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外伝
外伝-9
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木箱の中身は、豪華な皿やコップなどが入っているモノもあれば、匠によって鍛え上げられた名剣名刀の類、迷宮から発掘された有用なマジックアイテムの品々、ミスラル製のナイフ、銀板銀貨銅板銅貨など貨幣の山、貴重なモンスターの素材、一度装備すれば解呪するまで外せなくなる呪われた装備類など、実に様々だ。
ブラ里とカルタは手分けしてそれ等を〝収納のバックパック〟に次々と放り込んで行く。大き過ぎてバックパックに入れられない品があれば、カルタが事前に用意していた荷車に載せていく。
気に入った名剣魔剣、魔杖や魔術書の類は自分とスペ星の為に別枠で確保している。オガ朗の指示に反する事だが、まあ、頑張った報酬という事で、と内心自分に言い訳をしつつ、ブラ里は作業を進めていく。
回収作業は三十分程度で完了し、宝物庫にあるのは中身の抜かれた空の木箱と、罠の仕掛けられた木箱だけになった。
それを指差し、ブラ里は小首を傾げた。
「カルタ、コレ、どうしたらいいと思う?」
「別に放置しても問題ないでしょうが、何かに活用できるかもしれません。一応総督に確認してみるのはどうでしょうか?」
「うん、それがいいね。じゃちょっと待ってて……あ、アポ朗? 実は……そう……分かった。罠の木箱は放置でいいってさ。必要ないって。必要になったらもっとエゲツナイの用意するらしいよ」
「そ、そうですか……ならこのままにしておきましょう」
「うん、コレで終わりだね~。カルタもお疲れさま。あ、街で大量に買った乱鞭鳥のモモ串焼きがまだ残ってるんだけど、一緒に食べる?」
「頂きます」
「動いてお腹減ったから、きっと美味しいよ~」
ニコニコ、とまるで太陽のような笑みを浮かべるブラ里に、頬を赤くしながらカルタは頷いた。
そしてブラ里がどこからともなく取り出した、焼き立てのような香ばしい匂いを放つ乱鞭鳥のモモ串焼きを、カルタは受け取ろうとして――
「あ、流石里ちゃん気が利きますね、頂きます」
横から突然現れた手が、乱鞭鳥のモモ串焼きを掻っ攫っていった。
奪っていったのはスペ星だった。清々しい笑顔なのに、目は笑っていない。その表情にカルタは言い知れぬ寒気を覚えた。スペ星の背後では、エキルドも怯えたような表情をしている。
「星ちゃん、それはカルタに」
「ん? カルタのだった? 何か問題あったかな?」
「い、いえ。問題ありません」
思わず声を上げたブラ里だったが、やや困惑しながらも、カルタ本人がそう言うのならと納得した。
それに、もしかしたらカルタは上官である私の提案を拒否したくてもできなかったのかもしれない、という考えがブラ里の脳裏を過る。
「あ~、ごめんねカルタ。お節介だったかな? 嫌だったりしたらちゃんと言ってね?」
「そ、そんな事は……あ、いえ、了解です」
強張った顔で敬礼するカルタに謝った後、ブラ里は〝火林檎の果汁〟という果汁が入れられた瓶も取り出した。
「星ちゃんも飲む?」
「ありがとう、頂くわ。でも、先に里ちゃんが飲んで」
「分かった、じゃさっさと飲まなくちゃね」
ブラ里は肉汁の滴る串焼きを喰らいながら、果汁入りの瓶の蓋を指で開け、肉を堪能した後に瓶の中身を美味しそうに嚥下した。
スペ星はその隣で串から肉をもぎ取って食べ、カルタとエキルドは二人から離れた場所で食事が終わるのを待っていた。
「あ~美味しい。はい、どうぞ」
「ありがとう」
瓶を受け取ったスペ星は、妙にゆっくりとした動作でブラ里と同じ箇所に口を付け、中に入っている果汁を飲む。瓶の縁に触れた舌の動きが、やけに艶めかしい。
