婚約破棄されましたが、辺境公爵に溺愛されて自由まで手に入れました

ふわふわ

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第27話 エレノアの“完全拒絶”、笑顔で一刀両断

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 エレノアのもとには、王都の貴族たちから届いた謝罪と懇願の手紙が山のように積み上げられていた。

 侍女シレンナが読み上げる。

「『エレノア様、どうか王都へ戻っていただけませんか!
 あなたこそ真の王妃にふさわしい!』……だそうです」

「まあ。昨日までは“可愛げがない”と言っていたのに?」

「ええ、手紙の大半が“掌返し”ですわ」

 エレノアは優雅に紅茶を口にした。

(……予想通りですわね)

 

◆ 公爵家の大広間にて

 その日、王都からわざわざ遠路はるばるやって来た貴族たちが、公爵家の大広間でエレノアを待ち受けていた。

 男爵、伯爵、侯爵夫人――
 かつてエレノアを見下していた面々が勢揃いしている。

「エレノア様! 本日はお時間いただきありがとうございます!」

「もう婚約破棄の件は水に流して、我々と友好を……!」

「ぜひ王都の社交界に戻っていただきたいのです!!」

 口々にすり寄る貴族たち。

 だがエレノアは終始にこやかだった。

「皆さま、ご足労いただきましてありがとうございます」

「エレノア様……!」

「それで、私に何をお望みでしょう?」

「そ、それは――」

 貴族たちは勢いよく前へ出た。

「王都に戻っていただきたいのです!!」

「王太子殿下の側にエレノア様がいてこそ、国は安泰!」

「あなたが必要なのです!!」

 その瞬間。
 エレノアの微笑が、ふっと冷えた。

 

◆ エレノアの“拒絶の言葉”

「皆さま。もちろんお気持ちは理解いたしますわ」

 丁寧な声。
 けれど、その奥には強い芯が宿っていた。

「ですが、申し訳ございません。私は――」

 エレノアはゆっくりと立ち上がり、ひとりひとりの目を見据えた。

「もう二度と、王宮の方々とお付き合いするつもりはございませんの。」

「…………え?」

 その場の空気が一瞬にして凍りつく。

 エレノアは優雅な笑顔のまま続けた。

「かつて私を“可愛げがない”と評したのは、そちらの皆さまでしたでしょう?
 リリィ様を天使と称え、私を嘲ったのも皆さま」

「そ、それは……昔のことで……!」

「ええ。昔のことですわ。ですので、今さら謝罪されても“必要ありません”」

「ひ、必要……ありません……?」

「はい。ご存じないようなので申し上げますと――」

 エレノアの声が、透き通るほど冷たく澄んだ。

「私には、公爵家での“自由な暮らし”がございますの。
 今さら王宮の事情など、興味はございませんわ。」

 貴族たちは青ざめて震えた。

 

◆ 容赦のない追撃

「皆さまは、私が必要とおっしゃる。
 ――ですが私は、皆さまを必要としておりませんの」

 大広間の貴族たちが顔を見合わせる。

「そ、そんな……!」

「エレノア様、お考え直しを――!」

 泣きそうな顔で縋ろうとする貴族がいたが、

「お触りにならないでくださいませ」

 エレノアは優雅にひらりと避けた。

「私はこれから、公爵様の領地の視察に行く予定がございますので……失礼いたしますわね」

 ドレスの裾を揺らし、すれ違いざまに言い放った。

「王宮の方々とお会いする時間ほど、無駄なものはございませんもの。」

「………………っ!!」

 貴族たちは、言い返す言葉すらなかった。

 

◆ エレノア退場――会場、崩壊

 扉が音を立てて閉まる。
 残された貴族たちは、ただ呆然と立ち尽くした。

「……終わった……」

「エレノア様の信用も、心も……我々にはもう二度と戻らない……」

 

◆ そして廊下の陰で

 ライナルト公爵は腕を組みながら、満足げに呟いた。

「……これで良い。
 王都のしがらみなど、彼女にはふさわしくない」

 侍女シレンナはうっとりした。

(エレノア様……最高に格好よかったです……!)

 

◆ ◆ ◆

 こうして――
 エレノアは笑顔で王都貴族を一刀両断。
 完全な決別を宣言した。

 王都側は彼女を取り戻す道を、永遠に失ったのである。


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