Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐

文字の大きさ
43 / 270
3巻

3-11

しおりを挟む


《百二十五日目》

 昨夜、ドライアドさん含む八名が称号を得た。
 そしてダム美ちゃんは無事に存在進化ランクアップした。
 そりゃ、ブラックフォモールを五体、ブラックトロルを十体、ブラックオーガを二十体も殺せばランクアップできるだろうさ。
 それにしても、【加護】の能力で生み出した氷でブラックフォモール達を包み込んで砕き、クレイモアで斬り裂き、弓で頭部をハリネズミのようにし、魔術で爆散させて血の雨を浴びているダム美ちゃんの姿は幻想的だった。
 血に濡れて妖艶ようえんに笑うダム美ちゃんに、俺はゾクゾクしたモノだ。


 話を戻すが、ダム美ちゃんが成った種族は【吸血貴族ヴァンパイア・ノーブル・亜種】だそうだ。
 予想していた【吸血鬼ヴァンパイア】ではなく、吸血鬼の中でもより強く高貴とされる種族だ。【神の加護】を持っているので亜種には成ると確信していたが、ちょっとだけ想像を超えられた。
 アス江ちゃん同様、見た目は大きくは変わっていない。せいぜい刺青を刻んだ皮膚の範囲が増え、その色が濃くなった事くらいだろうか。
 ただ内面的なモノはこれまでと大きく違っていた。身体能力は当然ながら、各種能力が強化され、より洗練された気配をまとうようになっている。
 新しく得た能力は、血を吸うと自分より弱い相手に限り支配できる【吸血支配ブラッディ・ヘルシャフト】や、強力な能力を持った十二体の眷属けんぞくを召喚できる【中位眷属召喚】、そして俺の持っている【下位アンデッド生成】の上位版である【中位アンデッド生成】など。
 特に【中位アンデッド生成】は、新しく得た【冥府めいふの神の加護】によって使えるようになったモノだそうだ。俺がずっと喰いたいと思っていた〝死食鬼グール〟も生成可能らしいので、拠点に到着したら暇を見つけて喰わせてもらう。
 そしてダム美ちゃんが得た真名は、【月蝕神醒ヘカテリーナ】というそうだ。
 月光に照らされるダム美ちゃんを想像して、よく似合う名前だと思った。
 ただこれまで通りダム美、とは呼べなくなったので、改名する事にした。が、今までの名付け方だと、あまり良い名前が思い浮かばない。
 ヴァン美、パイ美、イア美、ブル美などを挙げてみたがどれも非常にビミョーである。
 仕方なくダム美ちゃんは真名である【月蝕神醒へカテリーナ】からとり、カナ、と名乗る事になった。
 もっと他にありそうなものだが、まぁいいか。


 さて、野営していた丘陵地――辺り一面巨人達の血で染まっている――を抜け、クルート村に寄り道。村長宅で護衛の仕事が順調だというのを確認してから、俺達が生まれた森に入って突き進む。
 途中でマジックアイテムの製作に使う素材を集めていたので少々遅くなってしまったが、拠点にはやや太陽が沈みかけた頃に到着した。
 そこで、カナ美ちゃんや赤髪ショート達は絶句する事となる。何が何やら、といった表情を浮かべている。復讐者は以前の拠点を知らないので反応はやや鈍いが、それでも驚いていた。
 しかしそれも当然だろう。


 拠点は、今や立派な要塞と成っていたのだから。
 時間が時間なのでカナ美ちゃん達に要塞の案内をするのは明日にして、今日は帰り道に狩ったバイコーンなどの肉やエルフ酒を材料に宴会を開く。
 新しく加わった種族達も交え、盛大なモノと成った。
 しかし、うむ、やっぱり温泉に入りながらのエルフ酒は最高である。


《百二十六日目》

《採掘場》から《要塞》へとランクアップした拠点に戻ってきて一夜が過ぎた。
 俺達にも様々な変化があったように、居残り組にも様々な変化が生じている。
 なので、最初に現在の状況をまとめていこう。


 まず最初は、人材の変化について述べておくべきだろう。
 出立前、傭兵団《戦に備えよパラベラム》に正式に入っていたメンバーの数と種族は次の通り。クマ次郎などのペット達も含めて、俺やミノ吉くんのように進化した者は進化した種族を表記している。実はチラホラと進化した奴が居るのだ。