四人が食堂に戻ると、既に他のメンバーは整列して待っていた。そのメンバーの後ろには外套を羽織った女達が十数名、ひっそりと佇んでいる。
捕らえられていたこの女達とスペ星が交渉した結果、拠点で引き取る事が決まった。コレからブラ里達の拠点で人並みの生活をしつつ、様々な働き手として、そして次代の子達を産む者として生活してもらうのである。
奴隷、あるいは捕虜として盗賊団員達に酷い扱いを受けていた為か、彼女等は誰の目も虚ろで、生気があまり感じられない。身体にある痛々しい傷痕が、彼女達の受けていた扱いを示している。
尤も、今更そんなモノを見ても、ブラ里が何かを思う事はない。ゴブリン時代からそんな女は飽きるほど見ている。むしろ弱い故にこのような結果になった女達を、ブラ里は気に喰わないとさえ思っている。
とはいえ、今は仲間として扱う必要がある。外面はよくしていた方がいいだろうと判断を下した。
そうしたのも、アポ朗の意に背いて敵に回したくはない、というのが理由の大部分を占めている。
(アポ朗ちゃんと戦えば面白そうだけど、怖いからなぁ~。うんうん、ココは我慢だ、我慢我慢)
ひとまず彼女達からの第一印象をよくする為、ブラ里は元気で親しみやすそうな笑みを振りまいた。
「いやいや、お待たせ~。新人さん達、コレからよろしくね。じゃさっさと野営地に戻って、寝て、明日は街で買い物してから家に帰ろっか。新人さん達も何か困った事があったら何でも言ってね? あ、必要なモノとかある?」
笑顔で接したのがよかったのか、虚ろだった女性達の雰囲気も、ほんの少しだけ警戒心が薄くなった。
今はそれで十分だと満足しつつ、非戦闘時はお節介なお母さんのような性格をしているブラ里はできるだけ明るく、そして優しく女達に話しかけながら、ゆっくりと洞窟から去っていく。
こうして、血生臭い殺戮の夜は過ぎさる。
外に出たブラ里が見上げるは、真っ赤に染まった月。
まるでブラ里を祝福するかのように、赤い月光が夜の世界に降り注いでいた。
詩篇覚醒者の裏話
雄々しきルーク、光の勇者。
偉大なる光の神より、戦う力を与えられし勇ましき剣士なり。
成した偉業は数知れず、手にする黄金剣で幾多の敵を薙ぎ倒す。
されどその力未だ足らず、来る災厄より故国を守る事は叶わない。
それを嘆きし光の神は、長く険しき試練を与えたもう。
神託に従い遠く離れた地へ、信じる仲間と苦行を共に。
茨の道に血肉を削り、しかし進みし苦難の道を。
終には遠き地にて巨人王を討ち、その手に六極光槍を掲げて舞い戻らん。
そして彼は定められた災厄へ、その命を尽くして立ち向かう。
故国の未来は、彼の背に託された。
№? ? ? ? ?
英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕第十四章【遠き果ての、約束の地へ】に綴られし文より抜粋
《時間軸:???~百十二日》
「ココが、神託に示された道程の最後の地――クラスター山脈、か」
私――ルーク・イルダーナ・エドモンドと仲間達は二年も続いた旅を経て、今日、遂にこの場所に到達した。
まだ本来の目的は達成されていないし、生憎の雨天で雄大な山脈の全貌を望む事もできないが、それでも感慨深いモノがある。
胸に溢れる思いが、無意識のうちに言葉となって溢れ出た。
「ようやく、ようやくココまでこれたよ、アリア」
思いを言葉に出したのと同時に、私の脳裏で、ここに来るまでの記憶が蘇る。
身体に刻んだ苦痛、仲間と死力を尽くし乗り越えた苛烈な試練、談笑して過ごした夜、旅路での出逢いと別れ、幻想的な素晴らしき景色、国や地域特有の料理。
本当に、本当に多くの出来事があった。思い出を振り返るだけでも、かなりの時間を要するだろう。
それほどまでに、この旅は長かったのだ。
そして二年にわたる旅路の記憶の中でも特に色濃く心に残っているのは、死別した者達の事だ。
忘れられるはずの無い、仲間の記憶である。
