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絶壁 手紙
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次の日は絶壁の海岸で海を眺めた。こういう場所は心が落ち着かない。切り立った岩岩が、人生の厳しさを投げかけてくる。
「20年の為に物語を書いていたんですが、辞めました。
書いていた私が言うのも変ですが、メリハリがなくダラダラで、長いのが嫌いなヨウさんにはあげられないと思いましたので、手紙にしました。
亡くなってから読んでなんて、野暮な事は言いません。」
有は野暮だったのかと、僕は心の中で笑った。
(20年、一緒いてくれて、ありがとうございます。あっという間に経ちました。
いきなりですが、
私の初恋は6歳です。23歳のヨウさんです。
ヨウさんが、父、有と初めて会った講習会の会場で、花を渡した子どもが私です。あの花は会場入り口の花を、貰いました。
子ども心に、こんなにカッコイイ人がいるんだとビックリして、一眼で好きになりました。
その時から、私の王子様です。
帰りに会場横のカフェで、写真をお願いした子供も私です。偶然一緒になりました。
父と出会い、私とも出会っていたのです。
私は母の友達と一緒に行っていましたので、父、有とは知らなかった。
ヨウさんの近くに男の人がいたのは覚えていますが、ヨウさんが素敵過ぎて、周りはよく見ていませんでした。
その日から、王子様と結婚する事を夢見て、私も隣に立てるように、勉強を頑張りました。
男同士で変だと打ち明けた友達に言われ、その後は誰にも言う事なく胸に秘めていました。
複雑な環境で育っても、グレなかったのは、ヨウさんのおかげです。
絶対、大人になったら会えると信じていました。隣に立つと決めてました。
28歳の時、父に頼まれた封筒を渡す為、検索していたら王子様がいて、とても驚きました。
8年前から近くにいた、私が先延ばししていた。
嬉しいのと、複雑さと、戸惑いと、色んな感情が降ってきました。
ラジオ局で手紙を渡した時、全く変わりない容姿にまた一眼惚れしました。
その日から、連絡を取りたくて毎日悩んでいましたが、なかなか勇気が出ません。
連絡出来ない理由は、2つありました。ひとつは英さんです、あの日2人で仲良く戯れ合いながら、ラジオ局から出てきたのを見た時、友人以上の関係に見え、加えて英さんのずば抜けた容姿に圧倒されました。 ヨウさんと英さん2人の世界に私は敗北感を感じました。
もうひとつは私自身です。食べるくらいと株と投資をしてましたが、それでは誇れないと思い、真剣に勉強し直し本格的にやり始めました。ヨウさんに見合う男になりたかった。
4年経って奇跡が起こりました、コンビニでバイトして良かった。
ヨウさんに売れない小説家って言われた時はビックリしました。
趣味の範囲から出していないのに、私の事を知ってっいたので、嬉しくて全て良しにしたのも束の間、1年会えなくなり、寂しさで、自分から行動を起こしました。
焼肉屋の最初のデートで、
(有と着物の講習会で初めて会って好きになった)とヨウさんから言われ、父とライバルだったんだ、、、その時決めました。絶対に隣に立つ、と。
その後は、ヨウさんと全部一緒です。
これからも、一緒に。大好きです。 ナナ)
そうだったのか、、運命、、わからないが、この感動を、この絶壁で読むのは何か違う。
ナナは、なぜ今くれたのか、これから荒波が待っているのか、僕の考え過ぎだろうか。
ナナは隣で、海を眺めている。
「ねぇ、ヨウさん、何でここでくれたのかって考えたでしょ、私は、、、王子様に小さい時に一眼惚れして以来、いずれは会えると思っている以上に、無理だろうなと絶望感の時間も長く過ごしました。
凪いだ海岸ではなく、この岩のような感じだった。だからかな、、。
本当は、自分でもよくわからないです、父と私は永遠にライバルなのはわかります。
ヨウさんは私を通して有を見ているでしょう。
それでも、私は幸せです、これからもずっと一緒です」
「なんか自分の事じゃない見たいだ。僕は全部大した事ないのになあ、、。この海を見ていると、ちっぽけな人間だけど、人の心の中はこの海より深いのかな」
「いろいろな、感情がありますからね」
「そうだね。
あの時の子供はよく覚えているよ、小さいのにとってもしっかりしていた。写真の時は、同じ子供だと直ぐにわからなかったけど、ナナが帰った後、有が、花をくれた子供だと教えてくれた、、おじさんさんと言われたのが、だいぶショックだった見たいだよ
あの子が、、ナナか。」
「出会うように、なってい・ま・し・た」
「そうだね」
僕は人生のどんな波に乗ってここまできたんだろう、自分の意志のつもりでも、誰かが動かしているみたいだ。これを運命と言うのか。
僕はここまで来れた。有は、28歳で止まった。
ナナと暮らし始めの頃ナナのおじいさんの告白を思い出した。有の選んだ道。
有の亡くなった後、僕の中で有が占めていた。20年以上も、有は無念で寂しかった、忘れて欲しくなかったんだな。
僕の苦しさなんて、有から言わせると(生きているよなあ、いいなぁ)だろうか。
有、また君に会えるだろうか。
君に、会いたい。
絶壁に波打つ海を眺めながら、心の中で叫んだ。
暫くして、
「私は、ずっと初恋はヨウさんだったと教えたかった。
・・でもこの話には父、有が出できます。
有は、ヨウさんの中で生きている。
ヨウさんが、有を思う日々になる事が怖かった。
20年以上私と一緒でした。この記念日を逃したら、もう言えない気がして、伝えました。
少しスッキリしました。王子様に伝える事が出来ました」
「そっか、ありがとう」
