裏切りの蜜は甘く 【完結】

SIDE 会長

セイと会えなくなり早数日

俺のイライラとやる気の起きなさ、貯まる一方の仕事が全て比例し最悪の状況となっている


そんな状況の中、今日から１週間、関西で開かれるパーティーと会合、契約に視察と予定が詰まっている


本当に最悪だ


今頃セイは何をしているのだろう？


俺ってこんな性格だったんだな


今まで失恋したとか言って何も手につかない奴を見てきたけど、全く理解できなかった


それなのに、失恋した訳でもないのに何も手につかない…


皆、恋人と会えなくてこんな風にならないのだろうか？


遠距離恋愛とかしてる奴をちょっと尊敬してしまう


俺には無理だ……何ヶ月も、何年も会えないだなんて………


セイと一緒に居れた最後の日、離れ難くてずっとイチャイチャしてた

そのせいで、連絡先を交換するのをすっかり忘れていたのだ

晶の連絡先も聞き忘れていた為連絡ができない



会いたい…せめて声だけでも聞きたい……でも声を聞けば必ず会いたくなる……


旬達に迷惑をかけているのは分かっているが、自分でもどうしようもない…




「静流、そろそろ行きますよ」


旬の声に顔を上げる


「飛行機の時間に間に合わなくなります。」


「…飛行機って言っても自家用ジェットでしょ……」


「大阪に着いてから予定が入ってるんですから、時間は変更できません」


ピシャリと言い放つ旬に溜息を吐き、重い腰をあげた