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外伝
外伝-15
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「うわぁ……」コライユは口を手で押さえ、感嘆の声を漏らす。
「……これは」流石の無愛想なアイオラも、目を見開いた。
「なんとまぁ、キラキラとしてんねぇ」口ではそう言いながら、クレリアは見入っている。
「凄いッ凄いッ凄いぞ主殿ッ」興奮して、チェロアイトは猫耳と尻尾をぶんぶん動かした。
「とても綺麗ですね、ルーク様」見続けたままで、セレスがそう言ってきた。
「そうだね……凄く、綺麗だ」
口々に漏れる、感嘆の声。しかしそれも仕方ない。
私達が到達したところに在ったのは、地底湖の中心に浮かぶ一つの神殿だった。恐らく水に触れると発光するという性質を持つ〝プルゥート鉱〟が大量にあるのだろう。湖底からは青い光が発生し、それに照らされた空間に佇む神殿は例えようも無いほど神々しかった。まるで水の底に居るように幻想的で、思わず魅入ってしまうほどに美しかった。
ヒトの手で造られたのではなく、神によって製造されたような、そんな特別な神殿だと、私達は肌で感じていた。
そしてその光景に感嘆のため息をついていると、水面から石橋が静かに浮かび上がり、神殿へと続く道が出来上がる。
その石橋を渡って神殿に至ると、中央の祭壇に突き刺さった一本の槍と、幾つかの宝箱を見つけた。
まるで光そのものを凝縮したように輝き、六つに枝分かれした穂先を持つ神秘的なその槍に、私達の視線は釘付けになる。内包する魔力は桁違いで、秘められた能力を想像するだけで震えてしまいそうだ。
そして導かれるように私だけが祭壇の槍に近づき、その柄に手を添えた。
その瞬間槍から流れ込む、圧倒的な力の奔流。私の奥底で眠っていた何かが呼び起こされるような、そんな不思議な感覚に揺られる。
そして感じた。今は居ない、仲間達の遺志を。
『笑って泣いて、また笑え。お前が皆を引っ張って行くんだからな』と、大盗賊のバンダナを頭に巻いたカッティーノの幻影が、親指を立てて言った。
相変わらずどこか気取ったところがあるお調子者だが、人を笑顔にさせる不思議な魅力がある男だ。
『最後まで一緒には居られませんでしたけど……目的が達成されて、よかった、です』と、恋人であるカッティーノに肩を抱かれたメイラが涙を滲ませつつも笑っている。
カッティーノが死んだ時から笑みを浮かべなくなったメイラ。こうなってから見ても、二人が一緒に居られるならば、心の底から良かったと思う。
『グラッカッカッカ。よぉーやったのぉ坊主。国にけえったら、俺の弟子共に武器を見せてやってくれやぁ。その槍は逸品だからよぉ』と、腕を組んだ髭面の大男、ドクトリルは豪快に笑う。
国へ帰る途中にあるアルル海で、ドクトリルが愛飲していたギャンテス酒の最高級品を一本、海底で眠る彼の元まで贈ろうと思った。
「皆……ありがとう」
ツツツ、と涙が流れる。
もう二度と会えないと思っていた仲間達が、旅の目標を完遂させた私達を祝福してくれているのだ。湧き上がる感情を、どうして止める事ができようか。
そして何より、私が会いたくて止まなかったアリアも、幻影となって私の目の前に居るのだから。
『おめでとう、私のルーク』
アリアの幻影が、その両の手で私の頬に触れた。
幻影故に実体は無く、その手の感触も無いが、それでも、アリアが私に触れている。それだけで、堪らなく嬉しかった。
「アリア……」
手を伸ばす。だが、触れられない。私の手は虚空を掴み、アリアに触れる事ができない。
それがどうしようもないくらいに、辛かった。
『貴方が私を思い続けてくれるのは、とても嬉しい。本当に、心の底からそう思ってる。……でもね、私は死んだの。いつまでも私に囚われるのは、貴方の為にならない』
「確かに、そうかもしれない。だけど、私はッ」