 鬼人ロード種‥二
 半鬼人ハーフ・ロード種‥四
 牛頭鬼ミノタウロス‥一
 吸血貴族ヴァンパイア・ノーブル‥一
 オーガ‥七
 オーガ・メイジ‥二
 グール‥一
 百々目鬼ドドメキ‥一
 ホブゴブリン‥五
 ホブゴブリン・メイジ‥三
 ホブゴブリン・クレリック‥二
 ホブゴブリン・シャーマン‥一
 ゴブリン‥七
 年寄りゴブリン‥八
 エルフ‥十三
 人間‥九十八 この内〝草〟として活動中のため三十六名は不在。
 武士コボルド‥二
 足軽コボルド‥十
 下忍コボルド‥三
 コボルド‥八
 老人コボルド‥三
 トリプルホーンホース‥四
 クリムゾンホーンホース‥一
 ハインドベアー‥一
 鬼熊‥二
 オルトロス‥四
 ブラックウルフ‥二十五


 ちなみにクリムゾンホーンホースは、カナ美ちゃんの《使い魔》だったトリプルホーンホースが存在進化したモノだ。
 これに熱鬼くん達や竜人ドラゴニュート達といった、人間軍から解放した後も俺達の仲間として残った入団保留組、


 鬼人ロード種‥三
 半鬼人ハーフ・ロード‥五
 半吸血鬼ダムピール‥一
 オーガ‥十
 巨鬼トロル‥一
 赤帽子レッドキャップ‥三
 竜人ドラゴニュート種‥四
 半竜人ハーフ・ドラゴニュート種‥六
 蜥蜴人リザードマン‥五
 矮人ドワーフ‥五
 首なし騎士デュラハン‥一
 猿人オロリン‥三
 虎人ワータイガー‥二
 半人馬ケンタウロス‥一


 の五十名を加えた合計二百六十九名が、拠点を出る前までの団員数だった。
 現在はこの五十名も、正式なメンバーに入っている。その為内部での序列には大きな変化が生じているが、まあ、多少の不満は時間をかけて解決していくつもりである。ウチには強いモノこそ偉い、という考え方が根元にあるのでどうにかなるだろう。どうにもならない時は、まあ、その時に対策を決める。
 それにしても、改めて思うと結構な数が居たモノだ。
 で、本題。この正式メンバー二百六十九名に新しく産まれたか、あるいは新加入となる、


 オーガ・ミックスブラッド‥二
 人間‥十四
 上位大鬼ハイ・オーガ‥一
 オーガ‥三
 ゴブリン‥五
 ホブゴブリン‥七
 ホブゴブリン・メイジ‥六
 ホブゴブリン・クレリック‥三
 ホブゴブリン・シャーマン‥二
 ホブゴブリン・ライダー‥四
 足軽コボルド‥二
 コボルド‥六
 人竜馬ドラゴタウロス‥二
 猿人オロリン‥十一
 矮人ドワーフ‥五
 レプラコーン‥六
 甲虫人インセクター‥七
 甲蟲人インセクトイド‥二
 美花頭女ドリアーヌ‥一
 農業小人ポレヴィーク‥三
 グリーン・マン‥二
 猫妖精ケットシー‥二十三
 猫爪兵キャットネイル‥二
 狼人ワーウルフ‥三
 ブラックスケルトン・コマンダー‥五
 ブラックアンデッド・ナイト‥一
 ボルフォル‥一
 四翼大鷲ファレーズエーグル‥三十
 スタンプボア‥四
 トリプルホーンホース‥三
 ハインドベアー‥一


 の百六十七名を加えて、現在の団員は総数四百三十六名となっている。団員の全てが戦闘可能ではないが、少なくとも歩兵中隊が二個以上はできる数だ。
 何故こんなにも新規メンバーが増えているのか。順を追って説明していこう。


