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4話 真紅な薔薇

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私は貴方を愛しています。

愛しています。

ずっとずっと、永遠に愛しています。

貴方は永遠に私だけのモノ。


「勇人さ誕生日なにか欲しいものある?」

「んー、舞がくれるものなら何でも嬉しいんだよなー」

「そうなの?欲しいのあったら遠慮なく言ってね!」

「おう」

その時、勇人のスマホが鳴る。

メールだろうか?

「誰から?」

「別に誰だっていいだろ?」

「浮気してないよね?」

つい心配になり、そんなことを聞いてしまう。

「してるわけねーだろ!おまえさ、本当に気にしすぎだよ」

「ごめんね?」

「分かればいいよ」

勇人のことが好きすぎるから心配なんだよ?

本当は勇人には女の子とも話さないでほしいし、連絡も取り合ってほしくない。

だけどそんなこと言ったら一緒にいられなくなるから、いられなくなる方が辛い。

だけど、いつか勇人は私のモノにする。

そう、私だけのモノ。

浮気なんてしてたら許さない。

もちろん、許さないのは勇人じゃなくて浮気相手のほうだよ?

「てかさ、明日さ舞の誕生日だろ?」

「そうだね?」

「じゃあ、どっか行くか?」

「本当っ!じゃあ、デートだね!」

「そうだな」

そうして朝の10時に待ち合わせをした。


「ごめんね!待たせちゃった?」

私よりも勇人の方が先に着いていた。

「俺も今来たとこだから大丈夫」

「そっか!よかった」

「それよりも誕生日おめでとう」

勇人は私にハートの指輪がぶら下がっているネックレスをかけてくれた。

「わぁ!可愛いー!ありがとう」

「どういたまして」

このネックレスは宝物にしよう。

一生つけていよう。

そして、水族館に行って買い物をしたりしていたら、あっという間に夕方の7時になっていた。

「ちょっとさ、家に戻っててもらってもいい?」

「ん?別にいいけど...?どうしたの?」

「いや、ちょっと俺ん家に忘れ物してきたから取ってくるわ」

「わかった!家にいるよ」

「おお、ごめんな」

私は、家に帰った。

自分の部屋の窓から、いつ勇人が来るか待っていた。

そして、勇人が戻ってきた。

「ごめんな!待たせちゃって」

「ううん。全然!」

「はい!これ!」

勇人は白い薔薇の花束を持って差し出してくれる。

「え!?これ、私に?」

「これを取りに戻ってたんだ!」

「嬉しすぎるよ。本当にありがとう」

ああ、勇人が私だけのモノだったらいいのに。

いっそしてしまおうか?

「私からもプレゼント!」

私は、背伸びをして勇人にキスをした。

そして鈍い音が響いた。

勇人の体からは真っ赤な血がふきでてくる。

「これで貴方は、私だけのモノよ?」

白い薔薇に勇人の血をつけると、赤い薔薇になる。

「勇人プレゼントだよ。赤い薔薇を」

私は、勇人に赤い薔薇を添えた。


fin


赤い薔薇の花言葉
「あなたを愛しています」
「愛情」
「美」
「情熱」
「熱烈な愛」

白い薔薇の花言葉
「純潔」
「私はあなたにふさわしい」
「深い尊敬」
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