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11話 ヤマブキ
しおりを挟む「ずっとあなたのことを待っていましたよ」
私の愛するひとがやっと迎えにきてくれた。
それだけで、ただ、嬉しい。
「たくさん長生きしたから、たくさんお話しますね」
私は、愛する人にそう言った。
そのまま目を瞑った。
私は、戦争時代に生まれた。
そして、お見合いで意気投合をしてしまったんだ。
だけど、そのひとは戦争に行ってしまった。
「迎えにくるから」って言ったきり。
ずっと、何年経っても帰ってこなかった。
だけど、やっと迎えにきてくれたわね。
あなたと一緒に生きていた時間は、少なかったけど、死んでから一緒にいられるなら本望よね。
だって、きっと、私達は結ばれているのよ。
糸やなんかで結ばれているはず。
繋がっているところに歩いていけば、あなたがいる。
大好きなあなたが。
これからもよろしくね。
「約束ちゃんと守ってくれたね」
「ああ、約束を破るのは生憎、好きではないのでね」
そう言ったあなたは、今までで1番幸せそうな顔をした。
きっと、いや絶対私も、幸せな顔をしているだろう。
だけど、これからはもっと幸せになろうね。
私の愛するひと。
fin
ヤマブキの花言葉
「気品」
「祟高」
「金運」
「待ちかねる」
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