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夜深の章
燃ゆる肌の交わり ★
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アリオール・ハウスで、主たちを出迎えたバレリオは
「おかえりなさいませ」
とそう告げたのみで、客人というよりは、ジョルダンとグレイシアの関係を正しく理解しているような対応だった。
「何かございましたらお申し付けください」
折り目正しく体を折って、告げるとバレリオは下がっていきジョルダンの部屋へとグレイシアは足を踏み入れる。
すでに……その部屋に入る事への躊躇いはなくて、自然な動きだった。
脱いだ白の手袋を側の椅子に置いて、ジョルダンのその手は、グレイシアのロンググローブをするりと脱がせ、その指を絡めるように掌を合わせて、テールコート越しのその身体を寄せて頬と耳の境にキスをする。
熱い吐息が、素肌をかすめ産毛さえ神経があるような心地がする。そして応えるかのようにグレイシアもまた大きく息を詰めて、そして熱のこもった吐息をかえしていく。
すでに……馬車で漂っていた淫靡な気配はその濃度を濃くして、二人を覆って、それは熱をより熱くしてしまう。
殊更にゆっくりと、キスを繰り返す唇は耳からそして首へと移りゆきそして、ドレスの紐に手がかかりじんわりと、音もなくほどかれてゆく。
ともすれば性急にその先を求めてしまいそうな心地を焦れったいくらいギリギリまで堪える事で、余裕の具合をお互いに探り合う。
唇が触れるのは頬とそれからドレスのない首と胸元。
「今日のドレスは……貴方が着せたのよ……?」
「そうだね」
滑らかなシルクのブルーのドレスは、心地よく肌に触れていて、ひんやりとしていたその生地も今はグレイシアの熱を帯びて暖かくなっている。
絡み合った指を離して、グレイシアは結いあげていた白金の髪からピンを抜きとって、その背にほどかれた長い髪を下ろして手でゆっくりとすいた。
緩められていたドレスの紐は、その動きと共に衣擦れの音をさせて滑り落ちる。
「今夜はもう、じゅうぶん……焦らされたわ」
黒のテールコートのボタンに手をかけて、内側から胸に手を這わせて肩から脱がせる。
首元を飾るお堅い白いタイに指をかけて、グレイシアは
「こんなもの……不要よ」
そう粒やいた。
揺らぐ蝋燭の灯りが、グレイシアの白い肌を染めてより上気させて見せて、そしてジョルダンは、彼女のその手によって抜き取られたタイの行方を見送った。
皺のない艶やかなベストと糊の効いたシャツも一気にボタンをはずされると、若々しくしなやかに鍛えた身体が現れて、グレイシアの唇はその喉仏に這わせ、そしてその手は次にやがてスラックスに伸びて……。
グレイシアのなすがままに様子を伺うジョルダンは、美しいコルセット姿の彼女の髪を撫で、その感触を確かめつつ指に絡めさせていく。
寝台に座ったジョルダンのスラックスを脱がしてしまえば、彼の方は完全な一糸纏わぬ姿で、そこにゆっくりと舌を這わせるグレイシアは、美しい猫のようにしなやかな動きを見せつけた。
「……っ……今夜は………ずいぶんと、大胆だね」
呼気を荒くさせながらも、その恥態にうっすらと笑みを浮かべる。
「貴方が……そうさせるの」
なぜか、ジョルダンの前では...大胆な振る舞いをしてしまう。
それは...彼が夫ではないから?
