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死闘! 伯爵VS伯爵
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濃厚な魔力の気配がする。
その漲る力の発生源はディズモン伯爵の肉体から放たれていた。
細身の老人だった身体は見る影もなく、いまや筋肉がはちきれんばかりに膨れ上がり、巨大な戦士になっていた。血管が浮かび出て、肌は赤黒く染まっている。
「ルドルフゥゥゥ! 我に逆らったことを後悔するがいい、皆殺しだ!」
ディズモン伯爵が吠える。
それだけで、ビリビリと肌が刺激されるような感覚に陥る。
やれやれ、結局こうなってしまったか。
俺の気持ちは怪物を目の前にしても落ち着いていた。
何故なら、こうなることは、ゲームの知識があるから分かっていたのだ。
ディズモン伯爵が飲んだ液体は、魔人が生み出したものだ。あれは、儀式に捧げた子供の血を原料に生成された、あらゆる能力を向上させるポーション。
本来のシナリオで、ハイネが最初に倒すボスこそ、このポーションを飲んだディズモン伯爵であった。
「な、なんだあれは!」
「化け物か!」
異様な力を前に、兵士達から動揺の声があがる。そして、それは瞬く間に周囲へ電波していく。
「父上ッ、一旦下がってください! あれは全員で対処するべきです」
「落ち着けッ、下がって見てろ。これは、俺とコイツの一騎打ちだ!」
剣を横薙ぎに振り払い近寄るなと合図を送る。
「悪の力に手を染めた腐れ貴族の首は、俺自らの手で討ち取らねば気が済まん」
「ぐッ……承知いたしました!」
「ハッハッハ、圧倒的力を前に気でも狂ったかルドルフよ。いや、お前の頭は最初から狂っていたなクックック」
前世を思い出す前は、こんな化け物と戦うなど想像もしていなかったのに。こんな試練を寄こした神がいるなら、一発ぶん殴ってやりたい気分だ。
「だがッ、どんな敵であろうとヴァリンツは負けんッ!」
「こい。愚かな田舎貴族よ!」
さあ、化け物相手に出し惜しみしている余裕はないぞ!
相手はゲームのボスだ、集中力を切らしたら、勝ち目はない。
こんな場所で死んでたまるか。息子の前だ、意地でも抗わせてもらう。
魔力を全開まで振り絞り、雷撃をまき散らしながら踏み込む。
俺の突進に合わせて、ディズモン伯爵が凄まじい速度で剣を振り水斬りを撃ち込んでくる。
避けている暇はない。この距離では防戦一方になるだけだ。
剣を盾がわりに構えて最小限の防御で強引に突破する。
「な、なに!?」
水斬りの重い衝撃が、ミシミシと全身に響く。だが、俺は止まらない。気合と根性で、破滅の剣を振りぬく。
「ハアァァァ!」
咄嗟に防御態勢をとったディズモン伯爵の腕を、破滅の剣が斬りつける。ガチンと、およそ人の身体に当たったとは思えない衝突音が鳴る。
強化されたディズモン伯爵の身体は岩のように固いが、それでもその腕には傷口が残り、血が滴り落ちている。
「ばッ、馬鹿な!? 魔人に強化された身体だぞ、どうして我が傷を負う!?」
その狼狽ぶりに、自然と口角があがる。
やはりか、これなら……勝機はある!
魔人の力は強力だ。
勇者のスキルがなければ到底太刀打ちできないチートスキルを持ち合わせている。しかし、それはあくまで魔人の力であって、たとえ魔人に強化されたとはいえ、同じ力をディズモン伯爵が扱える訳ではないのだ。
ゲームにおいて、破滅の剣は勇者専用武器である。
俺ではその力を引き出すことは出来ないが、凄まじい切れ味と耐久性は折り紙付きだ。これは、剣の素の能力であり、誰が扱っても劣化することはない。
「たった一度の負傷でそこまで怯えるとはな、やはりお前は真の戦士ではない」
「ぐっ、抜かせ! この程度の傷、今の我が身体になんの痛痒もないわ!」
魔法が撃ち込まれる。
俺は突進しながら受け止めて、斬り返す。
またディズモンの身体に新たな傷が刻み込まれる。
こいつは、ハイネが勇者覚醒のきっかけとなる敵。
裏を返せば、覚醒前のハイネでも討ち取れるということ。
三度目の魔法を受け止めて、俺は渾身の力で破滅の剣を振るう。
相手の魔法の威力に身体が軋む。
しかし、これを繰り返せば、いつか絶対に討ち取れる。
俺が倒れるのが先か、ディズモン伯爵が倒れるのが先か、これは貴族のプライドを賭けた、気合の勝負だ。
「やれるならやってみろ! 老いぼれた貴族如きで剣で、このルドルフ・ヴァリアンツは倒れはせぬぞ!」
◇
ハイネの目に映る光景は、凄まじく泥臭い戦いだった。
敬愛する父上が、相打ち覚悟で敵の魔法に飛び込み、一撃喰らう度に、一撃やり返す。
洗礼された戦士の戦いとは思えないものだった。
それは、あまりにも無謀な戦い方だ。
たしかに、まともに戦えば敗北は必須。玉砕覚悟で挑むからこそ、あの強敵にダメージを与えられているのだろう。
だが、相手は化け物である。
一対一で戦うことがおかしいのだ。
どうして、父上はそんな戦いができるのだろうか?
