素早さ極振りの槍使い 〜思っていたのとは違いましたがこのまま極振ります〜

ain

文字の大きさ
22 / 29

20.再会

しおりを挟む
セーレと別れてから数日、鍛冶屋で新しく購入した〈鉄の槍〉を使って新スキル【ファストジャベリン】の練習をしていた。連日練習をしているが飽きる事はない。だって槍を投げたら目標の木には当たらなくても、他の木に当たって気がへし折れるんだ。それが非現実的でなかなか楽しい。…ん?環境破壊だって?あーあー聞こえなーい……次の日には元に戻ってるからいいんだよ。

なんで〈白兎の飛槍〉や〈角兎の突撃槍〉を使わないのかだけど…… 〈角兎の突撃槍〉が他のプレイヤーに奪われたからです。

……どういうことかと言うと、はじめはわざわざ他の槍を買って練習しようなんて思ってなかった。だけどこのゲームのリアルな仕様。そのリアルさを舐めていた。このゲーム、自分の装備だろうと手放してしまうと他のプレイヤーが手に入れれてしまうのだ。
つまり、俺が【縮地】と【ファストジャベリン】の併用を試していると投げた槍が見当違いの方向に飛んでいってしまいようやく見つけたと思ったら他のプレイヤーが拾ってしまっていたのだ。

一応、俺の槍だから返してほしいと言ってみたが、コレは俺の装備だ。と言って帰って行きやがった。……アヤツの武器オノだったけどな……まぁそんなことがあって、取られてもそこまで痛手のない〈鉄の槍〉を購入してそれを練習用にしている。


で、【ファストジャベリンLv1】コレがなかなか扱い難いスキルで非常に困っている。
ちなみに【ファストジャベリンLv1】の説明はコレ


【ファストジャベリンLv1】消費MP 20  CT 30秒
槍を速く投げる
※速度・威力 早さ依存



うん、実にシンプルな説明だな。でもこの槍を速く投げるってのが問題なんだ。
スキル発動時、俺の槍を投げる腕の動きが3倍くらい速くなる。

これの何が問題って、うでの動きがこんなに速くなるともう、狙いが付けらません。

だって考えてみてくれ。プロ野球選手の投手でさえ狙いがズレる事なんてのはよくある。プロでさえだ。
それなのに、ど素人の俺がDEXの補正も無しに狙いどうりに槍を投げれると思うか?答えは投げれませんだ。

さっきから練習で10メートル先の木に当てようと投げまくってるが、全く目標の木に当たる気がしない。

振り抜く腕が速いすぎて、はじめの方なんか俺の足ギリギリに槍が刺さったからな。ゾワッとしたわ!

少しして足元に刺さる事は少なくなったけど(少なくなってもそれなりには足元に刺さってる)今度は手を離すのが早すぎて、森の中に消えていくこともしばしば……

「どうすればうまく使えるのか……」


どうすればいいのか悩んでいると・・・

ズドンッ

「うぉ⁉︎」


俺の真横に何かが落ちてきた。

「…なんだ。何が落ちてきた?ってボアか……じゃない、なんでボアが空から落ちてくるんだ?」

此処の近くに崖なんてものはない。周りは木だけだ。
上から落ちてくるのはおかしい。……あ、ボアが死んだ。


「お~い!、大丈夫かー!」

何処かから声が聞こえてきた。

「おーい!そこの人!すまねぇ!ボアを飛ばしすぎちまった!怪我は…ねぇ……kってあんちゃんかよ!…ならよかった。久しぶりだな。」

声の主人は筋肉ムキムキうさ耳獣人のチャッピーだった。

「おうっ、久しぶり……ってあぶねぇだろ!俺だったらいい、みたいなリアクションすんじゃねぇよ⁉︎」

ホント俺に当たってたら確実に死んでたな。

「あぁー、わりぃな。あんちゃんはここで何してんだ?」

「しれっと、次の話に移しやがった……まぁいいけど。俺は投擲系のスキル練習してたんだよ。…で、ちょっと考え事してたらボアが空から降ってきたってわけだ。んで?なんで空からボアが降ってきたんだ?」

「あ?そんなの決まってんだろ?オレだぜ?このハンマーで吹っ飛ばしたんだよ。空に向かってな。」

空に向かって?……あ

「なるほど空に向かって打ち上げったってことか。……でも、吹っ飛ばし系スキルってダメージはほとんどないんじゃなかったのか?ボアは落ちて死んだみたいだけど?残りHP少ない状態で吹っ飛ばしたのか?」

疑問を聞くとチャッピーが笑い出した。話が進まないので睨み付けてみる。

「ふっふっふ、ハッハッハ……わりぃわりぃ、説明するからそんな目でみんなよ。あのボアは1撃で倒したぜ。確かに吹っ飛ばし系スキルはダメージがほとんどない。……けど吹っ飛ばした後、地面や障害物に激突した場合はしっかりダメージが発生するんだよ。」

「ほぉ~、そんな仕様なんだな。じゃあこのゲーム威力計算に速度とか入ってるし、飛ばす勢いでダメージも変わるのか?」

「そぉ言うこったな。ちなみにぶつける障害物でもダメージが変わるな。木にぶつけるより岩にぶつけた方がダメージがでかい。」

「そうなんだ。あれだな、すごい使えるスキルなんじゃないのか?吹っ飛ばし系のスキルって。」

「そーだろぉ!そう思うだろ!?なのに他のヤツはこの良さに気づかねぇんだ……」

「……まぁ…ドンマイ」




「…ありがとよ。そうれはそうとあんちゃん、オレとちょっくらグレートボア狩らねぇか?」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

処理中です...