ナナは僕の心の中をわかって言っている。忘れる事が出来ない僕を、気づかないふりをしてくれている。
「20年の為に物語を書いていたんですが、辞めました。
書いていた私が言うのも変ですが、メリハリがなくダラダラで、長いのが嫌いなヨウさんにはあげられないと思いましたので、手紙にしました。
亡くなってから読んでなんて、野暮な事は言いません。」
有は野暮だったのかと、僕は心の中で笑った。
(20年、一緒いてくれて、ありがとうございます。あっという間に経ちました。
いきなりですが、
私の初恋は6歳です。23歳のヨウさんです。
ヨウさんが、父、有と初めて会った講習会の会場で、花を渡した子どもが私です。あの花は会場入り口の花を、貰いました。
子ども心に、こんなにカッコイイ人がいるんだとビックリして、一眼で好きになりました。
その時から、私の王子様です。
帰りに会場横のカフェで、写真をお願いした子供も私です。偶然一緒になりました。
父と出会い、私とも出会っていたのです。
私は母の友達と一緒に行っていましたので、父、有とは知らなかった。
ヨウさんの近くに男の人がいたのは覚えていますが、ヨウさんが素敵過ぎて、周りはよく見ていませんでした。
その日から、王子様と結婚する事を夢見て、私も隣に立てるように、勉強を頑張りました。
男同士で変だと打ち明けた友達に言われ、その後は誰にも言う事なく胸に秘めていました。
複雑な環境で育っても、グレなかったのは、ヨウさんのおかげです。
絶対、大人になったら会えると信じていました。隣に立つと決めてました。
28歳の時、父に頼まれた封筒を渡す為、検索していたら王子様がいて、とても驚きました。
8年前から近くにいた、私が先延ばししていた。
嬉しいのと、複雑さと、戸惑いと、色んな感情が降ってきました。
ラジオ局で手紙を渡した時、全く変わりない容姿にまた一眼惚れしました。
その日から、連絡を取りたくて毎日悩んでいましたが、なかなか勇気が出ません。
連絡出来ない理由は、2つありました。ひとつは英さんです、あの日2人で仲良く戯れ合いながら、ラジオ局から出てきたのを見た時、友人以上の関係に見え、加えて英さんのずば抜けた容姿に圧倒されました。 ヨウさんと英さん2人の世界に私は敗北感を感じました。
もうひとつは私自身です。食べるくらいと株と投資をしてましたが、それでは誇れないと思い、真剣に勉強し直し本格的にやり始めました。ヨウさんに見合う男になりたかった。
4年経って奇跡が起こりました、コンビニでバイトして良かった。
ヨウさんに売れない小説家って言われた時はビックリしました。
趣味の範囲から出していないのに、私の事を知ってっいたので、嬉しくて全て良しにしたのも束の間、1年会えなくなり、寂しさで、自分から行動を起こしました。
焼肉屋の最初のデートで、
(有と着物の講習会で初めて会って好きになった)とヨウさんから言われ、父とライバルだったんだ、、、その時決めました。絶対に隣に立つ、と。
その後は、ヨウさんと全部一緒です。
これからも、一緒に。大好きです。 ナナ)
そうだったのか、、運命、、わからないが、この感動を、この絶壁で読むのは何か違う。
ナナは、なぜ今くれたのか、これから荒波が待っているのか、僕の考え過ぎだろうか。
ナナは隣で、海を眺めている。
「ねぇ、ヨウさん、何でここでくれたのかって考えたでしょ、私は、、、王子様に小さい時に一眼惚れして以来、いずれは会えると思っている以上に、無理だろうなと絶望感の時間も長く過ごしました。
凪いだ海岸ではなく、この岩のような感じだった。だからかな、、。
本当は、自分でもよくわからないです、父と私は永遠にライバルなのはわかります。
ヨウさんは私を通して有を見ているでしょう。
それでも、私は幸せです、これからもずっと一緒です」
「なんか自分の事じゃない見たいだ。僕は全部大した事ないのになあ、、。この海を見ていると、ちっぽけな人間だけど、人の心の中はこの海より深いのかな」
「いろいろな、感情がありますからね」
「そうだね。
あの時の子供はよく覚えているよ、小さいのにとってもしっかりしていた。写真の時は、同じ子供だと直ぐにわからなかったけど、ナナが帰った後、有が、花をくれた子供だと教えてくれた、、おじさんさんと言われたのが、だいぶショックだった見たいだよ
あの子が、、ナナか。」
「出会うように、なってい・ま・し・た」
「そうだね」
僕は人生のどんな波に乗ってここまできたんだろう、自分の意志のつもりでも、誰かが動かしているみたいだ。これを運命と言うのか。
僕はここまで来れた。有は、28歳で止まった。
ナナと暮らし始めの頃ナナのおじいさんの告白を思い出した。有の選んだ道。
有の亡くなった後、僕の中で有が占めていた。20年以上も、有は無念で寂しかった、忘れて欲しくなかったんだな。
僕の苦しさなんて、有から言わせると(生きているよなあ、いいなぁ)だろうか。
有、また君に会えるだろうか。
君に、会いたい。
絶壁に波打つ海を眺めながら、心の中で叫んだ。
暫くして、
「私は、ずっと初恋はヨウさんだったと教えたかった。
・・でもこの話には父、有が出できます。
有は、ヨウさんの中で生きている。
ヨウさんが、有を思う日々になる事が怖かった。
20年以上私と一緒でした。この記念日を逃したら、もう言えない気がして、伝えました。
少しスッキリしました。王子様に伝える事が出来ました」
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ナナは僕の心の中をわかって言っている。忘れる事が出来ない僕を、気づかないふりをしてくれている。
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