裏切りの蜜は甘く 【完結】

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SIDE セイ

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長い長い1日が終わった

春休みに入るまでは毎日がただただ退屈だったのに

春休みに入ってから每日時間に追われとても忙しい

明日で静流は麒麟会へ戻ってしまう

ここに来るのも無理矢理時間を空けたのだと旬さんが言っていた

静流が戻ってしまえば、次に会えるのは総会の時

そう考えると凄く寂しい……


組長派の人間は全員麒麟会の地下に監禁されて、今この屋敷には居ない

姐さんの部屋の前には麒麟会の組員が見張りに立ち、組を抜ける者は近くのホテルに滞在している

兄ちゃんに着いてくる人達は今まで通り自室に戻っているが、勝手に部屋から出ないよう言い、麒麟会の組員が念の為見張りに立っている


俺は自分の離れに戻ってきた


しんと静まりかえった部屋


今まで当たり前だったのに、この2日ずっと誰かと一緒にいたからか何だか落ち着かない……


明日の事もあるので早く寝ないといけないのになかなか寝付けない…


飲み物でも飲もうとベッドルームから出てキッチンに向かう



ピンポーン…………


離れのインターホンが鳴る


…深夜12時……こんな時間に誰だ?


インターホンのカメラに映った人を見て慌てて玄関のロックを解除し、玄関に向かいドアを開けた


「静流!!」


玄関先に立っていたのは静流だった


「起こしちゃった?」


「ううん、寝付けなくて起きてた。どうしたの??」


静流の手を引き中へ入るよう促す


「明日から暫く会えないから……」


静流は手を引かれるまま中に入ってくれた


そのままリビングまで誘導し、ソファーへ座ってもらう


「うん……仕事溜まってるんでしょ??」


「うん。リモートでできる部分とか書類仕事はここでもやってたんだけど、担当者と会わないと進まない仕事が数件有ってね。」


「お仕事って大変だね…」


「総会が終われば、晶とセイにも手伝ってもらうから、俺は楽になるよ。」


「うん…」


「そうそう、晶から預かった璃一のお腹から出てきたICチップは春人と樹が解析してくれてるからもうすぐ報告が上がってくるよ。」


そう、あのチップを静流に見せた所2人が専門機関で調べてくれる事になった

俺達ではどうにもできそうになかったから助かった


「何のデーターなのかな……何の為に璃一の身体に埋め込んだんだろう…」


「…そうだね。多分璃一は俺を殺す為に差し向けられた暗殺者。だけど何故か大怪我を負い記憶を失って、矢沢が監禁した……本当は璃一が記憶を取り戻した方が早いんだけど、それじゃあこっちが何の準備も出来ないから先に調べておける事は調べないとね。」



「うん、佐山の尋問次第では色々な事がわかりそうだね。」


「あぁ。さ、明日も早いからそろそろ寝ようか?」



そう静流に言われ、またもや寂しさが込み上げてくる


「…うん」


もっと一緒に居たい…
でも静流は俺より疲れてるはずだ
自分の仕事と、組員の面談に組長達の尋問
皆と会議という名の休憩したりご飯を食べる時以外は仕事をしてた

早く休ませてあげなきゃ…


「ねぇ、セイ。思ってることがあるなら言って?」


俺の腰を引き寄せ顔を覗き込んでくる


「…えっと…………」


モゴモゴしている間も静流はジッと俺を見る


「その………一緒に………居れなくなるのが………寂しい……」


視線をそらしそう言うと、顎を捕まれ視線を合わせられた


「俺も凄く寂しいよ。片時も離れたくない」


「静流……」


真剣な目でそんな事を言われたら胸がポカポカしてくる


静流の顔が近づいてきて自然と瞼を閉じる


唇に暖かな柔かいモノがあたり、ついで下唇をハムハムと食べられる


そのままヌルリとした舌が入ってきて口内を自由に動きまくる


気持ちいい……

もっとして欲しくて自分からそれへ舌を絡める


「……………んっ……………」


静流の巧みな舌使いに声が漏れる


突然身体が揺れたと思ったら浮遊感に襲われ静流に縋り付く


うっすら目を開けると、静流と目が合う


静流はキスをしたまま俺を横抱きにし、ドアが開けっ放しになっていた寝室へ俺を運んだ


ベッドへ降ろされてもキスは続く


「ぁ…………はぁ……………っ…………んぁ…………」


クチュ………チュッ…………ピチャ………と水音を奏でながらキスはどんどん激しくなる



「も………らめ………………」


俺がキスの合間に訴えると静流は唇を離した


「駄目?会えない間分もっとセイに触れたい………」


色気を載せた瞳でそんな事を言われると拒否する事なんて出来ない



「俺も……静流に触れたいし触れてほしい………」



静流は嬉しそうに笑い顔中にキスを落とした

服の裾からそっと入ってくる暖かい手

俺がゾクゾクする所を絶妙な力加減で撫でていく


「あっ……し…ずる………ぅあッ……………」


「気持ちいいね?」


服を捲くりあげ舌を這わせ始める


「ひゃッ………」



チュウッと強く吸い付かれる


お腹 脇腹 鳩尾 胸 首 


静流は色々な所を強く吸う


「しず…るぅ………何で…………吸い付いてるのぉ………んぁ………」


静流の動きが止まる


??どうしたんだろう??


「セイ、ここに強く吸い付いてみて?」


首を指差して俺が届くように屈んでくれた


言われた通り強く吸い付くと


「あ……うっ血痕だ………」


「プッ………セイ…確かにそうだけど………これ、キスマークって言うんだよ」



キスマーク………


「えぇ!?キスマーク!?キスマークって口紅で紙とかにチュってして残すやつのことじゃないの!?」


うっ血痕がキスマークだと!?



「それもキスマークだけど、今時する人いるかな…?」


苦笑いの静流


「だって兄ちゃんがくれた本にはそう書いてた!」


「晶がくれた本??」


「うん、セイも年頃だからって、その………エッチの……仕方とか………書いてる…やつ…」


あー…恥ずかしい…………


「エロ本ってこと??キスマークが紙にするやつなら、エッチはどうやるって書いてたの?」


「うっ……キスをして………」


「それから?」


「抱き締め合って…」


「…うん」


「お互い気持ちよくなったら……」


「なったら?」


「……射精する……………」


「……ん…?………んんん??」



静流が首を傾げる


何??変な事言った??
だって本にはそう書いてた…


「確認なんだけど…晶から貰った恋人同士は同性だったりしたのかな?」


「えっと…うん、男同士だったよ?」


「……そうか。因みに、それは薄ーいA4サイズくらいの本で中身は漫画?」


「そう!なんだ、静流も知ってるんじゃん!」


良かったー…俺、変な事言ったのかと思っちゃった


「うーんとね…それは……多分、エッチじゃなくマス掻き合っただけだね…」


「マス??」


「今日俺と気持ちよくなったでしょ?」


そう言われ記憶が蘇る


一気に顔が熱くなった


「マス掻き合うやり方も色々あるし、エッチにもやり方は色々と有るんだけど……一つ一つ俺が教えてあげる。
一緒に気持ちよくなろう?」


凄く恥ずかしいけど……静流と一緒にならしてみたい


素直に頷いてみると、また深い深いキスが降ってきた







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