大丈夫だ、あとは睡眠中に行うものだから、ひとまず寝ろ」
「睡眠中にトレーニング? じゃあお休み」
「おやすみなさい、お嬢様」
「おやすみ、お嬢」
正直詳細を聞く前に眠気が勝った。私はすぐに眠りに落ちるのであった。
「ということで夢の中でのトレーニングだ」
「え、なにこれ」
「夢魔法で夢の中でもトレーニングできるようにしてるんだよ」
「ミワって多芸ね」
夢魔法自体は聞いたことがあるが、使う人間はいままで聞いたことがなかった。
なんせ夢を操れる、ぐらいであり、有用性が本当にない。
しかも相手が拒否したらだめだから、使い勝手が非常に悪いのだ。
習得がそこまで難しいわけではないはずだが、これを習得する努力をするだけ無駄だろうと思うが……
「まあ、動きの確認とかできるからな」
「動きの確認?」
「剣の振り方とか、戦いでの動き方だな。夢だとケガしないから、やりやすいんだよ」
「なるほど」
私には気安すぎるミワだが、騎士の仕事には真摯だ。
なるほど寝ている間に戦い方の研究とかするのか。そう考えると確かにこの魔法も有用に思えてくる。
「ということでお嬢。俺に切りかかって来い」
「へ?」
「いや、決闘なんだから、剣とか振れないとダメだろ。実戦形式で鍛えるから、ほら、さっさとかかってきな」
「言ったわね」
空中から剣を抜き、そのままミワに切りかかり……
あっさりいなされて転んだ。
「むぎゅー」
「ほら、すぐ立つ」
「にゅい!!!」
顔面から転んでしまいひどい目にあったが、次はちゃんと……
「それじゃ遅すぎる」
「わああああ!!!」
今度は慎重になり過ぎたらしく投げ飛ばされてしまった。
「今日のところは、お嬢がどれだけ動けるかの確認をするから、全力でかかった来な」
「言ったわね!! でりゃあああ!!」
威勢よく突っ込むと思いっきり転ばされる。
こうして一晩中ミワと戦ったが、かけらも叶わずにコロコロ転がされるのであった。
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