私はココに来るまでに、四人もの仲間を失っている。
生来の陽気さで仲間内を盛り上げ、多種多様な武器を無数に使用して戦う【武器庫】カッティーノ・タムラスを、ハーデン大砂漠の主〝砂海大蚯蚓〟戦の時に失った。
寂しがり屋で物静かだが、その知能と機転で幾度も危機的状況を打開してくれた【探求者】メイラ・ララを、【神級】神代ダンジョン【岩晶ノ箱庭】の地下五階に鎮座する階層ボス〝水晶岩魔大将〟戦の時に失った。
敵を巨大な破城槌で叩き潰し、皆の武器のメンテナンスもしてくれていた【戦闘鍛冶師】ドクトリル・スレッジハンマーを、航海中に襲ってきたアルル海の強者〝大海大烏賊〟戦の時に失った。
そして、私の最愛の人だった【光癒の聖女】アリア・ルストラス・ハーティベルを、ベスビオス火山の領主〝火吹亜竜〟戦の時に失った。
彼等を想う度、あの時こうしていれば、という後悔が必ず脳裏を過る。だが、それを乗り越えて私は来た。
「アリア、見ていてくれ。必ず、約束は守るから」
余りにも自己中心的だとは思うけれど、中でもアリアを失った時の衝撃は、三人を失った分よりも遥かに強く、私の心を斬り裂いている。それだけ、彼女は特別だった。
アリアを思い出す度に、私の胸は張り裂けそうになる。
何故私は彼女を失ったのか――ただ私が弱かったからだ。
何故私は彼女を護れなかったのか――ただ私が弱かったからだ。
何故私は彼女を死なせてしまったのか――ただ私が弱かったからだ。
彼女を護るだけの力が私になかったから、だから私は彼女を失った。
幾度も繰り返してきた思考が、胸中で溢れ出し、そしてあの最期の瞬間が、幻影となって現れる。
ベスビオス火山で戦った【知恵無き蛇/亜竜】の一種である〝火吹亜竜〟が、私の斬撃によって頸部を半分以上斬り裂かれ、轟々と燃え盛る血を流しながら息絶える――と思われたあの時。
縦に割れた黄色の瞳孔に、憎悪と憤怒の感情を浮かべたファイアドレイクは、反動で自分の頸がもげるのも厭わず、煌々と燃え盛る【亜炎の吐息】を放った。
限界まで開かれた口腔の奥底から発生した極熱の火炎が、ヤツに致命傷を負わせた私に向けて迫る。残り僅かの命を代償とした、相討ち狙いの一撃だった。
放たれた火炎を目前にしても、満身創痍でろくに動けず魔力もほぼ無くなっていた私に、抗う術など一つも残ってはいなかった。
周りの仲間達も私と同じような状態で、助けは見込めない。
絶体絶命。逃げる事も、防ぐ事もままならない。
そしてただ迫る死を受け入れるしかなかったあの時、どこにそんな余力を残していたのかと問いたくなるほどの迅さで動いた彼女に、私は護られた。
情けない事に、最愛の人を護るどころか、逆に護られてしまったのだ。
私は彼女と己の場所を入れ替えようと試みた。彼女に庇われる訳にはいかなかった。彼女を死なす訳にはいかなかった。彼女の意思に反したとしても、死んでほしくなかった。
たとえ私が死んだとしても、私が彼女を護らねばならないと思った。
しかし限界を超えて尚酷使し続けていた私の肉体は、私の意思の全てを以てしても動かす事はできなかった。
せめて『やめてくれ』と彼女に言おうとした時、逆に耳元で『どうか国を救ってください』『私の為に、生き続けてください』と囁かれた。
――それは彼女が残した私を護る【祝福】であり、それと同時に私を苦しめ縛り上げる【呪い】となった。
朗らかな笑みと共に遺言を聞かされた私に、すぐそこまで迫った死から、彼女を護る事などできなかった。
極限状態だったからか、ありえないほど引き延ばされていた長い体感時間はやがて終わり、ブレスが着弾。その瞬間、全てを燃やすような極熱の炎で、視界全てが紅く染まった。
ブレスには、彼女もろとも私を消し炭にするのにも充分な威力があった。
しかし彼女は残された力を振り絞って守護の力を展開させ、それを防いだのだった。だが魔力不足故に強度が足らず部分的に守護は突破され、彼女の下半身は炎によって炭化した。
