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家族3
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テストのあった日の翌週。
全科目のテストが返されて、教室は落ち込んだり喜んだりと落ち着きのない空気が漂う一週間となった。
金曜日の放課後。
これから俺は部活で、教室を出ようとカバンを肩に引っ掻けたところだった。
「相見。一緒に行っていい?」
「……ああ」
あの告白があってから、どこかこっちにお伺いを立てるような言動が増えた気がする。
俺の勘だが、唐木は唐木なりに気を遣っているんだと思う。
コイツのことは、特に拒絶するつもりはないが、今まで以上の対応をするつもりもない。
「テストどうだった? ……て、聞くまでも無く余裕かぁ」
「勝手に決めるなよ」
「えー? でも、良かったんでしょ?」
「……」
「やっぱりね~。実は僕も、今回はまあまあだったんだよー。相見と一緒に勉強した甲斐があったかな」
ニコニコと、唐木の変わらない笑顔に内心ホッとしつつ、水着に着替えてジャージを羽織った。
「良かった。ギリギリ間に合ったね」
プールサイドには既に部員が集合していて、部長の号令がかかったところの様だった。
唐木の囁きに小さく頷きながら、集団の一番後ろに着いた。
「みんな知ってるとは思うが、今年も冬季合同記録会を開催することになった」
部長の言葉に、部員がざわつき出す。
それもそのはず、冬季合同記録会とは、ライバル校が寄り集まってタイムを競う。冬の一大イベントだ。
三校と規模は小さいが、どこも強豪校と呼ばれるほどにレベルが高く、互いに切磋琢磨しあえる貴重な機会となる。
「静かにしろ!」
部長の喝にピタリとざわつきが止んだ。
「各自種目を決めて練習に励んでもらいたい。最後にあるメドレーリレーは種目ごとに寄りいいタイムを出した者にやってもらう」
部長の話が終わった途端、どの種目に出るか、リレーに選ばれるかどうか、などと話す部員でプールサイドが賑わいを見せた。
そしてそれは俺の隣でも起きていた。
「ねね。相見はどうするの? やっぱりフリー? バッタも速かったよね」
何故か他人のことに瞳を輝かせている唐木を不思議に思う。
(俺のことより自分のことに集中すべきだろうに……)
そう思った瞬間、唐木の気持ちを思い出した。
(俺のこと、だからか……)
それは理解できない気持ちではない。
俺だって、自分のことより好きな人のことがまず頭に浮かんでしまう。
人の事は言えないか、とチラリと唐木を見やる。
「――さぁ……。どうするかな」
「迷ってるなら、両方タイム測ってみたら?きっと相見ならリレーにも選ばれるよ」
「……それは嫌だな」
「えーっ、どうして?」
追究してくる唐木に俺は渋い顔を浮かべた。
(目立ちたくないから、って言っていいものなのかどうか……)
リレーはその学校の代表となるわけで、注目されないはずがない。
「あ、そういえば、相見って去年はバッタだったよね? タイムも悪くなかったのに、リレーには選ばれなかったよねぇ」
不思議そうに首を傾げる唐木。
勘の鋭いところがたまに厄介だ。
全科目のテストが返されて、教室は落ち込んだり喜んだりと落ち着きのない空気が漂う一週間となった。
金曜日の放課後。
これから俺は部活で、教室を出ようとカバンを肩に引っ掻けたところだった。
「相見。一緒に行っていい?」
「……ああ」
あの告白があってから、どこかこっちにお伺いを立てるような言動が増えた気がする。
俺の勘だが、唐木は唐木なりに気を遣っているんだと思う。
コイツのことは、特に拒絶するつもりはないが、今まで以上の対応をするつもりもない。
「テストどうだった? ……て、聞くまでも無く余裕かぁ」
「勝手に決めるなよ」
「えー? でも、良かったんでしょ?」
「……」
「やっぱりね~。実は僕も、今回はまあまあだったんだよー。相見と一緒に勉強した甲斐があったかな」
ニコニコと、唐木の変わらない笑顔に内心ホッとしつつ、水着に着替えてジャージを羽織った。
「良かった。ギリギリ間に合ったね」
プールサイドには既に部員が集合していて、部長の号令がかかったところの様だった。
唐木の囁きに小さく頷きながら、集団の一番後ろに着いた。
「みんな知ってるとは思うが、今年も冬季合同記録会を開催することになった」
部長の言葉に、部員がざわつき出す。
それもそのはず、冬季合同記録会とは、ライバル校が寄り集まってタイムを競う。冬の一大イベントだ。
三校と規模は小さいが、どこも強豪校と呼ばれるほどにレベルが高く、互いに切磋琢磨しあえる貴重な機会となる。
「静かにしろ!」
部長の喝にピタリとざわつきが止んだ。
「各自種目を決めて練習に励んでもらいたい。最後にあるメドレーリレーは種目ごとに寄りいいタイムを出した者にやってもらう」
部長の話が終わった途端、どの種目に出るか、リレーに選ばれるかどうか、などと話す部員でプールサイドが賑わいを見せた。
そしてそれは俺の隣でも起きていた。
「ねね。相見はどうするの? やっぱりフリー? バッタも速かったよね」
何故か他人のことに瞳を輝かせている唐木を不思議に思う。
(俺のことより自分のことに集中すべきだろうに……)
そう思った瞬間、唐木の気持ちを思い出した。
(俺のこと、だからか……)
それは理解できない気持ちではない。
俺だって、自分のことより好きな人のことがまず頭に浮かんでしまう。
人の事は言えないか、とチラリと唐木を見やる。
「――さぁ……。どうするかな」
「迷ってるなら、両方タイム測ってみたら?きっと相見ならリレーにも選ばれるよ」
「……それは嫌だな」
「えーっ、どうして?」
追究してくる唐木に俺は渋い顔を浮かべた。
(目立ちたくないから、って言っていいものなのかどうか……)
リレーはその学校の代表となるわけで、注目されないはずがない。
「あ、そういえば、相見って去年はバッタだったよね? タイムも悪くなかったのに、リレーには選ばれなかったよねぇ」
不思議そうに首を傾げる唐木。
勘の鋭いところがたまに厄介だ。
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