続く言葉は出てこない。真剣な表情で見つめてくるアリアを前に、出かけていた言葉は消えてしまった。
『私は、私に囚われたままのルークは見たくない。貴方は、この先も生きていくんだから。だから、私の事は忘れて……』
そう言いながらも、アリアの瞳に悲しみの影が過ったのを私は見た。
だが私が何かをする前に、皆の幻影が虚空に溶けていく。輪郭が不明瞭になり、次第にその姿を認識できなくなる。
あくまでも幻影は幻影でしかなく、死んだ者は生き返らない、という事だろう。
一時再会できただけでも十分過ぎるほどの奇跡なのだから、それ以上を望んではいけない、という神の教えに違いない。
だがそれでも私は手を伸ばす。伸ばさずにはいられなくて。けれど、掴むのは虚空だけ。掌の中には、虚しさだけが残った。
『さようなら、ルーク。貴方の未来に、希望があらん事を祈ってる』
そして、カッティーノが、メイラが、ドクトリルが、アリアが、私の中に流れ込んできた。
まるで四人の力がそのまま私に宿るような、心地よくも荒々しい奔流に抗う事もできずに呑まれ、ふっと意思が飛んでいくような感覚を味わった時には、全てが終わっていた。
身体が倒れていくのを認識しつつも、指先一本を動かす事すら億劫で、倒れる身体を支える事ができない。
迫る床を見たのを最後に、私の視界は全て黒く染まる。
私の意識は、倒れた衝撃と共に消失した。
[英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕第十四章【遠き果ての、約束の地へ】がクリアされました]
[ルークは新しく称号【光槍の勇者】、称号【エクトルの子ルーク】の能力が付与されました]
[称号【光槍の勇者】には固有能力が設定されています]
[ルークは固有能力【極光を束ねる者】を獲得した!!]
[ルークは固有能力【六つ穿つ槍者】を獲得した!!]
[称号【エクトルの子ルーク】には固有能力が設定されています]
[エラーが発生しました]
[エラーが発生しました]
[条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、固有能力【光擲の魔弾】は解放されませんでした]
[条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、固有能力【長き腕】は解放されませんでした]
[制限を解除するには【■■■】を討伐するか、【■■■】の配下となる必要があります]
[獲得済み称号【百芸に通ず】は新たに【武器収納術】【探求術】【鍛冶格闘術】【光神医術】を修習しました]
[現在の称号【百芸に通ず】の保有技能数は〝68〟です]
[詩篇達成報酬として【伝説】級マジックアイテム【必勝齎す極光の六槍】が贈られます]
[ただし条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、【必勝齎す極光の六槍】の能力は制限されました]
[能力抑制の為、【必勝齎す極光の六槍】の性能は現在〝80〟%です]
[制限を解除するには【■■■】を討伐するか、【■■■】の配下となる必要があります]
[レベルが規定値を突破しました。
職業条件《勇者》、称号条件《光剣の勇者》《光槍の勇者》、特殊条件《光の神の加護》をクリアしている為、【光剣の勇者】は【位階上昇】しました。
ルークは【職業・光槍の勇者】を獲得しました]
[英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕は第十四章【遠き果ての、約束の地へ】から第十五章【勇者の帰還・凱旋の槍】へ移行しました]
始まりの名付け
〈ゴブ爺のちょっと危険な仕事〉
《時間軸:一日目》
コツコツと削って中心を丸く窪ませた、【薬効上昇】効果があるレンバラ石製の臼。
微量ながら樹液や樹皮に【増幅】効果がある、〝インディア〟という木を手頃な大きさに削って造られた竪杵。
