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神子の話1
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赫焉達と初めて意思疎通が出来た日から、将の生活は更に快適になった。水陰が持っていた紙は将に渡され、何か伝えたいことがあればこの紙を使ってほしいと伝えてくれた。少し不便ではあるが、以前よりも赫焉達との距離が縮まって将は嬉しくて自然と笑みが溢れた。
自分が異世界の人間であること、突然女神に呼び出されて親友と共に異世界に飛ばされたこと、其処で理不尽な仕打ちを受けたこと、親友だけが味方だったこと、親友が神子であること、残して来てしまった親友が心配なこと。将は全て隠すことなく赫焉に伝えた。
一人残して来てしまった明を助けに行きたい。将は明のお陰で今迄生き残ることができた。あの治療薬も明が将の為に作ってくれたものだ。周囲が敵ばかりの状況の中で、明は明なりに将を守ろうとしてくれた。
将の話を聞いた赫焉達も天竜国について簡単に説明した。天竜国が特殊な国であること。女神の干渉を一切受けないこと。この世界が滅んでも天竜国は国ごと異世界へ転移できる技術があること。そして、この国では女神は邪神として語り継がれていること。女神の愛し子である神子も嫌悪する対象であること。
女神の気まぐれでこの世界に召喚されるのは何時も二人で、一人は可愛らしい容姿をしていて、もう一人は地味で冴えない容姿をしていた。神子と呼ばれるのは可愛らいしい容姿をした方で、もう一人は神子の踏み台であり物語の引き立て役でしかない。その為、誰も名前を呼ばず「神子のオマケ」と呼ばれるのが定着していった。そう呼ばれた者達の末路はとても悲惨で、魔獣に喰い殺された者、罪をでっち上げられて公開処刑された者、性欲処理にされて娼館に売り飛ばされた後過労死した者など、全員が不幸で悲惨な死を遂げている。逆に神子と呼ばれた者は共に旅をしていた仲間の一人と結婚して幸せに暮らしたという。
初代竜王が見初めたのは、女神の気紛れによって理不尽に召喚された「神子のオマケ」だった。初代竜王は女神の本性を知っており、神子のオマケの方が被害者であることに最初から気付いていた。竜王が初めて会った時、彼は身も心もボロボロで瀕死寸前だった。神子達に傷付けられたのは明らかだった。女神にも人間にも嫌気がさした初代竜王は伴侶の為に女神に干渉されない国を建国し、彼も初代竜王に沢山の愛情を注がれて幸せに暮らしたという。
女神にとって天竜国は厄介な国であることに違いない。どうやら初代竜王は女神の上司である神様とも面識があるらしく、彼の報告によって彼女は神様からお叱りを受けた。お叱りを受けて暫くは大人しかったが、女神は再び元に戻った。天竜国の者達は女神の態度に呆れ果て、何度か本気で異世界へ転移しようと議論したことがある。
『ほかのめがみも あれをきらっている。なくなったものたちは ほかのめがみがそうぞうしたせかいで しあわせにくらしている』
それは初耳だった。異世界の情報まで入手できるなんて天竜国は本当に特殊な国なんだと将は思った。他の女神達も似たような性格をしていると思っていたが、頭が可笑しいのはこの世界の女神だけで他の女神達はまともらしい。この世界で殺されてしまった異世界人達を自分が創造した世界へ転生させ、それぞれ愛しい人と出会って幸せに暮らしている。それが本当か嘘か、確かめる術はない。けれど、赫焉が嘘を吐いているようには思えなかった。
『こんかいのみこは ほかのみことはちがう?』
女神のお気に入りでもある神子は彼女と似たり寄ったりの性格をしていた。性格が悪く、他者を見下し、一緒に召喚された異世界人を奴隷のように扱う。その為、赫焉も緋炎も水陰も、最初は将が神子に騙されていると思ったし、神子を助けに行きたいと言われた時は苦い顔をした。それでも将は必死に「明を助けたい」と伝えた。すると、赫焉は暫く考え込んだ後、将に聞いた。「今回の神子は本当に信頼できるのか?」と。将は力強く頷いた。
『わかった みこも たすけよう』
