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2巻
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しおりを挟む《七十日目》
太陽が一番輝く時間をやや過ぎたころ、父親エルフからの使者である六名のエルフが来た。
アポ無し訪問だったが、高圧的な言動ではなく礼儀を弁えていたので内に通す。
入ってすぐに広がる大広間で精鋭エルフ達が訓練に参加していたのだが、使者エルフ達はその事について何も言わなかった。
ただ、侮蔑の視線を一瞬向けただけだ。
今の精鋭エルフ達はイヤーカフスに付加した【隠蔽】の効果によって部外者には浅黒い肌を持つエルフ――所謂ダークエルフかあるいはデザートエルフ、と呼ばれる種族に見えているはずだ。だからチラッと見たぐらいでは、同郷のエルフだと気付かないだろう。
使者エルフが侮蔑の視線を向けたのは、ファンタジーによくある話でエルフとダークエルフは仲が悪い、とかそんな所に違いない。実に好都合な事だ。
精鋭エルフ達が何か言いたげに使者エルフを見ていたが、結局何も言わなかった。イヤーカフスを付けている時点で、今更戻る道は無いからだろう。
その後、使者エルフ達を俺の作業場兼私室である一画に通し、以前父親エルフから貰った茶を出す。
生憎ソファなんて上等なモノはないが、俺の糸製のイスがあるのでそれに座らせた。六名の内イスに座ったのは一名だけ。どうもその一名が交渉役で、他は護衛のようだ。
まず話を切り出したのはアッチ側だった。エルフ達が来た時から薄々分かっていた事だが、ついに人間軍が進攻を始めたようだ。それも、俺が以前教えたルートから。結構な規模の軍隊らしい。
人間軍を相手取るには、現在のエルフ軍では俺が提供したマジックアイテムを含めても戦力に不安があるとのこと。今や俺の配下となっている精鋭エルフ達が抜けた穴が結構大きいらしく、俺達の所に援助依頼に来たそうだ。
素知らぬ顔で精鋭エルフ達はどうしたんだと聞いてみたら、能力は高いが如何せん性格にやや難のあった次期氏族長候補の一人が、目的も言わずに勝手に動かして、その結果行方不明になったそうな。消息は今もって不明。捜索を行おうにも状況が状況だし、時間も余裕も無いので死んだモノとして半ば諦めているそうだ。
どうせ父親エルフがそういう風に話を持っていったのだろうが、面倒が避けられるのでありがたい。
軽く情報交換した後、仕事の話に移る。
依頼の内容は、早い話が人間軍の撃退か、あるいは撃滅。できれば撃滅してもらえるとありがたいが、できる範囲で良いとの事。ただし戦略的撤退はありでも、敵前逃亡は許さない。結局意味は変わらないと思うんだがな。
報酬はミスラル製のショートソードとラウンドシールドとチェインメイルを四十ずつに、ミスラルのインゴットが十、矢が二千本、光源を発生させるマジックアイテムなどエトセトラ。
功績によっては更に上乗せしてくれるんだとか。あと略奪した品はそのまま収めてもいいそうだ。かなりいい条件である。もちろん二つ返事で依頼を受けました。
ただし、俺達は自由に動かせてもらう、という条件も組み込ませた。ゲリラ戦法が得意だからな。正面から戦うのは、基本的に最終手段です。
今後の情報交換を円滑にするために、通信機能だけを搭載した腕輪を使者エルフに渡し、父親エルフに届けてもらう事に。もしもの時の為に造っておいて良かった。
帰っていく使者エルフを見送った後、さっそく斥候として俺の血から発現させた分体を走らせる。戦況の確認と情報収集は大事だからな。
何はともあれ、我が傭兵団《戦に備えよ》の初仕事だ。
《七十一日目》