怖くはないのか?
貴族の誇りは大切だ。
敵との因縁があり、絶対に譲れない部分があったのだろう。
しかし、貴族の誇りとは、どこまでいっても、ただの心得に過ぎない。
あんな常識外の化け物相手に背を向けても笑う者はいない。全員で協力しても、それは恥ではない。
「ハア、ハア、ハア、どうしたディズモン! 魔人の力を借りてその程度かッ!」
「ぐ、ぬぬぬ、許さん、許さんぞぉ!!!」
威勢を張り、笑いとばす父上を見てハイネは胸が苦しくなる。
ずっと、父上のようになりたいと憧れてきた。
その背中を追い、追いつこうとしてきた。
しかし、この状況に陥った時に、果たして自分は同じことが出来るだろうか?
どれだけ走っても一生追いつけない、父上と自分を隔てる大きな壁をハイネは感じた。
戦いはさらに泥沼化していく。
両者血みどろで、どちらがいつ倒れてもおかしくはない。
壮絶な殺し合いに、隣にいたミラから小さな悲鳴が聞こえる。
このままでは父上が死ぬかもしれない。
「兄上ッ、今すぐ追撃を! 全員で掛かればあの化け物を倒せます!」
兵に命令を飛ばそうとするハイネを、制止するようにジンが手をあげる。
「駄目だ。これは父上の魂を賭けた誇り高き一騎打ちだ」
「しかしッ!」
「くどいぞハイネ! これは父上の戦いだ。邪魔をするなら弟とて容赦はしない」
「なに意固地張ってんのよ! このままじゃ死んじゃうでしょ!? 誇りとか言ってる場合!?」
「……ミラ殿」
今にも突入する勢いでミラが、ジンに批難の視線を送る。
「二人は何故、ヴァリアンツが誇りを大切にするか分かるか?」
ジンの突然の問いに、ミラは首を横に振る。
以前までのハイネならば、領民のためと即答できた。
けれど、父の戦う姿を見て、己の答えが正しいのか分からなくなっていた。
「ヴァリアンツは王国の剣であり盾だ。領内は危険な獣森林と密接しており、かたや王国内の食料を担う肥沃な大地を有している」
ジンが父上の戦う姿を、尊敬の籠った眼差しで見つめながら続ける。
「これほど恵まれた土地はない。獣森林からは資源や魔獣の素材が豊富にとれる。最近ではミスリルも発見された。さらに、我が領の兵は王国一、屈強ときた。そして食料も自領で賄える。恵まれているが、これはある意味とても危険なことだ」
「もしヴァリアンツが反乱でも起こせば、王国は取り返しのつかない痛みを負うでしょうね」
「そうだ」
ミラの言葉にジンが頷く。
「もし我らが、あそこのディズモン伯爵のように、己の地位にあぐらをかき、私利私欲にまみれて汚職を働けば、最悪な未来が待っているだろう」
それは奇しくも、ルドルフが経験したゲームのシナリオのジンとリアの姿であった。汚職に手を染めた二人はルドルフ断罪後も領内を荒らし、挙句の果てに他領にまで攻め入るのだ。
そんな、もしもの世界線を知らない三人は、泥まみれになりながら戦うルドルフを見守る。
「父上は我らに示しているのだ。一騎打ちを見守る戦士達に、領内に住む民達に、そして我々に。誇り高きヴァリアンツは悪には染まらない。清廉潔白な魂を持ち、民のために全力で命をとして戦うのだと」
この壮絶な一騎打ちを見届けた者達は、その雄姿を広めるだろう。
家族、隣人、友人達へ、勇猛果敢に強敵へ挑むヴァリアンツの姿を。
そして、その者達は己の子孫へと語り継ぐ。
初代勇者の時代から、王国の剣と盾になり、五百年の時を繋いできたのが、今のヴァリアンツである。そして、その意思は新しい世代へと受け継がれていく。
この土地に住まう者達なら誰でも知っている。
貴族の中で最も誇り高き者は誰か。
それは間違いなくヴァリアンツである。
怒涛の雷が落ちる、鋭い水刃が飛び交う。
戦いの決着がつく。
その漲る力の発生源はディズモン伯爵の肉体から放たれていた。
細身の老人だった身体は見る影もなく、いまや筋肉がはちきれんばかりに膨れ上がり、巨大な戦士になっていた。血管が浮かび出て、肌は赤黒く染まっている。
「ルドルフゥゥゥ! 我に逆らったことを後悔するがいい、皆殺しだ!」
ディズモン伯爵が吠える。
それだけで、ビリビリと肌が刺激されるような感覚に陥る。
やれやれ、結局こうなってしまったか。
俺の気持ちは怪物を目の前にしても落ち着いていた。