嬉しくて嬉しくて、将は勢い良く赫焉に抱きついた。全身で嬉しいと「ありがとう」と伝えてくる将が可愛くて、赫焉は愛しさのあまり天を仰いだ。
神子への不信感が完全に消え失せた訳ではない。しかし、将が必死に「助けたい」と訴えてくるので、赫焉は渋々神子も助けることにした。本音を言えば助けたくないし、アキラと言う神子と再会すれば将を奪われる恐れもあった。何より、将の心を独占しているアキラという神子が赫焉は許せなかった。大人気ないと言われようと、心が狭いと言われようとも、赫焉は将に自分だけを見てほしいし、彼の心を埋め尽くすのは自分でありたかった。しかし……
「満面の笑みを浮かべて抱きつかれたら断れる筈がなかろう!」
これでも必死に我慢した方だ。本当は今すぐ押し倒して今着ている服を全て脱がせて沢山キスして、彼の身体を隅々まで堪能したい。しかしそんなことをすれば再び勘違いされてしまう。赫焉が求めているのは将の体だけだと思われたくなかった。赫焉は将の全てを愛している。容姿も心も身体も、全てが綺麗で可愛くて愛おしくて仕方ない。このまま自分の部屋に鎖で繋いで閉じ込めてしまいたいと思う程、赫焉は将を深く愛していた。
「本当に大丈夫なんですか? 竜王様。神子についてはあまりいい噂は聞きませんが……」
「書物を読んだが、全員心根が腐りきったクズばかりじゃ。ショウの願いとはいえ、警戒した方が良いのではないか?」
小さな体をギュウギュウと抱きしめて叫ぶ赫焉に白い目を向けながら、水陰と緋炎は念の為釘を刺した。女神が召喚した神子は心の腐った性悪ばかりだった。将は『神子のオマケ』で、神子からも虐げられていたのではないかと心配した。しかし、将はそれを完全に否定して「アキラは親友で、誰よりも心優しい人だ」と言った。
二人が警戒する中、赫焉は将を抱きしめたまま真剣な表情をして考え込む。神子を否定するのは簡単だ。しかし、会ったこともないのに歴代の神子がこうだったから、今回の神子もそうだと決め付けるのは良くないのではないか。将本人が「大丈夫」と断言するのだから、彼を信じるべきではないか。それに……
『お願いです。お願い。将を、助けてください。僕の、たった一人の大切な親友を、幸せにしてください。竜王様……』
将と出会う直前、赫焉は誰かの悲痛な願いを聞いた。それが誰なのか、何者なのか、何故赫焉の耳にだけ届いたのか分からない。しかし、一つだけ分かることがある。声の主ははっきりと「ショウを助けて」と言った。「大切な親友を幸せにしてくれ」と。祈るような声だった。とても必死で、けれど悔しさも含んだ声だった。それはきっと、自分では将を幸せにできないと知ってしまったからなのだろう。本当は自分の手で将を幸せにしたかった。彼を守りたかった。けれど出来なかった。だから彼は自分よりも力のある竜王に、赫焉に将を託したのではないか。
実際、この声がなければ赫焉は地上へは降りなかったし、将と出会うこともなかった。あのまま赫焉が地上へ行かなかったら、将は死んでいたかもしれない。治療薬があったとはいえ、何時殺されても可笑しくない状況だった。それを、声の主は望まなかった。大切な親友が不幸になる姿など見たくない。誰かに傷付けられるなんて耐えられない。その理由が自分にあるのなら尚更、声の主は自分自身を責め立てたに違いない。
「会ってから判断しても遅くはない。ショウを傷付けるだけの存在ならば、魂ごと抹消すれば良いだけの話だ」
その可能性は極めて低いと赫焉は確信していた。今回の神子は将の為だけに動いているように思えて仕方ない。自分の為ではなく、全ては将が幸せになる為。声の主が神子ならば全て辻褄が合う。恐らく、神子は少し先の未来を見通す力を持っているのではないかと赫焉は考える。将を溺愛する赫焉や緋炎達の姿を、神子は見たのかもしれない。だから神子は竜王の存在を知っていて、神子の祈りが赫焉に届いたのかもしれない。これは単なる偶然なのか、それとも必然なのか。
「……あまり気は乗らぬが、ショウが会いたいと言うのであれば仕方ないか」
「竜王様。ショウ様から絶対に離れないでくださいよ? 何かあったら私達が護りますからね」