 ゴブリンにホブゴブリン、そしてコボルド達が増えた理由については多く語らなくても良いだろう。オーロ達のように、次代の子達が産まれたからだ。
 産んだのは大抵人間の女性であり、中には二回出産したモノも居た。この中に数名ながら【職業・鬼子の聖母】を獲得したモノもいたので、今後もより強力な能力を持った子達が増えていく事だろう。
 ただ、このままのペースで次代の子達が産まれても食料とか居住区とか装備とか色々と困るので、夜の営みの方は抑え気味でいく事に決まった。今はまだ数を増やし過ぎた場合のデメリットが多過ぎる。
 ちなみにエルフ達は子を産んでいないが、はらにくい種族らしいので仕方ない。まあ、産まれる時は相応の能力を持った個体のはずだ。エルフ達がどんな子を産むのか楽しみである。
 今度は人竜馬ドラゴタウロス甲蟲人インセクトイドなどについて。
 コイツ等は例の奴隷部隊に所属していた者達が殆どだ。彼・彼女等は一度故郷に帰ったのだが、既に集落自体が潰されていたり、別の場所に部族が移動していたりと、自分の居場所を見失って戻ってきたのである。
 ただし中には例外もあって、特に数が多いケットシー達がそれに該当する。ケットシー達は二足歩行する猫という愛くるしい外見だ。その為、貴族のお嬢様方に愛玩奴隷として狙われる事が多く、集落単位で保護を求めてやって来たのだ。
 この内、元奴隷部隊のメンバーは二体のキャットネイルだけ。ケットシーもキャットネイルも本当はもっと多くいるのだが、取りあえず我が傭兵団パラベラムの様子を確認する為、先行調査員として二十五名がやってきたという訳だ。
 ケットシーはゴブリン、キャットネイルはホブゴブリンと同じくらいの戦闘力なので、大した戦力にはならない。だが意外と手先が器用なため、拠点の掃除やら雑用やらを任せられるのでそれなりに便利な存在だ。
 美花頭女ドリアーヌは、実は〝あの〟ドライアドさんだったりする。本体である俺が拠点を離れている間に、分体オーガの中の一体を【吸性】で吸い尽くさせてみた結果、【存在進化ランクアップ】したのである。
【種族:ドライアド】の場合、本体である木から一定の範囲までしか離れられない。しかし【種族:美花頭女】は頭部に生えた美しい花が本体なので、自由に動ける。
 なので彼女は現在、俺達の拠点にて一緒に生活している。というか、俺に責任をとれとの事。
 まあ、それは仕方ないので俺も覚悟を決めている。ドライアドさんは称号【鬼■の権妻ごんさい】も得ているしな。
 うん、そういう事にしとこう。
 ちなみにドライアドさんの本体は、ピンク色の花弁を持つハイビスカス(に似た別モノ)だ。
 次はブラックスケルトン・コマンダーとブラックアンデッド・ナイトについて。
 こいつ等はブラックスケルトン達の可能性を切り開く為、大昔から伝わる呪法『蠱毒コドク』的な製法を用いて、分体達が実験的に生み出した存在である。要するに、ブラックスケルトン系が【存在進化】した奴等だ。
 造り方は簡単で、まずはそれなりに大きな穴を掘る。そしてその中にナイトやアックスなど近接戦闘型のブラックスケルトンを二十体入れ、希少で生成するのが少々面倒なブラックスケルトン・サモナーも一体放り込む。
 そして一応出てこれないように蓋をしてから、穴の中で潰し合いをさせるのだ。
 一つの穴に入っているブラックスケルトンは二十一体だけなので、互いに潰し合わせても最大二十体しか倒せない。しかし〝グレースケルトン〟を召喚するという特性を持ったブラックスケルトン・サモナーは最後まで殺さずにおくよう命令しておけば、勝手に殺すべき獲物グレースケルトンが供給されていく。それを残った一体が延々と殺していく、という寸法である。
