3 / 8
にじの木
にじの木
しおりを挟む
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
今日も朝がやってきて、きれいな朝日がさしこみました。
しかし、そのカナリアは元気がありません。なぜなら、今日はのどがかすれて、大好きな歌を歌うことができなかったのです。
「昨日、歌いすぎたのかしら……」
カナリアがにじの木の枝にとまって、そうつぶやいた時でした。
「あら、きれい……」
にじの木の葉っぱについていた朝つゆが朝日をうけて、にじ色にキラキラとかがやいていたのです。
カナリアはにじ色の朝つゆをそっとついばみました。
「まぁ、何ておいしい……」
それはまるで、にじ色のジュースみたい。かすれたのどを、みるみるうちにうるおしてくれました。
そして今日も、そのカナリアは大好きな歌を美しいみどりの森にひびかせることができました。森のみんなはいつものように、その歌声にうっとりと聞き入っていたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
お昼近くに、リスのお母さんが子供たちにあげるごはんをさがしにやって来ました。
ついこの間まで、おちちを飲んでいた子供たちです。何か、よろこぶものがないかなぁとさがしていました。
するとお母さんは、にじの木の枝に何かがなっているのを見つけました。
「わぁ、きれい……」
なっていたのは、とってもきれいなにじ色をした実だったのです。
リスのお母さんは、その実をガブリとかじってみました。
「まぁ、おいしい……」
かじったとたんに、口にはミカンにブドウ、イチゴ……にじのように色とりどりの果物のあまずっぱい味が広がりました。
リスのお母さんは、さっそくその実を巣穴へ持って帰りました。
リスの子供たちはみんな、おいしいおいしいにじ色の実を食べて、幸せいっぱいにねむったのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
お昼になって、雨がシトシトと降ってきました。雨が降ると、池のカエルたちは大よろこび。陸に上がって遊ぶことができるのです。
今日もカエルの男の子と女の子が、にじの木のまわりをピョコピョコとはね回り、追いかけっこをして遊んでいました。
「ふぅ、たくさん遊んだ」
「そうね。ちょっと、つかれたね」
二ひきはそう言って、にじの木の下で一休み。女の子はふと、にじの木の葉っぱを見上げました。
「わぁ、見て。きれい……」
にじの木の葉っぱは、雨雲を押しのけて少しだけ顔を出したお日さまの光をあびて、にじ色にキラキラとかがやいていたのです。
それは、うっとりとするながめでした。カエルの男の子と女の子は、しばらく、にじ色のきれいな葉っぱを見て、幸せな時間をすごしたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
おやおや、どうしたのでしょう?
雨は上がって空ではお日さまが笑っているのに、にじの木の下にいる一人の男の子の目からは大粒の雨がポタポタと落ちて、地面をぬらしています。
「ロッキーが……ぼくの大好きなロッキーが死んじゃった。もう、会えないんだ」
どうやら、その男の子の飼っていた、大切な犬のロッキーが死んでしまったみたいです。
お昼をすぎて、おやつの時間。だけれども、男の子は大好きなおやつを食べたいとも思いませんでした。男の子はおやつなんかよりも、ずっとずっとロッキーのことが大好きで、かけがえのないお友達だったのです。
ひとしきり泣いた後、男の子はぼんやりとにじの木を見上げました。
すると……
「あれ? 何だろう?」
いつの間にか、にじの木にはきれいなきれいなにじがかかっていました。そして、そのにじは高い高い雲の上までのびているようでした。それはまるで、雲の上にまでかかっているにじの橋みたいでした。
そのにじの橋の向こう……雲の上から、まるでだれかに呼ばれているような気がして、男の子は木を登ってにじの橋に足をかけました。そして、そのにじの橋をわたりはじめました。
