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16 キャンプする令嬢
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ジルの庭でひとりテントの前に仁王立ちする私、ルチアです。
今日はこの見た目ひとり用テントを快適バンガローにビフォーアフターしたいと思う。
レベルも上がってスキルも出来る事が増えてきた。
ジルの亜空間付与バッグを作ってたら、自分で亜空間ポケットを使う時もポケットじゃなくてもよくなったんだよね。
バッグに手を入れる動作で亜空間ポケットが使えるようになったのだ。
いつもポケットつきの服じゃなくてもよくなった。
という事はテントの中を亜空間にする事が出来るはず。
イメージしてテントに入ると、ほらね!広くなってる。
この中にキッチンやらベッドやらを設置したら野営も楽勝だね。
ゴールデンスワロフで得た収入で街の工房に注文しておいたものを、今日ここに届けてもらうようにしておいた。
庭に置いてというと配達人に不思議がられたけど亜空間ポケットがバレるよりはいいだろう。
成金なお買い物をしたのでなかなかに充実の設備だ。
キッチンと風呂にトイレ、ベッドにダイニング。
もちろんソファ。
「はあー。快適。」
このテントがあれば野営もできるし、思いっきり料理もできる。
マイキッチンが出来たところで早速調理開始。
スポンジを焼きつつマロンをペーストにする。
面倒な作業も魔法を使えばさくさくできる。
肉をみじん切りにしてハーブを加えて腸に詰めていく。
「できた!モンブランとシャウ〇ッセーン。」
もうね、バランスとか食い合わせとかどうでもよくて、ただただ食べたかったものを作ってみた。
さあさあ食べようと大口を開けたところで、パラッとテントの入り口の布がめくりあげられた。
…居酒屋ののれんじゃないんだから。
ちゃんと閉めておくの忘れてたよ。
振り向くと目を真ん丸にしたジルが覗き込んでいる。
「あ。ジルさん、お庭お借りしてますね。」
「おう。頼まれてたからな。っじゃなくて。」
もうジルには「選択」以外バレてるしね。
「ジルさんも食べませんか?ちょうど出来たてですよ。」
「おう。美味そうだな。っじゃなくて。…はー、なんつーか、突っ込みどころ満載なんだが。」
「冷めちゃいますよ。」
「…食う。」
パリッと音を立てて齧るとジュルッと肉汁があふれる。
「おいしい!」
「うまいっ!なんだこれ?」
「シャウ〇ッセンですよ。細かく切った肉を詰めてあるんです。」
「シャーテセン?初めて食ったけど、めちゃくちゃうまいな。」
そうだよね。本当に美味しいと語彙力なくなっちゃうよね。
ジルもいい音を立てながら次々と口にほおりこんでいく。
「こっちもどうぞ。」
口の中がしょっぱくなって甘いものが欲しくなってきたのでモンブランにいってみよう。
鏡で自分の髪を見た時から食べたかったんだよね。
「んーー!幸せ。」
「あまっ。うまっ。こっちはなんだ?」
「モンブランですよ。マロンの甘味です。」
「マロン?あの森に落ちてる?」
「そうですよ。」
はあ。美味しい。
口の中が甘くなったらシャウ〇ッセン。しょっぱくなったらモンブラン。
ああ、無限ループ。美味しいのらせん階段やー。
ジルもいつの間にやら酒を持ってきてシャウ〇ッセンを頬張っている。
酔っているのか何回教えても「シャーテセン」としか言えないようだ。
まあいい。
後日、オグロ食堂でシャーテセンとして大人気となるんだけど、こんなことならあの時ちゃんと教えておけばよかったと後悔した。
2人でお腹がはち切れそうなほど食べた後はバンガローの中を案内した。
「これがあれば野営も苦にならないな。」
そうなのだ。そのために作ったんだけど、大きな問題がある。
「そうなんですけど、私泊りはいかれないんですよね。」
放置されているけど公爵令嬢だ。
無断外泊したら騒ぎなるかもしれない。
「親が反対してるのか?」
