王女の婚礼を阻止します ~JKだけど転生したら××になっていました~

墨隊員

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00 プロローグ ~アベール王国の国葬~

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 アベール王国に弔いの鐘が鳴り響く。国中は悲しみと動揺に暮れていた。民から「賢王」と慕われたヴァルデル王の死から、まだ1週間と経っていなかったからだ。
 今日は国葬の日。
 葬儀にふさわしい曇り空の下で鳴り響く悲しい鐘の音の中、亡きヴァルデル王の棺を運ぶための黒馬車が城の前に停まると、黒い喪裾を引いた王家の一族が城の外にゆっくりと姿を表した。
 現王妃エリザベート、その娘で第二王女のシャルロッテ、その弟で第一王子のハンス。
 そして、三人の親子から少し離れたところに静かに佇むもうひとりの王女。
 黒いベールに覆われた顔は見えないが、その姿を見た弔問の民たちが小声で囁き合う。
「あれがルイーゼ王女様か。大きくなられたことだ」
「お顔は見えないが、色の白さといい、気品といい、亡き王妃様に瓜二つだな」
 そんな民たちの囁き声を、現王妃は冷たさを湛えた暗い瞳で聞いていた。

 そのとき、隣国ガムラの国旗をはためかせた馬車が到着した。
颯爽と降り立ち、早足で王家の一族のもとに向かう長身の男からは、まるで光が放たれているような若々しさと美しさが発せられていた。
「ガムラ王国第一王子、エリク様のご到着です」
 王妃の前に跪き、その手に口づけの挨拶をして、エリク王子が口上を述べた。
「遅れました非礼をお許しください。亡きヴァルデル王様のご逝去に際し、ガムラ王国を代表し、心よりのお悔み申し上げます。」
「痛み入りますわ、エリク王子。まあ、大きくおなりになられましたこと」
 二人が交わすやり取りを、ルイーゼ王女はベールの下から静かに見ていた。

 すると突然、エリク王子が跪いたまま顔をルイーゼの方へと向け、凛と張り上げた声でこう言い放った。
「このような悲しみの日にどうかお許し願いたい。ルイーゼ姫、あなたに求婚させていただきたいのです」

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