一体、どのくらい歩いたでしょう。
にじの橋をわたった男の子の目の前には、青々とした草原が広がっていました。
「ここは……どこだろう」
男の子が目を丸くして、その草原を見回していた時でした。
「ワン、ワンッ!」
一ぴきのかわいい犬がこちらに走ってきました。その犬を見た男の子の目からは、なみだがあふれ出しました。それは、悲しいなみだではありません。うれしい、うれしい、温かいなみだでした。
「ロッキー!」
「ワン、ワンッ!」
「会いたかった、会いたかったよ。ロッキー!」
「ワン、ワン、ワンッ!」
ロッキーはしっぽをふりながら、男の子の顔のなみだをペロペロとなめていたのでした。
「うーん……」
にじの木の下の男の子が目を覚ました時には、お空にはもう夕やけが見えていました。
「あれ、夢?」
それは、男の子の夢だったのかも知れません。
けれども……
「ロッキー……」
夢だったとしても、ロッキーにもう一度会えた男の子はとっても幸せでした。
「ロッキー。ぼく、もう泣かないよ。だって、ロッキーはずっとぼくを見てくれているんだから」
お空を見てそう決意した男の子の顔に、まるでロッキーが笑っているかのようにまぶしい夕陽がさしたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
今日も朝がやってきて、きれいな朝日がさしこみました。
しかし、そのカナリアは元気がありません。なぜなら、今日はのどがかすれて、大好きな歌を歌うことができなかったのです。
「昨日、歌いすぎたのかしら……」
カナリアがにじの木の枝にとまって、そうつぶやいた時でした。
「あら、きれい……」
にじの木の葉っぱについていた朝つゆが朝日をうけて、にじ色にキラキラとかがやいていたのです。
カナリアはにじ色の朝つゆをそっとついばみました。
「まぁ、何ておいしい……」
それはまるで、にじ色のジュースみたい。かすれたのどを、みるみるうちにうるおしてくれました。
そして今日も、そのカナリアは大好きな歌を美しいみどりの森にひびかせることができました。森のみんなはいつものように、その歌声にうっとりと聞き入っていたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
お昼近くに、リスのお母さんが子供たちにあげるごはんをさがしにやって来ました。
ついこの間まで、おちちを飲んでいた子供たちです。何か、よろこぶものがないかなぁとさがしていました。
するとお母さんは、にじの木の枝に何かがなっているのを見つけました。
「わぁ、きれい……」
なっていたのは、とってもきれいなにじ色をした実だったのです。
リスのお母さんは、その実をガブリとかじってみました。
「まぁ、おいしい……」
かじったとたんに、口にはミカンにブドウ、イチゴ……にじのように色とりどりの果物のあまずっぱい味が広がりました。
リスのお母さんは、さっそくその実を巣穴へ持って帰りました。
リスの子供たちはみんな、おいしいおいしいにじ色の実を食べて、幸せいっぱいにねむったのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
お昼になって、雨がシトシトと降ってきました。雨が降ると、池のカエルたちは大よろこび。陸に上がって遊ぶことができるのです。
今日もカエルの男の子と女の子が、にじの木のまわりをピョコピョコとはね回り、追いかけっこをして遊んでいました。
「ふぅ、たくさん遊んだ」
「そうね。ちょっと、つかれたね」
二ひきはそう言って、にじの木の下で一休み。女の子はふと、にじの木の葉っぱを見上げました。
「わぁ、見て。きれい……」
にじの木の葉っぱは、雨雲を押しのけて少しだけ顔を出したお日さまの光をあびて、にじ色にキラキラとかがやいていたのです。
それは、うっとりとするながめでした。カエルの男の子と女の子は、しばらく、にじ色のきれいな葉っぱを見て、幸せな時間をすごしたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
おやおや、どうしたのでしょう?
