65歳定年後に色々と思い出したので、魔法と異世界で最期の自由を楽しもうと思う。

mitokami

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 魔力詰まりを押し流して心臓辺りに溜まってしまった無駄な魔力塊をエルダールーン24種類の中から選び出した[ジェラ]を描いて収穫・・。取り出した魔力を[スリサズ]を描いて捕らえ[ウルズ]を描いて圧縮。掌に残った魔力球を見て、私は、この世界でも魔術が使える確かな手応えを覚えた。

 但し、この先の検証は、家賃の安いボロアパートの為、部屋の中では不用心。風呂やトイレには窓がある為に不向き。残った候補は、押し入れの中だけである。
貴金属以外の両親の遺品をリサイクルショップに買い取って貰える物は買い取って貰い。買い取っても貰えない物で無料引き取り分は引き取って貰い。有料と成る部分は地道にゴミの日に日常のゴミと一緒に無駄無く出して行っている結果、押し入れの上の段には私の衣類が入った引き出し式の収納ケースと一人分の布団しか入っていない。魔法や魔術を試せる場所は、ここしかないであろう。

 私は押し入れの上の段の布団と収納ケースを全部引っ張り出して、私自身が押し入れの中へ入って行く…、襖をしっかり閉めて、試しに魔術の基本中の基本、生活魔法と呼ばれる事もある光魔法!魔力を込めた左手の人差し指でエルダールーン24種類の中から光をイメージして[ソウェイル]を描き、思い描いた魔法を発動させる為の魔力を左手の人差し指の指先に集中させて「ラムペって、(直系3mm程度の大きさの光の玉が)出たし!」序に私の口からは異世界の言葉も発せられ現在の言語と入れ替わっていた……。周囲は、ガチャガチャの景品にある様な、ボタン電池式のランタンで照らした程度明るさに成っている。周囲が完全に明るく成る訳では無いが真っ暗ではない。

 続いて、得意だった闇魔法。
光魔法を左手に残して右手の人差し指に魔力を集め、闇っぽいイメージで[ナウシズ]を描いて、闇のイメージを持って魔力を込めて「シャッテン!って、出来た?」元から暗い事は暗いので、少し暗くなった気がする程度。取り敢えず、直系3mm程度の漆黒の闇の玉が人差し指の先2mm程の場所に存在するので、成功したと思う事にしよう。

「んじゃ次は~、前世では不得意だった魔法に手を出してみるか…」
両手の魔法を解除し、押し入れの中は真っ暗闇。その中で、右手の人差し指で火をイメージして[カノ]を描き、発火させる為に右手の甲に[スリサズ]を描いて実行。
「錬金術に寄る複合魔法、火属性♪この世界の知識を交えて出るかな?出るかな?小さな火♪フンケ!」
空気の中の湿気の正体は水分。H2Oを集めてH2×2とO2に分解。水分を失って乾燥した酸素が多めの空気の中で、塵や埃を摩擦させ静電気を発生させて水素に発火!暗かった押し入れの中が仄かに明るく成り、線香花火の火みたいな3㎜程の小くパチパチ言う小さな小さな火の玉が指先から出て火魔法成功!嬉しいけれども、ここで火事を起こしては本気でヤバイので、魔法を消して、直ぐさま右手の人差し指に水魔法。右手で[ラグズ]を描き、私の魔力が届く範囲の水分を集めるイメージで「トロップフェン!」こちらも直系3mm程度の大きさの水の玉が出て来る。これで火事に成る危険は消えただろうけど、今度は押し入れに集まった湿気で押し入れの中が黴ては不味い。
消してから再び右手の人差し指に風魔法。大気を移動させる風をイメージして[ライゾ]を描き、空気に魔力で干渉して「リュフトヒェン!」これで、押し入れの中から湿気も臭いも押し流されてメデタシメデタシ。実験成功。

 これにて、物質を理解し分解して再構築すると言う前世で得た錬金術アルヒミーの視点に、この世界の知識を取り入れた科学と魔法のハイブリット魔術が成功した。と、位置付けられはするが、しかし…、元素記号や化学式に構造式とか、そんなに多くを私は知らないし…それっぽい本をこの世界で見繕って魔法に使うイメージの強化をしても…、魔術の発動に必要なエルダールーン24種類の中から…適正なルーンを選び出せる知識と経験が私に乏しい為…扱える気がしない…、今の時点では、イメージが足りず媒体無しの状態で…ルーンだけで発動できてなかった火の魔法を使う手段を得ただけである……。

 そう言えばエルダールーン、ルーン文字が[この世界]にも存在していた筈だ。掘り出し物な情報や概念が[この世界]にもあるかもしれない。
今回は他にやりたい事や試しておきたい事があるので、後で、使えそうな元素記号と化学式や構造式とかと一緒にネット検索し情報を編集してから、[前世で住んでた世界の知識]と[この世界の知識]を照合しようと思う。

 そう、その前に、どうしても確認しておきたい事があるのだ。

 私はその目的の為に押し入れから一度出て、押し入れの下の段に残し残っている両親の遺品を漁り、母が大事にしていた婚約指輪をゲット!案の定、指輪の石は小さくてもダイヤモンド。特に感傷も無く[ジェラ]を描いて幾つか付いたダイヤモンドの内の真ん中の大きいダイヤを指輪から収穫・・。押し入れの上の段に手を伸ばし、押し入れの二段目の中心に小さく[ナウシズ]を描き、空いた空間にダイヤモンドを埋め込んで[スリサズ]と[ベルカナ]を描いて固定。その場所を拠点とする為、魔力で自分が無駄無く入れる円を描いてから、中心に大きく[オシラ]を描き、[ウルズ]を描いて魔力をチャージした。
続いて、押し入れの中に入って下の円と対に成る様に天井にも同じ大きさの円を配置して、その中に[ライゾ]を描いて移転用の陣完成。

 後は、残った指輪の台座に自らの実力を出す為の[ティワズ]、保護と防御に[ライゾ]と[アルジズ]、危険回避や安全対策の為に[エイワズ]、動力源として[ウルズ]を描き、取り外した指輪の中心のダイヤの入っていた部分に、先程[ウルズ]で圧縮し自分の魔力で作成された魔力球を配置して[イサ]で固定し、再び[ウルズ]を描いて魔力をチャージ、これで移転用のキーアイテムも完成した。

 そう、私は前世で生きていた世界への移転ができないか?を試しにやってみたかったのだ。この場所に配置したのと同じ雰囲気の、前世で作った拠点が今も健在なら、原理的には飛べる筈なのである。
私は深呼吸した後、左手に指輪を握り、握った手に[ライゾ]を描いて、右手で左手を覆い胸に抱いて、目を閉じ「ライゼ」と呟いた。
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