本来ならば守護を維持できるはずなどないほどの、明らかな致命傷。
だがそれでも尚張り続けられた守護の力は、ついに私を護り通した。
ブレスが消えた時、私の腕の中で微笑みを浮かべたまま、彼女は死んでいた。
正に悪夢だった。人生の中であれほど涙した事は無かったし、これからもきっと無いだろう。
血の涙を流しながら私は、己の手で自分の首を掻っ切ろうか、とさえ思った。
それでも彼女の為に死ねなかった。いや、死ねるはずが無い。私が死ぬ事など彼女は求めていない。彼女の遺言を反故にするなど私にはできない。
だから我武者羅に生きた。強くなる為に。
弱いままでは居られなかった。居られるはずがなかった。
その後の旅路で幾度もあった危機的状況も、仲間と共に乗り越えた。その度に力をつけていき、そして今、私はココに居る。
私が弱かったせいで護れなかった人、救えなかった命、叶わなかった思いの数々。
そしてただ一人だけ愛した、アリアの最後の願い。
それ等を背負って私は今ここに立っている。
一年を通して氷雪が降り積もり続け、強風が吹き荒れて登山者を拒む過酷な地――〝クラスター山脈〟の麓に。
神託に示された、私がこの旅路で最後に殺すべき存在が暮らす場所の、すぐ傍に。
「すぅ……はぁ……よし」
複雑な心境で雨風と白雲に覆われた山脈を見上げていると、いつの間にか呼吸が乱れていた。どうやら柄にも無く、緊張していたらしい。
まるで旅に出た最初の頃のようだな、と苦笑しつつ、独自の呼吸法で精神を正常な状態に戻していると、不意に裾を引っ張られた。
視線を向けた先に居たのは、アリアが死んだ後にパーティーに加わった【大司教】――コライユ・メストだった。
純白の聖衣と聖書を装備し、どこかアリアを彷彿させるキラキラと輝くような金髪をなびかせる、年相応に可愛らしい容姿の少女。彼女は旅の途中に立ち寄った、とある国の路地裏で助けた事が縁となって、今も共にいる。
普段は物静かだが自分の信念は決して曲げない性格で、アリアほどとはいかないが、中々優れた治癒技能の持ち主だ。
彼女とも少なくない時間を共にし、背中と命を預けて戦ってきた。いまや、私達の旅に欠かせない重要な仲間になっている。
そんな彼女が今、率直に不安を表情に出していた。
「ルーク様。……勝てるのでしょうか、私達」
その声音は不安からか僅かに震え、緊張からかやや上擦っている。
「勝てるかどうか、じゃないんだよ、コライユ。勝つんだ。そして生き残ろう」
私の服の裾を摘まんで、震えているコライユの手を、私は自分の両手で包んだ。
しっかりとその存在を確かめるように、安心するように、決して一人ではないのだと、伝わるように、包む手に優しく力を込める。
そしてコライユの碧眼を真っ直ぐ見つめながら、励ましの言葉をかけた。
「私はコレ以上誰も死なせるつもりはない。私が命を賭して護る、絶対に。だから、怖がらなくていいんだ、コライユ」
「で、ですが、それではルーク様の身が」
「……と、格好をつけてはみたものの、私達にはまだまだやらねばならない事がある。こんなところで負けて、ただ死ぬなんて御免だよ。だからコライユ、普段通りに行こう。無駄に気を張っていては、本番で失敗してしまうからね。普段通りの私達なら、今回もきっと乗り越えられるさ。今までも、そうだったんだからさ。だけど、どうしても不安に負けそうになったら私を信じてくれ、私を頼ってくれ。私達は、仲間じゃないか。共に乗り越えていこう」
「は、はい……ルーク、様」
話しているうちに、コライユの顔から不安げな感情が消えていくのがよく分かった。それでも暫くの間はジッとコライユを見つめる。その目の中に、本当に不安と緊張が無くなったのか注視する。
するとコライユの頬が少々赤く染まり、合わせていた視線を逸らした。
どうしたのだろうか、と小首を傾げると、横から声がかかる。