まめな手入れのおかげで効果を十全に発揮できるそれ等を使い、一匹の年老いた小鬼が中腰になって、数種の有毒植物をゴリゴリゴリと磨り潰していた。
どちらも長年の使用によって薄汚れ、ギリギリで【希少】等級に分類される程度のありふれたマジックアイテムだが、長年氏族の最年長者が引き継いできた宝である。
臼に入れられているのは〝鬼酔樹〟の灰色の葉が五枚、小さな棘がある〝棘麻草〟の茶色い根が二本、〝一死実〟という血のように赤い果実が一個。
他にも数種の根や果実が入っていたが、主要なものはこの三種類だった。
〝鬼酔樹〟の葉に含まれる毒は、神経麻痺、呼吸麻痺、嘔吐、下痢などを引き起こす。即効性も高い。
〝棘麻草〟の葉に含まれる毒は、筋弛緩、臓器不全、神経痛、血液凝固などを引き起こす。摂取してから死ぬまでに数分の猶予があるものの、致死率は非常に高い。
〝一死実〟の実に含まれる毒は、呼吸困難、幻覚、血管破裂、心臓停止などを引き起こす。これは三つの中で最も凶悪で、一滴でも致死量となり、解毒され難いという特性を持っている。
どれも毒性の強い危険な植物だが、老ゴブリンの住処がある《クーデルン大森林》では一般的なモノである。
老ゴブリンが生まれた時から所属している【小鬼の集落】が暮らす洞窟の周囲にも多く見られ、その気になれば集めるのに五分とかからないだろう。
そんな手頃な材料を臼と竪杵で混ぜ合わせる老ゴブリンはいかにも慣れているのだと思わせる軽快で迷いの無い動作で、着々と作業を行っていた。
材料はどれも数日天日干しにして余分な水分を飛ばしている為、竪杵を動かせば動かすほど細かく砕けてその形を失っていく。
混ぜ方にもコツがあるのか、その作業は早く正確だ。
何かを考えている風には見えないのに、材料が偏りなく配合されている。職人技、と言えなくもない。
ある程度混ざったのを確認した老ゴブリンは、傍に置いていた木の器を手に取った。器には予め近くを流れている川の水を入れてある。器の中でタプンと水が揺れた。
その清浄な水を、少量ずつ、慎重に臼の中に水を注いでいく。
森の住人達の間ですらあまり知られていない事だが、大森林の栄養が多く溶け込んだ川の水は、自生している植物の効力を高める働きがある。
この大森林に生える有毒植物から毒薬を製造する過程でこの水を加えると、より強力な毒性を与え、逆に薬草などから造る治療薬に使えばより優れた治療薬を造る事ができる。
普通に生活していればそんな事を知る事は無いが、それを長い生涯の経験として知っている老ゴブリンは入れる水が多過ぎないよう、しかし少な過ぎないよう注意しながら注ぎ、注ぐ毎に臼の中を竪杵でジックリと丁寧に練り上げた。
水が多過ぎると流動性が高くなり過ぎて、周囲に飛び散る可能性がある。
老ゴブリンは事前に解毒薬を用意しているが、あえて猛毒を浴びたい訳ではない。急いで解毒すれば死なないまでも、何かしらの後遺症が出るのは確実だからだ。
それに水は粉末状となって混ざっている毒薬を纏める繋ぎとして働く。小さな塊に固められるくらいの量が一番好ましい。
そうやって慎重に作業を進める老ゴブリンの手によって工程は順調に消化され、完成に近づいていた。
水を入れてから、混ぜ合わせる毎に臼の中の毒薬は徐々に変色している。色の変化はこの薬を造る時に必ず起こるモノだ。
最初は黒茶色だった粉末が、徐々に赤くなっていく。そして赤色がだんだんと濃くなり、まるで燃え盛る火の様な明るさと光沢を持つようになった。そこから更に混ぜ合わせていくと、今度は一気に空のような青色に変化し始めた。
色合いの変化と共に、立ち上る臭いもまた変化していく。
黒茶色だった時はほんのり甘い香りだったが、赤くなり始めると甘さは次第に薄れて柑橘類のような酸っぱい匂いとなる。そして最後に青くなると、まるで卵が腐ったような臭いを発するようになるのだ。