グレイシアが、彼の愛人?それとも情人?どちらが……より適切な言葉なのか
ただ、分かることはジョルダンと、グレイシアは……ただの男と女で……。
縛るべき紙切れがない。だからかも知れない……繋がりのない関係は、今この時を終えれば次は会うこともないかもしれない。その事を知っているから。そんな刹那的な二人だから。
グレイシアの手によって、ジョルダンの男性の証は力強さを得てぐんと、手を押し返す。そしてその先にゆっくりと唇をつけて、彼に見せつけるように含んでゆく。
ジョルダンの呼気は荒くなり、その伸ばした手がその白い肌の肩に流れる白金の髪を纏めてグレイシアの行為をゆったりと見つめた。
「……っ、……は……っ……」
堪えた息がジョルダンから、呻くような音を聞かせ、グレイシアは唇を離した。
肩を押さえたグレイシアは、そのまま体をコルセットとペチコートに隠したままに彼の上にのり、ゆっくりと重ならせて腰を揺らめかせる
淫らな音が衣越しに耳に伝わり、彼女の秘所が愛液を溢れさせてる事を伝えてくる。
膨らんでゆく花芯と、彼の屹立が擦り合わさりグレイシアもまた息を荒くさせる、その動きにあわせてジョルダンはコルセットの紐を緩めて、柔らかな乳房を露にさせそこに唇を這わせた。
「……あっ……」
甘い声が漏れて、さらにとろりと合わさった下肢に愛液が溢れてさらに音を大きくさせる。
「んっ」
グレイシアの眉がひそめられ、官能をつたえる。
「……っふ……あ、もう、きて……」
「まだ……駄目だよ」
ジョルダンは、そう言ってグレイシアを下に組敷くと、これまでゆったりと彼女のすることをすべて受け止めていた、そのそぶりをふり払い、荒々しいくらいの口づけをした。
「……っぅ、ん……」
合わさった唇からは、唾液が光り湿った音を響かせる。
捲り上げたペチコートの裾から太股をなぞり、そして淫らな音を響かせていた秘所を探り当てた。
「……すごく……濡れてて……吸い付くみたいだ」
官能で昂ったその声は掠れがちで男性の色気を感じさせてゾクゾクとさせる。指が蜜を垂らすその中へと忍びはいると、グレイシアは背を反らせて喘ぎを大きくさせて、アイスブルーの瞳を潤ませた。
「……貴方がそうさせるの」
首に手を伸ばして近づけさせて、キスをねだるように囁く。
「俺をこんな風にさせるのも君だ」
すこし荒っぽさのある響きの発音は、いつもの貴族的な美しい響きとは違ってまたそれゆえに、体の中の指を締め付けた。
指で愛撫される度に、淫らな音をたてて、唇からは甘い喘ぎを絶え間なく響かせる。ひくつかせる体の上をゆっくりとさがり、ジョルダンは指を塗らしたそこへと唇を寄せた。
膨らんだ花芯を舌先で擦り、そして指は蜜を垂らすその中をかき混ぜるように愛撫を加えて、グレイシアの官能を一気に押し上げていく。
「あああっ!……っん……イッちゃう」
体を跳ねさせたそのグレイシアの中へと、ジョルダンは蠢くそこへ自身をあてがうと、一気に貫いて、グレイシアの悲鳴のように喘がせた。
「やっあ……ぁ……っ!!」
体を折るかのように、激しく責め立てれば、結合部分からはぐちゅぐちゅとはしたないほどの音がして、肌を打ち合う音と共に夜の寝室に響き渡る。
「…ああっ…また……っ……」
断続的に押し寄せる快楽の波はとめどなくて、グレイシアは髪を乱し、身を震わせ続ける。
片足を肩にかければ、さらに深くなる抽挿はグレイシアの最奥を抉り、声にならない位の快楽をもたらした。
「ああっ!も……ぅだめ……!」
「も……う、だめ?……嘘だ」
ジョルダンは微笑むと、グレイシアをくるりとうつ伏せにして腰を高くして後ろからさらに突き続ける。
「んぅっ」
「ああ……やっぱり、ここまでぐっしょりだ……」
愛液のついた指をつ、と、後ろの方の穴をなぞられると、グレイシアはビクビクと体を震わせた。
ゆっくりとぬるぬるした指先を埋め、中の壁越しに感じる所を刺激されれば官能の渦はグレイシアの全ての神経を巻き込んで襲いかかる。
後孔と、蜜壺とそれから花芯を同時に攻められてグレイシアは一気に脳裏が真っ白におおわれて、一瞬気を失ってしまった……。