「もたもたしてるんじゃないよ」
やや苛立った女性の声だ。
「そうだな、すまない……行こうか」
コライユの手を放して背後を振り返ると、そこには決意に満ちた表情を浮かべる、頼もしき仲間達の姿があった。
ブラ里とカルタは手分けしてそれ等を〝収納のバックパック〟に次々と放り込んで行く。大き過ぎてバックパックに入れられない品があれば、カルタが事前に用意していた荷車に載せていく。
気に入った名剣魔剣、魔杖や魔術書の類は自分とスペ星の為に別枠で確保している。オガ朗の指示に反する事だが、まあ、頑張った報酬という事で、と内心自分に言い訳をしつつ、ブラ里は作業を進めていく。
回収作業は三十分程度で完了し、宝物庫にあるのは中身の抜かれた空の木箱と、罠の仕掛けられた木箱だけになった。
それを指差し、ブラ里は小首を傾げた。
「カルタ、コレ、どうしたらいいと思う?」
「別に放置しても問題ないでしょうが、何かに活用できるかもしれません。一応総督に確認してみるのはどうでしょうか?」
「うん、それがいいね。じゃちょっと待ってて……あ、アポ朗? 実は……そう……分かった。罠の木箱は放置でいいってさ。必要ないって。必要になったらもっとエゲツナイの用意するらしいよ」
「そ、そうですか……ならこのままにしておきましょう」
「うん、コレで終わりだね~。カルタもお疲れさま。あ、街で大量に買った乱鞭鳥のモモ串焼きがまだ残ってるんだけど、一緒に食べる?」
「頂きます」
「動いてお腹減ったから、きっと美味しいよ~」
ニコニコ、とまるで太陽のような笑みを浮かべるブラ里に、頬を赤くしながらカルタは頷いた。
そしてブラ里がどこからともなく取り出した、焼き立てのような香ばしい匂いを放つ乱鞭鳥のモモ串焼きを、カルタは受け取ろうとして――
「あ、流石里ちゃん気が利きますね、頂きます」
横から突然現れた手が、乱鞭鳥のモモ串焼きを掻っ攫っていった。
奪っていったのはスペ星だった。清々しい笑顔なのに、目は笑っていない。その表情にカルタは言い知れぬ寒気を覚えた。スペ星の背後では、エキルドも怯えたような表情をしている。
「星ちゃん、それはカルタに」
「ん? カルタのだった? 何か問題あったかな?」
「い、いえ。問題ありません」
思わず声を上げたブラ里だったが、やや困惑しながらも、カルタ本人がそう言うのならと納得した。
それに、もしかしたらカルタは上官である私の提案を拒否したくてもできなかったのかもしれない、という考えがブラ里の脳裏を過る。
「あ~、ごめんねカルタ。お節介だったかな? 嫌だったりしたらちゃんと言ってね?」
「そ、そんな事は……あ、いえ、了解です」
強張った顔で敬礼するカルタに謝った後、ブラ里は〝火林檎の果汁〟という果汁が入れられた瓶も取り出した。
「星ちゃんも飲む?」
「ありがとう、頂くわ。でも、先に里ちゃんが飲んで」
「分かった、じゃさっさと飲まなくちゃね」
ブラ里は肉汁の滴る串焼きを喰らいながら、果汁入りの瓶の蓋を指で開け、肉を堪能した後に瓶の中身を美味しそうに嚥下した。
スペ星はその隣で串から肉をもぎ取って食べ、カルタとエキルドは二人から離れた場所で食事が終わるのを待っていた。
「あ~美味しい。はい、どうぞ」
「ありがとう」
瓶を受け取ったスペ星は、妙にゆっくりとした動作でブラ里と同じ箇所に口を付け、中に入っている果汁を飲む。瓶の縁に触れた舌の動きが、やけに艶めかしい。
四人が食堂に戻ると、既に他のメンバーは整列して待っていた。そのメンバーの後ろには外套を羽織った女達が十数名、ひっそりと佇んでいる。
捕らえられていたこの女達とスペ星が交渉した結果、拠点で引き取る事が決まった。コレからブラ里達の拠点で人並みの生活をしつつ、様々な働き手として、そして次代の子達を産む者として生活してもらうのである。
