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第一章
~16~
しおりを挟む♦エドガー
彼女の事はウワサで知っていた。
まだ入学する年齢でもないのに学院に良くいる事
先生の真似事のような事をしているとか、それがとてもわかりやすいとか
両親の仕事中、暇だから手伝いなんかをしているとそういったウワサは良くきこえてくる
だから彼女から話しかれられた時は驚いたし、ボクの両親の料理の才能を見込んで雇いたいと言われた時もどうすればいいのかわからなかったボクは咄嗟に逃げてしまった。
それからの事は良く覚えていない
例えるなら猫の手も借りたい?ような、目が回る、いや頭が回る?ような
とにかく色々な事がてんやわんやと起こっていくようなかんじ
ボクの両親は学院の食堂で働くのをやめて、お父さんの小さい頃からの夢だったお店を持つことになった。
ボクは両親と一緒になってミーシャの教える料理に夢中になった
沢山色んなものを教えて貰った。
両親もボクの料理の腕前を沢山褒めてくれたし、そう、調子にのっていたんだと思う。
「それ、見た事ないソースだな」
「え、あ・・・これ、は」
学院に入学して調理学科の授業中
ボクは思わずミーシャから教えて貰ったソースを当たり前のように作っていた。
どうしよう!ミーシャからは教えた事は絶対外に漏らすなって言われていたのに!
ボクは店のお手伝いをしていたけれど、子供が働いてるのはがいけん?が良くないとか言われて、学院の調理学科を卒業出来たなら堂々とお店で働けると両親から言われたから入学する事にした。
ミーシャから教えて貰った事がとても役に経ったこともあって、ビリック先生からは卒業しようとすればすぐにでも出来るだろうと言われた。これも全部ミーシャのおかげだ。
それでもボクはまだ卒業する気にはなれなかった。
ミーシャと居られる時間が減ってしまう気がして、少しでも長く沢山ミーシャと一緒の時間が欲しくってダラダラと学院に通い続けてる。
「え、何何?コロネ見せてよ」
「今度店で出す新作?」
「あ、ちが、その、だ、ダメ・・・
み、見ないでっ!!」
「はいはいそこ、自分の作業に戻りなさい」
「「はーい」」
「あ・・・ビリック先生」
ビリック先生が声をかけてくれたおかげでボクの周りに集まってきていた人達が離れていってくれた
助かった・・・でもビリック先生はそんなボクをじっと見つめて目線を合わせるように屈んできた。
「エドガーくん、勉強熱心なのは良いけれど店に出す商品をこんな公の場で公開するような真似はあまり感心出来ないな」
「う・・・・」
だって、気づいたら作ってしまっていたんだ
気をつけなきゃとは思っていても、むずかしい
「ふう、、そのソースは君のお父さんが?
お店、三年先まで予約で一杯なんだって聞いたよ。凄い人気だね」
「あ・・・・りがとう、ございます」
違う、と言いたかったけど口をつぐむ
ミーシャからはお店で出す料理の事は外で絶対に喋っちゃいけないって言われてる。
なにを言われても、はい、か、いいえ、だけで返事をするか誤魔化すなりしろって言われてるから何も言えない
ホントはミーシャが全部のレシピを作ってる事も自慢したくなるけれど、絶対絶対秘密なんだ。
「そんな人気のあるお店のレシピなんだから、ちゃんと守らないとダメだろう?
エドガーくんはそういうところ抜けているからね」
「・・はい・・・・」
本当にその通りだ。
ボクはいっつもそう、どこか抜けてる。うっかりしてしまう。気づいたらやらかしてる。
そういう事が多い
気をつけなきゃ、ちゃんとしなきゃって思ってるのに
「もういっそ褒賞でも貰ったらどうだい?」
「・・・ほうしょう?」
「うん、良く誤解されがちなんだけどね、褒賞ってのは別に特別凄い発見や研究等に送られるだけのものじゃあないんだよ。
今までに無い新しい考え方等にも送られるものなんだ。
実際、過去に王国では紡ぎ車を作った人や蒸留酒を作った人の名前が残っている。
いいかい?新しい物、それが特に良い物なら必ず真似をする人が出てくるし、それは当たり前の物となって、いつか古い物へとなっていく
それがいつ作られたのか、誰が作った物なのか、それを残す為に褒賞はあるんだ。
少し大袈裟な言い方をしたけれど、余り難しく考える必要はない
君達家族の新しい料理達は褒賞を受けるに相応しいと思ってる。
実際、真似をしようとしている人は少なからずいる訳だし、お父さんとお母さんに相談すると良い」
そこまで聞いてほうしょう、が王宮の褒賞の事だということに気付いた。
褒賞?お店の料理が?褒賞を?
想像もつかないような、考えがまとまらないままにボクは頷いてた。
後の事はやっぱり良く覚えていない
お父さんとお母さんにお店の料理が、ミーシャの料理が真似されちゃうっ!てそんな事を言った気がするけど
なんだかボクが褒賞を貰ったみたいな話になってるみたい
ミーシャの料理が褒賞されたはずなのに、なんでそーいうウワサになってるんだろう?
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