何故なら、こうなることは、ゲームの知識があるから分かっていたのだ。
ディズモン伯爵が飲んだ液体は、魔人が生み出したものだ。あれは、儀式に捧げた子供の血を原料に生成された、あらゆる能力を向上させるポーション。
本来のシナリオで、ハイネが最初に倒すボスこそ、このポーションを飲んだディズモン伯爵であった。
「な、なんだあれは!」
「化け物か!」
異様な力を前に、兵士達から動揺の声があがる。そして、それは瞬く間に周囲へ電波していく。
「父上ッ、一旦下がってください! あれは全員で対処するべきです」
「落ち着けッ、下がって見てろ。これは、俺とコイツの一騎打ちだ!」
剣を横薙ぎに振り払い近寄るなと合図を送る。
「悪の力に手を染めた腐れ貴族の首は、俺自らの手で討ち取らねば気が済まん」
「ぐッ……承知いたしました!」
「ハッハッハ、圧倒的力を前に気でも狂ったかルドルフよ。いや、お前の頭は最初から狂っていたなクックック」
前世を思い出す前は、こんな化け物と戦うなど想像もしていなかったのに。こんな試練を寄こした神がいるなら、一発ぶん殴ってやりたい気分だ。
「だがッ、どんな敵であろうとヴァリンツは負けんッ!」
「こい。愚かな田舎貴族よ!」
さあ、化け物相手に出し惜しみしている余裕はないぞ!
相手はゲームのボスだ、集中力を切らしたら、勝ち目はない。
こんな場所で死んでたまるか。息子の前だ、意地でも抗わせてもらう。
魔力を全開まで振り絞り、雷撃をまき散らしながら踏み込む。
俺の突進に合わせて、ディズモン伯爵が凄まじい速度で剣を振り水斬りを撃ち込んでくる。
避けている暇はない。この距離では防戦一方になるだけだ。
剣を盾がわりに構えて最小限の防御で強引に突破する。
「な、なに!?」
水斬りの重い衝撃が、ミシミシと全身に響く。だが、俺は止まらない。気合と根性で、破滅の剣を振りぬく。
「ハアァァァ!」
咄嗟に防御態勢をとったディズモン伯爵の腕を、破滅の剣が斬りつける。ガチンと、およそ人の身体に当たったとは思えない衝突音が鳴る。
強化されたディズモン伯爵の身体は岩のように固いが、それでもその腕には傷口が残り、血が滴り落ちている。
「ばッ、馬鹿な!? 魔人に強化された身体だぞ、どうして我が傷を負う!?」
その狼狽ぶりに、自然と口角があがる。
やはりか、これなら……勝機はある!
魔人の力は強力だ。
勇者のスキルがなければ到底太刀打ちできないチートスキルを持ち合わせている。しかし、それはあくまで魔人の力であって、たとえ魔人に強化されたとはいえ、同じ力をディズモン伯爵が扱える訳ではないのだ。
ゲームにおいて、破滅の剣は勇者専用武器である。
俺ではその力を引き出すことは出来ないが、凄まじい切れ味と耐久性は折り紙付きだ。これは、剣の素の能力であり、誰が扱っても劣化することはない。
「たった一度の負傷でそこまで怯えるとはな、やはりお前は真の戦士ではない」
「ぐっ、抜かせ! この程度の傷、今の我が身体になんの痛痒もないわ!」
魔法が撃ち込まれる。
俺は突進しながら受け止めて、斬り返す。
またディズモンの身体に新たな傷が刻み込まれる。
こいつは、ハイネが勇者覚醒のきっかけとなる敵。
裏を返せば、覚醒前のハイネでも討ち取れるということ。
三度目の魔法を受け止めて、俺は渾身の力で破滅の剣を振るう。
相手の魔法の威力に身体が軋む。
しかし、これを繰り返せば、いつか絶対に討ち取れる。
俺が倒れるのが先か、ディズモン伯爵が倒れるのが先か、これは貴族のプライドを賭けた、気合の勝負だ。
「やれるならやってみろ! 老いぼれた貴族如きで剣で、このルドルフ・ヴァリアンツは倒れはせぬぞ!」
◇
ハイネの目に映る光景は、凄まじく泥臭い戦いだった。
敬愛する父上が、相打ち覚悟で敵の魔法に飛び込み、一撃喰らう度に、一撃やり返す。
洗礼された戦士の戦いとは思えないものだった。
それは、あまりにも無謀な戦い方だ。
たしかに、まともに戦えば敗北は必須。玉砕覚悟で挑むからこそ、あの強敵にダメージを与えられているのだろう。
だが、相手は化け物である。
一対一で戦うことがおかしいのだ。
どうして、父上はそんな戦いができるのだろうか?