まだ深い闇に包まれた早朝の森の中を、俺達は気配を隠しつつ疾走していた。
機動力重視でメンバーを選んだので人数は少ない。ハインドベアーのクマ次郎に跨る俺を筆頭に、それぞれの《使い魔》に乗った三十六名だけだ。足手まといになる為、他は拠点にて待機中である。
こんな時間に移動しているのは、斥候に出した分体が発見した人間軍の駐留地点に奇襲を仕掛ける為である。
相手の規模は八百人程と、俺達とは桁が違い過ぎる。コチラは《使い魔》を含めても七十三しかない。普通に当たれば数の暴力に潰されるのがオチだろう。
流石の俺でも、数が多い上に一人一人の戦闘能力がハッキリと分かっていない敵を正面から襲うのは早計だと自覚している。やってやれない事は無いかもしれないが、勝率はできるだけ高めたい。
なので、俺達に力を貸してくれる夜という状況を選んだ。
ブラックスケルトンやゾンビを生成し続ければ数でも負けないし、闇に沈殿する魔力を吸収すれば、体内魔力不足でアンデッドを生成できなくなる、なんて事態にもならない。
それでもヤバかったら即逃げればいい。その為の機動力重視なのだ。
夜闇を見通す力を持たない人間が、暗視能力を持つ俺達を、モンスターが跋扈する森の奥まで追走する事は難しい。
そんな風に準備万端で仕掛けた奇襲であるが、逃げるまでもなかった。一時間も経った頃には殲滅完了である。
流れとしては――
まず、闇に紛れて密かに近づく。
そして周囲に張られた半透明な炎の結界と、その内部を歩いている見張りを発見。
結界を囲むように配下を散らばらせる。
それぞれが配置についたのを確認し、俺が終焉系統魔術の投げ槍で結界を粉砕。パリパリと結界が破れるのと同時に、アス江ちゃんの能力で人間軍の周りを四メートル程の土壁で囲む。
それを合図に、ダム美ちゃんやスペ星さん等を筆頭としたメイジ部隊の魔術を、敵陣中に炸裂させる。予め練られていた、広範囲を薙ぎ払う魔術は、一瞬で数百名の人間を殺害する事に成功した。
俺は俺で一秒につき十体程のアンデッドを生成しつつ、左腕を変化させて造った疑似巨大弩で終焉系統魔術の投げ槍を撃ちまくる。
数十秒ほど大威力の攻撃を大雑把に叩きこんで雑兵を削り殺したところで、中心にあった一際大きなテントから登場した精鋭らしき一部に、ゾンビや普通のスケルトンがやられる。
赤いマントを羽織った白銀の女騎士と若い白色の聖職者(男)、獣のような雰囲気を纏う紅の女剣士に、明らかに戦い慣れている漆黒の魔術師(男)などだ。
それを切っ掛けに、敵軍が統率を取り戻し始めてしまった。なので、女騎士の周囲にブラックスケルトン種を大量に差し向け、その一団を集中的に攻撃させて足止めをする。
その間に周囲の敵を殲滅していく。ただし女は殺さず捕虜に(あまりに醜悪だった場合はその限りではない)。捕虜の確保は滞りなく進んだ。
最後に残った精鋭部隊に対し、クマ次郎に跨りクロ三郎を従えるハルバード装備な俺、ハインドベアーを従える重武装なオガ吉くん、ハインドベアーの上で詠唱するスペ星さん、クレイモア【月光の雫】を片手で軽々と扱い【魅了の魔眼】を振りまくダム美ちゃん、巨大なウォーピックを振り回して微笑むアス江ちゃん、周囲に血の刃を三十程漂わせる紅の騎士と化したブラ里さんが一斉に押し掛ける。
基本的に、主要戦力である女騎士達には俺が対峙し、その他の敵兵を皆が相手した。
女騎士など使えそうな人材は纏めて捕虜とし、戦闘終了。
――改めて振り返っても、酷い戦いだった。もはやあれは一方的な凌辱だったかもしれん。
まあ、それはさて置き。
コチラの被害は全てアンデッド達が肩代わりしたので、怪我人こそ出たが死者はいない。対してアチラは、女と一部の優秀そうな個体を除いて全滅だ。