奴隷、あるいは捕虜として盗賊団員達に酷い扱いを受けていた為か、彼女等は誰の目も虚ろで、生気があまり感じられない。身体にある痛々しい傷痕が、彼女達の受けていた扱いを示している。
尤も、今更そんなモノを見ても、ブラ里が何かを思う事はない。ゴブリン時代からそんな女は飽きるほど見ている。むしろ弱い故にこのような結果になった女達を、ブラ里は気に喰わないとさえ思っている。
とはいえ、今は仲間として扱う必要がある。外面はよくしていた方がいいだろうと判断を下した。
そうしたのも、アポ朗の意に背いて敵に回したくはない、というのが理由の大部分を占めている。
(アポ朗ちゃんと戦えば面白そうだけど、怖いからなぁ~。うんうん、ココは我慢だ、我慢我慢)
ひとまず彼女達からの第一印象をよくする為、ブラ里は元気で親しみやすそうな笑みを振りまいた。
「いやいや、お待たせ~。新人さん達、コレからよろしくね。じゃさっさと野営地に戻って、寝て、明日は街で買い物してから家に帰ろっか。新人さん達も何か困った事があったら何でも言ってね? あ、必要なモノとかある?」
笑顔で接したのがよかったのか、虚ろだった女性達の雰囲気も、ほんの少しだけ警戒心が薄くなった。
今はそれで十分だと満足しつつ、非戦闘時はお節介なお母さんのような性格をしているブラ里はできるだけ明るく、そして優しく女達に話しかけながら、ゆっくりと洞窟から去っていく。
こうして、血生臭い殺戮の夜は過ぎさる。
外に出たブラ里が見上げるは、真っ赤に染まった月。
まるでブラ里を祝福するかのように、赤い月光が夜の世界に降り注いでいた。
詩篇覚醒者の裏話
雄々しきルーク、光の勇者。
偉大なる光の神より、戦う力を与えられし勇ましき剣士なり。
成した偉業は数知れず、手にする黄金剣で幾多の敵を薙ぎ倒す。
されどその力未だ足らず、来る災厄より故国を守る事は叶わない。
それを嘆きし光の神は、長く険しき試練を与えたもう。
神託に従い遠く離れた地へ、信じる仲間と苦行を共に。
茨の道に血肉を削り、しかし進みし苦難の道を。
終には遠き地にて巨人王を討ち、その手に六極光槍を掲げて舞い戻らん。
そして彼は定められた災厄へ、その命を尽くして立ち向かう。
故国の未来は、彼の背に託された。
№? ? ? ? ?
英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕第十四章【遠き果ての、約束の地へ】に綴られし文より抜粋
《時間軸:???~百十二日》
「ココが、神託に示された道程の最後の地――クラスター山脈、か」
私――ルーク・イルダーナ・エドモンドと仲間達は二年も続いた旅を経て、今日、遂にこの場所に到達した。
まだ本来の目的は達成されていないし、生憎の雨天で雄大な山脈の全貌を望む事もできないが、それでも感慨深いモノがある。
胸に溢れる思いが、無意識のうちに言葉となって溢れ出た。
「ようやく、ようやくココまでこれたよ、アリア」
思いを言葉に出したのと同時に、私の脳裏で、ここに来るまでの記憶が蘇る。
身体に刻んだ苦痛、仲間と死力を尽くし乗り越えた苛烈な試練、談笑して過ごした夜、旅路での出逢いと別れ、幻想的な素晴らしき景色、国や地域特有の料理。
本当に、本当に多くの出来事があった。思い出を振り返るだけでも、かなりの時間を要するだろう。
それほどまでに、この旅は長かったのだ。
そして二年にわたる旅路の記憶の中でも特に色濃く心に残っているのは、死別した者達の事だ。
忘れられるはずの無い、仲間の記憶である。
私はココに来るまでに、四人もの仲間を失っている。
生来の陽気さで仲間内を盛り上げ、多種多様な武器を無数に使用して戦う【武器庫】カッティーノ・タムラスを、ハーデン大砂漠の主〝砂海大蚯蚓〟戦の時に失った。
寂しがり屋で物静かだが、その知能と機転で幾度も危機的状況を打開してくれた【探求者】メイラ・ララを、【神級】神代ダンジョン【岩晶ノ箱庭】の地下五階に鎮座する階層ボス〝水晶岩魔大将〟戦の時に失った。