 まあ、グレースケルトンはせいぜいスケルトン以上ブラックスケルトン以下の戦闘能力なので大した経験値は入らないが、それでも数をこなせばなかなかのモノになる。それにブラックスケルトン達の性能は基本的に互角なので、勝った方は結構な経験値を得られるから、効率は悪くない。
 この実験の成果として、ランクアップした六体がブラックスケルトン・コマンダーとブラックアンデッド・ナイトとなったのだ。
 ブラックスケルトン・コマンダーはその名に『指揮官コマンダー』とあるように、【下位スケルトン生成】を駆使して黒骨精鋭兵ブラックスケルトン達を生成し、それを操った集団戦を得意とする。指揮力もさることながら、個の戦闘能力も普通のブラックスケルトン三体分に匹敵し、簡単に言えばブラックスケルトン・サモナーの特性を持ったナイトの上位種、といったところだろうか。
 対して、ブラックアンデッド・ナイトは【下位スケルトン生成】などを保有しておらず、群れを率いる能力は全く無い。
 それ故か、単体としての能力が非常に高い。
 身の丈は平均的なオーガを超える三メートルほど。腕は何と左右四対の八本。普通の腕と腋下わきしたから一対、そして背中から二対の長腕が生えているのだ。
 二つある巨大な頭骨の虚ろな眼窩がんかには、血のように赤く輝く球体が浮かび、骨と骨の僅かな隙間から噴き出す黒いオーラ的な何かで全身を包んでいる。
 そして、とにかく全体的に太い。
 スケルトン系は基本的に骨だ。皮肉ひにくをこそぎ落とした骨である。もちろん骨だから隙間が多い。隙間だらけと言っていい。斬撃系の攻撃に強く、打撃系の攻撃に弱いのはこの為だ。
 しかしブラックアンデッド・ナイトは、殆どこの隙間が無くなっていた。筋肉や皮膚のように分厚く太く頑丈な黒骨で、身体を隙間無く構築している為だ。その頑健な構造は、スケルトンの弱点だった打撃攻撃さえ克服してしまっている。
 それに加え、実体の無い生体防具――黒いオーラ的な何か――により、スケルトン同様の斬撃系の攻撃に対する耐性は勿論、打撃系の攻撃に対する耐性もより強化されているらしい。しかも魔法系の攻撃に加え、アンデッドの弱点である陽光などへの耐性すら与えてくれるすぐれモノのようだ。
 陽光の下でも、大きな能力の低下はあれど、浄化されて消滅する事は無かった。
 少なくともブラックスケルトンならば十数体、訓練した大鬼オーガでさえ五体までなら同時に相手にしても拮抗、場合によっては一方的に血祭りにできるだろう。
 この種族において最大の特徴とも言える八本の腕で、七個の生体武器――【刃壊しの魚骨大剣フィッシュ・スパイク・ソード】【生贄殺しの大長鉈ラムル・ダオルト】【粉砕する鉄棘星モーニング・スター】【右方の城壁盾ライト・タワーシールド】【左方の城壁盾レフト・タワーシールド】【鉄蠍の長槍スコーピオン】【合成構材の大弓コンポジット・ロングボウ】――を巧みに駆使するだけでも驚異的だが、二つ並んだ頭骨によって広範囲の視認が可能となり、全体的に隙が少ない。
 俺が使徒鬼アポストルロードにランクアップする前に喰えば何かしらのアビリティを得られただろうが、今だと多分数体は喰わねばならないので、増えるまで待つ事にした。本体である俺がとりかかれば、数を揃えるのは簡単だろう。
 ちなみに、ブラックアンデッド・ナイトに成ったのは、ずっと訓練官役をやらせていたブラックスケルトン・ナイトである。生成されてから長い時間を過ごした為か、少々知能が高くなっているらしい。
 両頭骨の右眼窩を中心とした特徴的な十字傷――確かミノ吉くんとの訓練が原因だったはずだ――があるので、今後は〝傷付いた顔スカーフェイス〟と呼ぶ。
 ふむ、使い勝手のいい手駒が増えるのは良い事だ。
 そして最後になるが、スタンプボアなどは、新しく加わったホブゴブリン・ライダーの能力によって【飼い慣らしテイム】に成功し、ペットとなったモンスターだ。