過保護だな。人間を伴侶にすることを猛反対していた姿は何処へやら。今は将をどうやって守るか真剣に考えている。全て杞憂だと思うが、警戒して損はない。そんなことを考えながら、赫焉は抱きしめている将にそっと口付けた。
自分が異世界の人間であること、突然女神に呼び出されて親友と共に異世界に飛ばされたこと、其処で理不尽な仕打ちを受けたこと、親友だけが味方だったこと、親友が神子であること、残して来てしまった親友が心配なこと。将は全て隠すことなく赫焉に伝えた。
一人残して来てしまった明を助けに行きたい。将は明のお陰で今迄生き残ることができた。あの治療薬も明が将の為に作ってくれたものだ。周囲が敵ばかりの状況の中で、明は明なりに将を守ろうとしてくれた。
将の話を聞いた赫焉達も天竜国について簡単に説明した。天竜国が特殊な国であること。女神の干渉を一切受けないこと。この世界が滅んでも天竜国は国ごと異世界へ転移できる技術があること。そして、この国では女神は邪神として語り継がれていること。女神の愛し子である神子も嫌悪する対象であること。
女神の気まぐれでこの世界に召喚されるのは何時も二人で、一人は可愛らしい容姿をしていて、もう一人は地味で冴えない容姿をしていた。神子と呼ばれるのは可愛らいしい容姿をした方で、もう一人は神子の踏み台であり物語の引き立て役でしかない。その為、誰も名前を呼ばず「神子のオマケ」と呼ばれるのが定着していった。そう呼ばれた者達の末路はとても悲惨で、魔獣に喰い殺された者、罪をでっち上げられて公開処刑された者、性欲処理にされて娼館に売り飛ばされた後過労死した者など、全員が不幸で悲惨な死を遂げている。逆に神子と呼ばれた者は共に旅をしていた仲間の一人と結婚して幸せに暮らしたという。
初代竜王が見初めたのは、女神の気紛れによって理不尽に召喚された「神子のオマケ」だった。初代竜王は女神の本性を知っており、神子のオマケの方が被害者であることに最初から気付いていた。竜王が初めて会った時、彼は身も心もボロボロで瀕死寸前だった。神子達に傷付けられたのは明らかだった。女神にも人間にも嫌気がさした初代竜王は伴侶の為に女神に干渉されない国を建国し、彼も初代竜王に沢山の愛情を注がれて幸せに暮らしたという。
女神にとって天竜国は厄介な国であることに違いない。どうやら初代竜王は女神の上司である神様とも面識があるらしく、彼の報告によって彼女は神様からお叱りを受けた。お叱りを受けて暫くは大人しかったが、女神は再び元に戻った。天竜国の者達は女神の態度に呆れ果て、何度か本気で異世界へ転移しようと議論したことがある。
『ほかのめがみも あれをきらっている。なくなったものたちは ほかのめがみがそうぞうしたせかいで しあわせにくらしている』
それは初耳だった。異世界の情報まで入手できるなんて天竜国は本当に特殊な国なんだと将は思った。他の女神達も似たような性格をしていると思っていたが、頭が可笑しいのはこの世界の女神だけで他の女神達はまともらしい。この世界で殺されてしまった異世界人達を自分が創造した世界へ転生させ、それぞれ愛しい人と出会って幸せに暮らしている。それが本当か嘘か、確かめる術はない。けれど、赫焉が嘘を吐いているようには思えなかった。
『こんかいのみこは ほかのみことはちがう?』
女神のお気に入りでもある神子は彼女と似たり寄ったりの性格をしていた。性格が悪く、他者を見下し、一緒に召喚された異世界人を奴隷のように扱う。その為、赫焉も緋炎も水陰も、最初は将が神子に騙されていると思ったし、神子を助けに行きたいと言われた時は苦い顔をした。それでも将は必死に「明を助けたい」と伝えた。すると、赫焉は暫く考え込んだ後、将に聞いた。「今回の神子は本当に信頼できるのか?」と。将は力強く頷いた。
『わかった みこも たすけよう』
嬉しくて嬉しくて、将は勢い良く赫焉に抱きついた。全身で嬉しいと「ありがとう」と伝えてくる将が可愛くて、赫焉は愛しさのあまり天を仰いだ。