敵を巨大な破城槌で叩き潰し、皆の武器のメンテナンスもしてくれていた【戦闘鍛冶師】ドクトリル・スレッジハンマーを、航海中に襲ってきたアルル海の強者〝大海大烏賊〟戦の時に失った。
そして、私の最愛の人だった【光癒の聖女】アリア・ルストラス・ハーティベルを、ベスビオス火山の領主〝火吹亜竜〟戦の時に失った。
彼等を想う度、あの時こうしていれば、という後悔が必ず脳裏を過る。だが、それを乗り越えて私は来た。
「アリア、見ていてくれ。必ず、約束は守るから」
余りにも自己中心的だとは思うけれど、中でもアリアを失った時の衝撃は、三人を失った分よりも遥かに強く、私の心を斬り裂いている。それだけ、彼女は特別だった。
アリアを思い出す度に、私の胸は張り裂けそうになる。
何故私は彼女を失ったのか――ただ私が弱かったからだ。
何故私は彼女を護れなかったのか――ただ私が弱かったからだ。
何故私は彼女を死なせてしまったのか――ただ私が弱かったからだ。
彼女を護るだけの力が私になかったから、だから私は彼女を失った。
幾度も繰り返してきた思考が、胸中で溢れ出し、そしてあの最期の瞬間が、幻影となって現れる。
ベスビオス火山で戦った【知恵無き蛇/亜竜】の一種である〝火吹亜竜〟が、私の斬撃によって頸部を半分以上斬り裂かれ、轟々と燃え盛る血を流しながら息絶える――と思われたあの時。
縦に割れた黄色の瞳孔に、憎悪と憤怒の感情を浮かべたファイアドレイクは、反動で自分の頸がもげるのも厭わず、煌々と燃え盛る【亜炎の吐息】を放った。
限界まで開かれた口腔の奥底から発生した極熱の火炎が、ヤツに致命傷を負わせた私に向けて迫る。残り僅かの命を代償とした、相討ち狙いの一撃だった。
放たれた火炎を目前にしても、満身創痍でろくに動けず魔力もほぼ無くなっていた私に、抗う術など一つも残ってはいなかった。
周りの仲間達も私と同じような状態で、助けは見込めない。
絶体絶命。逃げる事も、防ぐ事もままならない。
そしてただ迫る死を受け入れるしかなかったあの時、どこにそんな余力を残していたのかと問いたくなるほどの迅さで動いた彼女に、私は護られた。
情けない事に、最愛の人を護るどころか、逆に護られてしまったのだ。
私は彼女と己の場所を入れ替えようと試みた。彼女に庇われる訳にはいかなかった。彼女を死なす訳にはいかなかった。彼女の意思に反したとしても、死んでほしくなかった。
たとえ私が死んだとしても、私が彼女を護らねばならないと思った。
しかし限界を超えて尚酷使し続けていた私の肉体は、私の意思の全てを以てしても動かす事はできなかった。
せめて『やめてくれ』と彼女に言おうとした時、逆に耳元で『どうか国を救ってください』『私の為に、生き続けてください』と囁かれた。
――それは彼女が残した私を護る【祝福】であり、それと同時に私を苦しめ縛り上げる【呪い】となった。
朗らかな笑みと共に遺言を聞かされた私に、すぐそこまで迫った死から、彼女を護る事などできなかった。
極限状態だったからか、ありえないほど引き延ばされていた長い体感時間はやがて終わり、ブレスが着弾。その瞬間、全てを燃やすような極熱の炎で、視界全てが紅く染まった。
ブレスには、彼女もろとも私を消し炭にするのにも充分な威力があった。
しかし彼女は残された力を振り絞って守護の力を展開させ、それを防いだのだった。だが魔力不足故に強度が足らず部分的に守護は突破され、彼女の下半身は炎によって炭化した。
本来ならば守護を維持できるはずなどないほどの、明らかな致命傷。
だがそれでも尚張り続けられた守護の力は、ついに私を護り通した。
ブレスが消えた時、私の腕の中で微笑みを浮かべたまま、彼女は死んでいた。
正に悪夢だった。人生の中であれほど涙した事は無かったし、これからもきっと無いだろう。