今日の毒薬も既に青色となり、鼻孔を強く刺激し、思わず顔をそむけて涙ぐんでしまうほど酷い臭いを撒き散らしている。
だが老化によって嗅覚が衰え、またこの臭いを嗅ぎ慣れてしまった老ゴブリンにとっては大した事はないらしい。
むしろゴブリン特有の鷲鼻を動かしながら嗅ぎ、満足げに頷いている。
どうやら毒薬の出来映えに納得したらしい。
「あぁー、腰にこたえるのぉ」
老ゴブリンはそこで一旦手を止めた。ずっと前屈みだったので負荷がかかっていた腰に両手を添え、背中を後ろに逸らす。とはいっても長年の生活ですっかり変形してしまった骨格ではせいぜい一瞬だけ身体を直立させる程度が精いっぱいで、その状態を維持する事は難しい。
ゴキゴキゴキ、と音が鳴り、鈍い痛みが全身を走る。アイタタタ、とうめき声を漏らしつつ、今度は軽く手足の運動をして身体を解した。
疲れた身体を動かし、すり減った集中力を微量ながら回復させる。毒薬製造に失敗すると毒が回って死んでしまう事もあるので、集中力は必須だ。
老ゴブリンはその危険を避ける為暫く運動し、集中力が充分に回復した頃合で、作業を再開した。
悪臭を放つ青い毒薬に、〝ネンチャク草〟から採れる白濁した樹液と、〝ニオケシ〟という赤い花の花弁を一握り分入れて、再び混ぜ始めた。
すると毒薬は樹液によって独特の粘り気を帯び始め、竪杵を持ち上げるとネチョリ、と糸を引いた。混ぜる毎に粘り気は強くなり、飛び散る事を危惧しなくてもよい状態になっていく。
その分混ぜるのに力を必要とするようになったが、身体全体を効率良く使う老ゴブリンはその抵抗をモノともしない。
そして毒薬が発していた卵が腐ったような臭いは、〝ニオケシ〟の花弁の消臭効果によって徐々に薄れ、既に殆ど無臭になっていた。
狼系のような嗅覚が優れている一部のモンスターを除いて、もはや臭いで毒薬の存在を覚られる事は無いだろう。
臼の中の毒薬は、順調に出来上がっている。
「いょーのぉ、女ぁにゃきぃーつっけろい」
順調さに気分が良くなったのか、老ゴブリンは即興で不可思議な曲を歌い始めた。
年齢を感じさせる皺くちゃの顔は、自分の歌に酔ったような表情を見せる。コロコロと変わる表情には活力が漲り、ゴブリンの醜悪な顔でなければ、見ている分には気持ち良かったに違いない。
老化に伴い筋肉が減り、骨に皮膚が薄らと張り付いたような細い体躯は、見た目からは想像できない力強さで作業を続ける。まだ若いモノには負けん、とでもいうようだった。
ただ時折折れ曲がった腰に手を添えている姿は辛そうで、竪杵を支えにして僅かに動きが止まる時がある。
「なぁにを、思ってるぅかぁ、分っかんねぇー」
見る者が見れば、その姿から、老ゴブリンは少なくとも十五年以上は生きている個体だと推察できる。
厳しい自然界では、獲物となりやすいゴブリンは基本的に非常に短命だ。十年も生きればかなり運が良い方で、産まれて三年以内に死ぬ事が圧倒的に多い。
繁殖力が非常に強く、すぐそれなりの大きさに成長するので、熊系モンスターなど大型の捕食者の手頃な餌となっている。
ゴブリンだけを喰らい、土地を育む糞を撒き散らす、【小鬼喰蚯蚓】というモンスターも居るくらいだが、それはともかく。
生態系の底辺を支える役割を担う事が多い種族――それがゴブリンだ。
その為、十五年以上を生きるこのゴブリンはかなり珍しい部類となる。
自然淘汰だけでなく、ヒトに駆除される事も多いので、老ゴブリンが相当の修羅場を潜って来たのは間違いない。
そして長生きに伴い蓄えられた知識や経験は、普通のゴブリンとは比べ物にならないほど膨大だ。こうして強力な毒物を造っている事から見ても、驚異的と言っていいだろう。
「裏じゃぁナイフぅを研いでぇ、狙ってらぁー」
現在彼が造っている毒薬は、獲物を仕留める矢に塗布する為のモノだ。
本来なら鏃に薄らと塗る程度だが、液体の状態で塗布するやり方では、普通の不器用なゴブリンではうっかり自分か味方を傷つけ、自滅する可能性が高い。
