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No03 次期君主は山猫を飼い慣らしたい
029 参戦への切っ掛け
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ハオシュエンとハオユーの故郷にある。ハオユーの年老いた両親のみが住むハオユーの実家にて…、シャンマオはジエンに強く叩かれ過ぎて少し腫れてしまった頬と風邪の治療の為に、ハオユーの年老いた母に一時預けられ…、襲撃者の目測的な確認の為、ハオユーとハオシュエンが幾つか集めた証拠…、火矢から切り取った節影より上の部分、[矢羽根と筈巻]に付けられた[印]を確認し、ジエンとドウンは眉間に皺を寄せ、襲撃者は自分達の母親違いの弟達である事を確定した……。
彼等は今後の事を話し合い。少し仮眠を取って夜を明かし、早朝にハオシュエンの家にあった持ち主が特定できないであろう馬車を使い、少し遠回りをして、どの方向から帰って来たかを偽装しながら、領主の屋敷へと戻った。
ジエンとドウンがシャンマオを連れて戻った時、領主ダオレンの屋敷の方では、[跡継ぎである長男ジエンと継承権4位の次男ドウンが一緒に危険な山に向かい戻って来ない]と言う事で…、[ドウンがジエンの命を狙うかもしれない]と言う噂がドコカラトモナク立てられ…、昨晩、ドウン不在の軍部から捜索隊が出され…、その部隊を継承権2位三男のジアンと継承権3位四男のゴンが率い周辺の町を回って情報を集め…、色々しでかして回った…と言う……。
その話を耳にしたドウンは「誰がそんな事を許可した!!」と怒り狂って暴れ、ハオシュエンとハオユーに止められ、ジエンは腕に抱いている眠ったままのシャンマオの耳を塞いで(そう言う事か)と渋い顔で納得した。
跡目争いの火種に油を注ぎ過激化させたいのであろう[下の弟達の事]を考え、ジエンがシャンマオの安全を考慮し、シャンマオを預けたのは、例によって例の如く、ジエンの母、貴妃の屋敷である。
そこでジエンは、完全に情報を遮断して貰って、シャンマオを護ろうとしたのだが…、貴妃の隣には婕妤の屋敷が有り…、婕妤は、シャンマオを傷付ける事に喜びを覚えていた為…、貴妃や御付き者も居る前で、シャンマオに対し婕妤は悪意を込めて、シャンマオが大切にしていた者達が失われた事を告げ、皮肉を込めて「人質にされる者が居なくなって良かったわね」と言った……。
その日、まだ完全に風邪が治りきっていないシャンマオは、貴妃の屋敷の者達が一瞬目を離した隙に姿を消し、焼き払われた妓楼跡地と、同じく焼かれた街道の町、山焼きと称し火を付けられ、今もまだ燃え続ける山の付近で目撃される。
その後ジエンは、勘を頼りにシャンマオを捜して回り、ジエンが記憶の限りに必死に思い出して辿り着いた[シャンマオとジエンが初めて出会った場所]、崩れやすい崖の縁にて、ジエンはシャンマオを見付け「俺の味方に成る者を屠る為に、下の弟達がやった事だ。俺を恨んでも構わない。勿論、シャンマオから大切な者を奪った弟のジアンとゴンに復讐する為に、シャンマオが俺を利用したって構わない。だから、俺の側に居てくれないか?」と言った。
喪失感と遣る瀬無さを抱え、ジエンと最初に出会った事すら後悔していたシャンマオは、敵となる相手の名を呟き、改めてジエンを見る。(ジエンは何処から走ってきたのだろうか?)ジエンは息を切らし頬を赤らめ、泣き出しそうな顔をしていた。シャンマオは気紛れに、自分に向かって延ばされたジエンの手を取り、ジエンに強く手を引っ張られ、崖から引き離され、ギュッと抱き締められる。
