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7.決別
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少し予定より早いけれど、屋敷を出よう。
そう決意してからは早かった。
元々貯金はかなり余裕を持って考えていた。
しかしなんだかんだと言いつつ、ここを離れがたいと思っていたみたいで、行動に移すのが遅くなってしまった。
だけどもう迷うこともない。
わたしだってもう十五になる。自分の道は、自分で決めていける。
お世話になったアロイス様に何も告げずに去るのは気が引けるけれど、わたしは彼にとって、いようがいまいが変わらない存在。態々時間を割かせるのも申し訳ない。
それに、きっといつもと変わらない調子で『ああ、そう』とでも言ってひらひらとぞんざいに手を振るだけだろう。
それを受け止めるのが少し怖いというのもある。
丁度彼が領地の視察へと出向いている間に、屋敷の方々への挨拶を終え、アロイス様の書斎に書置きを残した。
誰に惜しまれることもなく、あっさりとした最後だった。
そうしてわたしは、ヴァンディード家から去った。
そう決意してからは早かった。
元々貯金はかなり余裕を持って考えていた。
しかしなんだかんだと言いつつ、ここを離れがたいと思っていたみたいで、行動に移すのが遅くなってしまった。
だけどもう迷うこともない。
わたしだってもう十五になる。自分の道は、自分で決めていける。
お世話になったアロイス様に何も告げずに去るのは気が引けるけれど、わたしは彼にとって、いようがいまいが変わらない存在。態々時間を割かせるのも申し訳ない。
それに、きっといつもと変わらない調子で『ああ、そう』とでも言ってひらひらとぞんざいに手を振るだけだろう。
それを受け止めるのが少し怖いというのもある。
丁度彼が領地の視察へと出向いている間に、屋敷の方々への挨拶を終え、アロイス様の書斎に書置きを残した。
誰に惜しまれることもなく、あっさりとした最後だった。
そうしてわたしは、ヴァンディード家から去った。
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