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第23話 国王激怒、ついに“粛清”が始まる
しおりを挟む王都でリリィの詐欺容疑が広まり、アレクシオン王子が部屋に引きこもって三日。
ついに国王の堪忍袋が切れた。
◆ 王宮会議室・怒号が響く
「――いい加減にせよ、アレクシオン!!!」
重々しい扉が震えるほどの怒声。
侍従たちは廊下の隅で震え上がり、文官たちは「また始まった」と顔をこわばらせた。
会議室の中央で、国王は立ち上がったまま拳で机を叩く。
「婚約破棄のときから忠告しておいたはずだ!
“エレノアを手放すことが、どれほど愚かなことか”と!!」
「…………」
顔色を失ったアレクシオンは、うつむいたまま動かない。
「よりによって詐欺師の女を“天使”だと持ち上げ、公務も放り出し、
王太子としての信用を地に落とした! 恥を知れ!!」
国王は、怒りを抑えきれず机上の書類を叩きつけた。
「この三日間、近隣諸国からの書状はすべて“冷笑”だ。
『王太子は愚か者か』――そう問われているのだぞ!」
「……すみません……」
「謝罪で済む問題ではない!!」
怒号が再び響いた。
◆ 側近たちへの容赦なき処分
国王は怒りの矛先を、王子の側近たちへ向けた。
「お前たちもだ! なぜ止められなかった!」
「も、申し訳ございません! しかし殿下が“リリィ嬢を悪く言うな”と……!」
「殿下の命に背けば罰を……!」
「黙れ!!!」
国王の声が会議室を貫いた。
「王族に仕える者が、王族の“暴走を止められない”などあり得ん!
全員、本日限りで側近職を解任する!」
「そ、そんな……!」
「ついでに詰所の整理もしておけ。二度と殿下の近くには寄るな」
側近たちの顔が絶望と後悔に染まる。
(……エレノア様を軽んじた時点で、我らも運命が決まっていたのか)
誰もが心の中でそう悟っていた。
◆ 王太子への“特別措置”
国王は深く息を吸い、そして言い放つ。
「アレクシオン。お前には謹慎処分を命じる。
今後、王太子としての公務はすべて停止とする」
「……っ! 父上、それでは私は……!」
「当然の結果だ。己の愚かさを悔いながら部屋で反省するがいい」
アレクシオンは拳を握りしめた。
「……エレノア……」
その名を呼ぶ声には後悔と焦りがにじんでいたが、
国王は冷たい目で切り捨てる。
「もうエレノアに頼ることなど許さぬ。
彼女には――公爵がついている」
「……っ!」
アレクシオンの心臓が痛みで跳ねた。
◆ そのころエレノアは……
辺境公爵家の庭園にて、今日も平和。
「エレノア様、こちらの新しい紅茶はいかがでしょう?」
「まぁ、香りが素敵ですわ。いただきます」
王宮が修羅場だというのに、エレノアは優雅にティータイム。
(……王都が騒がしいようですが、私には関係のないことですわね)
婚約破棄のおかげで、彼女の人生は驚くほど穏やかだった。
◆ ◆ ◆
こうして――
王子は信用・立場・側近すべてを失い、完全に孤立。
エレノアは公爵家で順調に“人生の逆転劇”を進みつつあった。
物語は、さらに痛快なざまぁ展開へ突き進む――。
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