血の涙を流しながら私は、己の手で自分の首を掻っ切ろうか、とさえ思った。
それでも彼女の為に死ねなかった。いや、死ねるはずが無い。私が死ぬ事など彼女は求めていない。彼女の遺言を反故にするなど私にはできない。
だから我武者羅に生きた。強くなる為に。
弱いままでは居られなかった。居られるはずがなかった。
その後の旅路で幾度もあった危機的状況も、仲間と共に乗り越えた。その度に力をつけていき、そして今、私はココに居る。
私が弱かったせいで護れなかった人、救えなかった命、叶わなかった思いの数々。
そしてただ一人だけ愛した、アリアの最後の願い。
それ等を背負って私は今ここに立っている。
一年を通して氷雪が降り積もり続け、強風が吹き荒れて登山者を拒む過酷な地――〝クラスター山脈〟の麓に。
神託に示された、私がこの旅路で最後に殺すべき存在が暮らす場所の、すぐ傍に。
「すぅ……はぁ……よし」
複雑な心境で雨風と白雲に覆われた山脈を見上げていると、いつの間にか呼吸が乱れていた。どうやら柄にも無く、緊張していたらしい。
まるで旅に出た最初の頃のようだな、と苦笑しつつ、独自の呼吸法で精神を正常な状態に戻していると、不意に裾を引っ張られた。
視線を向けた先に居たのは、アリアが死んだ後にパーティーに加わった【大司教】――コライユ・メストだった。
純白の聖衣と聖書を装備し、どこかアリアを彷彿させるキラキラと輝くような金髪をなびかせる、年相応に可愛らしい容姿の少女。彼女は旅の途中に立ち寄った、とある国の路地裏で助けた事が縁となって、今も共にいる。
普段は物静かだが自分の信念は決して曲げない性格で、アリアほどとはいかないが、中々優れた治癒技能の持ち主だ。
彼女とも少なくない時間を共にし、背中と命を預けて戦ってきた。いまや、私達の旅に欠かせない重要な仲間になっている。
そんな彼女が今、率直に不安を表情に出していた。
「ルーク様。……勝てるのでしょうか、私達」
その声音は不安からか僅かに震え、緊張からかやや上擦っている。
「勝てるかどうか、じゃないんだよ、コライユ。勝つんだ。そして生き残ろう」
私の服の裾を摘まんで、震えているコライユの手を、私は自分の両手で包んだ。
しっかりとその存在を確かめるように、安心するように、決して一人ではないのだと、伝わるように、包む手に優しく力を込める。
そしてコライユの碧眼を真っ直ぐ見つめながら、励ましの言葉をかけた。
「私はコレ以上誰も死なせるつもりはない。私が命を賭して護る、絶対に。だから、怖がらなくていいんだ、コライユ」
「で、ですが、それではルーク様の身が」
「……と、格好をつけてはみたものの、私達にはまだまだやらねばならない事がある。こんなところで負けて、ただ死ぬなんて御免だよ。だからコライユ、普段通りに行こう。無駄に気を張っていては、本番で失敗してしまうからね。普段通りの私達なら、今回もきっと乗り越えられるさ。今までも、そうだったんだからさ。だけど、どうしても不安に負けそうになったら私を信じてくれ、私を頼ってくれ。私達は、仲間じゃないか。共に乗り越えていこう」
「は、はい……ルーク、様」
話しているうちに、コライユの顔から不安げな感情が消えていくのがよく分かった。それでも暫くの間はジッとコライユを見つめる。その目の中に、本当に不安と緊張が無くなったのか注視する。
するとコライユの頬が少々赤く染まり、合わせていた視線を逸らした。
どうしたのだろうか、と小首を傾げると、横から声がかかる。
「もたもたしてるんじゃないよ」
やや苛立った女性の声だ。
「そうだな、すまない……行こうか」
コライユの手を放して背後を振り返ると、そこには決意に満ちた表情を浮かべる、頼もしき仲間達の姿があった。
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