ゲノム～失われた大陸の秘密～

第一章【イファスアの街編】

真面目な相談

「ねぇシュン、ちょっと真面目な話してもいい？」
ライトの声には少しの緊張が含まれていた。
普段の無邪気な彼からは想像もつかないほど、彼の目は真剣そのものだった。

「どうした急に改まって」
と村田はライトの変わった様子に眉をひそめつつも、彼の真剣さを受け止め、優しく尋ねた。

ライトは深呼吸を一つし、
「..実は僕ね、10歳になったらこの街を出ようと思ってるんだ」
と静かに打ち明けた。
その言葉には、未知への憧れと少しの不安が混ざり合っていた。

「自分がどうやって生まれたのか何にも知らないから、それを知るためにね」
とライトは続け、その言葉には彼の心の奥深くにある渇望が込められていた。
村田は彼の言葉に深い共感を覚え、ライトの決意を心から尊重することを決めた。

「そうか、いいんじゃないか。で、そのことはグレイスさんには伝えているのか？」
村田の声にはライトへの心配とサポートの意志が込められていた。

「う～ん、実はまだ..」
ライトの声は少し落ち着かないものだった。
彼の心には、グレイスに対する感謝と、この決断を伝えることへの躊躇が同居していた。

「ちゃんと伝えた方がいいぞ。あと1年もないんだ、急に伝えられたら困るだろ」
と助言しました。
その言葉には、ライトへの深い理解と、彼の未来への期待が込められていた。

「そうだね..」
とライトは小さく頷き、

「話すときは俺も同席する。だから安心しろ」
と村田は温かく言いました。
その言葉には、ライトへの変わらぬ友情と支えが感じられた。

「ありがとう、今度話してみるね」
とライトは感謝の気持ちを込めて答えた。
彼の心は、村田への信頼と感謝で満ち溢れていた。

「方針は決めているのか？」
村田が再び尋ねると、

「いや、なーんにも決めてない！とりあえずいろいろな国に行く！」
ライトは目を輝かせ、元気に答えた。

「そうだ、村田も一緒に来なよ！荷物持ちとしてー」
とライトがふざけながら言うと、

「俺は荷物持ちかよ」
と村田は笑いながら返した。

（..でも、ちょっと面白そうだな）
と村田は心の中で思い、新しい冒険への期待で胸が膨らんだ。

彼らは丘から街を見下ろしながら、
これからの冒険について話し合い二人の絆はより強固なものになっていった。