シャンマオを引き寄せた力強い身体は熱く震えていた。そして、泣く事も出来ない程、心を痛めたシャンマオの代わりに、雨の様に降るジエンの涙が、シャンマオを冷静にする。(後悔する時間は無駄だ。復讐するにしても何にしても、体調を整えて計画的に行動しなくては…)
暫くしてジエンは泣き止み、鼻を啜りながら「今度こそ、護ってみせるから…」と呟き、シャンマオの手を引き歩き始める。途中、焼けた廃村の近くを通ると、ドウン達も来ていて、生き残った禿鷲達の保護に精を出していた。
シャンマオは、その中に大きな禿鷲を見付け「ドゥイジャン?」と名を呼び走り出す。ドゥイジャンの方も、シャンマオを見付け小走りに走り寄り、互いに泣きながら抱き締め合う。その光景を見てジエンが(俺相手では泣かなかったのに…負けてるな…)「ずるいぞ、禿鷲の癖に…」と零すのであった。
彼等は今後の事を話し合い。少し仮眠を取って夜を明かし、早朝にハオシュエンの家にあった持ち主が特定できないであろう馬車を使い、少し遠回りをして、どの方向から帰って来たかを偽装しながら、領主の屋敷へと戻った。
ジエンとドウンがシャンマオを連れて戻った時、領主ダオレンの屋敷の方では、[跡継ぎである長男ジエンと継承権4位の次男ドウンが一緒に危険な山に向かい戻って来ない]と言う事で…、[ドウンがジエンの命を狙うかもしれない]と言う噂がドコカラトモナク立てられ…、昨晩、ドウン不在の軍部から捜索隊が出され…、その部隊を継承権2位三男のジアンと継承権3位四男のゴンが率い周辺の町を回って情報を集め…、色々しでかして回った…と言う……。
その話を耳にしたドウンは「誰がそんな事を許可した!!」と怒り狂って暴れ、ハオシュエンとハオユーに止められ、ジエンは腕に抱いている眠ったままのシャンマオの耳を塞いで(そう言う事か)と渋い顔で納得した。
跡目争いの火種に油を注ぎ過激化させたいのであろう[下の弟達の事]を考え、ジエンがシャンマオの安全を考慮し、シャンマオを預けたのは、例によって例の如く、ジエンの母、貴妃の屋敷である。
そこでジエンは、完全に情報を遮断して貰って、シャンマオを護ろうとしたのだが…、貴妃の隣には婕妤の屋敷が有り…、婕妤は、シャンマオを傷付ける事に喜びを覚えていた為…、貴妃や御付き者も居る前で、シャンマオに対し婕妤は悪意を込めて、シャンマオが大切にしていた者達が失われた事を告げ、皮肉を込めて「人質にされる者が居なくなって良かったわね」と言った……。
その日、まだ完全に風邪が治りきっていないシャンマオは、貴妃の屋敷の者達が一瞬目を離した隙に姿を消し、焼き払われた妓楼跡地と、同じく焼かれた街道の町、山焼きと称し火を付けられ、今もまだ燃え続ける山の付近で目撃される。
その後ジエンは、勘を頼りにシャンマオを捜して回り、ジエンが記憶の限りに必死に思い出して辿り着いた[シャンマオとジエンが初めて出会った場所]、崩れやすい崖の縁にて、ジエンはシャンマオを見付け「俺の味方に成る者を屠る為に、下の弟達がやった事だ。俺を恨んでも構わない。勿論、シャンマオから大切な者を奪った弟のジアンとゴンに復讐する為に、シャンマオが俺を利用したって構わない。だから、俺の側に居てくれないか?」と言った。
喪失感と遣る瀬無さを抱え、ジエンと最初に出会った事すら後悔していたシャンマオは、敵となる相手の名を呟き、改めてジエンを見る。(ジエンは何処から走ってきたのだろうか?)ジエンは息を切らし頬を赤らめ、泣き出しそうな顔をしていた。シャンマオは気紛れに、自分に向かって延ばされたジエンの手を取り、ジエンに強く手を引っ張られ、崖から引き離され、ギュッと抱き締められる。
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