神子への不信感が完全に消え失せた訳ではない。しかし、将が必死に「助けたい」と訴えてくるので、赫焉は渋々神子も助けることにした。本音を言えば助けたくないし、アキラと言う神子と再会すれば将を奪われる恐れもあった。何より、将の心を独占しているアキラという神子が赫焉は許せなかった。大人気ないと言われようと、心が狭いと言われようとも、赫焉は将に自分だけを見てほしいし、彼の心を埋め尽くすのは自分でありたかった。しかし……
「満面の笑みを浮かべて抱きつかれたら断れる筈がなかろう!」
これでも必死に我慢した方だ。本当は今すぐ押し倒して今着ている服を全て脱がせて沢山キスして、彼の身体を隅々まで堪能したい。しかしそんなことをすれば再び勘違いされてしまう。赫焉が求めているのは将の体だけだと思われたくなかった。赫焉は将の全てを愛している。容姿も心も身体も、全てが綺麗で可愛くて愛おしくて仕方ない。このまま自分の部屋に鎖で繋いで閉じ込めてしまいたいと思う程、赫焉は将を深く愛していた。
「本当に大丈夫なんですか? 竜王様。神子についてはあまりいい噂は聞きませんが……」
「書物を読んだが、全員心根が腐りきったクズばかりじゃ。ショウの願いとはいえ、警戒した方が良いのではないか?」
小さな体をギュウギュウと抱きしめて叫ぶ赫焉に白い目を向けながら、水陰と緋炎は念の為釘を刺した。女神が召喚した神子は心の腐った性悪ばかりだった。将は『神子のオマケ』で、神子からも虐げられていたのではないかと心配した。しかし、将はそれを完全に否定して「アキラは親友で、誰よりも心優しい人だ」と言った。
二人が警戒する中、赫焉は将を抱きしめたまま真剣な表情をして考え込む。神子を否定するのは簡単だ。しかし、会ったこともないのに歴代の神子がこうだったから、今回の神子もそうだと決め付けるのは良くないのではないか。将本人が「大丈夫」と断言するのだから、彼を信じるべきではないか。それに……
『お願いです。お願い。将を、助けてください。僕の、たった一人の大切な親友を、幸せにしてください。竜王様……』
将と出会う直前、赫焉は誰かの悲痛な願いを聞いた。それが誰なのか、何者なのか、何故赫焉の耳にだけ届いたのか分からない。しかし、一つだけ分かることがある。声の主ははっきりと「ショウを助けて」と言った。「大切な親友を幸せにしてくれ」と。祈るような声だった。とても必死で、けれど悔しさも含んだ声だった。それはきっと、自分では将を幸せにできないと知ってしまったからなのだろう。本当は自分の手で将を幸せにしたかった。彼を守りたかった。けれど出来なかった。だから彼は自分よりも力のある竜王に、赫焉に将を託したのではないか。
実際、この声がなければ赫焉は地上へは降りなかったし、将と出会うこともなかった。あのまま赫焉が地上へ行かなかったら、将は死んでいたかもしれない。治療薬があったとはいえ、何時殺されても可笑しくない状況だった。それを、声の主は望まなかった。大切な親友が不幸になる姿など見たくない。誰かに傷付けられるなんて耐えられない。その理由が自分にあるのなら尚更、声の主は自分自身を責め立てたに違いない。
「会ってから判断しても遅くはない。ショウを傷付けるだけの存在ならば、魂ごと抹消すれば良いだけの話だ」
その可能性は極めて低いと赫焉は確信していた。今回の神子は将の為だけに動いているように思えて仕方ない。自分の為ではなく、全ては将が幸せになる為。声の主が神子ならば全て辻褄が合う。恐らく、神子は少し先の未来を見通す力を持っているのではないかと赫焉は考える。将を溺愛する赫焉や緋炎達の姿を、神子は見たのかもしれない。だから神子は竜王の存在を知っていて、神子の祈りが赫焉に届いたのかもしれない。これは単なる偶然なのか、それとも必然なのか。
「……あまり気は乗らぬが、ショウが会いたいと言うのであれば仕方ないか」
「竜王様。ショウ様から絶対に離れないでくださいよ? 何かあったら私達が護りますからね」
過保護だな。人間を伴侶にすることを猛反対していた姿は何処へやら。今は将をどうやって守るか真剣に考えている。全て杞憂だと思うが、警戒して損はない。そんなことを考えながら、赫焉は抱きしめている将にそっと口付けた。
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