 人員についてはこんなモノだろうか。
 今度は拠点自体について、簡単に説明したい。
 現在の拠点は、居住区となっている《元採掘所》に加え、新たに《外部訓練場》《農地》《牧場》《工房》《治療院》《温泉施設》の六つが周囲に増設されている。
《外部訓練場》は、メンバーの数が増えたので、広い空間でもっと大規模な実戦訓練がしたいと思って造った区画だ。縦三〇〇メートル、横二〇〇メートルほどの広さがある。
《農地》は名前そのまま、野菜などを育てている場所である。
 ここはドライアドさん――いや、今後はドリアーヌさんと呼ぶべきだろう――や、農業に関して種族的に非常に優れている農業小人ポレヴィーク、葉と枝でヒト型を構築した精霊に近い種族グリーン・マンなどに加え、人間の【農夫ファーマー農婦ファーマー】持ち達によって管理され、傭兵団員の食料供給源として大いに活躍してくれている。
 また土精石などを使用する事によってドリアーヌさん達の能力は大きく上がり、短期間で様々な作物が得られるようになった。
 そしてそれだけでなく、《農地》に植えられているジャガイモ(に似た別モノ)など、野菜や植物自体の栄養、成長力などの強化もできるという事が判明している。
 人数の増加に伴って消費される食料も増大している現在、精霊石が無ければ少々面倒な事になっていたのは間違いない。
 精霊石はドワーフ達の鍛冶や生活用水などにも用いられていたりと、生活を色々と楽にしてくれている。精霊石を得る切っ掛けになったベルベットには、本当に感謝してもしきれない。
 南無南無、と祈りを捧げた。
 いや、本当に精霊石は万能ダナー。
《牧場》は《使い魔》達を放し飼いにする空間であり、また捕獲した食用モンスター達の数を増やす為のモノだ。コレはまだ成果が出るまで時間がかかるから、今後に期待といったところだ。
 ちなみにクマ次郎とクロ三郎など、我がペット達はココで元気に走り回っている。
《工房》は、ドワーフ達やレプラコーン達が作品を制作する事に集中できるようにした場所である。
 レプラコーンが扱う革・布系はともかく、ドワーフ達の鍛冶には大きな音が生じてしまうので、騒音被害を少なくする為に増設したという訳だ。
 それにドワーフ達が求める本格的な炉を造るなら、炉が暴走した時に備えて少々離れたところに設置した方が安全だからでもある。
 ちなみに炉は火精石と風精石を幾つも使用しているので、造る品々には精霊の力が宿るようになったらしい。思わぬ結果だが、好都合だ。
《治療院》は訓練時などに負った怪我や病気を治す場である。
 ココはセイ治くん率いる医療部隊《プレアー》の部隊員が常時待機している、というか実質《プレアー》部隊員の専用部屋のようになっている。俺にそのつもりはなかったのだが、他の部隊から不満がちらほらと。
 その為、他の部隊の専用室もそれぞれ建設中だ。全く……と増えた手間を嘆きたいところだが、数が増えればどうせやらねばならない事なので仕方ない。
 最後に《温泉施設》について。
 コレは基本的にエルフ達などから金品を巻き上げるためのモノだが、実は旅館のようなモノを経営してみたかったから、という俺の趣味の意味合いが大きい。もちろん、他の理由も色々とあるのだが。
 接待の改善によるモノかどうかは分からないが、俺達の温泉はエルフ達に浸透し、わざわざ毎日数キロを移動してくるリピーターまでいる。今や予想を上回る盛況ぶりである。
 本当はもっと他種族に宣伝できればいいのだが、この森ではエルフ達くらいしか標的カモがいないので仕方がない。オークは俺達のせいでいなくなってしまったし、まだチラホラと残っているコボルド達は俺達を警戒して近づかないのだ。


しおりを挟む
感想 393

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

強くてニューサーガ

阿部正行
ファンタジー
人族と魔族が争い続ける世界で魔王が大侵攻と言われる総攻撃を仕掛けてきた。 滅びかける人族が最後の賭けとも言うべき反撃をする。 激闘の末、ほとんど相撃ちで魔王を倒した人族の魔法剣士カイル。 自らの命も消えかけ、後悔のなか死を迎えようとしている時ふと目に入ったのは赤い宝石。 次に気づいたときは滅んだはずの故郷の自分の部屋。 そして死んだはずの人たちとの再会…… イベント戦闘で全て負け、選択肢を全て間違え最終決戦で仲間全員が死に限りなくバッドエンドに近いエンディングを迎えてしまった主人公がもう一度やり直す時、一体どんな結末を迎えるのか? 強くてニューゲームファンタジー!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。