放置令嬢 選択スキルでスローライフ満喫します 聖女をお探しのようですが私は関係ありません

しろこねこ

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17 令嬢じゃなくなる元令嬢

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「私の死体ってどこかにありませんか?」

「はあっ?」

考えてたんだよね。
ずっと。
あの家から出る方法。
お金もできたし、自活する知識もある。
あとは家を借りるか買うかしなくちゃならないけど、しばらくはこのバンガローでも全然いい。
家出しても探されない可能性もあるけど、探されると面倒だ。
なら、死んじゃったことにすればいいと思う。
ちょっと前までのルチアは病弱で顔色も悪くがりがりがさがさだったから、死体さえあればあっさり病死ってことになると思うんだよね。

「なるほどね。でも、本当に貴族やめていいのか?」

ジルさんには私が公爵令嬢だってことも、どうして家を出たいのかも話した。
母が聖女とかその辺は省いて。
正直なところ、貴族でいることになんの利点も感じてない。
母のことはほとんど覚えてないけど、不健康で不幸そうだった。
聖女だったらしいのにずっと顔色悪くしてベットに寝ていたように思う。
父はその頃も一緒に住んでいなかった。
貴族だからって病気が治るわけじゃないし、幸せなことがあるわけでもない。
こうして自分で作ったものをジルと食べたり、趣味でつっくたものをマーラ達に喜んでもらえる方がずっといい。

「もちろんです。すぐにでもやめたい。」






**

「きゃー。ルチア様がっ。」

侍女がたまには世話をしてやるかと面倒ながらルチアの部屋をのぞいたところ、ベットにピクリとも動かなくなったルチアが横たわっていた。
顔色は青白く、肌も冷たくなている。
侍女はまずカリーナを呼びに行った。
医者を呼ぶように言われて大慌てで呼びに行ったが、その際に誰にも何も言わなかった。
あらためてルチアの何もない部屋や薄汚れた服を見て、大騒ぎして自分たちがルチアの世話を全くしていなかったことがバレるとまずいと思ったからだ。
カリーナも同じように思ったのか医者とともに屋敷に戻ると、ルチアはイライザの部屋に移動させられていた。

「衰弱死ですね。」

医者が言うには長く栄養失調とストレスにさらされたことによる衰弱死だという。
カリーナはすぐさま火葬のするように言いつけ、医者に過分な謝礼を渡した。
医者は深々と頭を下げると乗ってきた馬車にルチアを運んで連れて行った。

数日後、ごくごく少人数で葬儀が行われた。
墓石に刻まれた故人の名は「イライザ ハワード」だった。






**

ギルド内のゴースの所長室で2人の男がソファに座って話していた。

「すまなかったな。」

「いや、俺だってルチアが心配だったし。
マウリッツのやつぼろもうけだって喜んでたぜ。
あっちの屋敷でも結構な額を握らされたらしい。」

「あの先生、賭け事大好きだからな。」

「はは。そこがいいのさ。」

借りを返せとジルに相談を持ち掛けられたゴースは、すぐに知り合いの医者のマウリッツを頼った。
メイクと冷風の魔法で死んだふりをしたルチアを衰弱死と診断し、火葬するといってそのまま引き取ってきてほしいと。
カシュミナの街で一番の医者だが、色々とゴースに借りのあるマウリッツは報酬と引き換えに快諾し、ルチアのかわりに適当な魔獣の骨を焼いて骨壺に詰めてカリーナに渡した。





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