周りを土壁で囲んだので恐らく取りこぼしもないだろうが、一応保険はかけておこうという事で、最も移動速度に優れていたブラックスケルトン・アサシンを周囲に散らばらせる。
陽光で浄化されるまでがタイムリミットだが、一応の保険なので構わない。
今回の奇襲の戦果は膨大な経験値と捕虜、その他多量の武装に兵糧だ。特に繁殖要員となる女とマジックアイテムの獲得は大きい。
続いて、鮮度が落ちるとアビリティ確保の確率が下がるので、優秀な個体の死体を選別してその場で喰いました。
[能力名【勇ましき心】のラーニング完了]
[能力名【足払い】のラーニング完了]
[能力名【軍勢統括】のラーニング完了]
[能力名【職業・部隊長】のラーニング完了]
[能力名【職業・重剣士】のラーニング完了]
[能力名【職業・吟遊詩人】のラーニング完了]
[能力名【速読】のラーニング完了]
[能力名【職業・軍師】のラーニング完了]
[能力名【鍛冶】のラーニング完了]
[能力名【回避率上昇】のラーニング完了]
[能力名【大回転斬り】のラーニング完了]
[能力名【十字斬り】のラーニング完了]
[能力名【硬気功】のラーニング完了]
[能力名【軽気功】のラーニング完了]
[能力名【職業・槍士】のラーニング完了]
[能力名【職業・奴隷】のラーニング完了]
[能力名【職業・農夫】のラーニング完了]
[能力名【職業・修道士】のラーニング完了]
[能力名【一方的な正義感】のラーニング完了]
[能力名【無垢なる信仰】のラーニング完了]
[能力名【愚かな妄信】のラーニング完了]
[能力名【繋がれる魂魄】のラーニング完了]
[能力名【職業・重戦士】のラーニング完了]
[能力名【職業・軽戦士】のラーニング完了]
かなりホクホクである。
大変満足いく結果である。
その後、毒で眠らせた捕虜や戦利品を持ち帰り、以前のエルフのように薬を盛って牢屋に入れる。
ただ男エルフのように容姿端麗ではない人間の男は、情報源兼奴隷として働いてもらう予定なので、即座に隷属の首輪を嵌め、牢屋も個別にせず全員纏めて押し込む。
今回の情けは〝殺さない事〟である。だから〝死ぬまで〟働いてもらおうか。
女は何日快楽の欲求に耐えられるかなと思いつつ、今回の戦果を通信機で父親エルフに報告。
報告した時は大層驚いて信じられないようだったが、それが事実だと調べがついたのか、後ほど護衛を引き連れてエルフ酒を樽五つも持参して直接ねぎらいに来た。
おいおい、父親エルフみたいな重役がこんな所に来ていいのかよ、とも思ったが、俺達があの一軍を壊滅させた事が人間軍にも伝わったらしく、進撃は停滞しているそうだ。
なるほど、と納得しつつ勝利の乾杯を交わした。
やはり忙しいらしく、酒会を開いてしばらくすると父親エルフは帰っていった。姉妹さん達が作ってくれたツマミが美味いと言うので、お土産に幾つか包んで持たせたら大いに喜んでいた。
その後も酒会は続き、夕方。
さて、捕虜の様子はどうかねぇ、と思って牢に行ってみると、全員が全員、既に我慢の限界に達していた。どうやら人間はエルフよりも本能に素直な分、効果が顕著に、そして早く出たようだ。
あんなに獅子奮迅で勇猛果敢に戦っていた女騎士さんも、そっと指先で触れただけで艶めかしく反応するなど、乱れっぷりが凄かったです。
え、大貴族の令嬢だって? へー、あっそう。今の俺には大した事ではありません。だって俺、人間じゃなくてオーガだし。
人間の事情なんて、モンスターにとってはどうでもいい事なのだ。
あと、捕虜(男)達の悔しそうにしつつも身体が自然と反応する様が面白かったので、自分から申請してきたゴブリンとコボルドのメスに貸し出してやりました。
女騎士さん達の最初の相手は無論俺だったけど。