滴った毒が、皮膚から浸入する事もある。
その為、老ゴブリンは毒薬に粘着性を付与する事にした。毒矢にした時の取り扱いの容易さを重視し、被害を抑えようとした結果だ。
「……これは」流石の無愛想なアイオラも、目を見開いた。
「なんとまぁ、キラキラとしてんねぇ」口ではそう言いながら、クレリアは見入っている。
「凄いッ凄いッ凄いぞ主殿ッ」興奮して、チェロアイトは猫耳と尻尾をぶんぶん動かした。
「とても綺麗ですね、ルーク様」見続けたままで、セレスがそう言ってきた。
「そうだね……凄く、綺麗だ」
口々に漏れる、感嘆の声。しかしそれも仕方ない。
私達が到達したところに在ったのは、地底湖の中心に浮かぶ一つの神殿だった。恐らく水に触れると発光するという性質を持つ〝プルゥート鉱〟が大量にあるのだろう。湖底からは青い光が発生し、それに照らされた空間に佇む神殿は例えようも無いほど神々しかった。まるで水の底に居るように幻想的で、思わず魅入ってしまうほどに美しかった。
ヒトの手で造られたのではなく、神によって製造されたような、そんな特別な神殿だと、私達は肌で感じていた。
そしてその光景に感嘆のため息をついていると、水面から石橋が静かに浮かび上がり、神殿へと続く道が出来上がる。
その石橋を渡って神殿に至ると、中央の祭壇に突き刺さった一本の槍と、幾つかの宝箱を見つけた。
まるで光そのものを凝縮したように輝き、六つに枝分かれした穂先を持つ神秘的なその槍に、私達の視線は釘付けになる。内包する魔力は桁違いで、秘められた能力を想像するだけで震えてしまいそうだ。
そして導かれるように私だけが祭壇の槍に近づき、その柄に手を添えた。
その瞬間槍から流れ込む、圧倒的な力の奔流。私の奥底で眠っていた何かが呼び起こされるような、そんな不思議な感覚に揺られる。
そして感じた。今は居ない、仲間達の遺志を。
『笑って泣いて、また笑え。お前が皆を引っ張って行くんだからな』と、大盗賊のバンダナを頭に巻いたカッティーノの幻影が、親指を立てて言った。
相変わらずどこか気取ったところがあるお調子者だが、人を笑顔にさせる不思議な魅力がある男だ。
『最後まで一緒には居られませんでしたけど……目的が達成されて、よかった、です』と、恋人であるカッティーノに肩を抱かれたメイラが涙を滲ませつつも笑っている。
カッティーノが死んだ時から笑みを浮かべなくなったメイラ。こうなってから見ても、二人が一緒に居られるならば、心の底から良かったと思う。
『グラッカッカッカ。よぉーやったのぉ坊主。国にけえったら、俺の弟子共に武器を見せてやってくれやぁ。その槍は逸品だからよぉ』と、腕を組んだ髭面の大男、ドクトリルは豪快に笑う。
国へ帰る途中にあるアルル海で、ドクトリルが愛飲していたギャンテス酒の最高級品を一本、海底で眠る彼の元まで贈ろうと思った。
「皆……ありがとう」
ツツツ、と涙が流れる。
もう二度と会えないと思っていた仲間達が、旅の目標を完遂させた私達を祝福してくれているのだ。湧き上がる感情を、どうして止める事ができようか。
そして何より、私が会いたくて止まなかったアリアも、幻影となって私の目の前に居るのだから。
『おめでとう、私のルーク』
アリアの幻影が、その両の手で私の頬に触れた。
幻影故に実体は無く、その手の感触も無いが、それでも、アリアが私に触れている。それだけで、堪らなく嬉しかった。
「アリア……」
手を伸ばす。だが、触れられない。私の手は虚空を掴み、アリアに触れる事ができない。
それがどうしようもないくらいに、辛かった。
『貴方が私を思い続けてくれるのは、とても嬉しい。本当に、心の底からそう思ってる。……でもね、私は死んだの。いつまでも私に囚われるのは、貴方の為にならない』
「確かに、そうかもしれない。だけど、私はッ」
続く言葉は出てこない。真剣な表情で見つめてくるアリアを前に、出かけていた言葉は消えてしまった。
