ダメな私と吸血鬼

日向 ずい

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第6章 「エピーヌの過去。」

もう沢山よ...

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 ウィットに気絶させられたエピーヌは、手を後ろに手錠をかけられ...断罪室へと連れてこられていた。
 エピーヌの目は、死んでいた。それもそのはずショコラがウィットに殺されたことと、自分が魔族と人間の両親の元に生まれ、それが両世界で重罪とされている禁止行為であることに...多大な衝撃を受けて...もう自分は、この世に生きている意味などないとそう心から思ってしまったことにある。
 そんなエピーヌにウィットは、ニヤッと笑みを向けると
「なぁ、エピーヌ。折角だから、お前の最後にお前の好きな方法であの世に送ってやる...。さぁ、好きな死に方を言え!(笑)」
と言って力を無くし...床に座り込んでいるエピーヌの顎を取り、自分の方を向かせたウィットは、これまでに見たこともないほど興奮した満面の笑みだった。
 そんなウィットにエピーヌは
「...もう...もう沢山よ...。何でもいい...。もう苦しみたくない...!楽に行ける方法で殺して...。」
と静かに告げるエピーヌにウィットは
「ははっ、賢明だな。分かった...すぐにあの世に送ってやる。」
と言ってエピーヌから手を離すと自分の使いに剣を貰い、剣を鞘から抜くとゆっくり一歩また一歩とエピーヌに近づいて
「...なぁ、エピーヌ...どうして一緒にいた仲間は、お前に隠し事してたんだろうな...??(笑)まぁ、所詮お前は、何処に行っても嫌われ者なんだ...。(笑)」
エピーヌの首に剣の刃を当て、振り上げた瞬間
「エピーヌ!!!助けに来たぞ!!無事か!???(汗)」
と言って扉から入ってきたのは...ラグルとニーソンだった。
 ウィットは、剣をバッとエピーヌからラグルとニーソンの方に刃を向けた。
「...お前ら!どこから入った!??だって、この城内は...戦闘力に長けた護衛が5万といるというのに...!!(怒)」
と言ってラグルとニーソンが来たことに焦りがとまらないようだ。
 そんなウィットをよそにラグルは
「ニーソン!お前は、エピーヌ頼む。俺は、ウィット...やつと戦う!!(怒)」
と言って、目を赤く染め出したラグルにニーソンは、息を呑むと
「...わっ...分かった...。(汗)」
と一言い、エピーヌの元に駆け寄りに行った。
ラグルはウィットを見つめると
「...貴様...エピーヌを散々苦しめやがって...。てめぇ、生きて帰れると思うなよ...?俺の手で、あの世に送ってやる...。(笑)光栄に思えよ??(怒)」
と言ってこれまでにないほど目を真っ赤に染めて戦闘態勢に入った。
 そんなラグルにウィットは
「...ははっ、随分と強気だな...。(笑)その言葉そっくりそのまま返してやるよ!(笑)」
と言って、自分に向かってくるラグルに剣を構えるとニヤッと笑ってどちらからともなく相手に飛びかかった。
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