指で広げられた後孔に、一度抜いた彼の蜜に濡れた屹立はゆっくりと押し広げつつ入っていき、その感覚にグレイシアの意識は戻りそのまた新たな感覚が、痛み以外の甘い疼きを連れてやってくる。
「……ゆっくり……動くよ」
動きを敏感に伝えるその感覚にグレイシアは短く言葉にならない声をあげる。
「あ……ん、あああっ」
蜜のぬめりの助けを借りて、彼のものは次第に大胆に突き上げ、動きを激しくしていきグレイシアをまた翻弄していく。
高まりすぎた感覚はすべてを快楽として受け止めて、辛いような極まりすぎて、何もかもが遠く、ただ官能の世界だけが拓かれていた。
「……中で……いくよ…………」
ジョルダンは息を荒くさせ、動きを一気に早めるとその奥で情熱を弾けさせ、グレイシアもその感覚でまた何度目か果てに上り詰める。
激しい情交は、その高みのままにグレイシアを微睡みへと導いてゆく………何の縛りもない世界へと。
「おかえりなさいませ」
とそう告げたのみで、客人というよりは、ジョルダンとグレイシアの関係を正しく理解しているような対応だった。
「何かございましたらお申し付けください」
折り目正しく体を折って、告げるとバレリオは下がっていきジョルダンの部屋へとグレイシアは足を踏み入れる。
すでに……その部屋に入る事への躊躇いはなくて、自然な動きだった。
脱いだ白の手袋を側の椅子に置いて、ジョルダンのその手は、グレイシアのロンググローブをするりと脱がせ、その指を絡めるように掌を合わせて、テールコート越しのその身体を寄せて頬と耳の境にキスをする。
熱い吐息が、素肌をかすめ産毛さえ神経があるような心地がする。そして応えるかのようにグレイシアもまた大きく息を詰めて、そして熱のこもった吐息をかえしていく。
すでに……馬車で漂っていた淫靡な気配はその濃度を濃くして、二人を覆って、それは熱をより熱くしてしまう。
殊更にゆっくりと、キスを繰り返す唇は耳からそして首へと移りゆきそして、ドレスの紐に手がかかりじんわりと、音もなくほどかれてゆく。
ともすれば性急にその先を求めてしまいそうな心地を焦れったいくらいギリギリまで堪える事で、余裕の具合をお互いに探り合う。
唇が触れるのは頬とそれからドレスのない首と胸元。
「今日のドレスは……貴方が着せたのよ……?」
「そうだね」
滑らかなシルクのブルーのドレスは、心地よく肌に触れていて、ひんやりとしていたその生地も今はグレイシアの熱を帯びて暖かくなっている。
絡み合った指を離して、グレイシアは結いあげていた白金の髪からピンを抜きとって、その背にほどかれた長い髪を下ろして手でゆっくりとすいた。
緩められていたドレスの紐は、その動きと共に衣擦れの音をさせて滑り落ちる。
「今夜はもう、じゅうぶん……焦らされたわ」
黒のテールコートのボタンに手をかけて、内側から胸に手を這わせて肩から脱がせる。
首元を飾るお堅い白いタイに指をかけて、グレイシアは
「こんなもの……不要よ」
そう粒やいた。
揺らぐ蝋燭の灯りが、グレイシアの白い肌を染めてより上気させて見せて、そしてジョルダンは、彼女のその手によって抜き取られたタイの行方を見送った。
皺のない艶やかなベストと糊の効いたシャツも一気にボタンをはずされると、若々しくしなやかに鍛えた身体が現れて、グレイシアの唇はその喉仏に這わせ、そしてその手は次にやがてスラックスに伸びて……。
グレイシアのなすがままに様子を伺うジョルダンは、美しいコルセット姿の彼女の髪を撫で、その感触を確かめつつ指に絡めさせていく。
寝台に座ったジョルダンのスラックスを脱がしてしまえば、彼の方は完全な一糸纏わぬ姿で、そこにゆっくりと舌を這わせるグレイシアは、美しい猫のようにしなやかな動きを見せつけた。
「……っ……今夜は………ずいぶんと、大胆だね」
呼気を荒くさせながらも、その恥態にうっすらと笑みを浮かべる。
「貴方が……そうさせるの」
なぜか、ジョルダンの前では...大胆な振る舞いをしてしまう。
それは...彼が夫ではないから?