今日は色んな意味で悲鳴が上がった。
《七十二日目》
グッスリ寝ていると、胸に微かな痛みが走った。
何事かと起き上がってみると、どうやらナイフで心臓を刺されたらしい。ナイフは刀身が全て隠れてしまうほど深く刺さり、心臓の半ばにまで達していた。
暗殺を目論んだ犯人は、生まれたままの姿で所々を体液で濡らした例の女騎士である。まだ【隷属化】のイヤーカフスを付けていなかったのだ。
昨夜あれだけ激しく乱れたというのに、正気に戻ってから、せめて俺だけでも、と思ったのだろうか。幸い近くに錬鉄製のナイフ(鍛冶師さん作)が転がっていたから、実行したのだろう。
なんて暢気に考えながら、胸に生えたナイフの柄を摘まんで引き抜く。多少の痛みはあるが我慢できる程度だし、あまり血が流れる事もなかった。オーガという種族の生命力を舐めてもらっては困る。
数あるアビリティを一つとして発動させるまでも無く、たかが錬鉄製のナイフで心臓を刺された程度で死にはしない。ただ臓器が臓器だけに、治癒するまでは微妙に動きづらくなるだけだ。
でも我慢できるとはいえ、痛いのは嫌なので【高速治癒】を発動。
途端、ハッキリと目に見える早さで傷口の治癒が始まる。グチュグチュと傷口が蠢き、ポコリと肉が盛り上がり、開いていた虚空が塞がっていく。
さて、と顔を上げる。
そこには、静かな怒りを宿した全裸のダム美ちゃんに髪の毛を乱暴に掴まれ、地面に組み伏せられている何もかも丸見えな女騎士の姿があった。
人外の膂力に抗える筈も無く、片頬を地面に擦りつけながら女騎士は恨めしそうにコチラを見上げてくる。
ふむ、どうもまだ愛撫が足りないらしい。仕方なく、成分調節した薬を指先から分泌し、痕が残らない様に気をつけながら女騎士に注入する。
その後はダム美ちゃんと一緒に責めました。
可愛らしく、かつ必死に止めてと懇願されたが、気にせず続行した。
そして午後、そこにはカフスを自ら装着する女騎士の姿が! と大袈裟に言いつつそれは置いといて。
色々と虚ろになった奴隷(男)達を集め、各自が知っている情報を全て吐き出させる。
【隷属化】の効果によって虚偽も隠蔽もできず明らかになった情報を大量に確保し、それを父親エルフに流してやる。
俺達が手柄を上げるばかりではエルフ達の士気に関わるので、エルフ酒が入った樽十個分と引き換えに、情報の売買の約束を昨日父親エルフから取り付けられたのだ。
祝い品として持ってきた癖にそれを交渉材料にするとは、やはり父親エルフは強かである。
あと、ホブゴブリンが四体増えていた。今回はクレリックが一体交じりである。
普段通りに祝いの品を贈る。
《七十三日目》
今日は人間軍の侵攻ルート上にトラップを張り、待ち伏せである。
どうやら人間軍は数の多さを活かして、多方向からエルフ軍を攻撃する作戦らしい。戦力を分散させるのはどうかと思うが、ひとかたまりになって進軍するには林道が狭く、モンスターにも狙われ易くなるためのようだ。エルフ達を一人も逃がさない、という考えもあるのかもしれないが。
コチラとしてはこうやって待ち伏せして各個撃破できるので、かなりありがたい。
ちなみに女騎士の情報によると、現在待ち構えている場所を通るのは主力部隊の一つだそうだ。
これは良い経験値稼ぎになりそうだと思いつつ、アス江ちゃんと共に狩り場の作成に勤しむ。
まるで獣道のような道を周囲よりもやや低く窪ませ、先に進むにつれてゆるやかな上り坂になるように地形を弄る。大仕事だが、二人でかかればそこまで疲労する事も無い。
道の左右に生い茂る木々の根元には落とし穴を掘り、道からある程度離れた木々の根元には俺達がスッポリと隠れる深さの塹壕を掘る。
