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第33話 支点の対話
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第33話 支点の対話
王妃からの書状は、静かな朝に届いた。
封蝋には王家ではなく、王妃個人の紋章。
私はそれを見た瞬間、意図を理解した。
奪い返すのではない。
認める。
封を切り、文を読む。
――均衡を保つため、協調を望む。
命令ではない。
要請でもない。
“対話”
私はしばらく目を閉じる。
胸の灯は揺れない。
怒りもない。
歓喜もない。
ただ、静かな理解。
ディルクが問う。
「どうする」
「お会いしますわ」
短く答える。
「敵ではないのでしょう」
彼は頷く。
「支点同士の話し合いか」
王都。
王妃は高塔の窓辺に立っていた。
王太子アシュレイは沈黙している。
「……彼女は来ると思いますか」
「来るわ」
王妃の声は確信に満ちている。
「奪い合いではなく、整える話だから」
アシュレイは拳を握る。
かつて切り捨てた存在。
今は、国の均衡を保つ支点。
屈辱ではない。
だが、胸に重いものが残る。
数日後。
中立の地にて会談が設けられる。
王妃と私。
初めて、対等に向き合う。
王妃は深く頭を下げない。
私も膝をつかない。
ただ、視線を合わせる。
「来てくださって感謝します」
王妃の声は穏やか。
「均衡のため、ですわ」
私は答える。
沈黙は重くない。
敵意もない。
「あなたは王都を傾けようとしていない」
「ええ。私は何もしておりません」
「それでも、流れはあなたのもとへ集まる」
私は首を傾げる。
「重ならぬだけです」
王妃は静かに笑う。
「それが支点です」
王都が削れれば、北が補う。
北が削れれば、王都が補う。
本来、均衡とはそうあるべきだった。
「敵対は望みません」
王妃が告げる。
「私も」
それは真実だった。
夕刻。
会談は短く終わる。
決裂ではない。
合意でもない。
“認識”
王都は支点を認めた。
辺境は敵意を持たない。
夜。
塔の上で私は空を見上げる。
胸の灯は変わらない。
強くも弱くもない。
ただ、整っている。
三十三日目。
国は初めて、争わずに均衡を語った。
支点は、対話によって定まった。
王妃からの書状は、静かな朝に届いた。
封蝋には王家ではなく、王妃個人の紋章。
私はそれを見た瞬間、意図を理解した。
奪い返すのではない。
認める。
封を切り、文を読む。
――均衡を保つため、協調を望む。
命令ではない。
要請でもない。
“対話”
私はしばらく目を閉じる。
胸の灯は揺れない。
怒りもない。
歓喜もない。
ただ、静かな理解。
ディルクが問う。
「どうする」
「お会いしますわ」
短く答える。
「敵ではないのでしょう」
彼は頷く。
「支点同士の話し合いか」
王都。
王妃は高塔の窓辺に立っていた。
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「……彼女は来ると思いますか」
「来るわ」
王妃の声は確信に満ちている。
「奪い合いではなく、整える話だから」
アシュレイは拳を握る。
かつて切り捨てた存在。
今は、国の均衡を保つ支点。
屈辱ではない。
だが、胸に重いものが残る。
数日後。
中立の地にて会談が設けられる。
王妃と私。
初めて、対等に向き合う。
王妃は深く頭を下げない。
私も膝をつかない。
ただ、視線を合わせる。
「来てくださって感謝します」
王妃の声は穏やか。
「均衡のため、ですわ」
私は答える。
沈黙は重くない。
敵意もない。
「あなたは王都を傾けようとしていない」
「ええ。私は何もしておりません」
「それでも、流れはあなたのもとへ集まる」
私は首を傾げる。
「重ならぬだけです」
王妃は静かに笑う。
「それが支点です」
王都が削れれば、北が補う。
北が削れれば、王都が補う。
本来、均衡とはそうあるべきだった。
「敵対は望みません」
王妃が告げる。
「私も」
それは真実だった。
夕刻。
会談は短く終わる。
決裂ではない。
合意でもない。
“認識”
王都は支点を認めた。
辺境は敵意を持たない。
夜。
塔の上で私は空を見上げる。
胸の灯は変わらない。
強くも弱くもない。
ただ、整っている。
三十三日目。
国は初めて、争わずに均衡を語った。
支点は、対話によって定まった。
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