グレイシアが、彼の愛人?それとも情人?どちらが……より適切な言葉なのか
ただ、分かることはジョルダンと、グレイシアは……ただの男と女で……。
縛るべき紙切れがない。だからかも知れない……繋がりのない関係は、今この時を終えれば次は会うこともないかもしれない。その事を知っているから。そんな刹那的な二人だから。
グレイシアの手によって、ジョルダンの男性の証は力強さを得てぐんと、手を押し返す。そしてその先にゆっくりと唇をつけて、彼に見せつけるように含んでゆく。
ジョルダンの呼気は荒くなり、その伸ばした手がその白い肌の肩に流れる白金の髪を纏めてグレイシアの行為をゆったりと見つめた。
「……っ、……は……っ……」
堪えた息がジョルダンから、呻くような音を聞かせ、グレイシアは唇を離した。
肩を押さえたグレイシアは、そのまま体をコルセットとペチコートに隠したままに彼の上にのり、ゆっくりと重ならせて腰を揺らめかせる
淫らな音が衣越しに耳に伝わり、彼女の秘所が愛液を溢れさせてる事を伝えてくる。
膨らんでゆく花芯と、彼の屹立が擦り合わさりグレイシアもまた息を荒くさせる、その動きにあわせてジョルダンはコルセットの紐を緩めて、柔らかな乳房を露にさせそこに唇を這わせた。
「……あっ……」
甘い声が漏れて、さらにとろりと合わさった下肢に愛液が溢れてさらに音を大きくさせる。
「んっ」
グレイシアの眉がひそめられ、官能をつたえる。
「……っふ……あ、もう、きて……」
「まだ……駄目だよ」
ジョルダンは、そう言ってグレイシアを下に組敷くと、これまでゆったりと彼女のすることをすべて受け止めていた、そのそぶりをふり払い、荒々しいくらいの口づけをした。
「……っぅ、ん……」
合わさった唇からは、唾液が光り湿った音を響かせる。
捲り上げたペチコートの裾から太股をなぞり、そして淫らな音を響かせていた秘所を探り当てた。
「……すごく……濡れてて……吸い付くみたいだ」
官能で昂ったその声は掠れがちで男性の色気を感じさせてゾクゾクとさせる。指が蜜を垂らすその中へと忍びはいると、グレイシアは背を反らせて喘ぎを大きくさせて、アイスブルーの瞳を潤ませた。
「……貴方がそうさせるの」
首に手を伸ばして近づけさせて、キスをねだるように囁く。
「俺をこんな風にさせるのも君だ」
すこし荒っぽさのある響きの発音は、いつもの貴族的な美しい響きとは違ってまたそれゆえに、体の中の指を締め付けた。
指で愛撫される度に、淫らな音をたてて、唇からは甘い喘ぎを絶え間なく響かせる。ひくつかせる体の上をゆっくりとさがり、ジョルダンは指を塗らしたそこへと唇を寄せた。
膨らんだ花芯を舌先で擦り、そして指は蜜を垂らすその中をかき混ぜるように愛撫を加えて、グレイシアの官能を一気に押し上げていく。
「あああっ!……っん……イッちゃう」
体を跳ねさせたそのグレイシアの中へと、ジョルダンは蠢くそこへ自身をあてがうと、一気に貫いて、グレイシアの悲鳴のように喘がせた。
「やっあ……ぁ……っ!!」
体を折るかのように、激しく責め立てれば、結合部分からはぐちゅぐちゅとはしたないほどの音がして、肌を打ち合う音と共に夜の寝室に響き渡る。
「…ああっ…また……っ……」
断続的に押し寄せる快楽の波はとめどなくて、グレイシアは髪を乱し、身を震わせ続ける。
片足を肩にかければ、さらに深くなる抽挿はグレイシアの最奥を抉り、声にならない位の快楽をもたらした。
「ああっ!も……ぅだめ……!」
「も……う、だめ?……嘘だ」
ジョルダンは微笑むと、グレイシアをくるりとうつ伏せにして腰を高くして後ろからさらに突き続ける。
「んぅっ」
「ああ……やっぱり、ここまでぐっしょりだ……」
愛液のついた指をつ、と、後ろの方の穴をなぞられると、グレイシアはビクビクと体を震わせた。
ゆっくりとぬるぬるした指先を埋め、中の壁越しに感じる所を刺激されれば官能の渦はグレイシアの全ての神経を巻き込んで襲いかかる。
後孔と、蜜壺とそれから花芯を同時に攻められてグレイシアは一気に脳裏が真っ白におおわれて、一瞬気を失ってしまった……。
指で広げられた後孔に、一度抜いた彼の蜜に濡れた屹立はゆっくりと押し広げつつ入っていき、その感覚にグレイシアの意識は戻りそのまた新たな感覚が、痛み以外の甘い疼きを連れてやってくる。
「……ゆっくり……動くよ」
動きを敏感に伝えるその感覚にグレイシアは短く言葉にならない声をあげる。
「あ……ん、あああっ」
蜜のぬめりの助けを借りて、彼のものは次第に大胆に突き上げ、動きを激しくしていきグレイシアをまた翻弄していく。
高まりすぎた感覚はすべてを快楽として受け止めて、辛いような極まりすぎて、何もかもが遠く、ただ官能の世界だけが拓かれていた。
「……中で……いくよ…………」
ジョルダンは息を荒くさせ、動きを一気に早めるとその奥で情熱を弾けさせ、グレイシアもその感覚でまた何度目か果てに上り詰める。
激しい情交は、その高みのままにグレイシアを微睡みへと導いてゆく………何の縛りもない世界へと。
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