雨は上がって空ではお日さまが笑っているのに、にじの木の下にいる一人の男の子の目からは大粒の雨がポタポタと落ちて、地面をぬらしています。
「ロッキーが……ぼくの大好きなロッキーが死んじゃった。もう、会えないんだ」
どうやら、その男の子の飼っていた、大切な犬のロッキーが死んでしまったみたいです。
お昼をすぎて、おやつの時間。だけれども、男の子は大好きなおやつを食べたいとも思いませんでした。男の子はおやつなんかよりも、ずっとずっとロッキーのことが大好きで、かけがえのないお友達だったのです。
ひとしきり泣いた後、男の子はぼんやりとにじの木を見上げました。
すると……
「あれ? 何だろう?」
いつの間にか、にじの木にはきれいなきれいなにじがかかっていました。そして、そのにじは高い高い雲の上までのびているようでした。それはまるで、雲の上にまでかかっているにじの橋みたいでした。
そのにじの橋の向こう……雲の上から、まるでだれかに呼ばれているような気がして、男の子は木を登ってにじの橋に足をかけました。そして、そのにじの橋をわたりはじめました。
一体、どのくらい歩いたでしょう。
にじの橋をわたった男の子の目の前には、青々とした草原が広がっていました。
「ここは……どこだろう」
男の子が目を丸くして、その草原を見回していた時でした。
「ワン、ワンッ!」
一ぴきのかわいい犬がこちらに走ってきました。その犬を見た男の子の目からは、なみだがあふれ出しました。それは、悲しいなみだではありません。うれしい、うれしい、温かいなみだでした。
「ロッキー!」
「ワン、ワンッ!」
「会いたかった、会いたかったよ。ロッキー!」
「ワン、ワン、ワンッ!」
ロッキーはしっぽをふりながら、男の子の顔のなみだをペロペロとなめていたのでした。
「うーん……」
にじの木の下の男の子が目を覚ました時には、お空にはもう夕やけが見えていました。
「あれ、夢?」
それは、男の子の夢だったのかも知れません。
けれども……
「ロッキー……」
夢だったとしても、ロッキーにもう一度会えた男の子はとっても幸せでした。
「ロッキー。ぼく、もう泣かないよ。だって、ロッキーはずっとぼくを見てくれているんだから」
お空を見てそう決意した男の子の顔に、まるでロッキーが笑っているかのようにまぶしい夕陽がさしたのでした。
大きな大きな、にじの木がありました。
やさしいやさしいにじの木は、みんなを見守ってくれています。そしてみんなに、にじ色の幸せを運んでくれるのです。
0
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
かつて聖女は悪女と呼ばれていた
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」
この聖女、悪女よりもタチが悪い!?
悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!!
聖女が華麗にざまぁします♪
※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨
※ 悪女視点と聖女視点があります。
※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪
あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)
tomoharu
児童書・童話
え?こんな話絶対ありえない!作り話でしょと思うような話からあるある話まで幅広い範囲で物語を考えました!ぜひ読んでみてください!数年後には大ヒット間違いなし!!
作品情報【伝説の物語(都道府県問題)】【伝説の話題(あだ名とコミュニケーションアプリ)】【マーライオン】【愛学両道】【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】【トモレオ突破椿】など
・【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】とは、その話はさすがに言いすぎでしょと言われているほぼ実話ストーリーです。
小さい頃から今まで主人公である【紘】はどのような体験をしたのかがわかります。ぜひよんでくださいね!
・【トモレオ突破椿】は、公務員試験合格なおかつ様々な問題を解決させる話です。
頭の悪かった人でも公務員になれることを証明させる話でもあるので、ぜひ読んでみてください!
特別記念として実話を元に作った【呪われし◯◯シリーズ】も公開します!
トランプ男と呼ばれている切札勝が、トランプゲームに例えて次々と問題を解決していく【トランプ男】シリーズも大人気!
人気者になるために、ウソばかりついて周りの人を誘導し、すべて自分のものにしようとするウソヒコをガチヒコが止める【嘘つきは、嘘治の始まり】というホラーサスペンスミステリー小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる