アオに染まる💙

陽紫葵

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アオに染まる💙

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その日、実家に帰る前に、最寄り駅近くの喫茶店に入った。
お母さんには連絡してないし、一息ついてから行こうと思った。
注文をし、待っていたら、
「あれ?戸鞠さんじゃない?」
足立さんだった。
「久し振りね。家、この近くだっけ?」
「はい」
「いいかなぁ?ここ座っても」
「はい」
向かいの席に座ってから、手を上げ、飲み物を注文した。
「ごめんなさいね。会社、急に辞めちゃって、びっくりしたでしょ?」
「えぇ、まぁ、少し」
「戸鞠さん、今は2課の方でやってるんでしょ?」
「はい。あの、今村さんに色々聞きました」
「色々?」
「高校の同級生だって事とか、会社作った事とか」
「そっか。戸鞠さんはどう?今の仕事。不満じゃない?」
「え?」
「青木くんと、やってた時、イキイキしてたわよ。今はどう?」
「どうって・・・」
確かにそうだ。どこか、ざわざわしている。
赳央くんとの関係だけじゃない。
仕事に対しても、どこか、モヤっと感がある。
「私たちの会社、この近くなの。見に来ない?」
「えっと、」
「無理に誘ってるわけじゃないのよ」
「はい」
「今日は休みだけど、打ち合わせがあって集まることになってるの」
少し、興味があった。
足立さんについて行くことにした。
歩いて数分の所にあった。
敷地内には大きい工場と、奥に住宅、工場のが駐車場になってて、その奥にプレハブが建ってて、
「ここよ」
と言って、中に入った。
中には、3人いた。
古田さんは
「あ、戸鞠さん、久し振り」
「お久し振りです」
「彼女が、社長の西原巴さん」
「こんにちは」
「こんにちは」
足立さんが前以て連絡していたようだ。
もう一人は、
「谷口温人くん。俺の大学の後輩なんだ」
と、古田さんが言った。
「よろしく」
「よろしくお願いします」
西原さんが、
「戸鞠さんって、珍しいと思ってたけど、この辺によくある苗字なのかしら?」
「私は、他には知らないですけど」
「そうなの?うちの従業員にも戸鞠って苗字の人いるのよね」
あ、もしかして。そうだ、お母さんの勤務先って、西原縫製ってとこだった。
「うちの、母かもしれない」
「礼子さん?」
「はい、そうです」
「そうなんだ?奇遇よね。礼子さんの娘さんかぁ。お母さんには随分お世話になってるわ」
「いえ、こちらこそ」
「へぇ、凄いわね」
と、足立さんが言った。
「私たちの会社は、こんなで、まだまだ規模も小さい。少人数で、やってるけど。無理に広げる気はなくて、みんな好きなように、伸び伸びとやれる環境を作りたいって思ってる」
と、西原さんが説明してくれて、やりかけの仕事も見せてくれた。
足立さんが、
「どう?興味持った?」
「うん。でも、」
「すぐには決められないよな」
と、古田さんが言った。
「この人たちの中に、僕一人年下だから、戸鞠さんが入ってくれたら、助かる」
と、谷口さんが言ったら、3人同時に目線が行って、ビビっていた。
足立さんと連絡先を交換し、帰って来た。
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