怖くはないのか?
貴族の誇りは大切だ。
敵との因縁があり、絶対に譲れない部分があったのだろう。
しかし、貴族の誇りとは、どこまでいっても、ただの心得に過ぎない。
あんな常識外の化け物相手に背を向けても笑う者はいない。全員で協力しても、それは恥ではない。
「ハア、ハア、ハア、どうしたディズモン! 魔人の力を借りてその程度かッ!」
「ぐ、ぬぬぬ、許さん、許さんぞぉ!!!」
威勢を張り、笑いとばす父上を見てハイネは胸が苦しくなる。
ずっと、父上のようになりたいと憧れてきた。
その背中を追い、追いつこうとしてきた。
しかし、この状況に陥った時に、果たして自分は同じことが出来るだろうか?
どれだけ走っても一生追いつけない、父上と自分を隔てる大きな壁をハイネは感じた。
戦いはさらに泥沼化していく。
両者血みどろで、どちらがいつ倒れてもおかしくはない。
壮絶な殺し合いに、隣にいたミラから小さな悲鳴が聞こえる。
このままでは父上が死ぬかもしれない。
「兄上ッ、今すぐ追撃を! 全員で掛かればあの化け物を倒せます!」
兵に命令を飛ばそうとするハイネを、制止するようにジンが手をあげる。
「駄目だ。これは父上の魂を賭けた誇り高き一騎打ちだ」
「しかしッ!」
「くどいぞハイネ! これは父上の戦いだ。邪魔をするなら弟とて容赦はしない」
「なに意固地張ってんのよ! このままじゃ死んじゃうでしょ!? 誇りとか言ってる場合!?」
「……ミラ殿」
今にも突入する勢いでミラが、ジンに批難の視線を送る。
「二人は何故、ヴァリアンツが誇りを大切にするか分かるか?」
ジンの突然の問いに、ミラは首を横に振る。
以前までのハイネならば、領民のためと即答できた。
けれど、父の戦う姿を見て、己の答えが正しいのか分からなくなっていた。
「ヴァリアンツは王国の剣であり盾だ。領内は危険な獣森林と密接しており、かたや王国内の食料を担う肥沃な大地を有している」
ジンが父上の戦う姿を、尊敬の籠った眼差しで見つめながら続ける。
「これほど恵まれた土地はない。獣森林からは資源や魔獣の素材が豊富にとれる。最近ではミスリルも発見された。さらに、我が領の兵は王国一、屈強ときた。そして食料も自領で賄える。恵まれているが、これはある意味とても危険なことだ」
「もしヴァリアンツが反乱でも起こせば、王国は取り返しのつかない痛みを負うでしょうね」
「そうだ」
ミラの言葉にジンが頷く。
「もし我らが、あそこのディズモン伯爵のように、己の地位にあぐらをかき、私利私欲にまみれて汚職を働けば、最悪な未来が待っているだろう」
それは奇しくも、ルドルフが経験したゲームのシナリオのジンとリアの姿であった。汚職に手を染めた二人はルドルフ断罪後も領内を荒らし、挙句の果てに他領にまで攻め入るのだ。
そんな、もしもの世界線を知らない三人は、泥まみれになりながら戦うルドルフを見守る。
「父上は我らに示しているのだ。一騎打ちを見守る戦士達に、領内に住む民達に、そして我々に。誇り高きヴァリアンツは悪には染まらない。清廉潔白な魂を持ち、民のために全力で命をとして戦うのだと」
この壮絶な一騎打ちを見届けた者達は、その雄姿を広めるだろう。
家族、隣人、友人達へ、勇猛果敢に強敵へ挑むヴァリアンツの姿を。
そして、その者達は己の子孫へと語り継ぐ。
初代勇者の時代から、王国の剣と盾になり、五百年の時を繋いできたのが、今のヴァリアンツである。そして、その意思は新しい世代へと受け継がれていく。
この土地に住まう者達なら誰でも知っている。
貴族の中で最も誇り高き者は誰か。
それは間違いなくヴァリアンツである。
怒涛の雷が落ちる、鋭い水刃が飛び交う。
戦いの決着がつく。
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