「反対というか、言ってないというか。
そうだ、ジルさん
…私の死体ってどこかにありませんか?」
今日はこの見た目ひとり用テントを快適バンガローにビフォーアフターしたいと思う。
レベルも上がってスキルも出来る事が増えてきた。
ジルの亜空間付与バッグを作ってたら、自分で亜空間ポケットを使う時もポケットじゃなくてもよくなったんだよね。
バッグに手を入れる動作で亜空間ポケットが使えるようになったのだ。
いつもポケットつきの服じゃなくてもよくなった。
という事はテントの中を亜空間にする事が出来るはず。
イメージしてテントに入ると、ほらね!広くなってる。
この中にキッチンやらベッドやらを設置したら野営も楽勝だね。
ゴールデンスワロフで得た収入で街の工房に注文しておいたものを、今日ここに届けてもらうようにしておいた。
庭に置いてというと配達人に不思議がられたけど亜空間ポケットがバレるよりはいいだろう。
成金なお買い物をしたのでなかなかに充実の設備だ。
キッチンと風呂にトイレ、ベッドにダイニング。
もちろんソファ。
「はあー。快適。」
このテントがあれば野営もできるし、思いっきり料理もできる。
マイキッチンが出来たところで早速調理開始。
スポンジを焼きつつマロンをペーストにする。
面倒な作業も魔法を使えばさくさくできる。
肉をみじん切りにしてハーブを加えて腸に詰めていく。
「できた!モンブランとシャウ〇ッセーン。」
もうね、バランスとか食い合わせとかどうでもよくて、ただただ食べたかったものを作ってみた。
さあさあ食べようと大口を開けたところで、パラッとテントの入り口の布がめくりあげられた。
…居酒屋ののれんじゃないんだから。
ちゃんと閉めておくの忘れてたよ。
振り向くと目を真ん丸にしたジルが覗き込んでいる。
「あ。ジルさん、お庭お借りしてますね。」
「おう。頼まれてたからな。っじゃなくて。」
もうジルには「選択」以外バレてるしね。
「ジルさんも食べませんか?ちょうど出来たてですよ。」
「おう。美味そうだな。っじゃなくて。…はー、なんつーか、突っ込みどころ満載なんだが。」
「冷めちゃいますよ。」
「…食う。」
パリッと音を立てて齧るとジュルッと肉汁があふれる。
「おいしい!」
「うまいっ!なんだこれ?」
「シャウ〇ッセンですよ。細かく切った肉を詰めてあるんです。」
「シャーテセン?初めて食ったけど、めちゃくちゃうまいな。」
そうだよね。本当に美味しいと語彙力なくなっちゃうよね。
ジルもいい音を立てながら次々と口にほおりこんでいく。
「こっちもどうぞ。」
口の中がしょっぱくなって甘いものが欲しくなってきたのでモンブランにいってみよう。
鏡で自分の髪を見た時から食べたかったんだよね。
「んーー!幸せ。」
「あまっ。うまっ。こっちはなんだ?」
「モンブランですよ。マロンの甘味です。」
「マロン?あの森に落ちてる?」
「そうですよ。」
はあ。美味しい。
口の中が甘くなったらシャウ〇ッセン。しょっぱくなったらモンブラン。
ああ、無限ループ。美味しいのらせん階段やー。
ジルもいつの間にやら酒を持ってきてシャウ〇ッセンを頬張っている。
酔っているのか何回教えても「シャーテセン」としか言えないようだ。
まあいい。
後日、オグロ食堂でシャーテセンとして大人気となるんだけど、こんなことならあの時ちゃんと教えておけばよかったと後悔した。
2人でお腹がはち切れそうなほど食べた後はバンガローの中を案内した。
「これがあれば野営も苦にならないな。」
そうなのだ。そのために作ったんだけど、大きな問題がある。
「そうなんですけど、私泊りはいかれないんですよね。」
放置されているけど公爵令嬢だ。
無断外泊したら騒ぎなるかもしれない。
「親が反対してるのか?」
「反対というか、言ってないというか。
そうだ、ジルさん
…私の死体ってどこかにありませんか?」
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