陰陽転化

煙々茸

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第二章 人形の怪

【参】ー5

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 言いながら尾を一目見ようと妖狐の後ろの方へ頭を傾ける。
「ふむ……隠さず見せてはくれまいか……?」
「誰が見せるか!」
 サッと身を引く妖狐にそれは残念と笑う。
 これではどっちが飄々としているのか分からない。
「それよりあんた、間違ってるぞ」
「ん? 何がだい?」
「俺は生まれつき九尾なんだよ」
 今は姿形を消してしまっているため彼の言葉を確認する手立てはないが、本人が言うのだからそうなのだろう。
 晴明は歓喜に震えた。
「それは素晴らしい! 生まれつき妖力が高いということか」
「あんた……俺の言うこと全部信じる気か?」
 妖狐の疑問が良く分からず首を傾げる。
「もちろん。私は君を疑ったことなど一度もないし、君が私に嘘をつく理由もないだろう?」
 金色の瞳が大きく見開かれた。
 驚いているのか反応に困っているのか分からないが妖狐は暫く口を閉じたまま晴明を見つめていた。
「んん……。そんなおかしなことを言っただろうか? こうも見られ続けると居たたまれんな……」
 摩訶不思議なモノでも見るかのような妖狐の視線に晴明は咳払いしては頬を掻く。
 そして静かに視線を逸らした妖狐は漸く緊張を解いたように息を吐きぽつりと言う。
「なんとなく、あんたのことは分かった」
「それは何より」
 にこりと笑う晴明に妖狐の頬が引きつる。
「騙されやすくて妖にもお人好しな陰陽師なんて聞いたことがない。いつか身を滅ぼすぞ」
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