『私は、私に囚われたままのルークは見たくない。貴方は、この先も生きていくんだから。だから、私の事は忘れて……』
そう言いながらも、アリアの瞳に悲しみの影が過ったのを私は見た。
だが私が何かをする前に、皆の幻影が虚空に溶けていく。輪郭が不明瞭になり、次第にその姿を認識できなくなる。
あくまでも幻影は幻影でしかなく、死んだ者は生き返らない、という事だろう。
一時再会できただけでも十分過ぎるほどの奇跡なのだから、それ以上を望んではいけない、という神の教えに違いない。
だがそれでも私は手を伸ばす。伸ばさずにはいられなくて。けれど、掴むのは虚空だけ。掌の中には、虚しさだけが残った。
『さようなら、ルーク。貴方の未来に、希望があらん事を祈ってる』
そして、カッティーノが、メイラが、ドクトリルが、アリアが、私の中に流れ込んできた。
まるで四人の力がそのまま私に宿るような、心地よくも荒々しい奔流に抗う事もできずに呑まれ、ふっと意思が飛んでいくような感覚を味わった時には、全てが終わっていた。
身体が倒れていくのを認識しつつも、指先一本を動かす事すら億劫で、倒れる身体を支える事ができない。
迫る床を見たのを最後に、私の視界は全て黒く染まる。
私の意識は、倒れた衝撃と共に消失した。
[英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕第十四章【遠き果ての、約束の地へ】がクリアされました]
[ルークは新しく称号【光槍の勇者】、称号【エクトルの子ルーク】の能力が付与されました]
[称号【光槍の勇者】には固有能力が設定されています]
[ルークは固有能力【極光を束ねる者】を獲得した!!]
[ルークは固有能力【六つ穿つ槍者】を獲得した!!]
[称号【エクトルの子ルーク】には固有能力が設定されています]
[エラーが発生しました]
[エラーが発生しました]
[条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、固有能力【光擲の魔弾】は解放されませんでした]
[条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、固有能力【長き腕】は解放されませんでした]
[制限を解除するには【■■■】を討伐するか、【■■■】の配下となる必要があります]
[獲得済み称号【百芸に通ず】は新たに【武器収納術】【探求術】【鍛冶格闘術】【光神医術】を修習しました]
[現在の称号【百芸に通ず】の保有技能数は〝68〟です]
[詩篇達成報酬として【伝説】級マジックアイテム【必勝齎す極光の六槍】が贈られます]
[ただし条件〝5〟【バロール撃破】が未達成の為、【必勝齎す極光の六槍】の能力は制限されました]
[能力抑制の為、【必勝齎す極光の六槍】の性能は現在〝80〟%です]
[制限を解除するには【■■■】を討伐するか、【■■■】の配下となる必要があります]
[レベルが規定値を突破しました。
職業条件《勇者》、称号条件《光剣の勇者》《光槍の勇者》、特殊条件《光の神の加護》をクリアしている為、【光剣の勇者】は【位階上昇】しました。
ルークは【職業・光槍の勇者】を獲得しました]
[英勇詩篇〔救国を担いし光の御子〕は第十四章【遠き果ての、約束の地へ】から第十五章【勇者の帰還・凱旋の槍】へ移行しました]
始まりの名付け
〈ゴブ爺のちょっと危険な仕事〉
《時間軸:一日目》
コツコツと削って中心を丸く窪ませた、【薬効上昇】効果があるレンバラ石製の臼。
微量ながら樹液や樹皮に【増幅】効果がある、〝インディア〟という木を手頃な大きさに削って造られた竪杵。
まめな手入れのおかげで効果を十全に発揮できるそれ等を使い、一匹の年老いた小鬼が中腰になって、数種の有毒植物をゴリゴリゴリと磨り潰していた。
どちらも長年の使用によって薄汚れ、ギリギリで【希少】等級に分類される程度のありふれたマジックアイテムだが、長年氏族の最年長者が引き継いできた宝である。