塹壕近くの茂みには、木の板で造った盾をさりげ無く組み込むことでコチラの安全性を一段高めておく。そして鍛冶師さん達が頑張って造った連弩を装備した遠距離攻撃部隊《リグレット》を塹壕の中に配置。
保険として軽武装部隊《ヘイトリッド》も一緒に入れ、敵兵が落とし穴を飛び越え、連弩による矢の雨を掻い潜って近づいたとしても時間を稼げるようにする。
もっとも、その前に落とし穴に潜むコボルド達に殺される可能性の方が高いだろうが。
こうして準備が一通り整う。しばらくすると、斥候に出していた俺の分体から敵の情報が入ってきた。
敵の行進スピードだと凡そ三十分後には到着するという事で、皆息を潜めてその時を待つ。
――そして、来た。
鈍鉄の全身鎧を着て軍馬に跨り、周囲に注意を向けながら進む騎士に率いられ、隊列を乱す事無く歩みを進める重武装の軍団。
主力らしいという情報に違わず確かに個々の戦闘能力は高そうで、その数は五百前後。全員維持などに金がかかる重そうな全身鎧を装備している様子からして、かなり金持ちのメンバーが揃えられているようだ。
その内、魔法使い――【魔術師】に代表される、魔力を用いて奇跡を成す【職業】持ちの存在の総称。【召喚術師】や【秘術使い】や【妖術師】などがある――の数は恐らく百名前後だろう。
魔法がもたらす殲滅力を考えれば、数が五百とはいえ凄まじい戦力だ。エルフの主力が来ても拮抗、もしかしたら撃退するのにも十分だろう。
ただしその分、準備万端の俺達にとっては美味しい敵に見える訳で。
敵の隊列の最後尾が想定した地点を過ぎたところで、イヤーカフスを介して命令を下し、まずは敵の退路を断つべく木を切り倒す。
けたたましい音を響かせて倒れた巨木は敵を一人も圧殺する事はなかったが、敵の注意がそっちに逸れた隙に次の指令を飛ばす。
最初の攻撃は、敵の進行上にある坂の上から丸く削った岩を複数転げ落とす事だった。
周囲よりも窪んでいる道が災いして逃げ遅れたモノは轢き潰され、もしくは必死で逃げようとした仲間達に踏み殺された。
敵の中には武器で、あるいは魔法を行使して丸岩を砕こうとする者も居たが、生憎丸岩には俺がエンチャントを施しているので簡単に砕けるはずもない。無駄な抵抗を試みた者も丸岩の餌食となっていった。
この丸岩落としによって五百いた敵の内、百から二百以上が圧死、あるいは戦闘不能となる。他にも逃走時に仲間の武器で切られたりして怪我をした者も多く、突然の事態にまだ混乱していた。即座に態勢を立て直すのは難しいだろう。
もちろん俺には敵を休めるつもりなど毛頭なく、続いて連弩を撃ち込ませる。
退路を塞がれ、仲間の血と臓腑の臭いが立ち込めている中、飛来する矢の雨の追撃。連弩であるが故に威力もそれなりに高い。なんとも嫌らしい仕様だ。
直撃せずとも掠るだけで殺せるように、鏃に俺製の毒を塗って更にタチが悪くなったそれは、敵の数を一気に減らしていく。
何人かは反撃しようと塹壕に向けて駆け出したが、巧妙に隠されている落とし穴に嵌り、そこに隠れていたコボルド達に袋叩きにされて死ぬという哀れな結末を辿った。
しかし流石にこれだけでは敵を殲滅するまでには至らなかった。鈍鉄騎士の指揮力も中々侮れるものではなかったのだ。
飛来する毒矢を盾で防ぎ、剣で斬り払い、生き残った少数を掻き集め、仲間の死体などを積み上げて毒矢を防ぐ陣形を組んでみせた。集中的に狙わせてみたが、全て防がれる。
仕方なく丸岩を再度転がしたが、亀甲型の陣形の隙間から放たれる魔術の連射を受けて砕かれた。エンチャントによって硬度が増していたとはいえ、連続で魔術を撃ち込まれれば壊れるのも仕方ない。
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