臼に入れられているのは〝鬼酔樹〟の灰色の葉が五枚、小さな棘がある〝棘麻草〟の茶色い根が二本、〝一死実〟という血のように赤い果実が一個。
他にも数種の根や果実が入っていたが、主要なものはこの三種類だった。
〝鬼酔樹〟の葉に含まれる毒は、神経麻痺、呼吸麻痺、嘔吐、下痢などを引き起こす。即効性も高い。
〝棘麻草〟の葉に含まれる毒は、筋弛緩、臓器不全、神経痛、血液凝固などを引き起こす。摂取してから死ぬまでに数分の猶予があるものの、致死率は非常に高い。
〝一死実〟の実に含まれる毒は、呼吸困難、幻覚、血管破裂、心臓停止などを引き起こす。これは三つの中で最も凶悪で、一滴でも致死量となり、解毒され難いという特性を持っている。
どれも毒性の強い危険な植物だが、老ゴブリンの住処がある《クーデルン大森林》では一般的なモノである。
老ゴブリンが生まれた時から所属している【小鬼の集落】が暮らす洞窟の周囲にも多く見られ、その気になれば集めるのに五分とかからないだろう。
そんな手頃な材料を臼と竪杵で混ぜ合わせる老ゴブリンはいかにも慣れているのだと思わせる軽快で迷いの無い動作で、着々と作業を行っていた。
材料はどれも数日天日干しにして余分な水分を飛ばしている為、竪杵を動かせば動かすほど細かく砕けてその形を失っていく。
混ぜ方にもコツがあるのか、その作業は早く正確だ。
何かを考えている風には見えないのに、材料が偏りなく配合されている。職人技、と言えなくもない。
ある程度混ざったのを確認した老ゴブリンは、傍に置いていた木の器を手に取った。器には予め近くを流れている川の水を入れてある。器の中でタプンと水が揺れた。
その清浄な水を、少量ずつ、慎重に臼の中に水を注いでいく。
森の住人達の間ですらあまり知られていない事だが、大森林の栄養が多く溶け込んだ川の水は、自生している植物の効力を高める働きがある。
この大森林に生える有毒植物から毒薬を製造する過程でこの水を加えると、より強力な毒性を与え、逆に薬草などから造る治療薬に使えばより優れた治療薬を造る事ができる。
普通に生活していればそんな事を知る事は無いが、それを長い生涯の経験として知っている老ゴブリンは入れる水が多過ぎないよう、しかし少な過ぎないよう注意しながら注ぎ、注ぐ毎に臼の中を竪杵でジックリと丁寧に練り上げた。
水が多過ぎると流動性が高くなり過ぎて、周囲に飛び散る可能性がある。
老ゴブリンは事前に解毒薬を用意しているが、あえて猛毒を浴びたい訳ではない。急いで解毒すれば死なないまでも、何かしらの後遺症が出るのは確実だからだ。
それに水は粉末状となって混ざっている毒薬を纏める繋ぎとして働く。小さな塊に固められるくらいの量が一番好ましい。
そうやって慎重に作業を進める老ゴブリンの手によって工程は順調に消化され、完成に近づいていた。
水を入れてから、混ぜ合わせる毎に臼の中の毒薬は徐々に変色している。色の変化はこの薬を造る時に必ず起こるモノだ。
最初は黒茶色だった粉末が、徐々に赤くなっていく。そして赤色がだんだんと濃くなり、まるで燃え盛る火の様な明るさと光沢を持つようになった。そこから更に混ぜ合わせていくと、今度は一気に空のような青色に変化し始めた。
色合いの変化と共に、立ち上る臭いもまた変化していく。
黒茶色だった時はほんのり甘い香りだったが、赤くなり始めると甘さは次第に薄れて柑橘類のような酸っぱい匂いとなる。そして最後に青くなると、まるで卵が腐ったような臭いを発するようになるのだ。
今日の毒薬も既に青色となり、鼻孔を強く刺激し、思わず顔をそむけて涙ぐんでしまうほど酷い臭いを撒き散らしている。
だが老化によって嗅覚が衰え、またこの臭いを嗅ぎ慣れてしまった老ゴブリンにとっては大した事はないらしい。
むしろゴブリン特有の鷲鼻を動かしながら嗅ぎ、満足げに頷いている。
どうやら毒薬の出来映えに納得したらしい。
「あぁー、腰にこたえるのぉ」
老ゴブリンはそこで一旦手を止めた。ずっと前屈みだったので負荷がかかっていた腰に両手を添え、背中を後ろに逸らす。とはいっても長年の生活ですっかり変形してしまった骨格ではせいぜい一瞬だけ身体を直立させる程度が精いっぱいで、その状態を維持する事は難しい。
ゴキゴキゴキ、と音が鳴り、鈍い痛みが全身を走る。アイタタタ、とうめき声を漏らしつつ、今度は軽く手足の運動をして身体を解した。
疲れた身体を動かし、すり減った集中力を微量ながら回復させる。毒薬製造に失敗すると毒が回って死んでしまう事もあるので、集中力は必須だ。
老ゴブリンはその危険を避ける為暫く運動し、集中力が充分に回復した頃合で、作業を再開した。
悪臭を放つ青い毒薬に、〝ネンチャク草〟から採れる白濁した樹液と、〝ニオケシ〟という赤い花の花弁を一握り分入れて、再び混ぜ始めた。
すると毒薬は樹液によって独特の粘り気を帯び始め、竪杵を持ち上げるとネチョリ、と糸を引いた。混ぜる毎に粘り気は強くなり、飛び散る事を危惧しなくてもよい状態になっていく。
その分混ぜるのに力を必要とするようになったが、身体全体を効率良く使う老ゴブリンはその抵抗をモノともしない。
そして毒薬が発していた卵が腐ったような臭いは、〝ニオケシ〟の花弁の消臭効果によって徐々に薄れ、既に殆ど無臭になっていた。
狼系のような嗅覚が優れている一部のモンスターを除いて、もはや臭いで毒薬の存在を覚られる事は無いだろう。
臼の中の毒薬は、順調に出来上がっている。
「いょーのぉ、女ぁにゃきぃーつっけろい」
順調さに気分が良くなったのか、老ゴブリンは即興で不可思議な曲を歌い始めた。
年齢を感じさせる皺くちゃの顔は、自分の歌に酔ったような表情を見せる。コロコロと変わる表情には活力が漲り、ゴブリンの醜悪な顔でなければ、見ている分には気持ち良かったに違いない。
老化に伴い筋肉が減り、骨に皮膚が薄らと張り付いたような細い体躯は、見た目からは想像できない力強さで作業を続ける。まだ若いモノには負けん、とでもいうようだった。
ただ時折折れ曲がった腰に手を添えている姿は辛そうで、竪杵を支えにして僅かに動きが止まる時がある。
「なぁにを、思ってるぅかぁ、分っかんねぇー」
見る者が見れば、その姿から、老ゴブリンは少なくとも十五年以上は生きている個体だと推察できる。
厳しい自然界では、獲物となりやすいゴブリンは基本的に非常に短命だ。十年も生きればかなり運が良い方で、産まれて三年以内に死ぬ事が圧倒的に多い。
繁殖力が非常に強く、すぐそれなりの大きさに成長するので、熊系モンスターなど大型の捕食者の手頃な餌となっている。
ゴブリンだけを喰らい、土地を育む糞を撒き散らす、【小鬼喰蚯蚓】というモンスターも居るくらいだが、それはともかく。
生態系の底辺を支える役割を担う事が多い種族――それがゴブリンだ。
その為、十五年以上を生きるこのゴブリンはかなり珍しい部類となる。
自然淘汰だけでなく、ヒトに駆除される事も多いので、老ゴブリンが相当の修羅場を潜って来たのは間違いない。
そして長生きに伴い蓄えられた知識や経験は、普通のゴブリンとは比べ物にならないほど膨大だ。こうして強力な毒物を造っている事から見ても、驚異的と言っていいだろう。
「裏じゃぁナイフぅを研いでぇ、狙ってらぁー」
現在彼が造っている毒薬は、獲物を仕留める矢に塗布する為のモノだ。
本来なら鏃に薄らと塗る程度だが、液体の状態で塗布するやり方では、普通の不器用なゴブリンではうっかり自分か味方を傷つけ、自滅する可能性が高い。
滴った毒が、皮膚から浸入する事もある。
その為、老ゴブリンは毒薬に粘着性を付与する事にした。毒矢にした時の取り扱いの容易さを重視し、被害を抑えようとした結果だ。
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